オバマ発言で米銀売り/邦銀買い、海外リアルマネーも日本株買い支え
[東京 25日 ロイター] オバマ米大統領の金融規制案が米国を中心に世界的な株安を引き起こすなか、日本株は意外な底堅さをみせている。海外年金筋などリアルマネーが押し目買いを入れているためだ。
また、海外の短期筋の間でも、米銀株を売って邦銀株を買う動きが出ており、TOPIXは相対的にしっかりで推移している。積極的な日本買いは弱まっているものの、押し目買い意欲は旺盛、という。
週明けの東京市場では寄り付きからヘッジファンドを中心とする短期筋が積極的に売りを出し、日経平均は一時1万0400円前半に下げた。しかし、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループなどメガバンク株には買い戻しの動きが観測されている。邦銀系の株式トレーダーは、「オバマ大統領が打ち出した金融規制案で影響が大きい米銀株を売り、増資がほぼ一巡しハイリスクでもない邦銀株を買う動きが出ている」との見方を示す。
大手証券の株式トレーダーも、10億円以下の規模だがヘッジファンドのショートカバーを指摘している。25日前場の下げ幅は日経平均1.2%に対し、TOPIXは0.9%程度にとどまっている。後場に入ってからはさらに下げ幅を縮小。オバマ発言以降、海外勢、特にリアルマネー系の長期資金が日本に流入し、下げれば買う動きが顕著になっている、という。
急反落した22日の東京市場でも、前場から米系ヘッジファンドや国内勢が売る一方で、アジアの政府系ファンドが1万0530円付近で大きな買いを入れていたという。韓国株を対象に円キャリートレードを進めていたヘッジファンドによる韓国株売り/円買いの動きも観測された。邦銀系の株式トレーダーは、前週末のオバマ発言の直後に「アジア勢が戸惑いながら「リスク回避の日本買い」を進めていた」と指摘する。足元ではこうした動きはいったん収束したようだが、下値で買う動きに変わりはないという。
銀行株の先行きについて、大手証券のトレーダーは、持ち合い解消の動きが出始めており、「銀行株はそろそろ下げるのではないか」との見方を示す。一方で別のトレーダーは「機関投資家は銀行株について足元の水準よりも3%程度下げれば買いだが、下落が進まないのでなかなか買えない」と打ち明ける。
日経平均の予想変動率(インプライド・ボラティリティ)は低水準が続いているものの、日経225オプション2月物のストライク価格1万0500円のプット、コールともに22%―23%で、上昇が小幅にとどまっていることから、このトレーダーは「トレンドとしては上方向ではないか」との見方を示す。
野村証券プロダクト・マーケティング部マーケット情報課長の佐藤雅彦氏は、「少なくとも外国人投資家は売り越しではなく押し目買いなので、(今後も大きく下げ続けるとの)心配はしていない」とし、1万0100円が当面の下値めどとみている。そのうえで「オバマ大統領による金融規制案への言及で米株式市場に懸念が広がったものの、そのショックだけでみれば東京市場への影響はそれほど大きくないのではないか」と指摘する。
(ロイター日本語ニュース 吉池 威記者 編集 橋本浩)
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ものすごく強引なこじつけなようなw。
まあ、いいや、上げてくれれば理由など、どうでも。
この世の正義の尽きるところ大いなる私情にすぎないの
だから。
関連銘柄
三井住友FG
11件のコメントがあります
1~11件 / 全11件
yoc1234さん
おはようございます。
反発していますね。
弱いですが。
まあ、株価が下がっても何もいいことなど
ないです。バブルじゃない程度に適正な価格を維持して
ほしいと思います。
売り豚さんたちも最近はおとなしいので
しばらくは平気なのかな。。。
「節分天井」ですので、そろそろ
調整があって当然の場面で下げただけで
ここら辺で落ち着いてくれると思います。
おはようございます。
反発していますね。
弱いですが。
まあ、株価が下がっても何もいいことなど
ないです。バブルじゃない程度に適正な価格を維持して
ほしいと思います。
売り豚さんたちも最近はおとなしいので
しばらくは平気なのかな。。。
「節分天井」ですので、そろそろ
調整があって当然の場面で下げただけで
ここら辺で落ち着いてくれると思います。
こんばんは。
ご苦労様です。
米国、ヨーロッパは反発しそうですね。
ご苦労様です。
米国、ヨーロッパは反発しそうですね。
きょうの予定:自動車8社生産、KDDI・米TI・アップル決算
1月25日(ブルームバーグ):ブルームバーグ・ニュースがまとめた記者会見、指標などの予定は以下の通りです(カッコ内の予想はブルームバーグによる予測値、スケジュールは変更または取りやめになる場合があります)。
【1月25日、月】
◎10:30 財務省(理財局国債課):流動性供給入札の実施。発行額
は前回債と同じ3000億円程度。対象銘柄は10年国債の
270回-302回、20年国債の54回-80回債
◎11:00 自動車8社、12月の生産実績を順に発表
◎11:00 平野博文・官房長官、定例記者会見(首相官邸)
◎14:00 日本銀行、政策委員会・金融政策決定会合(26日まで)
◎16:00 平野博文・官房長官、定例記者会見(首相官邸)
◎--- 決算発表-松井証券、KDDI(第3四半期4-12月)
<経済指標>
○---
<海外>
○米 12月の中古住宅販売件数
○米 決算発表-テキサス・インスツルメンツ(TI)、
アムジェン、ハリバートン、アップル
○EU 欧州連合(EU)外相理事会
【1月26日、火】
◎--- 閣議(国会内、終了後に菅財務相ら会見)
◎閣議後 平野博文・官房長官、定例記者会見(首相官邸)
◎9:00 日本銀行、政策委員会・金融政策決定会合(2日目、終了後
直ちに結果公表)
・15:30 白川方明・日本銀行総裁、記者会見(日銀本店)
◎10:30 財務省(理財局国債課):2月2日入札の10年利付国債の
発行予定額提示、「発行額は前回1月6日入札の305回債
と同じ2兆2000億円程度」(予想)
◎13:00 日産ディーゼル工業、新社名・ブランドについて記者会見
◎15:00 永易克典・全国銀行協会会長(三菱東京UFJ銀行頭取)
定例記者会見(東京銀行協会ビル)
◎16:00 平野博文・官房長官、定例記者会見(首相官邸)
◎--- 決算発表-カブドットコム証券、花王(第3四半期4-
12月)
<経済指標>
○8:50 企業向けサービス価格(12月、日本銀行発表)
○11:00 民生用電子機器国内出荷(テレビ・DVD出荷12月、
電子情報技術産業協会JEITA発表)
