4/19(木)、渋谷東急内にあるBunkamura ザ・ミュージアムに赴いた。
TV東京で放映された「美の巨人」に特集された
画家ヨハネス・フェルベールの描いた「地理学者」が、日本へ初上陸していたからだ。
このあと、愛知でも開催されると。
今回の展示会について、主催者はこう述べている。
1 ヨーロッパ屈指のオランダ・フランドル絵画コレクションを有する
シュテーデル美術館が改装を行うため実現
「海外にまとめて作品を貸し出すのは、これが最初で最後」
2 展示作品95点のうち、実に90点が日本初公開
3 17世紀オランダ美術黄金期を代表するフェルメール作品の魅力は、
繊細な光の描写や美しい色彩が放つ圧倒的なまでの作品の質の高さと、
三十数点しか確認されていない作品の希少性
フェルメールについては、
かつて発刊されていた「週刊 西洋絵画の巨匠」第4号にて目にしたことがあった。
最も有名なのは、「真珠の耳飾りをした少女」という作品らしい。
残念ながらその作品には、今回お目にかかれなかったのだが、
十分に収穫があったので満足している。
実は、有名絵画のホンモノを目にするのは、これが初めてだったのだが、
それでもいくつかの発見があって驚いている。
先ず写真やDVD・ポスターなど現代ではかなり精巧にできているコピー、
そのどれをみても、ホンモノには絶対に敵わないという事実に気付いたこと。
とても基本的なことかとは思うが、これについては自分で体現しないことには
どうやっても理解できないだろう。
逆にこれが理解できたとなると、なんでも鑑定団に出ているプロに少しだけ近づくことができる。
ニセモノを掴まされる確率が減るというものだw
どういうことかというと、コピーにはどうしても一枚の薄膜がかかったようになっている。
今回の展示作品は、ほとんどが薄めのタッチで描かれており、
油絵独特なコテコテにてんこ盛りなタッチというのがほとんどなかった。
にもかかわらず、わずかな筆遣いな立体感を損なっているのだろうか、
ホンモノをみてからコピーをみると、「まるで違う!」と明らかになってしまうのだ。
特に今回集まってきた主に精密画だと、これが顕著になるのだろう。
精密画の中でも傑作だと思ったのは、
コルネリス・ド・ヘームという画家が描いたという
「庭の欄干の前の野菜と果物のある静物」という作品だった。
この中に、ナイフで切り開かれた「メロン」と、
白地に青で色彩された「磁器」があるのだが、
これがまるでセロのマジックかと思うほど写真、いや実物そのものにみえる。
なんでも鑑定団の中村先生がみたとしたら、
「いやぁ、イイ仕事してますねぇ~♪」
と絶賛するに違いない。
というか、きっと御本人はもう目にしていて、実際にそう言ったのではないか???
ヘラルト・テル・ボルヒという画家の描いた
「ワイングラスを持つ婦人」の場合には、
銀製の筆記用具に目がいくだろう。
どういう描き方をしたら、あ~したリアルな銀製品が描けるのか。
その他の画家も只者ではなくて、
なんとも小さなキャンバスに、どうしてあ~も細かい木々が描けるのか、
いったいどんな筆を使っているのか実際にみてみたいと思うことしきり。
想像するに、精密画というのは初心者ほど分かりやすいのではないか?
これがわからないとピカソなんぞへは、とてもたどり着けないのではないか?
本年度末には、また異なるフェルメールがやってくると予告が打ってあった。
実に楽しみだ。