今回の地震で為替相場は一時クロス円を中心に暴落しました。
この時に損された方はかなり多いと思います。特に、80円を割り込み、その後に一時76円台まで下落した時には狼狽された方も多かったと思います。特にAUD/JPYに至っては一週間で8円近く動くという極端さでした。
この80円を割った後の暴落は明らかに仕掛け売りなのですが、これはFXを行っている以上仕方が無い事だと思います。それと同時にこういう事態を未然に防ぎ、国民の利益を守れない現在の民主党政権にはさらに嫌気が差します。
こういう仕掛けに関しては全ての通貨ペアが抱えているリスクなのですが、主要通貨ペアの中でこのような事をされてしまうというのが現政権の情けない状況だと思っています。
ウェリントンタイムの仕掛けということで以前、日記に大損したことについて書いた( http://minkabu.jp/blog/show/317504 )のですが、今回はこの大損を普段のトレードとは別にほぼ一撃で取り返した時の事を書きます。
7月2日の雇用統計の後、私はAUD/USDのロング、EUR/USDのロングを持ち、かなり幸せな利益モードに突入していたのですが、それでもあの損失のことは忘れられませんでした。これは、お金の問題というよりも感情の問題なので良いことではないのですが、この時に以前行っていた株式とFXの違いについていろいろ考えました。そして以下の理由が有り、よりFXへと傾倒していきました。ただ、これはあくまでも兼業トレーダーであること、FXが利益的にも感覚的にもツボに来てしまった私の感覚なのでFXと株式を行っている人で株式の方がはるかに利益を上げられている人も居ます。
株式、FX両方行う方、現在片方は行っているものの、もう片方はこれからという方には参考になると思います。
1. 時間
日本の株式は9時~15時(途中休憩有り)
FXは24時間であるが、16時位~27時位が最も良く動く。
専業トレーダーで無い場合、日本の株式タイムは多くの人にとって仕事時間。特に寄り付き前の板状況やIR発表が通勤時間に重なり見れないのはかなりのハンデ、FXでの海外重要指標の時間が夜であるのは兼業の人にはかなり有利。(この辺り欧米の人にとってはどうなのかは非常に気になるところです。)
2. 取引量
日本株とFXでは一日あたりの総取引量が比較にならないくらいFXの方が大きい。
株式の1銘柄1銘柄に関してはFXの1通貨ペアよりかなり取引量が少ないのでテクニカルの信用度がFXの方が高いと思っています。それと今回のタイトルに書いたことなのですが、株式は結果として取引量が少ないため(銘柄数が多いので当然ともいえます)『FXでは参戦している人が動かしている流れに乗る"参加"の個人が多い』のに対し『株式では結果的にいきなり参戦を強いられる人が多い』と思います。プロが多数動かしている相場ですから当然、参加/参戦の意思を自分で決められる方が有利なのは間違いないところですが、私はこの面においてFXは有利ではないかと思っています。
3. レバレッジ
FXの方が短時間に金額も大きく動く。
兼業の場合、どうしても相場に割ける時間の割合が多くは無いのでここは非常に重要ですよね。もちろんレバレッジがかかるぶん、損する時も効率が良い状況になるので『準備』が非常に重要になってきます。
4. スワップポイント
株式でも配当はあるが、これが毎日付与されるというのは大きい。
これがある為にスワップ派という人達まで居る状況。私も最初は『含み損があってもいつかスワポで解消できるよねぇ、それにオーストラリアは今すごく景気よいみたいだしこの数ヶ月は騰がっていくから損切り不要!』なんて思っていました。
5. マイナスサムゲームか否か。
これが実は一番大切と思っています。
手数料、配当を考えなければゼロサムゲームと思われがちなのですが、実際にはなくなってしまう会社も相当数あるのでマイナスサムゲームと言い切れます。