○11:00 パソコン出荷(12月、電子情報技術産業協会JEITA
発表)
<海外>
○米 11月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数
○米 1月の消費者信頼感指数
○米 11月の米連邦住宅金融局(FHFA)住宅価格指数
○米 連邦公開市場委員会(FOMC、26-27日)
○米 決算発表-コーニング、マグロウヒル、デュポン、
ヤフー、ベライゾン・コミュニケーションズ、デルタ航空、
ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)
○EU 11月のユーロ圏経常収支
【1月27日、水】
◎11:00 平野博文・官房長官、定例記者会見(首相官邸)
◎14:00 日本銀行、金融経済月報(1月)
◎16:00 平野博文・官房長官、定例記者会見(首相官邸)
◎--- 決算発表-ヤフー、日立建機、SBIホールディングス、
マネックスグループ、NECエレクトロニクス、日野自
動車(第3四半期4-12月)、キヤノン(12月前期)
<経済指標>
○8:50 貿易統計(12月、財務省発表)
<海外>
○米 先週のMBA住宅ローン申請指数
○米 12月の新築住宅販売件数
○米 連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利発表
○米 NY連銀の法務顧問、バクスター氏、下院監視・政府改革
委員会のAIG問題に関する公聴会で証言
○米 オバマ米大統領の一般教書演説
○米 決算発表-ブラックロック、アボット・ラボラトリーズ、
キャタピラー、ボーイング、コノコ・フィリップス、UAL、
クアルコム、Eトレード・ファイナンシャル、シマンテック、
○スイス 世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス、31日
まで)
【1月28日、木】
◎8:50 日本銀行、政策委員会・金融政策決定会合、議事録
(1999年7-12月開催分)
◎10:30 財務省(理財局国債課):2年利付国債(2月債)価格
競争入札実施。「表面利率(クーポン)は前回12月17日
入札の288回債と同じ0.2%」(予想)。発行額は前回と
同じ2兆6000億円程度
◎10:30 財務省(理財局国債課):2月4日実施の流動性供給入札
の発行予定額の発表、「前回債と同じ3000億円程度」
(予想)
◎10:30 KDDI、携帯電話iida新商品発表
◎11:00 平野博文・官房長官、定例記者会見(首相官邸)
◎13:00 内閣府、経済政策フォーラム「雇用危機下の出口戦略」
◎14:00 斉藤惇・東京証券取引所グループ社長、定例記者会見
(東証)
◎16:00 平野博文・官房長官、定例記者会見(首相官邸)
◎--- 決算発表-NEC、資生堂、プロミス、コニカミノルタ
ホールディングス、積水化学工業、エルピーダメモリ、
アドバンテスト、京セラ、任天堂、コマツ、新日本製鉄、
住友信託銀行(第3四半期4-12月)
<経済指標>
○8:50 商業販売統計(12月、経済産業省発表)
○8:50 対外対内証券売買(先週分、財務省発表)
<海外>
○米 先週の新規失業保険申請件数
○米 12月の耐久財受注
○米 決算発表-プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、
イーストマン・コダック、アルトリア・グループ、AT&T、
マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、サンディスク、
3M、イーライ・リリー、ブリストル・マイヤーズ・スクイブ、
USエアウェイズ・グループ、ジェットブルー・エアウェイズ、
モトローラ
○EU 1月の業況判断指数
○EU 1月のユーロ圏景況感指数(速報値)
1月25日(ブルームバーグ):ブルームバーグ・ニュースがまとめた記者会見、指標などの予定は以下の通りです(カッコ内の予想はブルームバーグによる予測値、スケジュールは変更または取りやめになる場合があります)。
【1月25日、月】
◎10:30 財務省(理財局国債課):流動性供給入札の実施。発行額
は前回債と同じ3000億円程度。対象銘柄は10年国債の
270回-302回、20年国債の54回-80回債
◎11:00 自動車8社、12月の生産実績を順に発表
◎11:00 平野博文・官房長官、定例記者会見(首相官邸)
◎14:00 日本銀行、政策委員会・金融政策決定会合(26日まで)
◎16:00 平野博文・官房長官、定例記者会見(首相官邸)
◎--- 決算発表-松井証券、KDDI(第3四半期4-12月)
<経済指標>
○---
<海外>
○米 12月の中古住宅販売件数
○米 決算発表-テキサス・インスツルメンツ(TI)、
アムジェン、ハリバートン、アップル
○EU 欧州連合(EU)外相理事会
【1月26日、火】
◎--- 閣議(国会内、終了後に菅財務相ら会見)
◎閣議後 平野博文・官房長官、定例記者会見(首相官邸)
◎9:00 日本銀行、政策委員会・金融政策決定会合(2日目、終了後
直ちに結果公表)
・15:30 白川方明・日本銀行総裁、記者会見(日銀本店)
◎10:30 財務省(理財局国債課):2月2日入札の10年利付国債の
発行予定額提示、「発行額は前回1月6日入札の305回債
と同じ2兆2000億円程度」(予想)
◎13:00 日産ディーゼル工業、新社名・ブランドについて記者会見
◎15:00 永易克典・全国銀行協会会長(三菱東京UFJ銀行頭取)
定例記者会見(東京銀行協会ビル)
◎16:00 平野博文・官房長官、定例記者会見(首相官邸)
◎--- 決算発表-カブドットコム証券、花王(第3四半期4-
12月)
<経済指標>
○8:50 企業向けサービス価格(12月、日本銀行発表)
○11:00 民生用電子機器国内出荷(テレビ・DVD出荷12月、
電子情報技術産業協会JEITA発表)
○11:00 パソコン出荷(12月、電子情報技術産業協会JEITA
発表)
<海外>
○米 11月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数
○米 1月の消費者信頼感指数
○米 11月の米連邦住宅金融局(FHFA)住宅価格指数
○米 連邦公開市場委員会(FOMC、26-27日)
○米 決算発表-コーニング、マグロウヒル、デュポン、
ヤフー、ベライゾン・コミュニケーションズ、デルタ航空、
ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)
○EU 11月のユーロ圏経常収支
【1月27日、水】
◎11:00 平野博文・官房長官、定例記者会見(首相官邸)
