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アクシスC Research Memo(3):大手コンサルティングファーム向け人材紹介が中心

配信元:フィスコ
投稿:2024/10/10 14:03
*14:03JST アクシスC Research Memo(3):大手コンサルティングファーム向け人材紹介が中心 ■アクシスコンサルティング<9344>の事業概要

1. 人材紹介
同社の人材紹介サービスの中心は、国内最大級の大手コンサルティングファーム向け正社員の採用・転職支援サービスで、コンサルタントの4人に1人が登録しているといわれている。このほか、ポストコンサル(事業会社などにおけるコンサルティングファームの出身者)の転職を希望する人には経営企画・社内コンサルやM&A・投資ポジションほか人気の求人先を多数用意、フリーのコンサルタントを目指す人には独立の方法を支援するとともに高単価の案件を中心に提供している。コンサルティング業界未経験者には同社ならではの「コンサルティング業界の歩き方」をレクチャーしている。

同社はコンサルティングファーム向けを中心に経営層やデジタル・DX領域の正社員コンサルタントの採用・転職支援サービスを提供しており、特にマネージャー以上のハイエンド人材の採用支援に強みを持っている。主力のコンサルティングファーム向けでは、創業から20年間で10,000人の現役コンサルタントの転職を支援してきており、大手外資系コンサルティングファームや国内系コンサルティングファームでは、シニアコンサルタント以上の入社実績数が全エージェントのなかで1位という実績を誇る。こうした実績を背景に、コンサルティングファームの同社に対する信頼は厚く常に緊密に情報交換を行うほどである。このため同社だけに依頼する独自求人が多数あり、また、同社の求人も重要人材の採用を示唆する非公開のもので77%を占める。

昨今、IT・DX化への対応力が問われる案件が急速に増大しているようだ。このため、従来の経営戦略の策定やプロジェクト・マネジメント力、論理的思考といったコンサルタントとしてのコアスキルや経験以外にも、データサイエンティストやエンジニアなどのテクノロジーバックグランドや、PMIコンサルティングなどハンズオン(ファンドやコンサルティングファームなどが投資先やクライアントの経営に深く関与すること)の経験を有する人材の採用ニーズが急増しているため、経験の少ない人材はコンサルタント経験者であっても転職は容易ではないようだ。したがって、経験を積むためコンサルティングファームのデジタル系チームに一旦転職し、DX案件の戦略から導入まで関わるなどIT・デジタル領域のスペシャリティを磨く必要が生じているが、同社ではこのような足元の状況変化にも対応できる。

2024年7月に吸収合併した連結子会社のケンブリッジ・リサーチ研究所では、事業会社向けの正社員採用サービスを提供しており、経営層やデジタル・DX領域のマネージャーなどハイエンド人材に加え、コンサルタント経験者の事業会社への転職支援も行っている。ケンブリッジ・リサーチ研究所は60年にわたって事業会社のエグゼクティブ層の採用を支援してきたノウハウやケーススタディを背景に、事業会社の経営者とのネットワークの強化と拡大を図ることで、ハイエンド人材の登録において圧倒的なシェアを誇る。そのため、企業が大きな課題を抱えたりキーマンに空席ができたりした場合、企業経営者の側から積極的に相談に訪れるようだ。なお、ケンブリッジ・リサーチ研究所は、従来のハイエンド人材紹介に多かった属人的な運営を行っていた面があるため、吸収合併によって今後は、より効率的かつ効果的な運営に切り替えていく方針だ。

同社は転職希望者を、自社の登録サイトや、転職サイト運営企業の求職者情報を利用したスカウト、また同社人材データベースへの登録人材とのコミュニケーションを通じて獲得している。そしてキャリアアドバイザーは、「生涯のキャリアパートナー」という同社の信念にあるように転職希望者へコンサルティングファームへの就職・転職からポストコンサルまで、コンサルタントのキャリアパスについて適切な提案を行っている。なお、特にコンサルタントという領域は、一般企業の職種と比べて、経験とノウハウが増えるほど人材としての価値が上がる。このため、一般企業では転職者と付き合いを続けていても人材価値の上昇が止まることが少なからずあり、ナーチャリング(顧客育成)のリスクが高いが、コンサルタントは40、50代になっても(場合によっては60代になっても)、ニーズがあるうえ、独立など出口戦略も多く持てるため、ナーチャリングのリスクが低くなる。このため、同社とコンサルタントのとの付き合いは総じて長いものになる。


外部人材を活用して企業の課題解決を図る

2. スキルシェア
スキルシェアは、独立してフリーランスとなったコンサルタント(フリーコンサルタント)など外部人材を活用して手軽に企業の課題解決を図るサービスで、プロジェクトなどにより経営課題や事業課題を解決する「フリーコンサルBiz」と、経営相談や資料作成など様々な面で経験や知見を生かせるスポットコンサルのデジタルプラットフォーム「コンパスシェア」がある。

(1) フリーコンサルBiz
フリーコンサルBizは、同社が人材データベースに登録した戦略やDX領域で実績のあるコンサルティングファーム出身のフリーコンサルタントを、企業が構成するチームやプロジェクトに生かして経営課題を解決するサービスである。企業にとってのメリットは、機動的にプロジェクトを展開し、経営戦略や事業創出など専門分野に特化したフリーコンサルタントを課題に合わせて活用できる点にある。また、フリーコンサルタント個人と直接契約を行わないので手間やリスクが小さいこともメリットと言える。さらに、プロジェクトの初期段階はフリーコンサルタントを活用し、中長期的に正社員雇用に切り替えていくというような、状況に応じた柔軟な人材戦略も可能となる。

一方、フリーコンサルタントにとってのメリットは、同社のデータベースに登録されることで継続的に案件を受注できるうえ、自身の専門性にフィットした案件や同社の看板をバックに高単価の案件を受注しやすくなる点にある。また、同社のキャリアサポートによりフリーコンサルタントから正社員に登用されるケースも少なくないようだ。現状、DX領域においてマネージャーの有効求人倍率が8~10倍と高いため採用が難しく、DX関連のコンサルティングに強い同社のフリーコンサルタントは引く手あまたのようだ。

(2) コンパスシェア
コンパスシェアは、経営課題や事業課題などに関して短期間かつ手軽にコンサルタントに相談できるデジタルプラットフォームで、課題を抱える企業経営者や担当者など様々なクラスの相談者に対して、フリーコンサルタントやコンサルティングファームに在籍するコンサルタントとのマッチングを行う。通常のスポットコンサルのほか、外部コンサルティングを利用したことがない企業や試しに利用してみたいと考えている企業にとっても利用しやすいサービスである。また、コンサルタントにとっても、スキマ時間に自身の知見やスキルを副業として活用できるサービスだ。

ミーティング実施までの基本的な流れは、企業がコンパスシェアに相談内容を登録してコンサルタントをデジタルプラットフォーム上で募集または指名、コンサルタントはコンパスシェアに登録したうえで相談案件にエントリーして依頼者からのオファーを受諾し、企業とコンサルタントが事前にすり合わせたうえでミーティングに入る。ビジネス知見のあるアドバイザーと顧客をつなぐビザスク<4490>のスポットコンサルに似ているが、ビザスクにとってはスポットコンサルが主要事業であるのに対し、同社にとっては同社ビジネスの入口として、登録難易度の高いコンサルタントを低コストで集める機能を担っているため、そもそもの建付けが異なる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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配信元: フィスコ
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