木下 晃伸さんのブログ

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“違う市場”で、ユニクロはどう戦う

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●【本日のニュース】/
  ファストリ社長「靴の企画・製造・販売で他社との提携を模索」
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ファーストリテイリング(9983)の柳井正会長兼社長は16日の記者会見で、日本の靴産業について「まだまだ発展余地がある」と指摘し、「靴の企画・製造・流通を全部変える」と語った。そのうえで「ぜひ協力してやろうという企業があれば、お願いしたい」と述べ、他社との靴事業での業務提携を模索する考えを表明した。


同日発売した靴の新ブランド「ユニクロシューズ」については「ユニクロの服と同じようにあらゆる人に喜ばれる靴を提供し、今までの靴業界を変えたい」と語った。


(2009/09/16付日経速報ニュースより抜粋)


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【ニュースの深層】“違う市場”で、ユニクロはどう戦う
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■いつもメールマガジンをお読みいただきありがとうございます。


経済アナリスト、木下晃伸です。



■ユニクロを展開するファーストリテイリングが、靴業界に殴り込みをかける意思をハッキリとさせました。昨日靴の新ブランド「ユニクロシューズ」を立ち上げ、販売を始めたと正式発表したのです。


カジュアル衣料業界で圧倒的な収益を誇るユニクロではありますが、靴事業はなかなか収益をあげることができていません。


これまで同社の靴事業は、買収した子会社の靴専門店「フットパーク」など5年程前から展開していますが、衣料品のような収益を稼げてはいないのです。


なかでもフットパークの販売不振は深刻で、7月には大幅なリストラ策を発表しています。5月末時点で220店だった靴店の店舗数を2010年1月末までに200店以上を閉店し、約10店にまで減らす計画です。



■では、ブランドを一新「ユニクロシューズ」は上手くいくのでしょうか。


逆説的ですが、ユニクロが靴でも上手くいくのであれば、世界でも例を見ない総合カジュアルメーカーになったと言えると思います。


それほどまでに、衣料と靴は製造工程が大きく異なるからです。


靴を分解してみると分かりますが、靴底を剥がして中をみると意外に手作業感がああることが分かります。これを衣料のような粗利で回すというのは、同じカジュアルという範疇でも、違う戦い方を強いられることになるためです。



■一見すると同じ市場に見え、いままでの成功事例を持ち込んでうまくいかないケースは数多くあります。今回の「ユニクロシューズ」はどうなるでしょうか。


注目すべき一手だと思います。


(文責:木下晃伸 きのしたてるのぶ)
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