◎14:00 日本銀行、金融経済月報(1月)
◎16:00 平野博文・官房長官、定例記者会見(首相官邸)
◎--- 決算発表-ヤフー、日立建機、SBIホールディングス、
マネックスグループ、NECエレクトロニクス、日野自
動車(第3四半期4-12月)、キヤノン(12月前期)
<経済指標>
○8:50 貿易統計(12月、財務省発表)
<海外>
○米 先週のMBA住宅ローン申請指数
○米 12月の新築住宅販売件数
○米 連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利発表
○米 NY連銀の法務顧問、バクスター氏、下院監視・政府改革
委員会のAIG問題に関する公聴会で証言
○米 オバマ米大統領の一般教書演説
○米 決算発表-ブラックロック、アボット・ラボラトリーズ、
キャタピラー、ボーイング、コノコ・フィリップス、UAL、
クアルコム、Eトレード・ファイナンシャル、シマンテック、
○スイス 世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス、31日
まで)
【1月28日、木】
◎8:50 日本銀行、政策委員会・金融政策決定会合、議事録
(1999年7-12月開催分)
◎10:30 財務省(理財局国債課):2年利付国債(2月債)価格
競争入札実施。「表面利率(クーポン)は前回12月17日
入札の288回債と同じ0.2%」(予想)。発行額は前回と
同じ2兆6000億円程度
◎10:30 財務省(理財局国債課):2月4日実施の流動性供給入札
の発行予定額の発表、「前回債と同じ3000億円程度」
(予想)
◎10:30 KDDI、携帯電話iida新商品発表
◎11:00 平野博文・官房長官、定例記者会見(首相官邸)
◎13:00 内閣府、経済政策フォーラム「雇用危機下の出口戦略」
◎14:00 斉藤惇・東京証券取引所グループ社長、定例記者会見
(東証)
◎16:00 平野博文・官房長官、定例記者会見(首相官邸)
◎--- 決算発表-NEC、資生堂、プロミス、コニカミノルタ
ホールディングス、積水化学工業、エルピーダメモリ、
アドバンテスト、京セラ、任天堂、コマツ、新日本製鉄、
住友信託銀行(第3四半期4-12月)
<経済指標>
○8:50 商業販売統計(12月、経済産業省発表)
○8:50 対外対内証券売買(先週分、財務省発表)
<海外>
○米 先週の新規失業保険申請件数
○米 12月の耐久財受注
○米 決算発表-プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、
イーストマン・コダック、アルトリア・グループ、AT&T、
マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、サンディスク、
3M、イーライ・リリー、ブリストル・マイヤーズ・スクイブ、
USエアウェイズ・グループ、ジェットブルー・エアウェイズ、
モトローラ
○EU 1月の業況判断指数
○EU 1月のユーロ圏景況感指数(速報値)
ロンドン外為:円、対ドル・ユーロで下落-日銀が追加緩和との観測
1月25日(ブルームバーグ):25日午前のロンドン外国為替市場では、円がドルとユーロに対して下落。日本銀行が景気回復を確実にするとともに円高を阻止するため、国債買い入れの増額など一段の金融緩和も辞さないとの観測が背景にある。
円の対ユーロ相場は8営業日ぶりに下落し、ロンドン時間午前8時26分(日本時間午後5時26分)現在は1ユーロ=127円39銭と、ニューヨーク時間前週末の126円98銭を下回っている。対ドルでは1ドル=90円06銭(前週末は89円82銭)に下落。22日には89円79銭と、先月18日以来の円高・ドル安水準を付けていた。
一方、ドルはユーロに対し1ユーロ=1.4141ドルで推移。前週末は1.4139ドルだった。
1月25日(ブルームバーグ):25日午前のロンドン外国為替市場では、円がドルとユーロに対して下落。日本銀行が景気回復を確実にするとともに円高を阻止するため、国債買い入れの増額など一段の金融緩和も辞さないとの観測が背景にある。
円の対ユーロ相場は8営業日ぶりに下落し、ロンドン時間午前8時26分(日本時間午後5時26分)現在は1ユーロ=127円39銭と、ニューヨーク時間前週末の126円98銭を下回っている。対ドルでは1ドル=90円06銭(前週末は89円82銭)に下落。22日には89円79銭と、先月18日以来の円高・ドル安水準を付けていた。
一方、ドルはユーロに対し1ユーロ=1.4141ドルで推移。前週末は1.4139ドルだった。
日本(国内)ニュース
菅財務相:米国の金融規制策が経済に影響与えないよう対応(Update1)
1月25日(ブルームバーグ): 菅直人副総理兼財務相は25日午後の衆院予算委員会で、為替政策について「為替相場は基本的には市場によって決まる」とする一方で、米国の新金融規制策によって「いろいろな影響が出ている」と警戒感を示し、「日本経済にマイナスの影響につながらないよう注意深く対応したい」と述べた。
オバマ米大統領が21日、米金融機関の自己勘定トレーディングを規制する計画を提案したことで、米資産への投資が減少するとの観測が広がり、ドルがユーロと円に対し下落するなど市場に影響が及んでいた。
また、菅財務相は外国為替資金特別会計の見直しについて「100兆円を超える額が必要なのか。適正規模について必ずしも確たる考え方はなく、調査をしているところだ」との見解を示した。
その上で、「100兆円を超える外為特会のお金が何割か減ったとしても埋蔵金として使えるのかどうか。ストック部分まで減らしたからと言って使える仕組みにはなっていない」と説明した。
さらに、外貨準備の外貨資金を売却すればドル安・円高に振れるとした上で、「円高になることを許容してよいのかという面からも見ていかなければならない」と述べ、慎重な姿勢を示した。
菅財務相:米国の金融規制策が経済に影響与えないよう対応(Update1)
1月25日(ブルームバーグ): 菅直人副総理兼財務相は25日午後の衆院予算委員会で、為替政策について「為替相場は基本的には市場によって決まる」とする一方で、米国の新金融規制策によって「いろいろな影響が出ている」と警戒感を示し、「日本経済にマイナスの影響につながらないよう注意深く対応したい」と述べた。
オバマ米大統領が21日、米金融機関の自己勘定トレーディングを規制する計画を提案したことで、米資産への投資が減少するとの観測が広がり、ドルがユーロと円に対し下落するなど市場に影響が及んでいた。
また、菅財務相は外国為替資金特別会計の見直しについて「100兆円を超える額が必要なのか。適正規模について必ずしも確たる考え方はなく、調査をしているところだ」との見解を示した。
