バリュークリエーションのニュース
【QAあり】バリュークリエーション、不動産DXが好調で大幅増益 前年同期比175%で想定を超え黒字着地
事業概要
和田晃一氏(以下、和田):本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。バリュークリエーション株式会社で経営企画部を管掌している、執行役員の和田晃一です。本日はどうぞよろしくお願いします。2025年2月期第2四半期決算説明をメインとしてご説明します。
はじめに、会社概要についてお伝えします。当社は、マーケティングDX事業と不動産DX事業の2つを主軸事業として運営しています。
マーケティングDX事業については、簡単にご説明すると、Web広告の運用をご依頼いただき社内で運用するほか、LP制作やクリエイティブ制作、Webコンサルなど、一気通貫したサービスの提供を行っています。
不動産DX事業については、住宅解体のプラットフォームである「解体の窓口」というメディアを運営しています。これは、解体したいユーザーと当社にご登録いただいている解体業者をつなぐプラットフォームとしての機能を果たすメディアです。
マーケティングDX事業には特徴が3つあります。1つ目は「LTVマーケティング」を掲げていることです。単純にマーケティングとしてリードを獲得するだけではなく、その後の収益化につながる施策等もコンサルを入れてお客さまにご提供しています。
2つ目は「事業会社としての顔」です。当社は「解体の窓口」というメディアを運営しており、自社の広告費用を投下してメディアとしての価値を高めて展開しています。
マーケティングDX事業では、お客さまの広告をご支援するとともに、自社でも広告費用を使いメディアを運営していることから、事業会社としての一面も持っています。メディア運営のノウハウや知見が、マーケティングDX事業にも還元され、双方でシナジーを生んでいる状況です。
3つ目は「97%の継続率」です。2つの事業の特徴があることから、97パーセントという高い継続率で事業を運営することができています。
「解体の窓口」を展開している不動産DX事業にも、特徴が3つあります。1つ目は「逆オークションでの業界課題解消」です。
まず、「解体の窓口」にお問い合わせいただいたお客さまから、空き家の情報や土地の情報などを、当社にご登録いただいている解体業者に提供します。すると、A社ではいくら、B社ではいくら、C社ではいくらと価格競争が生まれます。
オークションではどんどん価格が高くなっていくのが通常だと思いますが、「解体の窓口」では価格が安くなることから、「逆オークション」という言い方をしています。したがって、お客さまには、最安値の業者による解体をご提供できています。
2つ目は「約1,900社の提携解体業者」です。約1,900社の提携解体業者と連携し、全国対応を行っています。当社の審査基準に合致した解体業者にご登録いただいていくことで、品質と安全をご提供しています。
3つ目は「多様な出口戦略の存在」です。解体して終わりというお客さまは、ほとんどいません。更地になった土地について、「駐車場にしたい」「トランクルームにしたい」「建て替えたい」など、数々のニーズがあります。
提携しているパートナーさまと連携し、お客さまの多種多様なお悩みに対して課題解決を行っています。このように、土地や不動産の情報、解体だけではなく、複数のキャッシュポジションがあることが特徴となっています。
マーケティングDX ビジネスモデル
和田:ビジネスモデルついて、先ほど申し上げた内容にさらにご説明を加えます。スライドの図はマーケティングDX事業のビジネスモデルを示したものです。
まず、お客さまから広告運用のご依頼をいただきます。社内でのWeb広告の運用や、LP制作やクリエイティブ制作、Webのコンサル等を一気通貫でご提供しています。
不動産DX ビジネスモデル
和田:不動産DX事業のビジネスモデルです。スライドの一番左側から順にご説明しますと、まず、解体ニーズを持つ法人や個人のお客さまから見積もりのご依頼をいただきます。
当社が解体業者にそのような情報をご紹介し、見積もりをいただきます。お客さまには解体業者をご提示し、その中でマッチングする流れになっています。
当社の特徴としては、ただの一括見積もりのサービスではなく、必ずコンシェルジュを介在させています。お客さまと解体業者、双方に対してコミュニケーションのロスなく、一番良い方法でサービス支援ができるよう、人を介在させてサービスを提供しています。
坂本慎太郎氏(以下、坂本):ここで質問よろしいでしょうか? 「解体の窓口」のビジネスモデルなのですが、おそらく見積もりを各社に出してもらうのだと思います。これは下見をし、数日経ってから返ってくるものなのでしょうか? それとも写真などからすべて出せてしまうものなのでしょうか?
