よく株のテキスト本などをみると、トレーディングの基本として、損はできるだけ小さく、利益をなるべく伸ばすことが大切だと書かれている。
ひとたび購入銘柄が上昇しだしたら出来るだけ長く利益を伸ばすようにすると言われると確かになるほどと思う。
ただ実際自分で取引をやってみると、そんなに上手くいかないし、言うほど簡単ではないと言うことに気づく。
たとえばある銘柄に何か好材料が出てその次の日に10%とか急騰するとする。ここから出来るだけこの利益を伸ばそうとしても、翌日には上昇エネルギーが消えて、数日後には元の位置、もしくはマイナスとなってしまうこともよくあることだ。
10%上がっていた銘柄を結果的に5%で利益確定したり、最悪マイナスにしてしまったりすると、普通の人は非常に損をした気分になる。そして予想外にそれから下がりだしたりすると、心理的にも損切りするのも非常に難しくなってしまう。僕は恥ずかしながら未だに10回に1~2回損切りが出来ない時があるが大抵の場合こういう時だ(汗)。そして今勝率は6割なのに今年のトータルでは負けているというやりきれなさを経験している(苦笑)。
人間の心理というのは前の状態と今の状態を比べることで、損か得かを判断してしまうという矛盾がある。サラリーマンが部長から課長に降格されると、平社員から係長になるのとでは、前者のほうがまだあらゆる意味でいいはずなのに、後者のほうが嬉しいと感じてしまうのが人間の心理だ。トレードでこういう事が何度か続くとだんだん冷静な判断ができなくなり、間違いなく悪影響が出てしまう。
トレイダーの内田さんのブログで、”トレイリングで上手くいくのは明確な上昇トレンドが発生している時だけで、今のような日経がもみ合いや下降トレンドの場合は、反発狙いのリバウンドで5%上がれば利益確定するという風に出口を決めないと悲惨な事になる。”と言っていたのは、目から鱗だった。
確かに当たり前の事なので、経験上わかっていたつもりなんだけど、こういう風に明確に言葉で言われるとその当たり前のことを忘れてしまっていた自分がいた事に気付いた。
やっぱり投機家として成功するには、こういう風に実際に成功失敗を繰り返してその当たり前のことをなかなか出来ないというもどかしい経験を積んでいくしかないんだろうなぁ。
まぁこれからものんびり相場を楽しみながら長期戦でいきたいと思います。