バリュエンスホールディングスのニュース
【QAリンクあり】バリュエンスHD、3期連続で増収増益を達成、2024年8月期は小売・グローバルを強化、営業利益30%成長を見込む
Index
嵜本晋輔氏:バリュエンスホールディングスの嵜本でございます。本日はお忙しい中、2023年8月期の決算説明会にご参加いただき誠にありがとうございます。
それでは、スライドに記載の目次に沿ってご説明します。
Corporate Profile 会社概要
会社概要です。バリュエンスホールディングスの設立は2011年です。2023年8月末現在、国内外に連結子会社11社、持分法適用関連会社1社の計12社で事業運営を行っています。
スライド右側には当社グループの事業ブランドを記載しています。ブランド品や骨董品の買取・販売のみならず、不動産や自動車も取り扱っています。
Purpose パーパス
当社は「Circular Design for the Earth and Us」、日本語にすると「地球そして私たちのために循環をデザインする」というパーパスを掲げています。
昨今、人間の活動によって生み出される温室効果ガスが、気候変動問題をさらに深刻化させており、2050年までに温室効果ガスを実質ゼロにする「カーボンニュートラル」が世界的なテーマになっています。また、人々が私利私欲を追求することで、人権問題もさらに大きくなっていると理解しています。
だからこそ、私たちは売上や利益だけを追求するのではなく、環境や社会に向き合う社会課題解決型の企業となるために、このパーパスのもと企業活動を行っています。
Mission ミッション
ミッションは「大切なことにフォーカスして生きる人を増やす」です。
世の中を見渡してみると、自分の人生を生きている人があまりにも少ないと感じます。事業活動を通じて、他人や社会が作る正しさに翻弄されることなく、自分にとっての本当の幸せや豊かさを見つめ直すきっかけを提供し、大切なことを尊重して生きていく人を増やしていきたいと思っています。
Circular Design Company 2030年に目指す姿
以上のパーパスとミッションのもと、2030年までに「Circular Design Company」の実現を目指しています。
循環をデザインする会社として、時計、ジュエリー、バッグ、アパレルなどのブランド品を中心に、骨董品や美術品、ワイン、高級車、不動産など、世界中で共通の価値がある実物資産を不必要な人から必要な人に届けます。
当社を中心に、あらゆる価値がグローバルに循環する世界を実現させ、新たな収益機会を創出していきます。
2023年8月期 サマリー
2023年8月期の業績についてご説明します。まずはサマリーです。
GMV(流通取引総額)は前期比29.2パーセント増の833億円で、過去最高となりました。特に、SaaS型新機能の提供スタートが委託拡大にも貢献し、オークション委託落札額は前期比3.0倍の105億円と、初めて100億円を超える結果となりました。
仕入高は、Webマーケティングを中心とした集客に注力したことや金相場が好環境で推移したこと等により、前期比13.7パーセント増の561億円となりました。
売上高は、前期比20.1パーセント増の761億円となりました。1年を通じて時計相場が軟調に推移した厳しい環境下ではありましたが、インバウンド需要の回復に伴って国内パートナーによるオークション落札が活発であったことや、小売強化にも取り組んできた結果が功を奏しました。
売上総利益率は、オークション委託拡大における手数料売上の増加や、粗利率の高い小売売上高の伸長などにより26.3パーセントとなり、前期比で0.5ポイント改善しました。
また、積極的な人への投資を継続したことやWebマーケティングの強化、買取店舗及び小売店舗の出店、本社移転、株式会社米自動車のM&A等の投資を加速したため、販管費は増加したものの、営業利益は前期比15.6パーセント増の21億8,000万円となりました。
2023年8月期 業績
2023年8月期第4四半期の業績です。第4四半期の売上高は前期比18.3パーセント増の224億円と、過去最高を更新しました。
オークション委託や小売が堅調に推移した一方で、金相場の高騰や、第4四半期で時計相場が軟調に推移したこと等により、自社オークションの売上総利益率も一時的に影響を受けました。その結果、売上総利益率は前期比横ばいの25.0パーセントとなりました。
来期に向けた人員拡充やマーケティング等に先行して注力した結果、販売費及び一般管理費は前期比23.7パーセント増となり、結果として営業利益は前期比11.7パーセント減の8億4,300万円で着地しました。
