つい先日のことだった。
同居の家族が電話をとると、それは訊き覚えのない名字を名乗る男性からのもの。
ひどくなまっているし、興奮した声で話すその男性を、
初めは営業電話と思ったらしい。
ところが、よくよく話を聞いてみると、
その男性は被災した東北の人であり、
なんとオイラが3月まで乗っていたシビック・ハイブリッドを購入したのだという。
激安で入手したであろうそのシビック君の、
あまりの燃費の良さにとても驚き感動したので、
オイラに電話をしようと思い至ったのだと言う。
「ありがとう、ありがとう」と、心底から感激していた様子だったと。
しかしながら、オイラの心境は複雑だった。
自分の愛車がスクラップにならずに、次の主人を見つけたのは嬉しいが、
そもそも手放した理由は、
旧世代なシビック君のアシストバッテリーがあと2年ももたないとわかっていたからだ。
現世代のハイブリッドカーには、
アシストバッテリーに実質寿命がないというインパクトは大きかったのだ。
中古車として販売されたシビック君のアシストバッテリーが、
交換されているのか定かでない。
もしも2年後に寿命がくると実費で40万円くらいするかもしれない。
しかも旧世代のアシストバッテリーを、新世代のものに置き換えは不能だという。
中古業界で旧世代のハイブリッドカーを販売するには、
この旧世代アシストバッテリーの問題を避けて通ることができない。
時間があったら、中古業界へ取材しに行ってみる。