和田:まずは写真等をご提供し、場合によっては現地で下見した上でお見積もりをいただくかたちをとっています。
重要トピックス
和田:決算に関する重要トピックス等についてご説明します。スライドには主に2025年2月期第2四半期でのトピックスをまとめています。
不動産DX事業の中で大幅増益を達成し、売上高は前年同期比175パーセントで着地しました。社内での想定を超えた黒字着地という状況になっています。
全体としても、売上高、売上総利益ともに前年同期を超え、マーケティングDX事業でもクロスセル・アップセルにより強く取引を拡大している状況です。
スライドのグラフでは2025年2月期第2四半期を濃い緑色で示しています。売上高は8億5,900万円、前年同期比プラス123パーセント、売上総利益は2億7,200万円、前年同期比プラス107パーセントの成長となっています。
坂本:非常に堅調な推移となっていますが、今期、前期ともに第1四半期に売上が立ち、利益もそのようなかたちになっています。事業に季節性があるのでしょうか?
和田:特に季節性はないのですが、お客さまによっては広告予算を使用するタイミングがあり、重なると増加する時期があります。したがって、お客さまによって変動がある場合もありますが、全体としての季節性はありません。
主要トピックス
和田:4つの主要トピックスについてご説明します。1つ目として、「解体エージェント」の相談数が増加しました。2024年2月期末に「解体エージェント」という同業メディアの買収を行っており、当社で運営を始めてから寄せられた平均月間相談数は、サイトの取得前後で20パーセント増加を果たしています。
2つ目として、LINE公式アカウントの運用支援サービスの提供を開始しています。こちらはマーケティングDX事業で、LINE公式アカウントの構築支援から運用サポートまで一気通貫で提供可能な状況となっています。
3つ目は、業務提携の実施です。上場直後からさまざまな会社さまと業務提携を行っており、2025年2月期第2四半期でも3社と提携しています。1社目が株式会社マーケットエンタープライズ、2社目が株式会社アイズ、3社目が株式会社フィル・カンパニーです。詳しい内容については、後ほどご説明します。
4つ目は、メディア掲載についてです。メディアには多数取り上げていただいており、熊本朝日放送の「くまもとLive touch」や福岡のRKB毎日放送の「タダイマ!」などで「解体の窓口」ご紹介いただきました。
そのほかにも、昨今空き家問題が日本全国的に課題化する中で、地方全体として「解体の窓口」での当社の取り組みを多数取り上げていただいている状況です。今後もさらにメディアに取り上げていただくことで、空き家問題に対する啓蒙などを周知していければと考えています。
基礎数値ハイライト
和田:基礎数値のハイライトです。スライドにはKPIと基礎数値を記載しています。上段がマーケティングDX事業、下段が不動産DX事業です。
マーケティングDX事業は、2025年2月期第2四半期の取引社数が426社での着地となりました。前年同期の384社に対し、40社以上の増加となっています。継続率も95.7パーセントと高い数値で着地しました。
不動産DX事業では取扱高を記載しています。これは、当社が「解体の窓口」の中で取り扱っている解体工事の工事規模を表した数値で、2025年2月期第2四半期は4億1,700万円となりました。第1四半期の3億5,000万円台から大幅に増加しています。
ユーザー申込数はサービス立ち上げからの累計値で、2025年2月期第2四半期は3万2,026件となりました。第1四半期から4,000件以上増加しています。このように、すべての指標において順調に進捗している状況です。
2025年2月期第2四半期業績ハイライト
和田:業績ハイライトについてご説明します。スライドには具体的な数字を記載しています。スライドの表には、左から順に2025年2月期第2四半期の実績、2025年2月期通期の業績予想、通期業績予想の進捗率を記載しています。
