普段自宅では全くTVを見ない私が,時計の針を気にしながらTVの前に座ったのは,
NHKスペシャル”無縁社会”の衝撃
2/11(金)7:30pm-8:45pm
を見るためだった。
単行本にさえなった前回の番組(「無縁社会」で検索すればYouTubeで視聴できます)
の続編,いわば「無縁社会に差す光」といった位置づけの内容。
上記番組タイトルに続く新聞のTV番組欄の文言は次の通り。
若者と働き盛りの叫び
失業・病・独り暮らし 結婚できない
ネットつながりが命綱
無縁地獄から立ち上がった人々の物語
番組内容の安易な要約は不正確を伴ったり誤解を生じかねないので,敢えて避ける。
ただ客観的な事実として少し気になったのは,番組に登場した人物のうち二人は煙
草を吸っていたこと。また一人の男性は,相当に肥満していた。後者は,無縁化的
生活のごく自然な一つの帰結,と容易に理解はされる。だが,それにしても,常軌
を逸するほど太ってしまう自己管理の弱い生活というのは如何なものか,である。
若い男性で,カブトムシの幼虫を近くの小学校に届けることを通じて社会とのつな
がりを復活していく事例が紹介されている。そうした自助努力をしようとしている
人は,いわゆる無縁化した人たちのうち何割ぐらいいるのだろう。むろんそれさえ
もできないほど金銭面で追い込まれてしまっている方も少なくはないのだろうが。
両親の離婚などに伴い,無縁化を強いられた未成年者には十分な政策的配慮が為さ
れるべきだと思う。
一方,成年者についてはどうなのだろう。よくは分からぬというのが正直なところ
である。様々な条件・境遇はむろんあるだろう。ただその人がどう生きていくかは
最終的に自己責任による(ところが大きい),というのが古今東西の真理と私は考
える。
The winds and waves are always on the side of the ablest navigators.
--Gibbon
どんな風も波も味方につける知性・知識や判断力・行動力,そしてそれらの基盤と
なる勇気が,先行き不透明と語られる昨今にあって,とりわけ欠かせない資質なの
ではないか。
日本の無縁社会化の現状について,たとえばアフリカの難民に見解を聞いてみたい
ものである。