先ほどご説明したとおり、通期の売上高は前期比20.1パーセント増の761億円、営業利益は前期比15.6パーセント増の21億8,000万円となりました。
2023年8月期 第4四半期(6月-8月)トピックス
2023年8月期第4四半期のトピックスです。
買取面においては、第3四半期に引き続き仕入は好調に推移しました。時計相場が軟調に推移したものの、金相場の上昇等もあり、仕入高は154億円と過去最高を更新しました。
三越伊勢丹との取組「i'm green」や大手銀行・証券会社をはじめとする金融機関とのアライアンスによる仕入も、引き続き好調に推移しました。出店については計画どおり進捗しています。第4四半期は、国内3店舗、海外3店舗を新規出店し、期末の店舗数は国内135店舗、海外38店舗の計173店舗となりました。
販売面については、インバウンド需要が引き続き強く、小売店舗を中心に小売売上が伸長しました。なお、オークションにおける委託も好調に推移しました。また、自動車事業の売上拡大や、高水準の金相場による地金売上高の伸長などにより、比較的粗利率の低い販路の売上高構成比が上昇したため、売上総利益率は25.0パーセントとなりました。
仕入高・店舗数
仕入高・店舗数の推移です。新型コロナウイルスの感染症の位置づけが5類に移行したことで人流が回復し、仕入は好調に推移しました。また、金相場が好調であったことや、アライアンスでの仕入が引き続き拡大したことで、仕入高は154億円と過去最高額を達成しました。
売上高・売上総利益率
売上高・売上総利益率の推移です。先ほどもご説明したとおり、第4四半期の売上高は前期比18.3パーセント増の224億円となりました。
売上総利益率は前期比0.3ポイント減の25.0パーセントとなりました。売上総利益率の高い小売売上が順調に拡大したものの、売上総利益率の低い自動車を含む卸売や地金の売上高が好調に推移したことや、時計相場が軟調に推移したことなどが要因です。
販売費及び一般管理費
販管費の推移です。第4四半期の販管費は、前期比約9億円増の47億円となりました。
2023年8月期は、積極的に採用を行い人への投資を行う期としており、人員拡充に加え、従業員のスキル習得等の積極的な投資を行いました。その結果、人件費は前期比約3億円増の17億円となりました。
また、Webマーケティングも積極的に行い、集客に注力したことで仕入拡大を実現しました。この結果、広告宣伝費は前期比約1.5億円増の6億円となっています。
営業利益・営業利益率
営業利益・営業利益率の推移です。先ほどご説明したとおり、来期を見据えた先行投資を実施したこともあり、第4四半期の営業利益は前期比11.7パーセント減の8億4,300万円、営業利益率は3.8パーセントとなりました。
バランスシートの概況
バランスシートの概況です。総資産は、前期末に比べて44億円増加しました。その中でも、商品の在庫は前期末の63億円から76億円と、13億円増加しています。
なお、好調な仕入に加え、2023年8月期は米自動車のM&Aやオフィス移転等の投資も積極的に行ったため、借入金は27億円増加しています。
売上高:販路別(toB/toC)
販路別の売上高推移です。自社オークション売上高は112億円と、過去最高を更新しました。小売については、インバウンド需要の回復により小売店舗売上が引き続き好調に拡大し、前期比83.1パーセント増の29億円となりました。売上構成比は前期比4.6ポイント増の13.1パーセントとなりました。
自社オークション手数料は、委託が引き続き好調に推移したことにより、前期比約15パーセント増の7億8,300万円となりました。地金を含む卸売・その他の売上高合計は、第2四半期にM&Aを行った米自動車が軌道に乗り始めたことや、金相場が引き続き好調に推移したことから、前期比21.5パーセント増の約74億円となっています。
売上高:販路別(国内/海外)
国内および海外の売上高推移です。インバウンドの需要回復により小売売上が増加したことに加え、オークションにおける国内パートナーの買い意欲が旺盛であったことにより、国内売上高は前期比32.4パーセント増の178億円となりました。海外売上高比率も20.5パーセントと、引き続き高水準を維持しています。
売上高:toBオークション実績
toBオークションの実績の推移です。国内の「STAR BUYERS AUCTION(以下、SBA)」は月4回、「THE EIGHT AUCTION」は月1回、香港の「SBA」は四半期に1回の開催としており、安定して開催を継続できています。
国内の「SBA」が月4回開催と安定的に稼働していることに加え、国内外のパートナーの拡大、特に海外パートナーの参加により、第4四半期の落札率は90.4パーセントと、高水準を維持できています。