2025年2月期第2四半期の実績は、売上高が17億8,200万円、売上総利益が5億5,600万円、営業利益が5,600万円、経常利益が5,100万円、税引後当期純利益が2,900万円の着地となりました。
全体として、売上高・売上総利益は計画に対し、予想を上回って着地することができました。一方で、当初計画よりも人員の採用が進み、かつ、上場1周年の記念株主優待を予定していることから、多少費用が増加した部分があります。
そのような状況はあるものの、通期業績予想は十分達成できる見込みですので、当初計画値は据え置き、このまま進めていきます。
坂本:株主優待の費用増というお話がありました。上場1周年記念の株主優待について、おそらく個人投資家からも多数質問があると思いますが、これは1回限りなのでしょうか? そのあたりのイメージを教えていただければと思います。
和田:上場1周年記念の株主優待は今回限りとなります。2023年11月に上場し、今年11月でちょうど1周年を迎えることになります。多数の個人投資家のみなさまから多くのご支援をいただいていますので、その感謝と記念として今回優待を行うことに決めました。
その後は、通常の株主優待を年に1回実施することを決めています。したがって、上場1周年記念の株主優待としては今回限りですが、通常の株主優待としては毎年ご提供していく方針です。
坂本:ありがとうございます。先ほど人員についてのお話もありました。採用は進んでいるということですが、今年の新入社員10名は中途と新卒のどちらが多いのでしょうか? その割合を教えてください。
和田:今年4月に新入社員として新卒社員10名に入社いただきました。当社としては、この規模で新卒社員を採用できることはなかなかありませんので、かなり多くの新卒社員に入社いただいたと思っています。
坂本:この新人の方々は、今の主要の2つのセクションに配属されるのか、それとも新しい領域を考えているのか、どのような割り振りになるのでしょうか?
和田:今年の新入社員はマーケティングDX事業と不動産DX事業にそれぞれ配属され、各々の領域で今一生懸命がんばっている状況です。
全社売上高・売上総利益・営業利益推移
和田:こちらのスライドでは、先ほどご説明した数字を、過去の数値と並べて棒グラフにしています。
全体の売上高としては、マーケティングDX事業・不動産DX事業全体として成長を牽引し、順調に伸長しました。人員の採用が進んでいるところと、株主優待の費用が増加しているところで、第1四半期に比べると利益が多少減少している状況です。
四半期推移 / 費用構成
和田:こちらのスライドは、これまでの費用構成の推移を並べたものです。一番右が2025年2月期第2四半期会計期間の販売管理費の全体割合を示しています。
2024年4月に新入社員が10名入社し、その後も中途社員を含めて採用が順調に進んだことから、人件費や教育関連費用が増加しています。
また、グラフでは青で示している「その他」の領域では、上場1周年記念の株主優待費用を会計上の処理として、2025年2月期第2四半期時点で計上しています。実際の株主優待の発送は今年11月を予定していますが、会計的にはすでに決まった費用として第2四半期に入れています。
地代家賃では、当社は今年3月に新オフィスに移転しており、前のオフィスの家賃が第1四半期に多少重なって入っています。第2四半期ではその分がなくなり、費用が減少しています。
それ以外では、費用の割合の変化や特殊なものは特になく、総じて大きな変動はありません。
マーケティングDX事業|売上高・粗利益・営業利益推移
和田:事業別の売上高等をご説明します。順調な顧客増により、売上高・粗利益・営業利益はそれぞれ順調に推移しました。売上高は第2四半期で8億500万円、粗利益は2億4,000万円、営業利益は1億4,500万円の着地となりました。
マーケティングDX事業|事業KPI推移
和田:事業KPI推移です。社数と継続率を過去のトレンドからすべて取っています。スライドの棒グラフが社数の推移を、折れ線グラフが継続率を示しています。一番右の棒グラフが、第2四半期末時点の状況で、社数は約145社となっています。顧客数は前年同期比13.4パーセントの増加、継続率も前四半期比95.7パーセント増加しています。
