米経済は既に底入れ、第3四半期にプラス成長見通し。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-10502220090811
ジョージ・ソロス氏、ポジショントークか?
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%BD%E3%83%AD%E3%82%B9-%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%B1%E3%83%AB%E3%83%BBT%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%82%A6%E3%83%95%E3%83%9E%E3%83%B3/dp/447893049X
ソロスといえば、しばらくまえにブックオフで手に入れた伝記をようやく読みおわりました。
500ページにも及ぶ分厚い本なんですが、翻訳もわりとスムーズで楽しめました。
彼の資産はおよそ1兆円以上あるといわれてますが、いったいどのようにして天文学的な資産を増やしていったのか、その生涯を「幼年期~投機化時代~慈善活動時代」の3構成に分けて詳しく解き明かしてます。
2007年のサムプライム危機では、ソロス・ファンド・マネージメントの損失は600億円だったらしいですが、それ以前の2006年には会社からのボーナスとして、約8億4000万ドル(日本円にして約949億円)受け取っていたらしく、ここ数年の金融危機でも最も損害の少ない投資家の一人といわれています。
読み進めていくうちに神秘のベールに包まれていたソロスの実像が鮮明になっていきます。
多くの金持ちは、財産が増えるにつれ、いろいろな贅沢ごとに手を伸ばすものですが、ソロスはそうしたものにはさっぱり興味が湧かなかったらしいですね。
カール・ポパーに憧れて哲学者を志していたことがあり、生活は質素そのもの。
そのあたりの金銭的なバランス感覚も成功した一因かもしれませんが、さらに驚くべきことにソロスは自分の儲けたお金を軽蔑していたということ。
後世に残るような哲学理論を打ち立てたい夢が捨てきれず、そうした密かな志を抱いていた彼の基準からみれば、金融界の成功など何ほどのものでもなかったということがわかります。
大金持ちになったはいいが、精神分析医へ長く通院したりして、内面はかなり病んでいたということを初めて知りました。
長期投資を基本スタイルとするバフェットと違って、それは投機というべきギャンブルにちかいものでしたが、節目節目で大勝負ができたのも、そういった心理的背景と無関係ではなかったように思います。
有名な英ポンド売りにしても、自身のファンドの全総額を上回る何百億という金額をリスクにさらして大勝ちしています。
この異常なまでの胆力、運を引き寄せる力がソロスの凄さだと思いました。
晩年、彼は慈善活動にも金融事業と同じようなエネルギーを注ぎ込むようになります。
本人は慈善活動など片手間仕事だと言い張り、ただの節税対策だとうそぶいてますが、その言葉とは裏腹に「死ぬまでに自分の財産すべてを慈善に使い果たそうと思っているのではないか」といわれるほど、多大な金額(500億ドル)を財団に注ぎ込んでいます。
そんなところも国際的に彼の名声を高めることになっているんでしょう。
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話は少し脱線しますが、BNF氏がTVに出ているのを見て、いつも複雑な気分になります。
億単位の資産を持つ彼の立場からすると、カオを晒すリスクは相当にあるかと思うんですが。
何か事業を起こすために、世間に自分の存在を認知してもらおうというのならわかりますが、どうやらそんなわけでもなさそう。
ソロスが一時期まで極力メディアに露出するのを避けていたのと対照的です。
単純に目立ちたがり屋さんなのか、それとも何か別な目論見でもあるんでしょうか。
正直なところ、あまり姿をさらさんでほしいなぁという気持ちがないわけでもないんです。
まーそれは彼の勝手でボクがとやかくいう立場じゃないんですけどねw
いうまでもなく、氏はTV上では「株でたまたま資産を築き上げたニート」的な扱いで、決してリスペクトされていません。
ある意味晒し者扱いで、それがいたたまれないというか。
びっくり人間大集合的なバラエティ番組に呼ばれても、シリアスな経済討論番組には間違ってもお声がかかることはないし、単純に世間における「おたくトレーダー」というイメージをわかりやすく助長しているだけという気がするんですよね。
BNF氏のマスメディアにおける扱いは、日本でのデイトレーダーのポジションを如実に物語っています。
この国ではトレーダーという職業に対して偏見が少なくなく、矜持を持ちようにも世間が認めないという状況です。
株で儲けるのは不労収入でまっとうな労働ではなく、宝くじが当たって儲けるのと同じレベルで考えられているような。
ボクなんか、マンションを借りようとしても無職扱いで、いい年をしていまだに親の職業を訊かれますわw
日本にも世界を股にかけて慈善活動に取り組むソロスやバフェットのような桁違いの資産を持つ投資家が現れてくれれば、トレーダーのイメージ、株式投資に対する認識も確実に変わってくると思うんですがねー。