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北海道ガスのニュース
■飯野海運<9119>の事業概要と特徴・強み
1. 事業の概要
海運業(外航海運業、内航・近海海運業)と不動産業を収益の両輪としていることが特徴だ。セグメント区分は外航海運業、内航・近海海運業、不動産業の3セグメントとしている。2019年3月期の売上高構成比は外航海運業76.3%、内航・近海海運業11.1%、不動産業12.6%、営業利益構成比は外航海運業12.2%、内航・近海海運業19.4%、不動産業68.4%だった。
海運業の収益は為替、海運市況、燃料油価格などの影響を受けて変動しやすいが、2019年3月期は海運市況が低迷する状況でも、全社利益の約3割を確保した。不動産業は、新橋田村町地区市街地再開発事業に伴う所有ビル解体などの影響で一時的に収益が減少しているが、安定収益源であることに変化はない。
海運業は業界最大級の船隊規模を誇るケミカルタンカーやガスキャリアが主力
2. 海運業
海運業のうち、外航海運業は全世界にわたる水域において、原油を輸送するオイルタンカー、石油化学製品を輸送するケミカルタンカー、LNG(液化天然ガス)やLPG(液化石油ガス)を輸送する大型ガスキャリア、石炭・木材チップを輸送する専用船及び穀物・鋼材・肥料などを輸送する小型~中型ドライバルクキャリア(ばら積み貨物船)を運航している。内航・近海海運業は国内及び近海を中心とした水域において、LNG・LPG・石油化学系ガスを輸送する小型ガスキャリアなどを運航している。また、国内外における船舶管理業や船用品販売業なども行っている。
ケミカルタンカーやガスキャリアなどによる資源・エネルギー関連輸送を主力として、グローバル・ネットワークを駆使した効率的な輸送で、遠洋から近海にわたる幅広い水域で海上輸送サービスを提供している。LPG・石油化学系ガスの国内輸送シェアは業界トップクラスである。さらに国内では数少ない内航LNGキャリアも運航している。
2019年3月期末のグループ運航船舶数(共有相手持分含む)は合計107隻である。内訳は外航海運業が80隻(オイルタンカー2隻、ケミカルタンカー43隻、大型ガスキャリア17隻、ドライバルクキャリア18隻)で、内航・近海海運業が小型ガスキャリアなど27隻である。ケミカルタンカーは業界最大級の船隊規模を誇っている。
主要取引先には、アストモスエネルギー(株)(出光興産<5019>グループと三菱商事<8058>グループのLPG部門が統合したLPG商社)、出光興産、王子ホールディングス<3861>、JXTGエネルギー(株)(JXTGホールディングス<5020>グループ会社)、JA全農(全国農業協同組合連合会)、J-POWER(電源開発)<9513>、東ソー<4042>、日本ゼオン<4205>、北海道ガス<9534>、SABIC(Saudi Basic Industries Corporation)などがある。
なお2017年10月には、トリニダード・トバゴの世界有数のメタノール製造会社であるMethanol Holdings(Trinidad)Ltd.とメタノール輸送の定期用船契約を締結した。本契約には37,000DWT型ケミカルタンカー1隻を投入する。中期経営計画において、ケミカルタンカー事業の世界展開、特に米州への定期配船によるシェール由来貨物の取り込みを重点強化策としており、本契約はその足掛かりとなる。
また2018年2月には、世界最大のメタノール生産者であるMethanex Corp.の100%出資海運会社Waterfront Shipping Company Ltd.と、新造メタノール船定期用船契約締結を発表した。本船には従来の重油のみならず、メタノールを燃料にできる二元燃料主機関を搭載し、環境負荷軽減のため次世代燃料船実用化に向けた取り組みを推進する。
さらに2018年4月には東北電力<9506>と、2018年2月竣工した88,000DWT型石炭船「PEGASUS ISLAND」の専航船輸送契約を締結した。東北電力の石炭安定調達の一翼を担う。
海運業における同社の特徴・強みは、業界最大級の船隊規模を誇るケミカルタンカーである。特に中東積み石油化学製品の輸送量はトップクラスのシェアを誇っている。
また同社が運航するケミカルタンカーの多くはステンレス製タンクを有している。ステンレス製タンクは通常の鉄製タンクに比べて耐腐食性が強いため、硫酸なども輸送できるメリットがあり、石油化学製品だけでなくケミカルタンカーでパーム油などの輸送も行うことで効率的な運航を図っている。
ステンレス製タンクに加えて、タンク洗浄など石油化学製品輸送に要求される高度な船舶管理ノウハウ、さらには効率的な輸送ノウハウを有していることが、同社の競争優位性につながっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<SF>