不動産DX事業|売上高・粗利益・営業利益推移
和田:不動産DX事業についてです。こちらも、空き家問題に対する市場の関心の増加から、申込数等が増加しており、売上高・粗利益ともに順調に増加しています。先行投資を継続しつつも、引き続き黒字で着地することができ、売上としては前年同期比で175パーセントとなっています。
スライドの売上高を示す棒グラフをご覧いただくと、第1四半期が4,200万円、第2四半期は5,300万円と、順調に推移していることがご理解いただけると思います。粗利益は第2四半期で3,100万円、営業利益はプラス300万円と、これまで赤字が続いていたところを、この第1四半期から黒字で着地することができ、また維持できている状況です。
坂本:不動産DX事業の黒字転換の要因というのは、ある程度費用をこなしつつ案件が増えてきたという考えでよろしいですか? なにか特徴的なものがあれば教えてください。
和田:おっしゃるとおりです。人件費や広告費といったところには投下はしていましたが、それを超えるトップラインの伸びや、お問い合わせをいただいたことにより、事業として順調に伸びることができました。そのため、費用感をすべて包含しても利益を出せるような体制になってきました。
坂本:今後の見通しについてですが、先行投資してきた部分をさらに加速させるために、もう一段階先に進むのでしょうか? それとも、おそらくシェアはけっこう取れていると思いますので、回収されるのでしょうか? このあたりのイメージがあれば教えてください。
和田:これからは回収のフェーズになると思っています。既存の人員やリソースの中で十分トップラインを増やしていける段階には来ています。ただし、現状を超えるお問い合わせがあったり、さらに拡大していくことになったりした場合には、人を増やしたり、システムを入れてみたりということが十分考えられますので、先の展開を踏まえて柔軟に判断していきたいと考えています。
坂本:こちらのセクションのセグメントの考え方としては、他社なども取り組んでいるポータルサイト的な部分がおそらくあると思います。また、異なる商材を増やすことも可能だと思います。
将来的には、商材を増やす方向に進んでいくのか、それとも既存事業や支援のほうを行っていくのか、どのようなイメージをお持ちでしょうか? こちらの不動産DX事業でもう1本立てるとおそらく成長も早いと思っているのですが、このあたりのイメージを教えてください。
和田:まずは既存事業に注力していくということで、今あるものをしっかり伸ばしていきます。その先でまた別の事業を行うことも可能性としてはあるかもしれませんが、今あるものの中でもいろいろな広がりが無限にありますので、今あるものの中でできることにしっかり取り組んでいきたいと思っています。
不動産DX事業|取扱高推移
和田:取扱高の推移です。冒頭にお伝えした「解体の窓口」は、解体したいお客さまと解体業者を結びつけるプラットフォームです。スライドのグラフは「解体の窓口」で取り扱われる工事高の推移を示しています。
2020年の後半から事業を開始しました。当時6,300万円ほどだった取扱高は、2024年2月期は9億5,000万円ほどと、ほぼ10億円に近い数値に着地しています。
スライド一番右の青色で示した2024年2月期第2四半期については、4億1,700万円となっています。第1四半期と第2四半期を合わせただけでも、7億円、8億円に近い数字になっており、前期の数値をもうすぐ超えそうな勢いで順調に進んでいます。
不動産DX事業|事業KPI推移
和田:ユーザー申込数の推移です。「解体の窓口」のサービスは2020年7月に創設されました。以降の累計のユーザー申込数を表しています。
第2四半期で3万2,026件のお問い合わせをいただいており、前年同期比60.8パーセントの増加となっています。前四半期比15パーセントの増加となっており、日々増えている状況です。
今期の重点取り組み事項|協業・業務提携の増加
和田:今期の重点取り組み事項の中で、協業・業務提携が増加しています。マーケティングDX事業の領域では、アイズ社と提携しました。スライド下半分が、「解体の窓口」に関連した提携となっています。
