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アクシスコンサルティング、通期業績予想に対し利益面は順調に推移 市況変化を見据えた施策で下期後半の伸長に期待高まる

投稿:2024/02/26 08:00

2024年6月期 第2四半期累計 業績ハイライト

山尾幸弘氏:アクシスコンサルティング株式会社代表取締役社長の山尾です。2024年6月期の第2四半期決算報告を始めたいと思います。よろしくお願いします。私から第2四半期の決算概要と通期業績予想の進捗と下期の展望についてお話しします。続けて、取締役コーポレート本部長の半田より、第2四半期決算の詳細についてご説明します。

2024年6月期第2四半期の業績ハイライトです。1つ目のポイントとして、売上高は業績予想に対して進捗が遅れています。今期の通期業績予想については、市況変化への対応を踏まえ、下期に焦点を当てた予想としています。第1四半期、第2四半期と対策を講じ、人材紹介では一定の成果が出始めていますが、スキルシェアの苦戦は想定よりも大きく、売上進捗が遅れる結果となりました。

2つ目のポイントは外部環境についてお話しします。当社の主力顧客が属するコンサルティング業界は引き続き堅調ですが、大手コンサルティングファームにおける人材需要は、若手層とマネージャー以上で大きく異なっています。第1四半期の説明でも触れましたが、若手層の採用が調整局面となる一方で、マネージャー以上の人材への採用意欲は非常に旺盛です。この傾向がより顕著に見えています。

3つ目のポイントです。現在、下期の業績伸長に向けて鋭意取り組んでいる最中ですが、人材紹介の施策の効果発現は下期後半になると見込んでいます。下期の展望、通期業績予想への影響については、後ほどご説明します。

2024年6月期 第2四半期累計 決算概要

第2四半期累計の損益計算書です。売上高は21億2,000万円、前年同期比1.4パーセント増、営業利益は3億6,500万円、前年同期比17.1パーセント減となりました。売上高については、第1四半期と同じく、スキルシェアで前年同期を下回りましたが、人材紹介の貢献により、全体として増収を確保しています。

通期業績予想の進捗については、売上高の進捗率が41.4パーセントと遅れていますが、営業利益は進捗率45.2パーセントと、順調に推移しています。

売上高の進捗遅れは、スキルシェアの売上が前年同期を下回ったことが主な要因ですが、粗利率の関係で利益面へのインパクトは限定的です。比較的、堅調な人材紹介が貢献したこと、また、販管費のコントロールにより、利益面は順調に推移しています。

市場環境と下期に向けた展望

下期の展望についてご説明します。スライドは、人材紹介に関する市場環境の変化と、当社の対応を時系列で記載したものです。

まず、現在の市場環境について、当社の主要顧客が属するコンサルティング業界は、引き続き着実に成長しており、事業会社のコンサルティング需要は堅調に推移しています。

ただし、冒頭に触れたように、その中でも大手コンサルティングファームの人材需要は、若手層とマネージャー以上で大きく異なります。これまで、コンサルティング需要の拡大に伴い、積極採用してきた若手層が充足され、若手層の採用は調整局面となっています。

一方で、増大した若手層に対して、プロジェクトの管理等を担えるマネージャー以上の人材は不足しており、マネージャー以上に対する採用意欲が大変旺盛です。当社はこの状況に対して、第1四半期と第2四半期で需要が高まっているマネージャー以上の人材に対する対応力を強化してきました。

当社の人材紹介では、実際に候補者が対象企業に入社した時点で売上が計上されます。また、企業側の求人案件の把握、候補者のサーチ、面談などの活動から、実際に対象企業に候補者が入社するまで、おおむね3ヶ月から5ヶ月程度かかります。つまり、対策を講じてからその効果が売上に反映するまでタイムラグが発生します。

スライド右上のグラフをご覧ください。この第2四半期では、取り組んできた施策の効果が、マネージャー以上の決定割合増加として発現し、想定どおり平均売上単価を押し上げてきました。平均年収、手数料率ともに上昇しています。そして、第3四半期、第4四半期も平均売上単価はこの水準を維持する見通しです。

一方、マネージャー以上の決定人数増加については、下期に本格的な効果発現を見込んでいましたが、下期の後半にずれ込む見通しです。マネージャー以上を担える候補者は絶対数が少なく、マーケット全体で逼迫している状態です。

マネージャー以上の採用支援は、当社の得意領域です。当社が誇る経験豊富なキャリアアドバイザー、当社独自の人材データベース、そしてサーチ機能をフル稼働して対応しています。また、すでにマネージャー以上で実績のある候補者のみならず、これからマネージャー候補となりうる人材を扱う組織も強化しました。