その上で、「100兆円を超える外為特会のお金が何割か減ったとしても埋蔵金として使えるのかどうか。ストック部分まで減らしたからと言って使える仕組みにはなっていない」と説明した。
さらに、外貨準備の外貨資金を売却すればドル安・円高に振れるとした上で、「円高になることを許容してよいのかという面からも見ていかなければならない」と述べ、慎重な姿勢を示した。
債券は小幅安、株価下げ渋りで先物軟調-現物債に戻り売りも
1月25日(ブルームバーグ):債券相場は小幅安(利回りは上昇)。前週末の米株相場の下げを背景に午前には株安、債券高が続いた。しかし、午後に入って株価が下げ渋ると先物が下げに転じており、現物市場でも長期ゾーン中心に戻り売りが出たとの指摘があった。
DIAMアセットマネジメントの山崎信人エグゼクティブファンドマネジャーは、10年債などに利益確保の売りが段階的に出ていると指摘。午後には株価が下げ渋って債券先物にも売りが出たという。
東京先物市場の中心限月3月物は前週末比5銭高い139円28銭で始まった。午前には小幅プラス圏での推移が中心だったが、午後に株価が下げ渋ると売りが優勢の展開となって、一時は20銭安の139円3銭まで下げており、結局は15銭安の139円8銭で終了した。
米国では金融規制計画を嫌気して株安が続いており、週明けの国内市場でも日経平均株価が続落して始まると、債券市場では先物中心に買いが優勢の展開となった。22日の米株市場ではS&P500種株価指数が昨年10月以来の大幅安となって、年初からの上昇分を帳消しにしたほか、主要な株価指数が軒並み続落していた。
この日の日経平均は続落。輸出関連や金融株中心に売りが膨らんで、一時は前週末比175円97銭安の1万414円58銭まで下げたが、午後は下げ渋って結局は77円86銭安の1万512円69銭で引けた。
また、国の債務残高が973兆円超に上る見通しが示されており、大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリーダーは、株価下げ渋りとも相まって午後の先物売りの一因となったもようだとの見方を示した。政府が国会に提出した予算関連資料によると、2010年度末の国債と借入金、政府短期証券を合計した国の債務残高は973兆1626億円に上ることが明らかになった。
一方、日銀が25、26日の両日に開催する金融政策決定会合に関して、日銀ウォッチャーの大勢は金融政策の現状維持を予想しており、債券相場への影響は限定されるとの見方が有力だ。
10年債利回りは1.335%
現物市場で新発10年物の305回債利回りは、前週末の終値と同じ1.325%で始まった。午前にいったんは0.5ベーシスポイント(bp)低い1.32%をつけたが、午後に売りが膨らむと1bp高の1.335%をつけた。その後は1.33-1.335%で小動きが続いた。
305回債利回りは8日には1.365%まで上昇して、新発10年債として2カ月ぶりの高い水準を記録したが、その後は1.3%台前半で一進一退の展開が続いている。
市場では今週ももみ合い推移が続くとの見方が有力だ。米株相場が前週後半の急落の反動で上昇に転じれば、債券市場で売り材料視される可能性が高いものの、10年債の1.3%台半ばでは買いが入ってくるとみられる。大和住銀投信投資顧問の伊藤氏は、短中期ゾーンの金利が低位安定しているうえ、月末にかけて保有債券の年限長期化の需要も見込まれるため、10年債は1.3%台前半でのもみ合いが続くとみる。
米金融規制計画の見極めも
米国では金融規制案の発表後に株価の下げが続いており、市場では法案の実現可能性や株安の持続性を見極める雰囲気も強まった。
米株相場は前週後半にかけて急落しており、市場では今週も引き続き波乱含みの展開が見込まれている。DIAMアセットマネジメントの山崎氏は、米国株は金融規制法案の行方をめぐって振れの大きい展開が続くといい、オバマ大統領が27日の一般教書演説でも金融業界に厳しい姿勢で臨むようだと、株価の一段の下げにつながる可能性も残しており、その場合に国内債相場を下支えすると指摘した。
一方、米株相場が今週以降に下げ渋るとの見方もある。日興コーディアル証券の野村真司チーフ債券ストラテジストは、現実問題として法制化をめぐって議会との調整が必要なほか、政府のあからさまな介入に対して金融界の反発は必至だとしたうえで、「新たな金融規制案がそのまま実施される可能性は低く、株安が一過性のものにとどまる公算が大きい」とみる。
オバマ米大統領は21日、リスクテークを減らし、金融危機が再び起こることを防ぐため、金融機関の規模や取引活動に制限を設ける新しい金融規制案を発表した。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 赤間信行 Nobuyuki Akama akam@bloomberg.net
米企業は雇用と投資を拡大へ、需要増や融資改善で-NABE調査
1月25日(ブルームバーグ):全米企業エコノミスト協会(NABE)がエコノミストらを対象に実施した四半期調査では、需要の高まりと融資状況の改善を背景に、今年従業員を増やし、新たな設備投資を予定する企業が増えている状況が示された。
NABEが25日公表した調査結果によれば、向こう半年間に採用を予定する企業の数が、さらなる人員削減を計画する企業を6ポイント上回った。また、設備投資の見通しは5四半期連続で改善された。
エコノミストの29%は向こう半年間に雇用の増加を見込んでいると答え、昨年10月時点の24%を上回った。また、今後1年間に設備投資を増やす見通しとの回答は44%に上った。前回調査時は39%だった。さらに全体の62%が今年の米国の成長率が2%(前回は45%)を上回ると予想した。
NABEの発表資料によると、売上高と利益が2四半期連続で増加したことから、企業は業績見通しを上方修正している。現在の雇用情勢は依然として芳しくないものの、将来の雇用見通しの改善は過去2年間の労働市場の崩壊が終わりに近づきつつあることを示している。
シカゴ連銀のシニアエコノミスト、ウィリアム・ストラウス氏は発表文で調査結果について、「ゆっくりではあるが米国の景気回復は続いている」と指摘。「人員削減は和らいでおり、雇用見通しにやや改善が見られる」と語った。
米労働省が8日発表した12月の雇用統計では、非農業部門雇用者数は8万5000人減少した。昨年11月は4000人増と約2年ぶりに増加に転じていた。ブルームバーグ・ニュースが今月実施した調査によれば、大半のエコノミストが向こう数カ月以内に雇用が増加し始めると見込んでいるが、今年の失業率は平均10%になると予想されている。