マーケットエンタープライズ社とは、「解体の窓口」の利用者に対するリユースプラットフォームによるソリューション提供をしています。また、フィル・カンパニー社とは、土地活用のソリューションのご提供と解体後の土地活用の領域で提携することにより、サービス強化ができている状況です。
空き家問題解決に向けた市場動向
和田:空き家問題についてです。2023年12月に空き家対策特別措置法の改正案が施行されました。これは、「管理不全の空き家」に対して固定資産税が上がってしまうといったものになります。およそ4倍から6倍増えることになるため、この影響で空き家問題に対する課題感が全国的にかなり増えていると思います。
社会問題としての空き家の増加
和田:こちらのスライドは、空き家の増加を推計したグラフになります。現時点で、2038年の空き家率は31.5パーセント水準になることが推計されています。
東京都23区内の空き家数が過去最多、空き家率も過去最高
和田:東京都23区内の空き家数は過去最多、空き家率も過去最高の状況となっています。スライドに記載しているのは、当社のニュースリリースです。
坂本:先ほど、固定資産税が4倍から6倍になるというお話がありました。相続等で空き家を放置している方々からの問い合わせは非常に多いと思います。こちらに関しては、やはりマスコミなどに取り上げられることによって問い合わせが増えていく状況なのでしょうか?
和田:ニュースや新聞等で見たというお客さまからお問い合わせをいただくケースもどんどん増えています。東京23区で空き家が増えているというニュースもありますが、今年4月に総務省が発表した全国の空き家数は900万戸とさらに増えています。したがって、東京23区に限らず、日本全国でどんどん増えています。ユーザー個人からすると、かなりの課題感や危機感を持って、お問い合わせいただくケースが非常に増えている印象です。
今後の成長戦略
和田:今後の成長戦略についてです。マーケティングDX事業は、これからも安定的に成長させていく部分になります。その上に乗っかっていく不動産DX事業も新規事業としてこれから爆発的に伸ばしていきたいと考えています。そこから拡大して、新規事業の領域をどんどん取っていき、マーケティングDX事業と不動産DX事業の両軸で、さらなる成長を見据えています。
成長戦略:顧客一社当たりの支援品質向上
和田:当社は、マーケティングDX事業の顧客1社当たりの支援品質の向上を目指しています。当社は、マーケティングに取り組み始めてから17年目になり、これまで蓄積してきたマーケティングDX事業のデータベースがあります。
そのため、「このお客さまに対してはこのような施策を」といったものがどんどん型化されてきており、最も効果が出る施策を提供できます。さらにここを強化し、いろいろなお客さまに安定的なサービスのご支援ができたらと考えています。
成長戦略:「解体の窓口」事業の拡大加速
和田:「解体の窓口」事業に関しても拡大を見込んでいます。インターネットを介した解体の見積もり等のサービス市場領域は、将来的に2,400億円近い市場になることを見込んでいます。当社としては、そこのパイをどんどん取っていけたらと考えています。そのためにも社内の体制をさらに強化していき、課題感あるお客さまに対してソリューションを提供できる体制を引き続き構築していけたらと考えています。
坂本:「解体の窓口」はかなり成長していると思いますが、今後も同じペースである程度のところまでさらに拡大していくのでしょうか? また、先ほど人員の話もありましたが、今後の拡大に向けて必要なリソースはもっと増えてくるのか、必要となるのは人なのか、それともサーバーやその他なのかなども含めて、課題と見通しについてもう少し具体的に教えてください。
和田:今後さらなる成長を遂げていくと考えています。解体にまつわる課題感やニーズというのは本当に多種多様です。例えば、解体したい、あるいは解体した後の更地の活用や、相続、不用品の回収が絡んでくるなど、ただ解体するだけではなく、周辺領域がたくさんあります。
