12日後場の日経平均株価は前週末比47円56銭高の1万1251円90銭と続伸。先物へのまとまった売りも重しとなり、引けにかけて失速した。序盤は高値圏でもみ合いとなったが、アジア株の軟調推移に買いの勢いは衰えた。上値の重さが意識されると、次第に上げ幅を縮めた。TOPIXは一時1000ポイントを回復したが、終値では、前週末比5.36ポイント高の994.78ポイントだった。東証1部の出来高は21億7985万株。売買代金は1兆4514億円。騰落銘柄数は値上がり1041銘柄、値下がり495銘柄、変わらず140銘柄。
大和証券キャピタル・マーケッツ金融証券研究所・投資戦略部部長の高橋和宏氏は「前週末の米国株も上値は限定的で、きょうの中国株もさえない。外部環境が特に優れているというわけではなく、EUのギリシャ支援が織り込まれてしまうと、一段上を試すような動きにはなりづらいようだ。また、週内は米企業決算が出てくるため、これで出尽くし感が意識されるか、後押しとなる材料になるか、見極めたいとする動きが強い。週後半から発表される中国の経済指標についても注目度が高い」と指摘している。
業種別では、JX など石油株は堅調。三菱商 など商社株も買いが優勢となった。三菱UFJ など銀行株や、T&DHD など保険株も上昇。クレセゾン などノンバンク株も引き締まった。野村不HD など不動産株も底堅い。鹿島 などゼネコン株も買われた。個別では、三菱UFJ証が目標株価を引き上げたIIJ 、クレディスイス証が投資評価を引き上げたカプコン などが高い。
半面、新日鉄 など鉄鋼株や、住友鉱 など非鉄金属株はさえない。JR西日本 、ヤマトHD など陸運株も軟調。郵船 など海運株の一角も上値が重かった。住友ゴム などタイヤ株も安い。個別では、11年2月期単体で減収減益予想の東京個別 が値下がり率トップ。前週末に年初来高値を更新したツガミ も利益確定売りに押された。なお、東証業種別株価指数は、全33業種中、27業種が上昇した。
提供:モーニングスター社