主力製品の特許満了の影響が表面化
<特許満了への対応が焦眉の課題
主力製品の特許満了への対応が焦眉の課題となっている。今期は海外売上比率が高い抗潰瘍剤ランソプラゾールの米国特許満了(09年11月)の影響が大きい。株価は11年に北米特許が切れる同社最大の製品糖尿病治療剤ピオグリタゾンの影響を見極める動きとなると予想する。後継品の上市、買収したミレニアム社製品の伸長など下支え要因もあるが進捗は遅れ気味であり、株価はせいぜい横ばい、為替変動(円高進行)如何では現水準より下回ることもあると考える。
<ランソプラゾールの海外売上大幅減>
10/3期3Q累計(4-12月)は前年同期比6.2%減収、同48.5%営業増益と大幅増益となったが、前期買収したミレニアム社に係る特殊要因を除くと実質的に同9.9%営業減益であった。減収(748億円)の主要因は円高(608億円)とランソプラゾールの海外売上の減少(486億円)によるものであった。
<厳しくなりそうな11/3期、12/3期>
株価は特許満了問題をすでに相当部分反映しており、今後は米市場の環境(保険制度改定、後発品の浸透)、為替変動、薬価改定の影響を織り込む動きを予想する。業績は10/3期は会社想定線だが、11/3期、12/3期は厳しいと予想する。手元資金は高水準(約8,000億円)であるがパイプライン拡充が優先、大幅な増配、自社株取得は後順位と予想する。(森田 青平)
---------------------------------------------------
コンテンツ提供元 : 株式会社TIW http://www.tiw.jp/
---------------------------------------------------
>