したがって、当社としてはそのような周辺領域を取り込むことによって、さらに2倍、3倍と成長していけるのではないかと考えています。それに対応するための社内のリソースに関しては、現状のリソースでもかなり整ってはきていますので、ここからもさらにトップラインを伸ばしていけると考えています。
ただし、今後問い合わせが2倍、3倍、10倍になった場合、流石に既存のリソースではなかなか対応できません。安定的に人の採用を続けて、会社として継続的に成長を遂げていけたらと考えています。
成長戦略:解体を起点としたクロスセル
和田:解体を起点としたクロスセルも成長ポイントとして考えています。スライドは、キャッシュポイントがたくさんあるということを示しています。解体した後に更地をどうするのかといったお悩みを抱えているお客さまはたくさんいらっしゃいます。例えば、建て替えたい、売却したい、実は相続が絡んでいる、土地活用をしたいなど、いろいろなお声を聞くことが多数あります。
そこに対しては、提携しているパートナー会社とお客さまの悩みを解決するとともに、当社としては複数のキャッシュポイントが生まれていくかたちになっています。今後もこの領域はどんどん広げていける可能性がありますので、下半期、来期は広げていく動きを続けていきます。
成長戦略:土地情報を起点としたプラットフォーマー化
和田:土地情報を起点としたプラットフォーマー化についてです。「解体の窓口」を通して、いろいろな情報が集積されます。データのプラットフォームとして蓄積したものを、いろいろなところに展開していくビジネス展開を考えています。
今後の事業見通し
和田:今後の事業の見通しについてです。安定成長のキャッシュカウとなっているマーケティングDX事業を柱として、新規ビジネスの不動産DX事業の部分で爆発的な成長を遂げることを目指しています。双方それぞれで動くのではなく、マーケティングDX事業のノウハウは、不動産DX事業のメディア運営に活かされています。
また、「解体の窓口」や解体の領域に対応していくことにより、マーケティングDX事業のお客さまにノウハウとして還元できます。したがって、この両輪でシナジーを持って走り続けていくことが今後の事業の見通しであり、成長のキーとなっていくのではないかと考えています。
不動産DX 解体事業の開始(2024年8月29日開示)
和田:新規事業についてです。2024年8月末に開示を出しましたが、解体事業を開始します。これまでは、解体したい人と解体業者をつなげるマッチングのビジネスを展開してきました。今後は、当社が解体事業の元請けとなるビジネス展開を考えています。
これにより、スライドにあるとおり、マッチングサービスは現状100億円近い市場と推計していますが、その上の住宅解体市場全体のところも手掛けられるようになります。解体を当事者として行っていく上で、ノウハウや知見も蓄積し、さらに大規模の解体領域にも手掛けられるのではないか、解体全体市場に踏み込んでいけるのではないかと期待して、このビジネスを今後推進していきます。
坂本:現状は元請けまでは行わずに、すべて外注のようなかたちですが、今後は元請けになり外部業者に解体をお願いするかたちですか?
和田:そうですね。
坂本:それにより、全部外注するよりは、ある程度金額を決めて依頼できるため利幅が増えるということですね。
和田:はい。
坂本:非常によくわかりました、ありがとうございます。
質疑応答:マーケティングDX事業について
坂本:本日のお話は不動産DX事業に寄っていたのですが、もともと行われているマーケティングDX事業についてもうかがいます。「主な顧客の業種はいろいろあると思いますが、御社がどのような方々にどのようなご支援をしているのかを教えてください」というご質問です。
和田:当社が手掛けるマーケティングDX事業のお客さまの業種は多種多様です。ゲームアプリの会社、不動産、学校法人、士業、税理士法人、生協、地方自治体など、本当にいろいろな規模や業種のお客さまとお取引をしています。
坂本:基本的にはWebページの作成からそのコンサルティングなどまでの支援が得意領域ということですか?
