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【QAあり】スマサポ、通期は大幅増収、営業利益は黒字転換 「スマサポサンキューコール」と入居者アプリ「totono」が順調に推移

投稿:2024/11/22 08:00

NEWS

小田慎三氏(以下、小田):みなさま、こんにちは。株式会社スマサポ代表取締役社長CEOの小田慎三です。2024年9月期決算説明会を開始します。よろしくお願いします。

藤井裕介氏(以下、藤井):みなさま、こんにちは。代表取締役副社長COOの藤井裕介です。どうぞよろしくお願いします。

小田:私からニュースを2つご報告します。1つ目が売上高についてです。主力サービスである「スマサポサンキューコール」と入居者アプリ「totono」が順調に推移し、売上高は前年比7億2,500万円増、137パーセントで着地しています。

営業利益は前年比2億4,100万円の改善となりました。売上増加に加えて前期から進めている取引条件の見直しや、各種アライアンスによる業務効率化などを積極的に進めた結果、黒字転換しました。

INDEX

本日のインデックスはスライドに記載の3つです。1つ目の業績報告・KPIの進捗は、藤井からお伝えします。

2024年9月期 業績ハイライト

藤井:2024年9月期業績について、売上高は前年比7億2,500万円増、137パーセントの26億7,400万円となりました。営業利益は前年比2億4,100万円増となりました。前期は赤字を計上していましたが、ようやく1億800万円の黒字となっています。

トピックスとして、入居者アプリ「totono」が順調に推移しています。累計25万ダウンロードを突破し、直近では2024年度グッドデザイン賞を受賞しました。アライアンス連携も非常に増えてきています。より拡充させることで、足元は好調な状況が続いています。

業績の推移_全体

業績の推移のグラフです。売上高はすべての四半期で前期を上回っています。

営業利益は若干シーズナリティがあり、第2四半期、第3四半期が大きくなっています。第1四半期に関しても、前期に比べると営業利益率が大幅に改善している状況です。

2024年9月期 主要KPIハイライト

主要KPIです。さまざまな投資家の方とのコンタクトの中で見直しを図りました。これまで「スマサポサンキューコール」は利用社数をKPIとしていましたが、利用社数は大手が入ると1社で大きなインパクトがありました。

これまで継続して進めてきた取引条件の見直しなどを行ったところ、規模の小さな会社の離脱があると、社数としては減るもののコンタクト数にはそれほど影響がないことがわかったため、コンタクト数と単価を新たにKPIとして設定しました。

「コンタクト数×単価」が「スマサポサンキューコール」の売上を構成します。コンタクト数は前年比4万7,555件増と、大幅に増加することができました。

単価に関しても、施策を「totono」と連動させることによって、1コンタクトで販売できる商材を2つから3つ、3つから4つと増やしました。この結果、単価は前年比1,119円増と大幅に上昇し、6,552円で着地しています。

アプリの導入社数は89社、MRRは3,432万2,000円、ARRは4億1,186万4,000円となりました。入居者アプリ「totono」Phase1.0に関しては、ダウンロード数ではなく、「導入社数×単価」でMRR/ARRを出していくかたちになります。

「totono」Phase2.0になるとアプリのダウンロード数が出てきます。こちらは後ほどご説明します。

「totono」の導入社数については、これまで会社の支店やグループは別計上としていましたが、今回から1つにまとめているため、契約社数に比べると減っているように見えますが、これはカウントの仕方を変えているだけです。契約は順調に増えてきています。

以前、契約社数として出していた時は、例えば「〇〇支店」「〇〇支店」と契約を別で計上していましたが、我々からしても同じ会社に導入しているということで、導入社数で集約しました。

結果として、導入社数は89社です。2024年9月単月の単価は約38万円、MRRは3,432万2,000円と大幅に増加しています。

スマサポサンキューコールの主要KPIの進捗

「スマサポサンキューコール」の主要KPIの進捗です。前期までとKPIを変えているため、定点的な比較が難しくなっていますが、グラフにすると、コンタクト数が伸びているのが見てとれます。

単価はしばらく下落基調でした。新電力やガスの商材の販売がなかなか難しい状況が続いていましたが、このあたりを「totono」と連動させることによって単価の回復に成功しています。