GMV推移
2023年8月期第4四半期のハイライトについてご説明します。
まずはGMVの推移です。自社オークションにおける委託が引き続き好調に推移しており、委託落札額は前期比約69パーセント増の27億円、自社オークションに占める委託比率は19.4パーセントと引き続き好調に推移しており、通期で初めて委託落札額100億円を突破することができました。
オークションにおいては、国内外のパートナーが数多く参加いただいていることによって競争率が上がり、高値で販売できています。日本国内の認知もさらに大きくなり委託商品が増えてきていますので、今後も引き続き委託の拡大に努めていきたいと考えています。
STAR BUYERS AUCTION(SBA)パートナー会員数
現在の「SBA」のパートナー会員数は国内で2,626社、海外で892社の計3,518社です。国内、海外ともに好調に拡大を続けており、世界最大規模のtoBオークションに成長することができています。
STAR BUYERS AUCTION(SBA)落札額の国内/海外比率
「SBA」における国内、海外の落札額の比率についてです。インバウンド需要の回復によって国内パートナーが積極的に落札しているため、引き続き国内比率が上昇しています。
しかしながら、スライドに記載のとおり、シーズンを通じて海外パートナーによる売上比率が30パーセントを超えるオークションは日本にはありません。そのため、引き続き営業活動を積極化し、世界でも唯一無二のオークションに育てていきたいと思っています。
買取店舗展開
買取店の店舗展開についてです。国内は年間新規出店数10店舗から15店舗の計画に対し、10店舗出店することができました。また、不採算店舗の退店等を行った結果、期末の国内店舗数は135店舗となりました。今期も、新規出店数10店舗から15店舗の計画で出店を継続していきます。
海外では特に東南アジアでの出店が進んでおり、期末の海外店舗数は直営店舗とパートナー店舗を合わせて38店舗となりました。今期はすでにシンガポールにおいてパートナー店舗2店舗を出店しています。
「ALLU Fashion Market」をスタート
2023年7月にスタートした新サービス「ALLU Fashion Market」についてご説明します。大きな特徴は2つあります。
1点目は、購入した商品を使いながら売れることです。ユーザーは購入時にファッションマーケットに商品登録をしておくだけで、そのアイテムに興味のある世界中のユーザーから購入のオファーが届き、金額が成立すればすぐに売却できます。
売りたい人と買いたい人の間には必ず「ALLU」が介在し、適正価格でのマッチングを行いますので、ユーザーも安心して取引することが可能です。
2点目は、NFTの活用です。このプラットフォーム上に出品される商品には、当社が鑑定を行った証明としてNFTを発行しているため、高額なアイテムでもユーザーが安心して取引できます。
世の中の大多数の人は、商品の購入後3ヶ月から6ヶ月ほどでその商品を使わなくなると言われています。使いもせずクローゼットの奥に眠らせてしまうことにより、価値の目減りが発生しています。
販売した商品が自動的に再出品に回れば、当社としては自らの在庫リスクを負うことなく、ユーザー同士をマッチングさせることで手数料収入を獲得できるようになります。こちらはまず日本からスタートさせ、将来的にグローバル展開をしたいと考えています。
中期経営計画「VG1000 ver2.0」主要KPIの進捗
2024年8月期からの重点戦略についてご説明します。
スライドには、中期経営計画で掲げる主要KPIの進捗状況を記載しています。2025年8月期の目標に対して、計画どおりに進捗しています。
重点投資領域
重点投資領域についてです。中計期間においては各期にテーマを設定し、成長投資を実行しています。2023年8月期は人的投資に特に注力しつつも、米自動車のM&Aや、小売ECを世界で強化するためのECサイトのリプレイスなど、領域拡大やグローバル展開に関しても2024年8月期以降を見据えて先行投資してきました。
2024年8月期は、中計発表時には領域拡大を投資テーマとしていましたが、2025年8月期の注力テーマであるグローバル投資も前倒しして注力する計画です。「投資期」と位置づけている現中計期間の残り2期においては、さまざまな領域への投資を継続していきます。
仕入拡大
仕入拡大についてご説明します。仕入商品の確保は当社の成長ドライバーとして必要不可欠であり、新規出店とWebマーケティングへの注力は基本戦略として継続します。2024年8月期の新規出店は前期同様、国内では10店舗から15店舗を予定しています。