しかし、FXの場合はいわゆる実需筋の買いという投機や投資と関係無い人達の売買があること(特に豪ドルなんてほとんどの場合、資源を買うための買いが多いでしょう)、主要通貨に関しては株式の上場企業の様に無くなってしまうという事はほぼ無い事、スワップポイントの事を思うとプラスサムゲームに近いと思います。
そもそもマイナスサムゲームであるところに長く参加するよりも、プラスサムゲームに参加するほうが儲かる確立は高いと思っていたので、GBP/CHF以外は買い目視線に居ることが多いです。特にAUDに関してはほぼショートすることはしていません。
このうちの2.の『取引量』、以下の動画を見たときにここに注目しました。(損切りを出来ないでいるとどうなるのか?という面でも参考になると思います。)
この人はGBP/JPYで10万円くらいから6億まで増やし、そしてここから3億損切るというすごい動画なのですが、この人は夜の流通量が多い時間に16000枚が切られることで動いたのですが、『これが流量の少ない時間に流通量の少ない通貨で必要証拠金も少ない通貨だったら・・・』と考えました。
又、もし自分の意思で参加と参戦のモードを切り替えられたらさらに有利と考えました。
私はわりとNYクローズ間際の最後落ち着いた状態がしばらく続き、手仕舞いモードでババババっと動き、最後にパタリと静かになる様子を見るのが好きで(これはFXをやる前の段階からそうでした)この時に気が付いたのですが、海外を含め多くのFX業者がNYクローズ前後に少しサーバーメンテ等でお休みを取るみたいなんです。
さらには以前から気になっていたのですが、AUDとNZDは木曜日の早朝は3倍スワポ後という事でいったん利食いする人が多いのかなんなのかいったん下落する傾向があり、ここを狙らう事にしました。
レバレッジ100倍で出来る日も7月末までだったので100倍の時にできる最後の花火という様な意味合いもありました。私1人では資金が全然足りないのでいろんな知人、特に1000倍で取引できる海外の人とも打ち合わせを重ね、7月末の早朝に3000枚分のNZDを売ることにしました。NZDにしたのは以下の理由です。
1. 丁度この時にAUDほどには強くなかった。
2. 流通量が少なく、普段から値段が飛ぶ傾向にある。
3. NZDの様な流通量の通貨に対してGSやクレディスイスの様な超大口が私の売りに対してカウンターパンチを仕掛けてこないと思っていた。(後でこれはそんなこと無いことを知ることになりました)
4. NZDには以前から一瞬(ある1分とかではないです、本当に1秒とか2秒で動く)で10pp位動く実需なのか仕掛け売りなのか指標でも無いのに大きく動くことがあった。
これは成功する確率は非常に高いと自信があったと同時に、もし失敗したら知人から致命的に信用を失うと思っていました。こういう感情は良くないのですが、極めて個人的な気持ちとして『このやりかたで勝ちたい』というのがあり、決行しました。
クリックする手が震えましが、結果・・・NZD/JPYは5秒位で40pp下落!記録的大勝利、その時の高揚感はそれまでのトレードと比較にならないものでした、ただ、そこから時間の経過と共に『こんなFX初めて1月チョイの人が国の価値を動かしてよいのか?』という罪悪感にも近いへんてこな気持ち。一方で、『8月と12月は閑散相場か・・・次の作戦を今から考えよう・・・』という事を考え、12月はGBP/CHFでかなり派手にあれこれと行いました。(ある人の日記にちょっとレスポンスでそのことについて記述しています。)
参戦、これは通常の参加という形のトレードよりも利益効率は非常に高いです。株式でも新興系の銘柄であれば学生のグループでも株価操縦というのは行われているので為替でも当然これは可能なのですが、『利益効率は非常に高い』ということは『損失効率も非常に高い』と言える(有利不利ではなく、全ては状態でしかないのです)ので、気をつけましょう。
この時位からEUR/USDの様に圧倒的に大きな流通量のある通貨ペア、意図的に長期だったりスワポ狙いのポジション以外ではほとんど持ち越しを行わなくなりました。