ご覧のようにコンタクト数、単価ともに伸びており、「スマサポサンキューコール」は大幅に上昇しています。

入居者アプリ「totono」Phase1.0の主要KPIの進捗

「totono」Phase1.0は、単純にSaaSとして管理会社からご利用料金をいただくかたちです。2020年にサービスインし、導入社数は2021年9月期に9社から始まり、2024年9月期では89社となっています。

平均単価に関しては、2021年9月期は約54万9,974円ありましたが、2022年9月期、2023年9月期、2024年9月期と下落傾向にあります。2021年9月期ないし2022年9月期は中堅で、管理戸数の多いお客さまに導入していただきました。

最近の管理戸数は、規模の小さな会社で100戸、200戸で、多いところで8万戸です。取引顧客の規模の幅は広がってきており、全体としては押し下がっているものの、我々の見立てとしてはこの程度の平均単価で収まっていくと考えています。

ただし、営業活動の中で、平均単価を下回る規模のお客さまがいたとしても、当然ながら我々はピックアップしていきます。そのような場合には平均単価を押し下げる可能性はありますが、導入社数は増え、業績全体としては良い影響を及ぼすのではないかと思います。

総括すると、「スマサポサンキューコール」「totono」ともに順調に推移しています。結果として、売上高は前期比137パーセントの26億7,400万円となりました。

また、第3四半期に上方修正しましたが、その修正した数値からもさらに上振れて着地することができましたので、良い決算と言えます。

足元では、世の中の動向などさまざまな要素がありますが、引き続き「スマサポサンキューコール」「totono」をしっかりと拡大させて、2025年9月期もスタートしていきます。

会社概要

小田:初めてご覧いただいている方もいるかと思いますので、私からあらためてスマサポについてご説明します。スライドは会社概要です。

経営陣の紹介

経営陣のご紹介です。特に、スライド左側の社内の取締役は、もともと大阪にあった管理会社の出身で、入居者と管理会社とのさまざまな課題に取り組んできたメンバーです。

ミッション

当社は創業以来、「smartなくらしをsupportする」をミッションに掲げ、業務を遂行してきました。

創業ストーリー

創業ストーリーについてです。先ほど、経営陣は不動産管理会社に勤務していたとお話ししましたが、不動産管理会社の中でも、特に入居者と管理会社とのコミュニケーションはアナログが主で、なかなか業務が効率化できないという課題がありました。

例えば、入居者とのコミュニケーションが一方通行で、かつその手段は電話が主となっています。

管理会社によっては、端から端まで車で1時間や2時間かかるような、広範囲に及ぶ管理物件があることもざらにあります。

不動産業界のプレイヤーとして、オーナー、仲介会社、入居者、工事会社など数多くの登場人物がいますが、基本的にはコミュニケーションがアナログで、デジタル化、効率化できないという課題をはらんでいます。

加えて、管理会社にとっても重要である膨大な入居者情報を活かすことができないという課題もありました。緊急時や災害時に、管理会社が入居者のみなさまの安否確認ができず、事後に回ってしまっていました。

我々は、これらの課題を管理会社勤務時代からなんとか解決するべきものだと思っており、言い方を換えると、これさえ解決できればより管理会社の業務は効率化でき、売上・利益に直結する多くの業務にリソースを割けます。

このアナログなコミュニケーションをなんとか変えたいという思いで、その1つのツールとして我々が注力している「totono」という入居者アプリを開発しました。現在、全国の管理会社にサービスを提供しています。

目指すべき姿

我々がこれから目指すべき姿です。我々は、開発したコミュニケーションプラットフォームアプリ「totono」を、全国の管理会社に提供してきました。

入居者管理業務は煩雑、複雑で、コストがかかります。今後は、もう一歩踏み込んだBPaaSで、BPOとして管理会社の業務をアウトソーシングする「SaaS×BPO」を目指していきます。

目指すべき姿

スライドはそのビフォー・アフターを記載しています。上段がビフォーの図です。現在、全国の管理会社のBPOとして、入居者からの電話を一次対応のコールセンターにアウトソーシングしているケースが見受けられます。

ただし、コールセンターは電話でのやりとりで、コールセンターで確認できない、わからないことについては、管理会社に都度確認してお答えするかたちです。

例えば管理会社の場合は、データの整理ができていない状況が見受けられます。よく見られるのは、そこで長年従事されている部長などの入居者対応について、「ここのオーナーさんはこうだよ」といった頭の中にある情報のマニュアル化ができていません。