また、直近で拡大することができているアライアンスも引き続き強化し、自社でリーチできていない顧客層からの仕入にも注力します。さらに、CRM強化を行ってリピーターを獲得することで、顧客獲得コストを低減させながら効率的な仕入拡大を狙います。
海外については、国内におけるWebマーケティングのノウハウを活かし、海外マーケットでの仕入拡大を図ります。なお、海外においては直営店舗の出店も行いますが、パートナー店舗の出店をスピーディに進めることで面をおさえつつ、次期中計の仕入拡大につなげていきたいと考えています。
これらの取組により、仕入については引き続き毎期10パーセントから15パーセントの成長を目指していきます。
小売強化 ~小売店舗の新規出店~
小売強化策の1つ目として、2024年8月期は2店舗の国内新規出店を予定しています。12月にオープン予定の「ALLU心斎橋 ANNEX(仮称)」は、当社として初の複合店として、ブランド品だけでなく自動車も取り扱います。
自社の顧客データでは、高級時計を売却するユーザーが高級車を所有している割合が非常に高く親和性があるため、当社が注力するLTV向上施策としてチャレンジしていきます。
下期には、国内外の富裕層が多く訪れる伊勢丹新宿店付近での大型店舗の出店を予定しています。自社での小売力が今後の成長のドライバーとなりますので、小売でもWebマーケティングに注力し、国内、海外ともに売上・認知の獲得を目指していきます。
小売強化 ~グローバルEC構築~
小売強化策の2つ目として、グローバルECの構築を進めていきます。すでに米国とイギリスにおいてECサイトを開設済みですが、2024年8月期中に香港、シンガポール、フランスでも開設を予定しています。各拠点でECサイトを展開し、国内外すべての拠点で在庫連携を行うことで、当社が保有する商品を世界中に同時出品することが可能になります。
「SBA」で落札された商品をシームレスに「ALLU」で販売できるフルフィルメントサービスや、先ほどご説明した「ALLU Fashion Market」での顧客マッチングを増加させ、グローバルでのラグジュアリーEコマースを実現していきたいと考えています。
小売強化 ~toB・toC同時出品~
小売強化策の3つ目は、toB・toCの同時出品です。世界中で買取した商品やパートナーからの委託商品を、toBとtoCへシームレスに販売できるシステムを開発しました。
その第一歩として、新しい販売手法を2024年8月期にスタートします。現在は商品の大半をオークションで販売していますが、オークションに出品するまでのリードタイムを活用し、その商品を小売ECサイトに掲載して販売します。
小売ECサイトでの販売期間をオークション出品までと限定することにより、在庫回転期間が長期化することなく、オークション出品までの間に小売ECで販売が成立すれば、売上総利益率の改善にも寄与します。この施策を通じて小売を効率的に拡大し、「ALLU」の販売力を強化していきたいと考えています。
先ほどご説明したグローバルECや、フルフィルメントサービスを通じた「ALLU」での委託販売を掛け合わせることで、CtoBtoBのみならず、CtoBtoCの世界展開を進めていきたいと考えています。
フルフィルメントサービスの強化
フルフィルメントサービスとは、オークションに出品したい商品を「SBA」に丸投げすることで、検品やデータ入力、クリーニングや写真撮影など、販売するために必要な業務をすべて委託できるサービスであり、徐々に利用者が拡大してきています。
また、フルフィルメントサービスのもう1つの特徴として、パートナーにとっての販売機会の創出が挙げられます。これまでのようにオークションに参加するパートナーは、「SBA」で商品を落札した後、他社サイトで販売するために再度写真撮影やデータ入力を行う必要がありました。
スライドの図の右側に「新たに開始」と記載していますが、当社が提供するフルフィルメントサービスを使うことで、落札後にパートナー自身が行っていたEC販売におけるすべての業務を丸投げできるようになります。そのため、煩雑な出品業務を行うことなく「ALLU」での委託販売を行うことが可能になります。
当社としては、オークションで販売した商品の所有権はパートナーに変わるものの、在庫リスクを負うことなく「ALLU」で販売できる点がメリットになるため、引き続きフルフィルメントサービスを充実させていきたいと考えています。
オークション委託拡大