これらの取り組みで、この第1四半期、第2四半期と候補者との面談数を増加させていますが、まだ足りていません。候補者が逼迫している中、より多くの候補者と面談して紹介していくために、現在、経験を積みつつあるキャリアアドバイザーの育成が急務です。

加えて、コンサルティングファームの人材需要にきめ細かく対応するために、営業部門との連携を深めています。候補者の確保、人材ニーズの把握を徹底し、顧客の人材需要を取りこぼすことなく下期後半の成果に結びつけていきます。

また、スキルシェアの状況については、決算概要でご説明したとおり、第2四半期の売上高は前年同期を下回り、売上進捗が遅れています。これも、主要顧客であるコンサルティングファームの人材需要の変化、ニーズの変化が影響しています。

フリーコンサルタントが稼働するサービスである「フリーコンサルBiz」が、ニーズ変化に対応しきれず、受注の確保が想定以上に進まなかったことが要因です。現在、顧客のフォロー体制を強化し、案件継続率の改善など成果が出てきていますが、本格的な売上回復にはまだ時間がかかると見ています。

参考: コンパスシェアの取組事例

一方、スキルシェアのもう1つのサービスラインアップ、現役コンサルタントによるスポットコンサルティングサービスである「コンパスシェア」の取り組みは、着実に進展しています。

「コンパスシェア」は、大手コンサルティングファームに在籍する現役コンサルタントの登録シェア拡大のために、業務提携や協賛などにより利用機会を広げています。

「コンパスシェア」単体ではまだ売上貢献は微々たるものですが、このサービスを起点とした業務提携などで利用機会を広げることは、コンサルタントの活用機会を広げることであり、ひいては人材紹介、「フリーコンサルBiz」の利用拡大につながるものです。

これは、成長戦略であるリカーリングビジネスを推進する取り組みでもあります。

サービスラインアップ

また、その取り組み強化の一環で、子会社のケンブリッジ・リサーチ研究所を吸収合併することを決定しました。ケンブリッジ・リサーチ研究所は約60年の歴史を誇る、我が国のエグゼクティブサーチの草分け的な存在です。長年にわたる事業会社のエグゼクティブ層の採用支援で培ってきた伝統を、アクシスコンサルティングが引き継ぎます。

コンサルタントなどの高い専門性と能力を持つハイエンド人材の活用機会を広げ、我が国の発展に貢献することは、当社の事業目的です。

そのために当社は、コンサルタントの働き方、キャリアパスに寄り添って支援しています。その中の1つに、コンサルティングファームからエグゼクティブとして事業会社に転身するキャリアパスがあります。いわゆるポストコンサルです。また、事業会社からのコンサルタント経験者に対するニーズも高まっています。

ケンブリッジ・リサーチ研究所を吸収合併することで、より一層の意思決定スピードの向上とオペレーションの効率化を図るとともに、事業会社向けのサービスを含め、当社のリカーリングビジネスを構成する各サービス間の連携を強化していきます。

市場環境と下期に向けた展望

ご説明したとおり、成長戦略はたゆまず推進させていますが、通期業績予想に対しては、人材紹介の施策効果の発現が下期後半に遅れる見込みであり、また、スキルシェアの改善傾向は見えつつも下期での挽回は厳しいことから、売上面は弱含みです。

投資家のみなさまにはご心配をおかけしているかと思いますが、市況変化への対応を進めて売上回復に注力するとともに、販管費のコントロールにより利益確保に努めていきます。そして引き続き、これらのビジネスを拡大すべく成長戦略を推進させていきます。

私からの説明は以上となります。それでは、2024年6月期第2四半期決算の詳細について、取締役コーポレート本部長の半田よりご説明します。

売上高 (四半期推移)

半田晴彦氏:第2四半期の業績詳細についてご説明します。売上高は、前年同期比マイナス1.0パーセントとなりました。

先ほども触れたとおり、主要な顧客である大手コンサルティングファームを中心に人材需要が変化しており、人材紹介・スキルシェアともに、そのニーズの変化の影響を受けています。

目下、両サービスともに対応を進めていますが、スキルシェアの苦戦が響き、第2四半期においては前年同期比でマイナスとなりました。

売上高 (四半期推移) ー 人材紹介 ー

個別のサービス別に売上高を見ていきます。人材紹介の第2四半期の売上高は、前年同期比プラス3.9パーセントの成長となりました。KPIの1つである入社決定人数は微増にとどまりましたが、コンサルティングファームのマネージャー以上に対する旺盛な採用意欲により、第1四半期に比べてマネージャー以上の決定割合が増加しました。

また、これに伴い、もう1つのKPIである平均売上単価は想定どおり上昇しました。通期業績予想については、第1四半期、第2四半期と、マネージャー以上に照準を合わせて施策を打っていますが、マネージャー以上の採用プロセスは若手層よりも長い期間を要することに加え、マネージャー候補となる人材は市場で逼迫しています。