そのため、ノウハウ、業務マニュアルをコールセンターが都度確認し、入居者に回答しているのが実情です。

これに対しアフターとして、「totono」におけるチャットセンターが機能していきます。我々がデータ整備から業務マニュアルのデータ化まで、一歩も二歩も踏み込んだかたちで業務を遂行していきます。

我々はデジタル化によってデータ整備を効率化していきながら、その後にはAIに置き換え、AIでのアンサーが可能な世界を創造していきます。これが実現すると、全国の管理会社は一挙に業務効率を図ることができます。

ただし、業務効率化を図るためのAI化は、入居者と管理会社を結びつけるプラットフォームである「totono」がないと、いつまでも電話の世界では実現しません。したがって、今後はこの業界において「totono」が重要になると見通しています。

Company History

スマサポのカンパニーヒストリーとして、時系列に沿ってご紹介します。2012年に我々が働いていた管理会社内の子会社として産声を上げた後に、2016年に入居者に特化したサービス提供をスタートしました。

したがって、2016年から、現在の主軸サービスである「スマサポサンキューコール」を基盤に成長を続けてきました。

2020年には、実験段階だった入居者アプリを「totono」と銘打って、全国の管理会社へのサービス提供をスタートしました。2022年にはグロース市場へのIPOを達成し、2024年には入居者アプリ「totono」がグッドデザイン賞を受賞しました。

スマサポサンキューコールについて

事業のご説明をします。まず、現段階での主軸サービスである「スマサポサンキューコール」についてです。

引越しするマンションが決まり、新たな生活をスタートする入居者は、これまでは、電気、インターネット、ウォーターサーバーの契約、ガスの開栓などについて、そのエリアにある会社に連絡して、入居者自身が契約していました。例えば東京では東京電力、福岡なら九州電力、ガスであれば都市ガス、プロパンガスもあります。

「スマサポサンキューコール」では管理会社とタッグを組むことによって、アンケートなどを取り次ぎながらワンストップで提供するサービスを展開しています。

例えば、安いインターネット・速いインターネットなど、入居者それぞれの要望に応じて提案し、それぞれにベストなアンサーを出して契約を取り次ぐというスタイルです。

サンキューコールのマネタイズ

「スマサポサンキューコール」のマネタイズとしては、管理会社とタッグを組むことによって、管理会社には紹介手数料をお支払いします。

アンケートなども取らせていただくため、管理会社にとっても業務の一部として一体化しているサービスとなっています。

我々は架電(コンタクト)で、入居者にさまざまなサポートを提案しています。

サンキューコールの主要KPI

「スマサポサンキューコール」の主要KPIです。2024年9月期から、「コンタクト数×単価」で、売上をわかりやすく提示しています。

コンタクト数とは、管理会社が管理している入居者が主体です。したがって、コンタクト数を増やすために、我々は営業活動の中で導入企業を獲得していきます。より多くの入居者に架電することが、コンタクト数の増加につながります。

単価については、商材の追加と入居後のフォローを行います。電話でコンタクトが取れなかった場合は「totono」を用いて、入居後のサービスの提供を行います。1コンタクトあたり多くの商材を販売、取り次ぎをすることで単価を伸ばし、この掛け算で売上を達成していきます。

2024年9月期の実績として、コンタクト数は30万1,787件、単価は6,552円で、売上高は19億7,735万8,000円を達成しました。

入居者アプリ「totono」について

入居者アプリ「totono」についてです。「totono」は不動産管理会社のDX推進と、入居者満足度向上を同時に実現するためのプラットフォームとして、導入を進めています。おかげさまで、2024年度グッドデザイン賞を受賞することができました。

入居者アプリ「totono」について

「totono」の画面を実際にご覧いただいたことがない投資家のみなさまから、リクエストが多かった点についてご説明します。

「totono」は、主に6つの機能が備わったアプリです。「お知らせ掲示板」は、管理会社から入居者に一斉に配信できる掲示板です。

例えば、大きな台風が近づいてきたら、「避難経路を確保してください」「駐車場から自動車を移動させてください」「雨戸をしっかりと閉めてください」といったお知らせを一斉に配信できます。

「FAQ & CHAT」については、入居者とのやりとりをデジタルでスムーズに行うために、電話ではなくチャットでコミュニケーションを図ります。解約や更新に関しても、「totono」上で受け付けが可能です。