和田:そうですね。
坂本:ありがとうございます。顧客の会社の規模感を教えていただけますか?
和田:上場されている会社や、中小企業、また個人事業主に近い方々もご支援しています。
坂本:かなり幅広く行われているのですね。
和田:そうですね。
質疑応答:空き家問題について
坂本:「空き家対策は所有者の確定の困難や解体の人手不足などの問題があると思いますが、現在の問題点と御社が取り組まれている解決策についてわかりやすく教えてください」というご質問です。繰り返しになる部分もあると思いますが、よろしくお願いします。
和田:課題は、全国的に空き家放置に対する課題感の浸透がまだ低いところと、空き家に対してどのような解決策や選択肢があるのかが、あまり知られていないところだと思います。
国として、空き家対策のために補助金を出したり固定資産税を増加したりするなど、特定空き家の指定などで対策は進みつつあり、課題感の浸透は進んでいると思うのですが、なかなか実行されていないと感じます。したがって当社としては、セミナー開催などで空き家放置に対する課題感を啓蒙していくとともに、その先の実行までできるため、解体やその後の活用方法を提供することにより、全国的な空き家問題の解決を推進しています。
質疑応答:地方公共団体との連携について
坂本:「不動産のDX事業において、地方公共団体からの問い合わせはあるのでしょうか? 解体における行政代行なども行われているのでしょうか?」というご質問です。
和田:地方では各自治体と連携しています。実際の取り組みとしては川崎市と連携していて、市の中に「解体の窓口」のご紹介をいただく機関があります。そちらで当社が手掛けた解体の情報を市と連携して提供することにより、市としても空き家に対する課題感や現実感を把握して、当社とともにこの空き家問題の解決を進めています。今はさらに、自治体との連携を進めているところです。
飯村美樹氏(以下、飯村):基本的には空き家の所有者やその周辺で困っている人が市に相談をして、そこから御社にご紹介があるという流れなのでしょうか? それとも自治体などから積極的に声掛けがあるのでしょうか?
和田:いろいろなケースがあります。空き家を持たれている方が自治体に相談して、自治体から当社にご紹介いただくケースもあります。
質疑応答:解体事業開始後の外注先との関係性について
坂本:「解体事業の開始で元請けになると、『解体の窓口』を扱っている外注先と競合しないのでしょうか?」というご質問です。
和田:バッティングというのはまったくなく、解体業者と当社との関係性はこれまでと変わりません。
坂本:そうなのですね。
和田:はい。当社自身で現場に行って解体工事を行うのではなく、ご登録いただいている解体業者にご協力いただき作業を行っていく流れは変わらないため、その関係性も変わらないと思います。
坂本:そうですよね。元請けになるのであれば鉄筋の建物など規模が大きなもののコントロールもできると思います。より大きい建物なども自社でコントロールできると思いますが、今後はそちらにも力を入れていかれるのでしょうか?