NABEは調査を、昨年12月18日-今月7日に実施。会員エコノミスト75人前後から回答を得た。
-- Editors: Vince Golle, Brendan Murray
円が小安い、過度のリスク回避一服―米金融規制案の詳細見極めへ
1月25日(ブルームバーグ):東京外国為替市場では円が小安く推移した。米国の金融規制案を嫌気した過度のリスク回避の動きが一服。日本株が下げ幅を縮める中、円には売り圧力が残った。
ユーロ・円相場は1ユーロ=127円台で一進一退の展開ながら、一時は127円96銭まで円が弱含んだ。前週末の相場では昨年4月28日以来となる円高値126円56銭を付けた。
みずほコーポレート銀行国際為替部の時田剛調査役は、「米国の金融規制案については依然として中身が分からず、最初の反応としてはある程度消化しきったと個人的には見ていると」と説明。「今後何が出てくるか見守らざるを得ない」状況の中、目先は需給を多少気にする必要があり、その点についてはやや円の買い持ちに傾いている感があると指摘している。
ドル・円相場は1ドル=90円台前半。朝方には89円82銭と前週末に付けた昨年12月18日以来の円高値(89円79銭)に迫る局面もあったが、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の再任見通しを背景に、ドル売り・円買いは限定的となった。
過度のリスク回避が一服
マコネル米共和党上院院内総務は24日、NBCテレビとのインタビューで、バーナンキFRB議長が上院で再任を承認されるだろうと述べ、同議長の再任承認をめぐる採決では民主党議員に加え、十分な数の共和党議員が賛成することを示唆した。
先週末の米国市場では、オバマ大統領が発表した金融規制案が銀行収益や経済成長を圧迫するとの懸念に加えて、バーナンキ議長の再任をめぐる不透明感が嫌気され、株式相場が大幅続落。投資家の悲観度を映すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ・インデックス(VIX)は前日比23%上昇し、27.31と昨年11月以来の高水準に達した。
前週末の外国為替市場では高金利通貨を売って、円を買うリスク回避の動きが加速したが、週明けの東京市場ではこの動きも一服。時田氏は、「中国の金融引き締めに対する懸念、ギリシャの財政問題に対する懸念とすべて『懸念』でここまできたが、あくまで懸念でしかない。金融規制案についても追加詳細待ちというステージになるとすると市場もいったんは落ち着いていいのかなと思う」と語る。
25日の東京株式相場は続落し、日経平均株価は1カ月ぶり安値を付けた。ただ、午後は一貫して下げ渋る展開となり、市場では想定外に底堅いとの声が聞かれた。
一方、三菱UFJ証券クレジット市場部為替課長の塩入稔氏は、「ドル・円も90円割れではなかなか円高方向に走らず、価格帯としてはやや円買いを手がけにくいところにきている」と円高一服の背景を説明。ただ、「米国の金融規制法案の行方は不透明で、漠然と市場の不安心理は高いまま。株式や商品にとっては圧迫材料であり、基本線としては円が買われるリスクが一番高そう」とみている。
日銀会合、FOMC
菅直人副総理兼財務相は25日午後の衆院予算委員会で、為替政策について「為替相場は基本的には市場によって決まるものだ」と述べた上で、米国が新たに打ち出した金融規制策によっていろいろな影響が出ているとし、「日本経済にマイナスな影響につながらないように注意深く対応したい」との認識を示した。
国内ではきょうから2日間の日程で日本銀行の金融決定会合が開かれている。円高傾向が強まる中、一部では追加金融緩和の思惑も浮上しているが、みずほコーポレート銀の時田氏は「日銀会合についてはやや横に置かれた感じがあり、金融緩和期待ですごい円安サイドに行くという感じはあまりない」と話す。
また、米国では26-27日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれるほか、27日にはオバマ米大統領の一般教書演説が予定されている。
三菱UFJ証券の塩入氏は、過度のリスク回避の動きには一服感が出ているが、「今週はFOMCなどもあるので、少なくともリスクを取りに行く感じは出しにくい」と指摘。米国の金融規制案をめぐる不透明感がくすぶる中、「追加でネガティブな話が出てくればもう一段円高になるリスクはあると見るのが一般的」と語っている。
1月25日(ブルームバーグ):東京外国為替市場では円が小安く推移した。米国の金融規制案を嫌気した過度のリスク回避の動きが一服。日本株が下げ幅を縮める中、円には売り圧力が残った。
ユーロ・円相場は1ユーロ=127円台で一進一退の展開ながら、一時は127円96銭まで円が弱含んだ。前週末の相場では昨年4月28日以来となる円高値126円56銭を付けた。
みずほコーポレート銀行国際為替部の時田剛調査役は、「米国の金融規制案については依然として中身が分からず、最初の反応としてはある程度消化しきったと個人的には見ていると」と説明。「今後何が出てくるか見守らざるを得ない」状況の中、目先は需給を多少気にする必要があり、その点についてはやや円の買い持ちに傾いている感があると指摘している。
ドル・円相場は1ドル=90円台前半。朝方には89円82銭と前週末に付けた昨年12月18日以来の円高値(89円79銭)に迫る局面もあったが、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の再任見通しを背景に、ドル売り・円買いは限定的となった。
過度のリスク回避が一服
マコネル米共和党上院院内総務は24日、NBCテレビとのインタビューで、バーナンキFRB議長が上院で再任を承認されるだろうと述べ、同議長の再任承認をめぐる採決では民主党議員に加え、十分な数の共和党議員が賛成することを示唆した。
先週末の米国市場では、オバマ大統領が発表した金融規制案が銀行収益や経済成長を圧迫するとの懸念に加えて、バーナンキ議長の再任をめぐる不透明感が嫌気され、株式相場が大幅続落。投資家の悲観度を映すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ・インデックス(VIX)は前日比23%上昇し、27.31と昨年11月以来の高水準に達した。
前週末の外国為替市場では高金利通貨を売って、円を買うリスク回避の動きが加速したが、週明けの東京市場ではこの動きも一服。時田氏は、「中国の金融引き締めに対する懸念、ギリシャの財政問題に対する懸念とすべて『懸念』でここまできたが、あくまで懸念でしかない。金融規制案についても追加詳細待ちというステージになるとすると市場もいったんは落ち着いていいのかなと思う」と語る。