1. 事業の概要
海運業(外航海運業、内航・近海海運業)と不動産業を収益の両輪としていることが特徴だ。セグメント区分は外航海運業、内航・近海海運業、不動産業の3セグメントとしている。2019年3月期の売上高構成比は外航海運業76.3%、内航・近海海運業11.1%、不動産業12.6%、営業利益構成比は外航海運業12.2%、内航・近海海運業19.4%、不動産業68.4%だった。
海運業の収益は為替、海運市況、燃料油価格などの影響を受けて変動しやすいが、2019年3月期は海運市況が低迷する状況でも、全社利益の約3割を確保した。不動産業は、新橋田村町地区市街地再開発事業に伴う所有ビル解体などの影響で一時的に収益が減少しているが、安定収益源であることに変化はない。
海運業は業界最大級の船隊規模を誇るケミカルタンカーやガスキャリアが主力
2. 海運業
海運業のうち、外航海運業は全世界にわたる水域において、原油を輸送するオイルタンカー、石油化学製品を輸送するケミカルタンカー、LNG(液化天然ガス)やLPG(液化石油ガス)を輸送する大型ガスキャリア、石炭・木材チップを輸送する専用船及び穀物・鋼材・肥料などを輸送する小型~中型ドライバルクキャリア(ばら積み貨物船)を運航している。内航・近海海運業は国内及び近海を中心とした水域において、LNG・LPG・石油化学系ガスを輸送する小型ガスキャリアなどを運航している。また、国内外における船舶管理業や船用品販売業なども行っている。
ケミカルタンカーやガスキャリアなどによる資源・エネルギー関連輸送を主力として、グローバル・ネットワークを駆使した効率的な輸送で、遠洋から近海にわたる幅広い水域で海上輸送サービスを提供している。LPG・石油化学系ガスの国内輸送シェアは業界トップクラスである。さらに国内では数少ない内航LNGキャリアも運航している。
2019年3月期末のグループ運航船舶数(共有相手持分含む)は合計107隻である。内訳は外航海運業が80隻(オイルタンカー2隻、ケミカルタンカー43隻、大型ガスキャリア17隻、ドライバルクキャリア18隻)で、内航・近海海運業が小型ガスキャリアなど27隻である。ケミカルタンカーは業界最大級の船隊規模を誇っている。
主要取引先には、アストモスエネルギー(株)(出光興産<5019>グループと三菱商事<8058>グループのLPG部門が統合したLPG商社)、出光興産、王子ホールディングス<3861>、JXTGエネルギー(株)(JXTGホールディングス<5020>グループ会社)、JA全農(全国農業協同組合連合会)、J-POWER(電源開発)<9513>、東ソー<4042>、日本ゼオン<4205>、北海道ガス<9534>、SABIC(Saudi Basic Industries Corporation)などがある。
なお2017年10月には、トリニダード・トバゴの世界有数のメタノール製造会社であるMethanol Holdings(Trinidad)Ltd.とメタノール輸送の定期用船契約を締結した。本契約には37,000DWT型ケミカルタンカー1隻を投入する。中期経営計画において、ケミカルタンカー事業の世界展開、特に米州への定期配船によるシェール由来貨物の取り込みを重点強化策としており、本契約はその足掛かりとなる。
また2018年2月には、世界最大のメタノール生産者であるMethanex Corp.の100%出資海運会社Waterfront Shipping Company Ltd.と、新造メタノール船定期用船契約締結を発表した。本船には従来の重油のみならず、メタノールを燃料にできる二元燃料主機関を搭載し、環境負荷軽減のため次世代燃料船実用化に向けた取り組みを推進する。
さらに2018年4月には東北電力<9506>と、2018年2月竣工した88,000DWT型石炭船「PEGASUS ISLAND」の専航船輸送契約を締結した。東北電力の石炭安定調達の一翼を担う。
海運業における同社の特徴・強みは、業界最大級の船隊規模を誇るケミカルタンカーである。特に中東積み石油化学製品の輸送量はトップクラスのシェアを誇っている。
また同社が運航するケミカルタンカーの多くはステンレス製タンクを有している。ステンレス製タンクは通常の鉄製タンクに比べて耐腐食性が強いため、硫酸なども輸送できるメリットがあり、石油化学製品だけでなくケミカルタンカーでパーム油などの輸送も行うことで効率的な運航を図っている。
ステンレス製タンクに加えて、タンク洗浄など石油化学製品輸送に要求される高度な船舶管理ノウハウ、さらには効率的な輸送ノウハウを有していることが、同社の競争優位性につながっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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