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三菱倉庫のニュース
*11:37JST 三菱倉庫:物流と不動産の融合で非連続成長を目指す総合インフラ企業
三菱倉庫<9301>は、物流と不動産の2事業を両輪とし、国内外で社会インフラを支える総合企業である。物流事業では、倉庫・陸上輸送・港湾運送・国際運送取扱を軸に、顧客のサプライチェーン全体をカバーする「トータルロジスティクスサービス」を展開。不動産事業では、オフィスや商業施設、マンションなどの開発・賃貸・管理を手掛けるほか、資産回転型ビジネスを推進し、収益性と機動性を両立させている。グループ拠点は国内約90カ所、海外約50カ所に及び、北米・欧州・アジアなど世界的な物流ネットワークを構築するなど、安定した収益基盤を築いている。
同社の強みは、第一に物流と不動産を併せ持つ独自の事業構造である。物流施設の開発・運営を自社で行うことで、立地・設備・オペレーションを一貫管理し、顧客ニーズに即した高付加価値物流を提供できる点が大きな差別化要因となっている。第二に、海外展開の進捗である。国際輸送に強みを持ち、Cavalier Logistics社のM&Aや、ベトナムITL社の持分法適用化などにより、海外売上比率は21%超まで拡大。ASEAN・北米・インドを重点地域とし、現地パートナーとの合弁による事業拡大を進めている。第三に、DXと先端技術の活用である。医薬品物流データ基盤「ML Chain」や温室効果ガス算定システムなどを導入し、効率化と環境対応を両立するなど新たな価値創出も進めている。
2026年3月期第2四半期(累計)の連結業績は、営業収益136,116百万円(前年同期比0.9%増)、営業利益7,541百万円(同16.2%減)の増収減益となった。倉庫・港湾運送事業は堅調に推移したものの、北米子会社Cavalier Logistics社における貨物取扱量の減少や人件費等のコスト増加が響いた。また、不動産事業において前年に計上された大型マンション販売の反動減もあり、利益を圧迫した。通期では営業収益280,000百万円(前期比1.4%減)、営業利益16,000百万円(同21.2%減)を見込む。これは前期好調だったマンション販売の反動減やトランプ関税の影響などを考慮した計画であるが、最終利益は従来予想の45,000百万円に上方修正し、増益率が26.8%増から41.2%増に拡大し、従来の5期ぶりの過去最高益予想をさらに上乗せした。
今後の成長見通しとして、経営計画[2025-2030]では「トータルロジスティクスと街づくりを世界で展開し、社会のいつもを支え、非連続な成長を実現する」ことを掲げる。成長戦略は、(1)物流事業の飛躍、(2)不動産事業の進化、(3)海外事業の拡大、(4)先端技術による新ビジネス創出、(5)グループ経営基盤の強化の5本柱。投資計画総額は6年間で5,900億円に拡大し、ROE10%以上を目指す。特に不動産事業においては資産回転型ビジネスの拡大が海外も含め予定よりも前倒しで進んでおり、同社の独自の収益基盤として成長している。また物流事業においても事業領域ごとの営業体制の最適化が進んでいることに加え、今後もさらに1,000億円程度のM&Aを実現することを目指しており、中長期的な事業規模の拡大が期待される。
株主還元では、2026年3月期の年間配当を1株当たり36円(中間18円、期末18円)と予想し、安定的な配当政策を継続。基準としているDOEも目標4%に向けて継続的に上昇しているだけでなく、2030年までに400億円以上の自己株式取得を実施する予定である。また、政策保有株の売却も進め、資本効率を向上させる姿勢が鮮明である。海外物流拠点の開発やM&Aといった成長投資も大規模に進めつつも、柔軟な株主還元をしっかりと拡大していることがうかがえる。足元の配当利回りも3.2%となっており、投資妙味が高いと言える。
総じて、同社は物流と不動産の融合によるシナジー創出とM&Aを伴う海外展開を軸に、安定基盤からの成長を着実に進めている。資産回転型ビジネスやDX推進、資本効率改善などを進めつつ、社会インフラ企業としての使命を果たす姿勢に注目したい。
<NH>
同社の強みは、第一に物流と不動産を併せ持つ独自の事業構造である。物流施設の開発・運営を自社で行うことで、立地・設備・オペレーションを一貫管理し、顧客ニーズに即した高付加価値物流を提供できる点が大きな差別化要因となっている。第二に、海外展開の進捗である。国際輸送に強みを持ち、Cavalier Logistics社のM&Aや、ベトナムITL社の持分法適用化などにより、海外売上比率は21%超まで拡大。ASEAN・北米・インドを重点地域とし、現地パートナーとの合弁による事業拡大を進めている。第三に、DXと先端技術の活用である。医薬品物流データ基盤「ML Chain」や温室効果ガス算定システムなどを導入し、効率化と環境対応を両立するなど新たな価値創出も進めている。
2026年3月期第2四半期(累計)の連結業績は、営業収益136,116百万円(前年同期比0.9%増)、営業利益7,541百万円(同16.2%減)の増収減益となった。倉庫・港湾運送事業は堅調に推移したものの、北米子会社Cavalier Logistics社における貨物取扱量の減少や人件費等のコスト増加が響いた。また、不動産事業において前年に計上された大型マンション販売の反動減もあり、利益を圧迫した。通期では営業収益280,000百万円(前期比1.4%減)、営業利益16,000百万円(同21.2%減)を見込む。これは前期好調だったマンション販売の反動減やトランプ関税の影響などを考慮した計画であるが、最終利益は従来予想の45,000百万円に上方修正し、増益率が26.8%増から41.2%増に拡大し、従来の5期ぶりの過去最高益予想をさらに上乗せした。
今後の成長見通しとして、経営計画[2025-2030]では「トータルロジスティクスと街づくりを世界で展開し、社会のいつもを支え、非連続な成長を実現する」ことを掲げる。成長戦略は、(1)物流事業の飛躍、(2)不動産事業の進化、(3)海外事業の拡大、(4)先端技術による新ビジネス創出、(5)グループ経営基盤の強化の5本柱。投資計画総額は6年間で5,900億円に拡大し、ROE10%以上を目指す。特に不動産事業においては資産回転型ビジネスの拡大が海外も含め予定よりも前倒しで進んでおり、同社の独自の収益基盤として成長している。また物流事業においても事業領域ごとの営業体制の最適化が進んでいることに加え、今後もさらに1,000億円程度のM&Aを実現することを目指しており、中長期的な事業規模の拡大が期待される。
株主還元では、2026年3月期の年間配当を1株当たり36円(中間18円、期末18円)と予想し、安定的な配当政策を継続。基準としているDOEも目標4%に向けて継続的に上昇しているだけでなく、2030年までに400億円以上の自己株式取得を実施する予定である。また、政策保有株の売却も進め、資本効率を向上させる姿勢が鮮明である。海外物流拠点の開発やM&Aといった成長投資も大規模に進めつつも、柔軟な株主還元をしっかりと拡大していることがうかがえる。足元の配当利回りも3.2%となっており、投資妙味が高いと言える。
総じて、同社は物流と不動産の融合によるシナジー創出とM&Aを伴う海外展開を軸に、安定基盤からの成長を着実に進めている。資産回転型ビジネスやDX推進、資本効率改善などを進めつつ、社会インフラ企業としての使命を果たす姿勢に注目したい。
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