25日の東京株式相場は続落し、日経平均株価は1カ月ぶり安値を付けた。ただ、午後は一貫して下げ渋る展開となり、市場では想定外に底堅いとの声が聞かれた。
一方、三菱UFJ証券クレジット市場部為替課長の塩入稔氏は、「ドル・円も90円割れではなかなか円高方向に走らず、価格帯としてはやや円買いを手がけにくいところにきている」と円高一服の背景を説明。ただ、「米国の金融規制法案の行方は不透明で、漠然と市場の不安心理は高いまま。株式や商品にとっては圧迫材料であり、基本線としては円が買われるリスクが一番高そう」とみている。
日銀会合、FOMC
菅直人副総理兼財務相は25日午後の衆院予算委員会で、為替政策について「為替相場は基本的には市場によって決まるものだ」と述べた上で、米国が新たに打ち出した金融規制策によっていろいろな影響が出ているとし、「日本経済にマイナスな影響につながらないように注意深く対応したい」との認識を示した。
国内ではきょうから2日間の日程で日本銀行の金融決定会合が開かれている。円高傾向が強まる中、一部では追加金融緩和の思惑も浮上しているが、みずほコーポレート銀の時田氏は「日銀会合についてはやや横に置かれた感じがあり、金融緩和期待ですごい円安サイドに行くという感じはあまりない」と話す。
また、米国では26-27日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれるほか、27日にはオバマ米大統領の一般教書演説が予定されている。
三菱UFJ証券の塩入氏は、過度のリスク回避の動きには一服感が出ているが、「今週はFOMCなどもあるので、少なくともリスクを取りに行く感じは出しにくい」と指摘。米国の金融規制案をめぐる不透明感がくすぶる中、「追加でネガティブな話が出てくればもう一段円高になるリスクはあると見るのが一般的」と語っている。
日本株は先進国で最も割安、投資家は利益よりPBRに関心(Update1)
1月25日(ブルームバーグ):日本は先進国で最低の経済成長率とデフレに見舞われているにもかかわらず、バイロン・ウィーン氏やデービッド・ヘロー氏、ジョン・アルカイヤ氏といった著名ストラテジストは日本株を遠ざけていない。
米投資会社ブラックストーン・グループのアドバイザーを務め、昨年の株・原油高を言い当てたウィーン氏は、日本株が自身のお気に入りだと言う。ハリス・アソシエーツのヘロー氏は、日本経済は停滞していても、株価は資産価値との比較で最も割安な水準にあるため、今後上昇すると予想。モルガン・スタンレー・アセット・マネジメント投信のアルカイヤ氏は負債比率の低さを背景に日本株が米国株を上回る上昇を演じるとみる。
時価総額で世界2位の日本の株式市場は、TOPIXでみると今年は3.7%上昇しており、主要10カ国で値上がり率首位。海外投資家の日本投資は今月15日までの2週間に約130億ドル(約1兆1700億円)と、04年以来最高となっている。株価純資産倍率(PBR)は平均で約1.2倍と、S&P500種株価指数構成企業のほぼ半分であることがブルームバーグの集計したデータで示されている。
モルガン・スタンレーなどで市場ストラテジストを務めた経歴を持ち、2000年のハイテクバブル終えんを予測したウィーン氏(76)は、「わたしの投資アイデアでは日本が最高だ」と述べ、「企業収益が期待に沿った内容になると思うため、日本市場は比較的投資妙味がありそうだ」と述べた。
企業収益の伸び悩みなどを受けTOPIX構成銘柄の2010年予想株価収益率(PER)の平均は37倍と、主要10市場では最高となっているため、投資家の間では利益の代わりに純資産を投資尺度として注目する向きが増えている。TOPIXは先週、前週末比2.6%安の940.94で終了した。
バリュエーション
ウィーン氏やヘロー氏、アルカイヤ氏の見通しは、景気予測ではなくバリュエーション(株価評価)に基づく。ウィーン氏は輸出関連企業やテクノロジー企業、薬品・化粧品などの業種を有望視している。TOPIXの自動車株と電気機器株の指数は過去3カ月の上昇率がそれぞれ11%と6.2%で、TOPIX全体の4.3%を上回る。
ウィーン氏は「投資家の関心を引き付けるために日本経済が強くなる必要はない」と述べ、「日本の状況は良くなってはいないが、悪くなってもいない。悪材料は減りつつある」と指摘した。
ブルームバーグが集計したデータによると、TOPIX構成企業の1株利益は2010年に黒字転換する見通し。TOPIXのPBRは1993年以降の平均である1.8倍を33%下回る水準にある。
ハリスの外国株担当最高投資責任者、ヘロー氏は「日本はファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)に照らして極めて割安だ」と述べた。550億ドルの資産運用を手掛ける同氏は、トヨタ自動車とキヤノンの株を購入したという。ブルームバーグのアナリスト調査では、トヨタは2011年3月通期営業利益が黒字転換すると予想されており、キヤノンは今年、64%増益が見込まれている。
1月25日(ブルームバーグ):日本は先進国で最低の経済成長率とデフレに見舞われているにもかかわらず、バイロン・ウィーン氏やデービッド・ヘロー氏、ジョン・アルカイヤ氏といった著名ストラテジストは日本株を遠ざけていない。
米投資会社ブラックストーン・グループのアドバイザーを務め、昨年の株・原油高を言い当てたウィーン氏は、日本株が自身のお気に入りだと言う。ハリス・アソシエーツのヘロー氏は、日本経済は停滞していても、株価は資産価値との比較で最も割安な水準にあるため、今後上昇すると予想。モルガン・スタンレー・アセット・マネジメント投信のアルカイヤ氏は負債比率の低さを背景に日本株が米国株を上回る上昇を演じるとみる。
時価総額で世界2位の日本の株式市場は、TOPIXでみると今年は3.7%上昇しており、主要10カ国で値上がり率首位。海外投資家の日本投資は今月15日までの2週間に約130億ドル(約1兆1700億円)と、04年以来最高となっている。株価純資産倍率(PBR)は平均で約1.2倍と、S&P500種株価指数構成企業のほぼ半分であることがブルームバーグの集計したデータで示されている。
モルガン・スタンレーなどで市場ストラテジストを務めた経歴を持ち、2000年のハイテクバブル終えんを予測したウィーン氏(76)は、「わたしの投資アイデアでは日本が最高だ」と述べ、「企業収益が期待に沿った内容になると思うため、日本市場は比較的投資妙味がありそうだ」と述べた。
企業収益の伸び悩みなどを受けTOPIX構成銘柄の2010年予想株価収益率(PER)の平均は37倍と、主要10市場では最高となっているため、投資家の間では利益の代わりに純資産を投資尺度として注目する向きが増えている。TOPIXは先週、前週末比2.6%安の940.94で終了した。