当社も体制を強化し、マネージャー候補者との面談数を増加して対応していますが、その効果が出るのは、当初予想から遅れて下期後半にずれ込む見込みです。なお、現時点の見通しでは、マネージャー以上に対する各社の高い採用需要を反映し、手数料率は引き続き高い水準を維持すると見込んでいます。

そのため、下期の平均売上単価は、第2四半期とほぼ同じ水準で推移する見通しです。

売上高(四半期推移)ー フリーコンサルBiz(スキルシェア) ー

スキルシェアの第2四半期の売上高についてご説明します。「フリーコンサルBiz」も、第1四半期に引き続き市場のニーズ変化への対応に努めていますが、稼働人数の回復には至らず、第2四半期の売上高は前年同期比でマイナス10.6パーセントとなりました。

若手層が充実した大手コンサルティングファームの内製化を優先する動きや、当社と同種のサービスを提供する会社も増えていることから、当社としても優位性を確立すべく、顧客フォローを徹底して案件継続率の改善に努めるとともに、高度化する案件に対応するためのサービス強化に取り組んでいます。

通期業績予想に向けて、足元では顧客フォローの強化が功を奏して案件継続率の改善が見え始めていますが、第2四半期までの売上進捗を鑑みると、下期で当初の目標まで挽回することは厳しい状況です。

売上総利益(四半期推移)

第2四半期の売上総利益についてご説明します。第2四半期の売上高は前年同期比でマイナスでしたが、売上総利益は人材紹介が牽引し、全体では前年同期比でプラス3.7パーセントとなりました。

スキルシェアでは案件獲得に苦戦しており、競争環境も悪化しているため粗利率が低下しましたが、人材紹介では自社リソースの利用割合が高まったため、粗利率は上昇しました。

サービス別の粗利(四半期推移)

参考として、サービス別の粗利をスライドにまとめました。詳しくはこちらをご覧ください。

販売費及び一般管理費(四半期推移)

販管費についてご説明します。人員増強に伴い、前年同期と比べて人件費及び採用費が増加していますが、期初予想に対しては抑制されています。なお、第2四半期末にオフィスの増床をしたため、当該コストにより、第1四半期と比べてその他が少し増加しています。

従業員数については、第2四半期末と前年度末を比べて6名増の122名となりました。フロント部門は2名増加の81名となりましたが、第1四半期末からは、退職もあり人数としては1名減少しています。人員の増強は将来成長のための重要な要素であるため、今後も採用を強化し、必要な人材を獲得していきます。

営業利益(四半期推移)

営業利益の状況です。利益面は販管費の抑制により、期初予想に対して順調に進捗しています。

ご説明したとおり、通期予想に対して売上面が弱含みとなっています。採用などの必要な投資は進めていきますが、売上動向を見据え、広告宣伝費などを中心に販管費のコントロールを効かせて利益確保に努めていきます。

貸借対照表

財政状況については、引き続き安定した財務基盤の確保を図っており、自己資本比率は76.5パーセントです。なお、オフィス増床に伴い、固定資産が少し増加しています。

まとめ

本日の決算説明のまとめです。1点目は、通期業績予想に対して第2四半期累計の売上進捗が遅れています。人材紹介の貢献によって増収は確保していますが、スキルシェアが前年同期を下回っている状況です。

2点目は、これまでご説明したとおり、市場環境としては大手コンサルティングファームで若手層が充足されたため、若手採用が調整局面となる一方で、案件を担えるマネージャー以上の人材が不足し、マネージャー以上に対する採用意欲が旺盛となっています。この市況変化に対して、人材紹介ではマネージャー以上への対応を強化するために対策を講じています。

その結果、マネージャー以上への決定割合や、マネージャー以上の候補者との面談数が増加しつつあり、想定どおりの効果が見え始めています。しかし、業績への反映は想定よりも遅れ、下期後半にずれ込む見込みです。

また、スキルシェアにおいては、顧客フォローの徹底が功を奏し、既存案件の継続率が戻りつつありますが、ニーズ変化の対応にはしばらく時間がかかる見込みです。

最後に通期業績予想については、人材紹介の施策効果発現が下期後半にずれ込み、スキルシェアも第2四半期累計の進捗状況を見ると下期の挽回は厳しいことから、売上面は通期業績予想に対し弱含みです。

一方で利益面については、販管費の抑制により、第2四半期累計では順調に進捗しています。下期においても、売上動向を見据えた販管費の適切なコントロールにより、利益確保に努めていきます。

以上で、説明を終了します。ご視聴ありがとうございました。

配信元: ログミーファイナンス
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