★「核爆発災害」高田順著 中公新書 P207~210のまとめ(一部改変抜粋)
1 半減期の短い核種ほど危険/長い核種は放射能が断然に低い
「半減期が100日と1日の核種の放射能を比較してみよう。
今、核種の個数を、それぞれ同数とすれば、前者の放射能の値は、後者の100分の1しかない。
また、半減期が30年の核種の場合には、1万分の1だ。
一年間以上残留する半減期の長い核種は、放射線としての危険度は低い」
「残留核汚染のあるチェルノブイリ周辺の一部地域の年間線量は、
事故後二十年経つ現在、レベルDからD+。
ロンゲラップ本島での年間線量は、レベルEである。安全である。
どちらの被災地も、放射線障害の原因は短期核ハザードにあった。
数年後に発生した甲状腺がんなどの後障害の原因は、長期核ハザードにあるのではない」
2 社会不安を形成するテロ的要因に負けてはならない
「放射線障害には、急性障害のほかに、後年発症する悪性腫瘍などの障害がある。
この後障害と、継続性のある長期核ハザードの存在が心理的に関連付けられ、
社会不安を形成することになるが、これこそ敵国の思うツボである。
核兵器が使用された広島のゼロ地点では、70年間草木は生えないとされ、
それは私たち日本人の耳に、強烈な言葉として残った。
そして、その後、白血病が多発した。
その広島・長崎が生み出した社会心理的恐怖は、
チェルノブイリ事故後の被災者とその社会へも伝播した。
その直後の妊娠中絶の一時的な増加は、社会心理的影響の例である。
食用ヘラジカの大量処分は、社会の過剰反応と言える」
「核テロの狙いのひとつには、社会心理的混乱があると言われる。
核兵器テロのような大災害を発生させなくても、放射線核種をまき散らす
ダーティボムで、そうした社会心理的影響を受けると考えられている。
過剰な心理影響を受けないためにも、核ハザード理論の社会認識は重要である」
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驚いたことに、半減期二万四千年というプルトニウムは脅威ではなさそうだ。
ウランも同様ということになる。
しかし、アフガンへリクルーターに騙されて徴兵された米国民間兵が、劣化ウラン弾に汚染された食糧と水を口にするしかない状態で白血病を起こし帰国し、あまりの医療費の高さで破綻状態にある話が、
貧困大国アメリカにあった。
オイラの心は揺れているが、
この場では高田氏の話を信じたい。
というのも、彼の証言は現地取材、それも広島・チェルノブイリ・ビキニ島の話など、
実際の被曝者に接した上の学術的考察になっている。
忘れてはいけないのは、軍事兵器と原子力発電所とでは、
使用されているウラン濃度が桁違いに異なっているという点だ。
堤氏の貧困大国アメリカにある話は、劣化ウラン弾という軍事兵器の影響を、
高田氏の長期核ハザードの話は、原子力燃料の影響を
それぞれ述べているのだと判断できれば、結果は明らかだ。
高田氏の言うとおり、敵国の罠にはまってはいけない。
この話を元に展開されるであろう汚染農作物と汚染水問題を通じて、
日本をTPPへ引きずり込もうという某国の戦略を
果敢に打破しないといけない。
短期ハザードに対する防御法は、他ネットに掲載されているが、
時間ができたらオイラも掲載することにする。