インターネットやウォーターサーバーの契約のほかに、引越しやレンタル家具のご案内などの便利なサービスも「totono」の上で展開しています。契約情報の連携やIoT、ホームデバイス、スマートロックとの機器連携なども可能です。

管理会社は、これまで入居者に告知するのであれば、文面をパソコンで打ってA4用紙にプリントアウトし、物件に持っていって掲示板に画びょうで貼り付けなければいけませんでした。

入居者に一律に知らせるために掲示板を活用しますが、掲示板は貼るだけではなく、期日が過ぎたものは、はがしにいかなければいけません。

昔はよくアニメやドラマで、黄ばんだ掲示物が風に吹かれている光景があったかと思いますが、実際に今でもそのようなことを行っている管理会社は全国にたくさんあります。この作業をデジタル化することによりどれだけ工数が減るか、みなさま想像に難くないと思います。

プラットフォームとして、オールインワンの「totono」へのニーズが高まってきています。

「totono」Phase1.0

「totono」Phase1.0は、SaaSモデルとして提供してきました。毎月、管理会社からシステム利用料をいただき、入居者には無償で配布しています。ノンコマーシャルとなるため、広告費、宣伝費等は一切かけていません。

管理会社が自社のアパート、マンションの入居者に広く配布して業務効率化が図れるということで、我々はこれまで管理会社へサービスを提供してきました。

「totono」Phase2.0

目指すべき姿としてお伝えしたとおり、「totono」Phase2.0では、より1歩も2歩も踏み込み、管理会社の業務である入居者対応をアウトソーシングしていきます。「アウトソーシング×SaaSモデル」として、大きな伸びしろがあるビジネスだと考えています。

みなさまご存知のように、少子高齢化が顕在化しています。営業活動においても、地方に行けば行くほど管理会社で働く人材が見つからない、募集しても採用に至らないという状況です。社会問題化し、解決方法がなかなか見つからない難題となっています。

管理会社は、物件の獲得が売上、利益に直結するため、少ないリソースの中で物件を獲得していかなければいけません。ただし、物件を獲得すれば管理する物件が増えていきます。また、物件は老朽化していくため、入居者からの問い合わせやトラブル、クレーム対応は増える一方です。

これらに対するリソースがないことはすでに現実化していますので、プラットフォームである「totono」を使って、BPOとして業務をアウトソーシングし改善していきます。

今後はこのようなニーズがますます増えていくと考えており、現在も増えている状態です。スマサポの業務を拡充しつつ、全国の管理会社の期待に応えられるような、業務効率化、タッグを組んでいきたいと考えています。

したがって、「totono」は大きく分けて2つが内包されているとご理解ください。

「totono」Phase1.0の主要KPI

「totono」Phase1.0、SaaSモデルの主要KPIは、導入社数と単価です。Phase1.0については「スマサポサンキューコール」の顧客、我々が口座を持っているクライアントへの導入促進、導入企業数の増加の施策に注力してきました。

また、アライアンスの拡充や管理戸数の多い大手への導入が単価につながります。我々は管理戸数で単価を決めており、こちらに導入社数を掛けるとMRR/ARRとなります。

2024年度実績としては、89社の導入社数に対し、月額38万5,000円の利用料をいただきました。MRRは3,432万2,000円、ARRは4億1,186万4,000円となりました。

「totono」Phase2.0の主要KPI

2025年9月期からは、新たにPhase2.0の営業を開始しています。Phase2.0の主要KPIはダウンロード数とダウンロード単価です。したがって管理社数というよりは導入企業の先にいる入居者の総数、ダウンロード数が重要なKPIとなります。

また、ダウンロードを促進することで8割、9割を管理戸数に掛けると、当然ながらダウンロード数が上がっていきます。現在の単価は120円ですので、掛け目がわかりやすく、売上が計算しやすくなります。

加えて、原価がかかっています。我々はアウトソーシング、BPOで管理会社の業務を担っているため、人工を抱えています。現状は人の手間がかかっていますが、自社の施策としてコスト削減に取り組んでいきます。

具体的にはチャットのやりとりに加えて、アプリ上で多く見られているチャットを分析し、お問い合わせが多いものに対して、動画やFAQであらかじめ解決策を提示します。これにより、全体の問い合わせ数を減少させていくことが可能となります。

