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アイ・エス・ビーのニュース
■今後の見通し
1. 2018年12月期通期見通し
アイ・エス・ビー<9702>は2018年12月期第2四半期決算を受けて2018年12月期の通期予想を上方修正した。新たな通期予想は、売上高17,500百万円(前期比5.0%増)、営業利益800百万円(同34.1%増)、経常利益820百万円(同30.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益480百万円(同56.0%増)となっている。
従来予想との比較では、売上高は横ばいだが、営業利益は11.1%、経常利益は10.8%、親会社株主に帰属する当期純利益は26.3%、それぞれ上方修正となった。
同社が、今通期の売上高について期初予想比横ばいとしたのは、今上期の売上高の上振れ要因の中に、下半期に予定していた案件の前倒し計上が含まれていたことが理由だ。前述のように、同社が属するソフト開発・SI業界に対する潜在的需要は高水準の状況にあるが、人手不足による機会ロスの発生や、同社の個々の顧客の事情によって、必ずしも業界全体の動向と同じように推移するわけではない。この点を慎重に見た結果、売上高予想を従来予想どおり据え置いたとみられる。
一方利益面では、前述のようにニアショア・オフショア戦略が成果を上げ、同社の収益性(利益率)が着実に上昇している。また、プロジェクトマネジメントの精度向上により、不採算案件も大幅に減少した。こうした収益力の底上げは今下期以降も継続することを見込み、利益については当初予想から上方修正した。
今下期の収益見通しの新旧比較をすると、期初予想(期初通期予想から期初の上期予想を差し引いたベース)の下期営業利益見通しは380百万円であったのに対し、新予想(上方修正後の通期予想から上期実績を差し引いたベース)の下期営業利益見通しは280百万円となっている。
営業利益ベースで約100百万円の下方修正となり、この点だけに着目すれば「修正後の会社予想は依然として控え目であり、もう一段の上方修正の可能性」という見方も可能だろう。しかしながら弊社では、この点については慎重にみておくべきと考えている。理由は、同社が従業員の処遇改善に取り組む方針を表明しているためだ。前述のように同社は人手不足に直面しているが、それだけではなく、離職者数も増加してきている状況となっている。同社の事業の性質上、人材こそが同社の事業基盤であり、“生産キャパシティ”に直結するため、人材の確保に向けた施策は高い優先度でもって実施すべきというのが弊社の考えだ。それが中長期的には、株主リターンの最大化にも資することになると弊社では考えている。同社の“人材のための投資”が具体的にどの程度の規模・内容になるかは明らかにされていないが、非常に重要性の高い施策であり、今後の推移を見守りたいと考えている。
“次の50年のための基盤創り”に取り組む『中期経営計画2020』は順調に進捗
2. 中期的業績見通し
同社は2018年12月期のスタートに当たり、2018年12月期−2020年12月期の新3ヶ年中期経営計画『中期経営計画2020』を策定し、公表した。業績面の目標値は、最終年の2020年12月期に売上高200億円、営業利益10億円、営業利益率5%を目指すというものだ。2018年12月期第2四半期を終えた時点ではこの点に変更はない。
2020年に創立50周年を迎える同社は、新中期経営計画を“次の50年への橋渡しの期間”としている。そのための重点戦略として、1)プロダクト事業の展開と拡大、2)高付加価値業務へのシフト、3)コスト競争力強化、4)グループ経営戦略強化、の4つを掲げている。
当第2四半期は、1)についてはアートのセキュリティ新製品の発売やL-share(PET-CT診断用画像ビューアソフトウェア)の発売など、2)ではQtを核に提案型業務の拡大を実現、3)については不採算プロジェクトの削減や労働時間の短縮、4)についてはニアショア・オフショア戦略による収益性向上、など、それぞれの分野において着実に成果を出した。前述の収益目標の達成に向けて、順調に進捗していると評価できるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
<TN>
1. 2018年12月期通期見通し
アイ・エス・ビー<9702>は2018年12月期第2四半期決算を受けて2018年12月期の通期予想を上方修正した。新たな通期予想は、売上高17,500百万円(前期比5.0%増)、営業利益800百万円(同34.1%増)、経常利益820百万円(同30.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益480百万円(同56.0%増)となっている。
従来予想との比較では、売上高は横ばいだが、営業利益は11.1%、経常利益は10.8%、親会社株主に帰属する当期純利益は26.3%、それぞれ上方修正となった。
同社が、今通期の売上高について期初予想比横ばいとしたのは、今上期の売上高の上振れ要因の中に、下半期に予定していた案件の前倒し計上が含まれていたことが理由だ。前述のように、同社が属するソフト開発・SI業界に対する潜在的需要は高水準の状況にあるが、人手不足による機会ロスの発生や、同社の個々の顧客の事情によって、必ずしも業界全体の動向と同じように推移するわけではない。この点を慎重に見た結果、売上高予想を従来予想どおり据え置いたとみられる。
一方利益面では、前述のようにニアショア・オフショア戦略が成果を上げ、同社の収益性(利益率)が着実に上昇している。また、プロジェクトマネジメントの精度向上により、不採算案件も大幅に減少した。こうした収益力の底上げは今下期以降も継続することを見込み、利益については当初予想から上方修正した。
今下期の収益見通しの新旧比較をすると、期初予想(期初通期予想から期初の上期予想を差し引いたベース)の下期営業利益見通しは380百万円であったのに対し、新予想(上方修正後の通期予想から上期実績を差し引いたベース)の下期営業利益見通しは280百万円となっている。
営業利益ベースで約100百万円の下方修正となり、この点だけに着目すれば「修正後の会社予想は依然として控え目であり、もう一段の上方修正の可能性」という見方も可能だろう。しかしながら弊社では、この点については慎重にみておくべきと考えている。理由は、同社が従業員の処遇改善に取り組む方針を表明しているためだ。前述のように同社は人手不足に直面しているが、それだけではなく、離職者数も増加してきている状況となっている。同社の事業の性質上、人材こそが同社の事業基盤であり、“生産キャパシティ”に直結するため、人材の確保に向けた施策は高い優先度でもって実施すべきというのが弊社の考えだ。それが中長期的には、株主リターンの最大化にも資することになると弊社では考えている。同社の“人材のための投資”が具体的にどの程度の規模・内容になるかは明らかにされていないが、非常に重要性の高い施策であり、今後の推移を見守りたいと考えている。
“次の50年のための基盤創り”に取り組む『中期経営計画2020』は順調に進捗
2. 中期的業績見通し
同社は2018年12月期のスタートに当たり、2018年12月期−2020年12月期の新3ヶ年中期経営計画『中期経営計画2020』を策定し、公表した。業績面の目標値は、最終年の2020年12月期に売上高200億円、営業利益10億円、営業利益率5%を目指すというものだ。2018年12月期第2四半期を終えた時点ではこの点に変更はない。
2020年に創立50周年を迎える同社は、新中期経営計画を“次の50年への橋渡しの期間”としている。そのための重点戦略として、1)プロダクト事業の展開と拡大、2)高付加価値業務へのシフト、3)コスト競争力強化、4)グループ経営戦略強化、の4つを掲げている。
当第2四半期は、1)についてはアートのセキュリティ新製品の発売やL-share(PET-CT診断用画像ビューアソフトウェア)の発売など、2)ではQtを核に提案型業務の拡大を実現、3)については不採算プロジェクトの削減や労働時間の短縮、4)についてはニアショア・オフショア戦略による収益性向上、など、それぞれの分野において着実に成果を出した。前述の収益目標の達成に向けて、順調に進捗していると評価できるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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