和田:そうですね。元請けとして行うことによって、自社内にいろいろな経験やノウハウが蓄積され、その分信頼も蓄積していくと思っています。今までマッチングでは戸建ての解体が多かったのですが、そのノウハウを蓄積していき、さらに規模大きなビルやアパートなども手掛けられるようなビジネスになることを期待しています。
質疑応答:マーケットエンタープライズ社との提携について
坂本:「マーケットエンタープライズ社との提携は、クロスセルが目的ですか?」というご質問です。
和田:はい、そうです。まさに今クロスセルを考えており、先ほどスライドでお見せした、いろいろなキャッシュポイントがある領域を広げられる施策です。マーケットエンタープライズ社は中古の農機具などのリユースを行う会社で、地方の解体の現場などでは「倉庫内で眠った農機具があり、その処分に困っています」というお声もあります。そこに対応できるのがこの提携です。
坂本:なるほど、そのようなことなのですね。ありがとうございます、よくわかりました。
質疑応答:費用の増加と利益の達成について
坂本:「経費の増加と、利益が若干ぶれているのは人件費以外の要因でしょうか?」というご質問です。また、「通期での予想利益の達成は難しいのではないか?」という見解もありますが、下期にかけて修正できるのでしょうか。
こちらはおそらく広告の先行などいろいろな要素があると思いますが、今期の業績と来期あたりまでの見通しについて、施策や取り組みなどを教えてください。
和田:1点目はその費用増の人件費以外の背景です。それを踏まえた上で今後の成長についてご質問いただいたと認識しています。
坂本:はい、そうです。
和田:人件費については増えています。ただ、これから営業を担う人員や会社を拡大していくための貴重な人員を確保できたところなので、むしろ社内としてはポジティブな変化だと捉えています。そしてこの人員を教育してトッププレイヤーにすることで、当社の継続的な成長を支えていく大事な人的資本となるため、ここはポジティブな変化だと捉えています。
この費用の増加が今後の利益、予算に対して達成できるのかをご心配いただいているかと思いますが、会社的には達成可能と捉えており、トップライン、粗利、すべて伸びているため、この費用増は補填できる水準だと考えています。したがって下半期はまだあるため、これから通期の着手に向けてしっかり業績確保して利益の達成を目指しています。
質疑応答:施工管理について
坂本:「御社が元請けになると、『解体の窓口』に登録されている業者に依頼して解体施工を行うかたちでしょうか?」というご質問です。
和田:そうですね。現場に行って、ご登録いただいている解体業者に施工をお願いするかたちです。
坂本:規模が大きくなったら、施工管理まで行われるのですか? 将来は現場監督の方なども派遣するかたちになるのでしょうか?
和田:元請けとしての責任があるため、現場監督は自社内で、工事の全体スケジュールや施工管理を行っていきます。
坂本:そのあたりの人材も育てなければいけないのでしょうか?
和田:そうですね。8月の臨時株主総会で当社の取締役に就任した者が、建設や解体工事を長く携わってきているため、ノウハウを還元してもらい社内で実行していくかたちです。
質疑応答:更地の活用ビジネスについて
坂本:「空き家の固定資産税が4倍から6倍になると聞きました。更地でそのまま保有するの空き家ではどちらの固定資産税が高いのですか?」また、「更地にしても経費が上がってしまうため、御社のビジネスとしては、そのソリューションを活かして土地活用を各所の力を借りながら提案していくビジネスという認識でよろしいですか?」そして、「そのサポートを御社はどのくらい行っているのですか?」というご質問です。
和田:ありがとうございます。解体して更地にしてそこで終わってしまうと、何もないただの土地になってしまうため、もったいないと思います。したがって駐車場にするなど何かしら活用方法は本当にたくさんあるため、そのようなところを当社からご提供して、一緒に話し合いながら一番良い方法で進めていけたらと思っています。
当日に寄せられたその他の質問と回答
当日に寄せられた質問について、時間の関係で取り上げることができなかったものを、後日企業に回答いただきましたのでご紹介します。
<質問>
質問:優待の経費を圧迫していくことも考えられますが、それでも継続されますでしょうか?
回答:利益とのバランスをみて実施していく前提で、継続していきます。経費に追加されますが、期首より株主数は4倍から5倍に増えているため、ポジティブな変化だと捉えています。
和田氏からのご挨拶
和田:本日はお忙しい中ご視聴いただきまして、誠にありがとうございます。当社はまだ成長の余地がたくさんあり、現状の株価も社内的には納得できるものではないため、これから徐々に業績拡大していき、みなさまのご期待に添える会社になっていきたいと考えています。
今後さらに事業拡大していけると思いますので、ぜひ引き続き応援いただけたら幸いです。引き続きよろしくお願いします。
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