元祖SHINSHINさんのブログ

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放射線恐怖に対する福音書

3/18(金)、ガソリン満タンにした後でみつけた書籍。

かつて起こった原爆や原子力発電所事故の詳細な取材・調査をもとにした、

放射線恐怖に対する、物理学者が書いた啓蒙の書。

 

これを読むと、例え大量の放射線を浴びても発がん率も低く、

元気に生きている人が意外なほどいるという事実にあたる。

逆からみれば、放射線災害を最小にできる希望がみえてくる。

 

オマケだが、携帯型核兵器についても知見を得られるw

 

★「核爆発災害 ~そのとき何が起こるのか~ 」

  高田順著 中公新書 860円+税 2007.4.25発行

 

第一章 奇跡の生存者にみる広島空中核爆発の直下

 爆心から五〇〇メートルの電車内で衝撃波を回避

 線量を大量に回避

 急性放射線傷害を克服

 直下の地下室で

 目撃された直後のゼロ地点 

 ゼロ地点からの脱出

 野村さんの線量回避と健康の回復

 江波山広島管区気象台技手が目撃したその時

 中性子による都市と人の放射化と黒い雨

 被災者の証言にみる距離別の災害の様子

 建造物の距離別の生存率

 直下五〇〇メートル圏内にいた七八人の生存者たち

 十六キロトンの空中核爆発による人的初期被害と生存率

 初期被害に続く白血病などの健康影響

 街の復興 草は生えた

 コラム 核兵器とは キロトンとメガトン

 

第二章 地表核爆発実験

 ビキニにおける十五メガトン熱核爆弾の地表実験

 その時の第五福竜丸

 百五十キロメートルの位置で初期被害はなかった

 核の灰が降る危険海域からの脱出

 船内の十三日間で発生した急性放射線障害

 日本の保健衛生及び医療対応と米国の補償

 肝炎ウイルスに感染

 米国のマーシャル諸島における核爆発実験

 その時のロンゲラップ環礁

 ロンゲラップ島民の急性皮膚障害

 米軍による二日間の放射線調査

 米軍によるロンゲラップ島民の救出

 ビキニ被災に対する米国の医学報告

 ソ連の実験影響調査

 ゼロ地点と周辺調査

 地下シェルター

 小型核兵器の実験跡

 核爆発後に突入した兵士たち

 まとめ

 

第三章 核爆発災害の科学

 核爆発の五つの特性

 ウランとプルトニウムの核の構成

 核力とエネルギー、百万電子ボルト

 三千以上の核種の大半は不安定

 質量がエネルギーになる

 核分裂で生じるエネルギーと核分裂生成物

 臨界質量 金属プルトニウム五キログラムで核爆発

 核融合

 核の崩壊と核放射線

 核爆発と火球

 ゼロ地点と核爆発の分類

 衝撃波とその伝播

 地下核爆発と大地衝撃波

 熱線

 閃光熱傷

 初期核放射線の被爆は最初の一分間

 空中核爆発のキノコ雲

 地表核爆発における核の雲

 空中核爆発後の中性子による都市の放射化

 核放射線の人体影響

 核放射線の透過力

 放射線に弱い組織と強い組織

 急性放射線障害における臨床症状と線量

 核の灰とベータ熱傷

 胎児に影響がある場合

 生殖腺に影響がある場合

 白血病、甲状腺がん、その他の固形がん

 内部被爆も線量理解が大切

 全身被爆における線量六段階区分とリスク

 危険な占領範囲のレベルAーC

 安全な占領範囲のレベルD-F

 レベルCとレベルDの間は職業被爆レベル

 核爆発災害における線量レベルの空間的な範囲

 核放射線の遮断

 コンピュータ情報通信網に対する脅威 電磁パルス

 電離層への影響

 電磁パルス発生のメカニズムと被害

 核の灰の降下

 短期核ハザードの防護が重要

 チェルノブイリ事故の一千万倍の放射能

 残留核放射線の減衰と時間経過の七倍法則

 まとめ

 

第四章 核に関わる危険な事態と技術

 日本が核攻撃を受ける事態

 核エネルギー施設自体は核爆発しない

 核エネルギー施設爆撃後の放射線災害

 核爆弾と核弾頭の技術 形態型から戦略核まで

 弾道ミサイルの開発と配備

 核弾道ミサイルの高速飛行と命中精度

 巡航核ミサイル

 地中貫通核ミサイル

 まとめ

 

第五章 被害と防護のシミュレーション 東京に弾道ミサイルが来たら

 被害と防護の予測計算方式 NEDIPSとRAPS

 二十キロトン核爆弾で東京都心は崩壊する

 空中核爆発で五十万人が死亡

 地表核爆発後の放射線災害

 情報通信網の破壊

 生存率を大幅に高める七つの自衛策

 被核武力攻撃事態に対する、政府の七つの課題

 

付録 フランスのおける国民保護核課題の関連情報

 フランス国防放射線防護支援部門

 フランスの緊急被曝医療と除染施設

 緊急時対応リモコンロボット部隊の実力

*******************************

 

たとえプルトニウム含有のMOX原料でも、

核爆弾と違い濃度が桁違いに低いので核爆発はしないそうだ。

 

この辺はホッとしたのだが、

しかし、プルトニウム239の物理的半減期は二万四千年であり、

実行半減期も骨格で100年、肝臓で40年だそうだ。

 

福島の第三原子炉にこのMOX原料が使用されていると目されているので、

炉心が融解してしまえば、プルトニウムが飛散してしまう恐れがある。

 

この著者は、チェルノブイリの事故後取材でセシウム汚染されたキノコを食べている。

何ともないのだが(セシウムの実行半減期は100日)、

プルトニウムだときついだろう。

 

福島原発の被害を最小限に抑えるには、

このプルトニウムを使用したMOX原料、つまり第三原子炉を封じ込むことしかなさそうだ。

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