返信についても文面の構成から内容まで、AIによるデータ整備が可能となりました。データ整備には、入居者の属性データ、管理会社がこれまで行っていた運用データの2つがあります。これらをチャットセンターで整備していくことにより、AIによる返信の強化、効率化を目指します。

我々はいったんBPOで業務を行いますが、並行して社内のコスト削減を行うことにより、原価のコスト削減が叶います。したがって、今後はその差分である利益が増えていくと考えています。

成長ストーリー

成長ストーリーです。創業以来、「スマサポサンキューコール」の拡大を目指してきました。IPOや「totono」のプラットフォーム化を経て、今後はBPaaSを発展させていきます。

さらに「totono」Phase3.0では、AI活用による非連続的な成長が見込まれ、グロース収益が拡大していくといった成長ストーリーを描いています。

2025年9月期の業績予想

藤井:2025年9月期の業績予想です。本日開示した決算短信にも含まれていますが、通期では、売上高30億円、営業利益2億円、経常利益2億円、当期純利益1億6,800万円と、スマサポ創業以来、すべて過去最高を見込んでいます。

売上高は、2024年9月期に26億円と過去最高を達成していますが、利益に関してはまだ過去最高となっていませんので、2025年9月期はチャレンジしていきます。

先ほど小田から「totono」Phase1.0、Phase2.0について、ご説明しました。我々は「totono」で面を取っていくというプロセスの後に、チャット返信などのBPO、もしくはAI導入を考えています。2025年9月期単年で考えると、すでに出来上がっているPhase1.0のみで走るほうが、売上、利益をさらに積み上げていけるかもしれません。

しかし、中長期的に見ると、少子高齢化の進む日本において必要なサービスになると捉えており、若干コストをかけてでも「totono」Phase2.0を拡充させていきたいと考えています。

それらを踏まえ、2025年9月期はこちらの数字で走っていきたいと思っています。

そこに至るまでのマイルストーンとして、第2四半期は、売上高14億円、営業利益8,500万円を計画しています。先ほどもお伝えしましたが、我々のお客さまは不動産管理会社ですので、入退去の時期が最もシーズナリティが上がってきます。

3月、4月は、第2四半期と第3四半期に分かれ、半分より若干少ないのが第1四半期と第2四半期、半分より若干多いのが第3四半期と第4四半期です。

また、さまざまなシステムを販売しているため、投資等もしっかりと計画を立て、短期の利益確保に加え、グロース市場に上場していますので、大きくグロースするための礎となるような1年にしていきたいと思います。

以上、決算についてご説明しました。小田からは会社の概要、Phase2.0ということで「totono」の新しいチャレンジについてお伝えしました。

KPIに関しても、投資家のみなさまからIRのフォームや直接のお問い合わせ、このような決算説明会で多くのご質問をいただきました。売上高に直結するKPIが増えていれば、売上が上がるということがイメージしやすいかたちに、常にリブラッシュしていきたいと思っています。

今後も、「この数字を教えてほしい」といったことがあれば、遠慮なくお知らせいただければと思います。

みなさまからいただくご質問については、「X(旧Twitter)」や「note」で情報を常に発信しており、書き起こし記事についてもアップしていきます。また、IRに資する情報ということで、「X」でイベントについても発信しています。適時開示だけではなく、常に新しい情報をお届けできればと思います。

ご清聴いただき、ありがとうございました。

質疑応答:システム投資の見通しについて

小田:「今後、システムアップデートなどで大きく予算を組む予定はありますか?」というご質問です。

藤井:システムに関して、今後、何か明確に大きくブラッシュアップするような予算は考えていません。ただし、入居者アプリ「totono」は常に進化するため、さまざまなアライアンスを組んでいきますので、毎期一定程度のシステム投資は検討しています。

極端な話、こちらを抑えてしまえば利益のさらなる上積みが可能となりますが、我々がチャレンジしたいのは、入居者と管理会社のコミュニケーションをデジタル化し、一切のストレスをなくしていくという、これまでどの企業も手がけていない取り組みです。

したがって、単年の利益を見ながらにはなりますが、システムに関しては必要とあれば惜しみなくというか、回収の目処も含めて投資していく方針に変わりはありません。

ご質問への回答としては、現時点で大きく予算を組むことはありませんが、2025年9月期の予算にはある程度システム投資が含まれているとご理解ください。

質疑応答:定款変更で追加された事業の開始時期について

小田:「2023年12月26日に決議通知があった『第12回定時株主総会招集ご通知及び総会資料』の件です。第1号議案にて『定款一部変更の件』とありましたが、こちらの定款変更で追加されている事業はいつ頃より開始する予定でしょうか?」というご質問です。