バリュエーション
ウィーン氏やヘロー氏、アルカイヤ氏の見通しは、景気予測ではなくバリュエーション(株価評価)に基づく。ウィーン氏は輸出関連企業やテクノロジー企業、薬品・化粧品などの業種を有望視している。TOPIXの自動車株と電気機器株の指数は過去3カ月の上昇率がそれぞれ11%と6.2%で、TOPIX全体の4.3%を上回る。
ウィーン氏は「投資家の関心を引き付けるために日本経済が強くなる必要はない」と述べ、「日本の状況は良くなってはいないが、悪くなってもいない。悪材料は減りつつある」と指摘した。
ブルームバーグが集計したデータによると、TOPIX構成企業の1株利益は2010年に黒字転換する見通し。TOPIXのPBRは1993年以降の平均である1.8倍を33%下回る水準にある。
ハリスの外国株担当最高投資責任者、ヘロー氏は「日本はファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)に照らして極めて割安だ」と述べた。550億ドルの資産運用を手掛ける同氏は、トヨタ自動車とキヤノンの株を購入したという。ブルームバーグのアナリスト調査では、トヨタは2011年3月通期営業利益が黒字転換すると予想されており、キヤノンは今年、64%増益が見込まれている。
日本(国内)ニュース
海外ニュース
アメリカ/中南米
ヨーロッパ
アジア
マーケットニュース
株式
外国為替
債券
日銀は追加緩和辞さず-下振れリスク高まれば国債購入も (Update1)
1月25日(ブルームバーグ):日本経済は持ち直しているが、円高など外的なショックに対してぜい弱な状態が続いている。再び景気の下振れリスクが高まれば、日本銀行は一段の金融緩和も辞さない構えだ。具体的には、新型オペによる資金供給額の拡大や期間延長、さらには長期国債買い入れの増額による長期資金供給などが有力な候補として挙がっている。複数の関係者への取材で明らかになった。
日銀は昨年12月1日に臨時金融政策決定会合を開き、0.1%で期間3カ月の資金を供給する新しい資金供給手段を導入した。政府によるデフレ宣言、ドバイ発の金融不安、円高、株安の進行により、マインドが悪化して景気の下振れリスクが高まったことへの対応だった。
関係者の話をまとめると、再び景気下振れリスクが高まった場合、日銀がどのような手を打つかはひとえにショックの性格や大きさに依存する。長期国債買い入れ増額を含め、あらゆる選択肢を排除してないが、国債発行額が顕著に増加する中、長期国債の買い入れ増額は財政ファイナンスととられかねない手段だけに、慎重な声も根強い。
日本経済を再びショックが襲ったとき、次の一手の最有力候補は新型オペの拡充というのは市場関係者の一致した見方だ。三菱UFJ証券の石井純チーフ債券ストラテジストも、最も可能性の高い選択肢として「新型オペ増額や6カ月物固定金利オペの導入」を挙げる。
応用が利く新型オペ
みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「新型オペは期間を6か月や1年に延長することで金利押し下げ効果を強めることができるという点で、応用が利く」と指摘する。新型オペの導入を機に円相場が反転したことで、日銀もその効果に自信を深めている。期間3カ月のまま現在10兆円の資金供給額を増やすという選択のほか、期間を6カ月、1年まで増やすなど複数回の拡充が可能だ。
JPモルガン証券の菅野雅明調査部長は「新型オペの拡大でも事態が好転しない場合には、長期国債の買い入れ増額も選択肢となるだろう」とみる。野村証券の松沢中チーフストラテジストは「長期国債買い入れ増額は効果があいまいなので、単独での実施はないだろうが、資金供給量の拡大と併せて実施することで、市場にメッセージを送ることはできる」と指摘する。
白川方明総裁は昨年11月30日の会見で、長期国債買い入れ増額の可能性について問われ、「その時々の金融経済情勢を踏まえ、最適な政策を常に考えていく」と述べ、その可能性を排除しなかった。ただ、日銀は長期国債の保有残高を日銀券発行残高以下にとどめる日銀券ルールを定めており、次に買い入れを増額する際は、このルールの取り扱いが焦点になってくる。
国債買い入れ増額は財政規律が鍵に
昨年3月18日の会合で長期国債買い入れを月1.4兆円から1.8兆円に増額した後の会見で、白川総裁は「追加的な買い入れ余地はかなり限定される」と述べた。昨年12月の日銀券発行残高は2カ月連続で減少した。2カ月連続で減少したのは統計を開始した1970年以来初めてで、日銀券ルールの下で買い入れ余地は一段と狭まっている。
同ルールは、日銀が長期の負債である日銀券を大幅に上回る長期国債を保有すると、金融引き締めに転じた際、売却するのが困難という理由に加え、財政ファイナンスという疑いをもたれないようにするための規律の意味がある。従って、長期国債買い入れ増額の是非については、政府の財政規律に対する姿勢も大きく絡んでくる。
モルガン・スタンレー証券の佐藤健裕チーフエコノミストは「政府が5、6月をめどに公表予定の中期財政フレームで、信頼感のある財政均衡目標を打ち出すなら、日銀としては国債市場安定の観点から長期国債の買い入れ額を引き上げ、政府との協調姿勢を示すことはやぶさかでないだろう」と指摘する。しかし、民主党政権は消費税率を4年間引き上げない方針で、財政規律に対する疑念の声は強い。
物価安定の理解のさらなる明確化も
日銀は昨年10月の経済・物価情勢の展望(展望リポート)で「公的債務残高が増加する中で、財政規律や金融政策運営に対する信認が低下する場合、長期金利の大幅な変動など金融資本市場に悪影響を及ぼすリスクも存在する」と指摘した。大和総研の田谷禎三顧問は「日銀は長期国債買い入れ増額を極力避けるのではないか」とみる。
関係者らによると、物価安定の理解をさらに明確化することも中長期的な選択肢の1つとなる。日銀は昨年12月18日の会合で物価安定の理解について、消費者物価の「前年比2%以下のプラス」であり、「ゼロ%以下のマイナスは許容していない」と表明した。ピンポイントで1%といった数値を示すかどうかが次の課題になりそうだという。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 日高正裕 Masahiro Hidaka mhidaka@bloomberg.net
海外ニュース
アメリカ/中南米
ヨーロッパ
アジア
マーケットニュース
株式
外国為替
債券
日銀は追加緩和辞さず-下振れリスク高まれば国債購入も (Update1)