オークションの委託拡大についても、重要な施策の1つとして引き続き注力していきます。3月に提供を開始したSaaS型新機能は、パートナーのノウハウ不要で自社名義のオークションを開催することができます。海外を含む「SBA」の既存パートナーに対して販売ができるため非常に好評であり、委託の拡大に大きく貢献しています。
これにより委託出品商品を拡大させ、自社買取商品も含めオークションの充実を図ることで、さらに多くのパートナーが集まります。そして、競り上がりによって高値で落札されることで、「高く売れる」オークションとしてさらに委託商品が集まるという好循環が生まれます。
この取組を通じて、世界ナンバーワンのグローバルオークションプラットフォームを実現していきたいと考えています。
海外展開の加速
2024年8月期は買取・販売の両面で海外展開を加速していきます。買取面については、パートナー店舗を中心に、積極的かつスピーディに新規出店する予定としています。加えて、当社の強みであるWebマーケティングを海外の各地域で本格的に導入することで、集客を増やし仕入規模を拡大させていく計画です。
販売面においては、世界中の当社在庫商品を一気通貫で管理し、より機動的な販路選定を実現させます。その一環として、まずは海外各拠点におけるECサイトの開設を2024年8月期中に完了する予定です。「SBA」参加パートナーの開拓活動についても引き続き注力していきます。
ブランド品以外の実物資産への領域拡大
ブランド品以外の実物資産への領域拡大についてです。2023年8月期は、高級車の修理販売に特化した米自動車をM&Aして高級自動車事業の強化を図り、加えて不動産についても一定の成果を残すことができました。
今後も引き続き、世界中で評価される価値ある実物資産についての課題をワンストップで解決し、グループであらゆる商材を目利きすることで、顧客のライフタイムバリューを向上させていきたいと考えています。
自動車事業の強化
自動車事業の強化についてご説明します。10月12日にプレスリリースしたとおり、米自動車がTwisted Group Limitedと日本における独占販売契約を締結しました。Twisted Group Limitedは「ディフェンダー」のカスタムや再販を行うイギリスの企業です。
中古の「ディフェンダー」をカスタムすることで再販を可能にするモデルであり、中古自動車におけるサーキュラーエコノミーへの貢献を目指していきます。また、新店舗となる「ALLU心斎橋 ANNEX(仮称)」での自動車の取り扱いや、「なんぼや」や「ALLU」を含む既存事業との相互送客により、自動車事業の強化に注力していきます。
ビジネスモデルにおける重点投資領域
スライドの図は、当社のビジネスモデルにおける重点投資領域を示したものです。下部に記載されている既存事業で得られた利益を、上部で示す領域へと投資していきます。特に2024年8月期には、当社の成長ドライバーである買取に引き続き注力することに加え、店舗出店を含む小売強化と自動車事業の強化に注力します。
Global Reuse Platformerの実現
先ほどもご説明したとおり、当社は2030年に「Circular Design Company」の実現を目指しています。
そのために、世界中から集めた商品を在庫連携によって世界中で広く販売し、販売後もサービスを通じて商品が循環していくようなプラットフォームの構築を目指していきます。商品だけではなく、顧客も当社を中心に循環する独自のモデルを構築することで、持続的な成長を遂げていけると確信しています。
中計期間の成長イメージ
ここまでご説明したとおり、現中計期間は投資期と位置付けており、特に2024年8月期は海外、小売、自動車事業を中心に投資を前倒しで実行します。そのため、中計最終年度となる2025年8月期に営業利益が大きく伸びる計画としています。
2024年8月期 見通し前提
今期の通期業績見通しについてご説明します。
当社の季節要因等を勘案し、今期の業績も引き続き下期偏重となる計画です。
外部環境についてです。時計相場は軟調であった2023年8月期下期並みの水準で推移する前提で、金相場も急騰は考慮せずに大きく変動しない前提としています。仕入面における競争環境は引き続き厳しいと想定していますが、当社の強みであるWebマーケティング、SEO、CRMなどの施策により、仕入拡大に努めていきます。
仕入については先ほどご説明したとおり、今期も国内で10店舗から15店舗の買取店舗の新規出店を計画しています。例年、第2四半期は営業日数が少ないことや季節要因により仕入が落ち込む傾向にあります。それらも踏まえ、2024年8月期上期は2023年8月期下期とほぼ同程度の仕入を計画しています。また、アライアンスや新規出店の効果などによる仕入拡大を見込んでいます。
