量子の研究、ERATOの事は昨夜のWBSで特集していましたよね。
おそらく、次世代の科学は量子だと言っても過言じゃないと思います。
今Googleがその分野に動き出しているようです。
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D-Wave Systemというカナダの企業があります。断熱量子コンピューティングを研究・開発するベンチャー企業で、量子コンピュータへの期待を引き受けるようにすでに多くのファンドを獲得中。2007年には数独パズルを解くなどして「世界初の実行可能な商用量子コンピュータ完成」を謳いましたが、コンピュータを名乗るには規模がまだまだ小さすぎるのでは、そもそも本当に量子コンピュータが用いられたのか、などといった専門家の論証にまだ十分答えられていないのが現状です。
しかしそんなD-Wave社に強力なパートナーが現れました。その名もGoogle、です。Googleいわく、同社はすでに3年以上も量子コンピュータを研究しており、画像中の物体認識などへの活用を検討しています。そしてこの研究をハードウェア面で支えるのがD-Wave社、という流れ。Googleのハードウェアといえば高度なネットスラング辞書の生成能力などで知られていますが、量子コンピュータを用いればいわゆる「最適化問題」の解法が従来より高品質になる、ということです。
そもそも量子コンピュータになんの強みがあるのかというと、例えば量子計算分野にはグローバーのアルゴリズムというものがあり、100万個の引き出しに1つだけボールが入っていた場合、ふつうは平均50万回引き出しを開けて探すことになりますが、量子コンピュータでは1000回開けるだけで済む......とGoogleは例に挙げて説明しています。
「量子力学を理解している人間はいない」というファインマンの言葉に従って不用意な説明は避けますが、リンク先ではGoogle直々の論文も公開されていますので、さらに詳しく知りたい方はどうぞ。
http://googleresearch.blogspot.com/2009/12/machine-learning-with-quantum.html
http://japanese.engadget.com/2009/12/21/google-d-wave/より転載