藤井:具体的にお伝えすると、宅地建物取引業、不動産の管理及び賃貸業、建築工事の施工、M&Aコンサルタント事業です。宅地建物取引業に関しては免許業であるため、免許の取得を進めているところです。

M&Aコンサルタント事業に関しては既出ではありません。現在、不動産管理会社の業務をBPOする中で、経営者からさまざまな課題をヒアリングしており、管理事業を譲渡したいという相談がかなり増えています。

実際すでに2件ほど成約していますが、それほど大きな規模ではありませんし、相手がいることですので開示は控えています。

我々は不動産管理業のことを一番理解しているため、一般的なM&Aセンターのように幅広くというよりは、バーティカルに取り組んでいます。システムや体制なども含め、M&Aコンサルタント事業に関しては、2025年9月期はすでに相談ベースで案件があります。

これらの成約を重ね、「こういったコンサルタントもできる」という強みを活かしていきたいと思います。

質疑応答:アプリの評価改善のための取り組みについて

小田:「8月22日の質問で、『App Store』の評価で星が1.8と非常に悪く、30件超のコメントがあったとありましたが、11月11日時点ではコメントが324件に増え、星は2.2と、件数・評価ともに改善しています。意識的に取り組まれたことはありますか?」というご質問です。

藤井:「非常に悪い」という評価の中には、アプリに関するものももちろんありますが、それよりも「チャットを送ったのに返事がない」といった対応についてのご指摘が多くありました。

そのため、10月より「totono」Phase2.0として、管理会社ではなく我々がチャットの返信を行う取り組みを行っています。チャットですぐに解決するかはともかく、即座にレスポンスがあることで「非常に悪い」からは改善できたと思います。

星が1.8から2.2に改善したのは喜ばしいことですが、満点が5と考えると低い評価です。BpaaSとしてBPO業務を拡充させて、2.2を3、4、5へと改善させるのが「totono」Phase2.0です。ご期待ください。

質疑応答:「totono」チャット対応代行サービスの反応について

小田:「10月から『totono』のチャット対応代行サービスをスタートしているとのことですが、感触はいかがですか? 収益増やアプリレビューの改善、ユーザーの声を聞けるなどメリットがありそうですが、大きなコスト増となっていると推察しています」というご質問です。

2025年9月期から「totono」Phase2.0ということでサービス提供を開始し、感触的には非常に良く、すでにご契約もいただいており、出だしは好調と判断しています。

「totono」を導入したい管理会社は全国にいらっしゃいますが、実際にチャットを返す人がいない、あるいは、入居者対応をしてきた方が退職し後任が採用できないといった人手の問題が顕在化しており、私も社会問題だと実感しています。

したがって、「totono」Phase2.0のニーズは、今後ますます高まるだろうと考えています。現在、株式会社リクルートとともに積極的にセミナーなどを実施しており、よい感触、お声をいただいていますので、しっかりと実績につなげます。

収益については、「DL数×単価/DL」で、どんどん増えていくスタイルです。現在の単価は120円です。Phase1.0では初月からある程度の売上、利益が見込めますが、Phase2.0はテールヘビーで累積により収益が増加します。したがって、長く収益に寄与するものと考えています。

また、先ほど藤井からもご説明したように、アプリにおいてレスポンスが速くなり、ユーザーの声をダイレクトに拾えることは、大きなメリットです。UI・UXを含め、開発や改善を進めていきます。

繰り返しになりますが、最初はコスト増が見込まれるものの、AIなどを駆使して自社のコスト削減も図れるため、今後が楽しみなサービスです。

質疑応答:今後の情報開示の方針ついて

小田:「決算・IRリリースを含む適時開示数についてです。2023年11月から2024年10月で80件超えており、同時価総額帯の企業の中で群を抜いて情報開示に積極的だと感じています。他媒体にも多く発信されていると思いますが、2025年9月期以降はどのような方針でしょうか?」というご質問です。

藤井:適時開示数等を含めた情報開示は、まさに我々が力を入れているところです。まずは、我々がどのような企業で何をしているのか、あるいは定点的な活動を投資家にお伝えしていくことを重要視しています。