トップラインは仕入計画に基づき計画を策定していますが、下期にかけて年末商戦を見据えたパートナーの買い需要が増加傾向にあることを踏まえ、例年どおり下期に伸長する見込みです。
加えて、今期は国内小売店舗2店舗の新規出店、グローバルECサイトの展開加速など、小売にもより注力していきます。フルフィルメントサービスやSaaS型新機能の提供などによるオークションプラットフォームの充実も図り、オークション委託拡大における手数料売上・粗利の拡大も計画しています。
売上総利益率は、小売比率の上昇やオークション委託拡大により上昇する一方、売上総利益率が低い自動車事業の強化等も考慮し、2023年8月期より0.5ポイント程度の改善を見込んでいます。
販管費については、買取店舗の新規出店に加えて小売店舗の出店も計画していることから、地代家賃や減価償却費が増加する見込みです。また、海外における買取・販売両面においてWebマーケティングを強化しますが、広告宣伝費・販促費は売上高の3パーセント程度で運用していく計画です。なお、人材採用や人的投資は継続して行っていきます。
2024年8月期 見通し①
先ほどの前提を踏まえ、今期の売上高は前期比18.4パーセント増の901億円を見込んでいます。また、小売出店や自動車事業の強化による領域拡大やグローバルへの投資など、投資を前倒しで実行するため、営業利益は前期比30.5パーセント増の28億5,000万円と計画しています。
2024年8月期 見通し②
以前よりご説明しているとおり、当社の業績は下期偏重になるため、今期より半期ごとの業績も開示することにしました。上期の営業利益は6億7,000万円、下期の営業利益は21億8,000万円と計画しています。
営業利益 上期/下期推移
グラフは直近3ヶ年の営業利益を半期推移で示したものです。例年、下期に大きく伸長していることがわかるかと思います。
特に第2四半期は、年末年始や2月の営業日数が通常四半期より少ないことや天候等の影響があり、当社の仕入は例年減少し、第3四半期以降に増加する傾向にあります。2024年8月期も引き続き投資を先行して行うため、例年の季節特性も踏まえると、2023年8月期程度の下期偏重度合いとなる見通しです。
配当予想
2023年8月期の配当は30円を予定しており、2024年8月期の配当は5円増配の35円を計画しています。中長期的かつ持続的な企業価値向上を目指し、株主に対する利益還元に努めることを重要な経営課題として位置づけ、連結配当性向は原則として30パーセント以上を目標としています。
事業活動として取り組むテーマ
最後に、サステナビリティの取組についてご説明します。
当社は事業の特性やステークホルダーからの期待を踏まえ、18個のマテリアリティを特定しています。そのマテリアリティをもとに、当社が目指す姿をESGのそれぞれについてスライドに記載のとおり定めています。
サステナビリティへのコミットメント
持続可能な社会への貢献と当社の持続的な成長を目指し、スライドに記載のコミットメントを定めています。企業としての責任を果たしていくため、カーボンニュートラルを目指すとともに、働く環境の改善やガバナンスの強化を図っていきます。
Scope1,2,3
二酸化炭素の排出量について、当社は「Scope1,2,3」をそれぞれ策定しています。2030年8月期のカーボンニュートラルに向け、排出量削減のためのアプローチを進めていきます。
Resale Impact
当社は独自の取組として、リセールインパクトの算出を行っています。リセールインパクトとは、商品をリユースすることによって、二酸化炭素の排出や水の使用などの環境負荷の回避にどれだけ貢献できたかを見える化したものです。
人的資本
人的資本についてです。2023年8月期の投資テーマとしても定めていましたが、パーパスの実現には人材の価値を最大限に引き出すことが必要不可欠だという認識のもと、人材の専門性強化や組織としての多様性確保を推進しています。
人材育成及び社内環境整備の方針に関する指標と目標をスライドの表のとおり定め、2025年8月期の従業員エンゲージメントスコア4.2の実現と合わせて目標達成を目指します。
取締役の体制
11月27日に開催予定である第12回定時株主総会終結後の、取締役の体制についてです。新任社外取締役1名の追加により、人事、グローバルビジネス、サステナビリティが強化されます。引き続き社外取締役は過半数を維持し、ガバナンス強化にも注力します。
以上で、私からのご説明を終了します。ご清聴いただきありがとうございました。
Q&A
質疑応答に関しましてはこちらに掲載されております。
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