2009年2月20日(金)本日お伝えする内容はこちら!
1.【米国】ダウ6年ぶり安値 金融・GMの急落際立つ
2.【日本】米マクドナルドに協調融資400億円
3.【日本】1月のコンビニ売上高、7.0%増も株安
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1.【米国】ダウ6年ぶり安値 金融・GMの急落際立つ
(出所)2009年2月20日付より日経速報ニュースより
●ダウ構成銘柄の上位は圧倒的な下落
●日本と比較するとどうか
●ポートフォリオ構築をどれだけ頭に汗をかいて考えるかが勝負
19日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落。前日比89ドル68セント安の
7465ドル95セントと、2002年10月上旬以来、約6年4カ月ぶりの安値で終え
た。
直近安値を付けた昨年11月20日から2月19日までのダウ構成銘柄の騰落状況
を調べたところ、経営不安から米政府が公的支援に踏み切ったバンク・オブ
・アメリカ(バンカメ)が65%安となり、下落率首位となった。同様にシテ
ィグループは46%下落。経営破綻の懸念がくすぶるゼネラル・モーターズ(
GM)は30%下げ、この3銘柄が下落率上位を占めた。
翻って日本はどうか。例えば、金融株。みずほフィナンシャルグループ(8411
)は同期間で見てほぼ横ばいだ。また、トヨタ自動車(7203)は5%程度の値
上がりだ。金融、自動車は米株と比較すれば、圧倒的な底堅さをキープして
いる。しかし、平均株価と米NYダウを比較すると、下落幅はほとんど変わら
ない。
ここに「ポートフォリオを作る」ことがいかに投資において重要か、という
点が表れている。個別銘柄ももちろん重要だが、世界中を見渡して、全体像
を考えることも同様に重要だ。ポートフォリオ構築の極意に関しては、プレ
ミアムメールマガジン「木下晃伸をファンドマネジャーに雇いませんか?(
ゴールドリポート)」で明らかにしている。波乱が予想される3月までに、こ
れからの戦略を立てる上でご参考になれば、と考えている。
「木下晃伸をファンドマネジャーに雇いませんか?(ゴールドリポート)」
詳細はこちら
http://premium.mag2.com/lineup/P0006893/index.html
2.【日本】米マクドナルドに協調融資400億円
(出所) 2009年2月20日付日本経済新聞朝刊4面より
●邦銀三行が協調融資
●欧米金融機関との財務体力の違いは株価にも出ている
●全体株価上昇時に敏感に反応するのは金融株価
日本の三メガバンクが共同主幹事となり、米マクドナルド向けに400億円の円
建て協調融資をまとめた。三メガ銀が外国企業への融資で共同主幹事となる
のは珍しい。金融危機の影響で欧米金融機関の業績が悪化する一方、邦銀各
行も単独で融資に応じる余力は低下している。規模は小さいが注目できるニ
ュースだ。
金融危機の影響で米欧金融機関が融資に慎重になったことを受け、昨年前半
は邦銀が米IBMやスウェーデンのボルボといった海外有力企業向けの大型
協調融資をまとめる事例が相次いだ。ただ、昨年9月の米リーマン・ブラザー
ズの破綻以降、協調融資の市場も停滞。今回のマクドナルド向け案件は「リ
ーマンショック」後の外国企業向け円建て協調融資としては最大規模とみら
れる。
米個人消費が振るわない中で、米マクドナルドは直近の決算も増収増益とみ
られ、好調を維持している。今回の融資の使い道は事業資金としている。
前項のコラムでも記載したように邦銀の株価は、欧米金融機関に比べ底堅い。
いまは全体相場の荒波にもまれてはいるが、02年、03年の金融危機時に比べ
れば財務体質は強固だ。いかんせん、株価評価損によって業績悪化は否めな
いが、不良債権の質が前回危機時とは異なると考えている。株価上昇時には
金融株が上昇しなければ話にならない。株高を期待する投資家にとっては、
金融株はポートフォリオの重要な構成要素のひとつと言える。
3.【日本】1月のコンビニ売上高、7.0%増も株安
(出所)2009年2月20日付日経速報ニュースより
●コンビニが快調
●しかし、株価は下落基調
●株価が持つ先行性を投資に役立てるためには仮説思考が必要
日本フランチャイズチェーン協会が20日に発表した1月の全国コンビニエン
スストア売上高(11社、既存店ベース)は、前年同月比7.0%増の5814億円と
なり、9カ月連続で前年実績を上回った。客単価は0.5%減の595.9円で2カ
月連続減となったものの、たばこ自動販売機用成人識別カード「タスポ」の
導入による来店客数の増加で補った。しかし、株価は一向に冴えない。前年
実績を上回っている9か月はむしろ下落基調とも言える。
※【2651】(株)ローソン
http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/chart/?code=2651.t
※【8028】(株)ファミリーマート
http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/chart/?code=8028.t
これが株式市場の先見性であろう。いくらいい数値が目の前にあっても株価
が反応しないことはよくある。コンビニエンスストア最大手のセブン―イレ
ブン・ジャパンがフランチャイズチェーン(FC)加盟店に対し、消費期限
の近づいた弁当などを値引いて売る「見切り販売」を不当に制限した疑いが
あるとして、公正取引委員会が同社に対し独占禁止法違反(優越的地位の乱
用)容疑で立ち入り検査していたことが20日、分かったことも影響している
だろう。いずれにせよ、半年後から1年後に改善することを予感できる産業、
企業に投資をしなければならない。常に、投資には仮説思考が求められる典
型例だ。
(文責:木下 晃伸 きのした てるのぶ)