1月25日(ブルームバーグ):日本経済は持ち直しているが、円高など外的なショックに対してぜい弱な状態が続いている。再び景気の下振れリスクが高まれば、日本銀行は一段の金融緩和も辞さない構えだ。具体的には、新型オペによる資金供給額の拡大や期間延長、さらには長期国債買い入れの増額による長期資金供給などが有力な候補として挙がっている。複数の関係者への取材で明らかになった。
日銀は昨年12月1日に臨時金融政策決定会合を開き、0.1%で期間3カ月の資金を供給する新しい資金供給手段を導入した。政府によるデフレ宣言、ドバイ発の金融不安、円高、株安の進行により、マインドが悪化して景気の下振れリスクが高まったことへの対応だった。
関係者の話をまとめると、再び景気下振れリスクが高まった場合、日銀がどのような手を打つかはひとえにショックの性格や大きさに依存する。長期国債買い入れ増額を含め、あらゆる選択肢を排除してないが、国債発行額が顕著に増加する中、長期国債の買い入れ増額は財政ファイナンスととられかねない手段だけに、慎重な声も根強い。
日本経済を再びショックが襲ったとき、次の一手の最有力候補は新型オペの拡充というのは市場関係者の一致した見方だ。三菱UFJ証券の石井純チーフ債券ストラテジストも、最も可能性の高い選択肢として「新型オペ増額や6カ月物固定金利オペの導入」を挙げる。
応用が利く新型オペ
みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「新型オペは期間を6か月や1年に延長することで金利押し下げ効果を強めることができるという点で、応用が利く」と指摘する。新型オペの導入を機に円相場が反転したことで、日銀もその効果に自信を深めている。期間3カ月のまま現在10兆円の資金供給額を増やすという選択のほか、期間を6カ月、1年まで増やすなど複数回の拡充が可能だ。
JPモルガン証券の菅野雅明調査部長は「新型オペの拡大でも事態が好転しない場合には、長期国債の買い入れ増額も選択肢となるだろう」とみる。野村証券の松沢中チーフストラテジストは「長期国債買い入れ増額は効果があいまいなので、単独での実施はないだろうが、資金供給量の拡大と併せて実施することで、市場にメッセージを送ることはできる」と指摘する。
白川方明総裁は昨年11月30日の会見で、長期国債買い入れ増額の可能性について問われ、「その時々の金融経済情勢を踏まえ、最適な政策を常に考えていく」と述べ、その可能性を排除しなかった。ただ、日銀は長期国債の保有残高を日銀券発行残高以下にとどめる日銀券ルールを定めており、次に買い入れを増額する際は、このルールの取り扱いが焦点になってくる。
国債買い入れ増額は財政規律が鍵に
昨年3月18日の会合で長期国債買い入れを月1.4兆円から1.8兆円に増額した後の会見で、白川総裁は「追加的な買い入れ余地はかなり限定される」と述べた。昨年12月の日銀券発行残高は2カ月連続で減少した。2カ月連続で減少したのは統計を開始した1970年以来初めてで、日銀券ルールの下で買い入れ余地は一段と狭まっている。
同ルールは、日銀が長期の負債である日銀券を大幅に上回る長期国債を保有すると、金融引き締めに転じた際、売却するのが困難という理由に加え、財政ファイナンスという疑いをもたれないようにするための規律の意味がある。従って、長期国債買い入れ増額の是非については、政府の財政規律に対する姿勢も大きく絡んでくる。
モルガン・スタンレー証券の佐藤健裕チーフエコノミストは「政府が5、6月をめどに公表予定の中期財政フレームで、信頼感のある財政均衡目標を打ち出すなら、日銀としては国債市場安定の観点から長期国債の買い入れ額を引き上げ、政府との協調姿勢を示すことはやぶさかでないだろう」と指摘する。しかし、民主党政権は消費税率を4年間引き上げない方針で、財政規律に対する疑念の声は強い。
物価安定の理解のさらなる明確化も
日銀は昨年10月の経済・物価情勢の展望(展望リポート)で「公的債務残高が増加する中で、財政規律や金融政策運営に対する信認が低下する場合、長期金利の大幅な変動など金融資本市場に悪影響を及ぼすリスクも存在する」と指摘した。大和総研の田谷禎三顧問は「日銀は長期国債買い入れ増額を極力避けるのではないか」とみる。
関係者らによると、物価安定の理解をさらに明確化することも中長期的な選択肢の1つとなる。日銀は昨年12月18日の会合で物価安定の理解について、消費者物価の「前年比2%以下のプラス」であり、「ゼロ%以下のマイナスは許容していない」と表明した。ピンポイントで1%といった数値を示すかどうかが次の課題になりそうだという。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 日高正裕 Masahiro Hidaka mhidaka@bloomberg.net
09年度2次補正予算案を賛成多数で可決=衆院予算委
[東京 25日 ロイター] 衆院予算委員会は25日午後、2009年度第2次補正予算案を与党などの賛成多数で可決した。同予算案は同日中の衆院本会議において賛成多数で可決され、参院に送付される見込み。
2次補正予算案は、緊急経済対策を実現するための歳出を7兆2013億円計上する一方、第1次補正予算の執行停止を含む既定経費の削減などで7兆3441億円を圧縮。補正の規模は846億円となり、補正後の09年度予算の一般会計総額は102兆5582億円となる。
歳入は9兆2420億円の大幅な税収減に伴い、9兆3420億円の国債を追加発行。09年度の新規国債の発行総額は53兆4550億円と過去最大に膨らみ、公債依存度は52.1%に悪化する。09年度税収は36.9兆円程度まで落ち込む見通しで、国債発行額と税収の規模が1946年度以来、63年ぶりに逆転する。
(C) Copyright Thomson Reuters 2009. All rights reserved.
[東京 25日 ロイター] 衆院予算委員会は25日午後、2009年度第2次補正予算案を与党などの賛成多数で可決した。同予算案は同日中の衆院本会議において賛成多数で可決され、参院に送付される見込み。
2次補正予算案は、緊急経済対策を実現するための歳出を7兆2013億円計上する一方、第1次補正予算の執行停止を含む既定経費の削減などで7兆3441億円を圧縮。補正の規模は846億円となり、補正後の09年度予算の一般会計総額は102兆5582億円となる。
歳入は9兆2420億円の大幅な税収減に伴い、9兆3420億円の国債を追加発行。09年度の新規国債の発行総額は53兆4550億円と過去最大に膨らみ、公債依存度は52.1%に悪化する。09年度税収は36.9兆円程度まで落ち込む見通しで、国債発行額と税収の規模が1946年度以来、63年ぶりに逆転する。
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