IRはリレーションですので、リリース件数だけではありませんが、積極的にコミュニケーションを図っていくことが重要だと感じています。機関投資家とのミーティングは多いものの、個人投資家のみなさまに対しても、当然ながらフェアなコミュニケーションをとるべきだと思っています。

3ヶ月おきの決算以外は何も発信しないのではなく、企業としての活動を常にみなさまに発信する方針に変わりありません。他媒体での発信についても、より多くのみなさまに見ていただけるよう努めていきます。

質疑応答:「スマサポサンキューコール」の利用社数の開示について

小田:「『スマサポサンキューコール』の利用社数の公表がありませんが、なぜでしょうか? 利用社数が伸びていないということでしょうか?」というご質問です。

藤井:「スマサポサンキューコール」の利用社数について、利用社数が伸びないため公表しないということではありません。

「スマサポサンキューコール」の利用社数はあくまで目安であり、最終売上に直結するのはコンタクト数です。コンタクト数が多い、つまり管理戸数の多い会社と契約すると利用社数が増え、反対に管理戸数が少ない会社と契約してもコンタクト数に対するインパクトは大きくありません。

2024年9月末時点の「スマサポサンキューコール」の利用社数は773社となっており、直近の3四半期と比較して10社減っています。コンタクト数はシーズナリティがあるため前四半期と比較するのは難しいのですが、まったく問題なく推移しているのが現状です。

例えば2024年9月期の管理会社数は773社、コンタクト数は30万1,787件となっています。こちらは先ほどの決算説明資料で開示しているコンタクト数です。2年前の2022年9月期の管理会社数は870社でした。こちらには創業以来、我々がスケールするために不採算でも獲得してきた分の数字も含めています。その時のコンタクト数は24万4,232件でした。

つまり、2022年9月期の870社から2024年9月期は773社と、管理会社数は88パーセントに減少していますが、逆にコンタクト数は24万4,232件から30万1,787件と、123パーセントに増加しています。

このように、管理会社数をKPIとして開示すると「社数が減ると売上が下がるのでは?」といったミスリードにつながると思われますし、実際そのような要素があるため、管理会社数よりもコンタクト数を開示していくことにしました。

そのため、今回の決算説明資料には、「スマサポサンキューコール」の利用社数を入れていません。ただし、お問い合わせがあった場合や、説明会もしくは投資家向けの勉強会の場では、このような数字は定点的にお知らせできるのではないかと思います。

質疑応答:「totono」の主要KPIについて

小田:「『totono』の導入社数が、FY2024実績で89社と記載されていますが、前四半期の決算説明資料では契約不動産管理会社数121社とあります。何が違うのでしょうか?」というご質問です。

藤井:契約社数には大きく2つあります。1つは支店やグループといったもので、契約の関係でそれぞれ別に契約社数として巻いていたため121社と開示しています。

単価とMRR/ARRを出すという観点で、「totono」導入の数字は1つにまとめたほうがわかりやすいと考えたためです。結果として121社から89社に減りますが、1社あたりの単価は上がりますので、MRR/ARRのベース自体は変わりません。

もう1つは、121社は契約にフォーカスした数字ということで、契約から実際に課金が発生するまでの間には、システム整備や初期導入などサポートにかかるリードタイムがあります。つまり契約しているものの、まだ課金していないという状態です。

MRR/ARRにヒットしない部分は省いたほうが、みなさまの投資判断により資すると考え、今回から契約単位ではなく導入社数を使っています。

「スマサポサンキューコール」の利用社数を含め、KPIを変更すると、以前からウォッチしていただいている投資家にはズレがあるように見え、一時的に見えにくくなると認識しています。

このような場でご質問いただけることをありがたく思います。齟齬をそのままにせずご質問にお答えすることによって、ご理解いただけるとうれしいです。

質疑応答:「totono」のアプリダウンロード数について

小田:「『totono』のアプリダウンロード数は、なぜ非公表になったのでしょうか?」というご質問です。

藤井:「totono」のダウンロード数に関しては、先ほどの回答とやや被りますが、「totono」Phase1.0のKPIは、導入社数と単価でMRR/ARRを出しています。

これまでダウンロード数を出していた理由は、「これだけ伸びていますよ」「これだけ面が取れていますよ」といった「totono」の非連続的な成長に資する数字であるためです。

