レアアース

[ISAC.WaKSさん]

尖閣列島の事件との関連もあることから最近はレアアースの問題が大きく報道されることが多くなった。レアアースの生産量の９０％以上を中国が占めていて、その輸出削減政策によって日本のハイテク企業が打撃を受けているという。石油でもなんでもそれだけのシェアがあれば、中国でなくても戦略物資として扱うのも当然ことだ。しかしそもそも何故そんなに中国に偏っているのかが不思議に思っていたが、日経webのなかで「レアメタル争奪戦の裏側」という記事を読んでようやく合点がいった。

*.　もともと、日本が中国に希土類の分離技術を教え、同時に希土類の用途開発をしてきた事実がある。
*.　実は、レアアース資源は希少でもなんでもない。中国以外にもベトナム、ラオス、ミャンマー、マレーシア、豪州、カナダ、インド、ブラジルなど世界中に腐るほどレアアース資源は眠っている。

明確には書かれていないが中国に９０％以上ものシェアが行ってしまったのは、産業界および政府にリスク分散の危機管理能力が不足していた結果と考えられる。経済物資はどうしてもコストと品質で優位なところに集中してしまうが、今からでも中国以外の国での生産を促すなどの対応を官民あげて進めるなければならないと思う。

個々の企業としてはチャイナリスクもしっかり考慮にいれておく必要がある。個人的には数え切れないほど中国に出張したり中国人の友人もいるが、気分的には中国株にも投資したくなくなる。上海上場50種ＥＴＦ(#1309)を長いこと保有しているが、ずっと下降してきているしどうしようかと考えている。