ダウンロード数を公表しなくなったわけではなく、売上に直結するかしないかでいうとPhase1.0では直結はしないということです。

Phase2.0では、「DL数×単価/DL」がまさにKPIとなります。Phase1.0のダウンロード数とは別で、また一からの積み上げになりますが、しっかり開示していくことで売上を想起できると思っています。

ただし、累計のダウンロード数はアプリのユーザー数ですので、我々としても重要な数字だと捉えています。

なお、2024年9月期末のダウンロード数は28万3,938ダウンロードで、前期末の目標である25万ダウンロードよりも、3万3,938ダウンロードと上振れて着地しており、多くのみなさまにご利用いただいています。

今後はさまざまなチャネルで、Phase1.0だけではなく、Phase2.0のダウンロードが増えていきます。トータルのダウンロード数や「スマサポサンキューコール」の契約会社数などのように、売上に直結はしないものの、我々の成長性に大きなインパクトを持つ数字に関しては、別の場でしっかりと開示していきます。

回答としては、みなさまからの「売上に直結するKPIにフォーカスしたほうがよい」というご要望をいただいたため、ご理解いただけると考えています。

質疑応答:成長可能性に関する資料の開示について

小田:「今後、成長可能性に関する資料の発表は予定されていますでしょうか? 今回の資料から存在感が出てきたBPO、BPaaSの展望や可能性についてお聞かせください」というご質問です。

藤井:成長可能性に関する資料の発表については、毎年11月を目処に開示することとしており、本年も11月中にリリースします。「存在感が出てきた」とおっしゃっていただいたように、BPO、BPaaSについては相当盛り込んだ内容となっています。資料の開示後に、説明動画も公開します。

小田からもご説明したように、「単にSaaSを提供する」ことに関しては、すでにある程度完了しています。これからは、「人が足りない」「どのように運用してよいかわからない」といったところまで、手を伸ばしていく必要があります。

我々は入居者とのコミュニケーションにフォーカスしていますので、SaaSシステムの提供だけで終わらず、そこから派生してくる業務を管理会社に代わって対応します。

せっかくチャットを送ったのに時間がない、あるいは、管理会社の担当者が急な体調不良で休んでいるといった理由で返信できなければ、結果として管理会社の評価が下がります。

このような悪循環から脱却するお手伝いとして、我々が常にチャットに対応します。電話ゆえにデータが残らなかったやりとりを、データを蓄積することにより、以前に来たことのあるご質問であればすぐに返せる、また、不明瞭なご質問が来ても解決に導けるようになります。まさにDXです。

入居者にとってもチャットのやりとりが続くことは、満足ではなくむしろストレスにつながるはずです。したがって、1回のチャットで解決する、もしくはチャットを送る前に自己解決できることが望ましいと思います。

我々は、SaaSサービスである「totono」を拡大させ、業界の中で存在感が増してきました。今後はBPOの領域まで踏み込んでチャレンジしていきます。

上場企業ですので、四半期ないし1年の決算は大事です。中長期の展開を考えていく上で、チャット返信センターを構築していますので、販管費等のコストも増えており、それに対して売上が即座についてくるわけではありません。ただし、チャレンジすることで大きな成長を遂げたいと思っています。

この決算説明会は投資家のみなさまにご覧になっており、また、後日「YouTube」などでもご覧いただけると思います。我々の中には、現状の株価、時価総額、評価に満足している者は誰1人としていません。将来の日本全体、さらに言えば世界全体で考えて、大きなチャレンジになると訴え続けていこうと思っています。

経営陣はその手応えを感じています。従業員も上場以来、勤勉に勤めてくれており、使命感を持って取り組んでいますので、必ず達成できると思っています。

BPO、BPaaSに関しては、11月中に開示する成長可能性に関する資料でお伝えします。ぜひ楽しみにお待ちください。

小田氏からのご挨拶

小田:一部、KPIなどの指数が変わったことにより、みなさまを混乱させてしまったところがあるかと思いますので、当社の「note」に書き起こしを掲載します。追加のご質問やわかりにくい部分があれば、「X」「note」などを通じて、回答していきます。

以上をもって、本日の決算説明会を終了します。投資家のみなさまのご期待に応えられるよう、全社一丸となって邁進していきます。引き続きご支援、応援のほどよろしくお願いします。ありがとうございました。

配信元: ログミーファイナンス
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