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南海電気鉄道のニュース
―1月に「第1回EXPO」開催、環境問題解消へ多様なサービス統合がカギ握るー
菅義偉首相は2020年10月、温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を50年までに達成する目標を宣言した。そのためには二酸化炭素(CO2)排出量の約2割を占める運輸部門の変革が必須で、電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)の普及とともに、多様な交通サービスを統合した「MaaS」の実現がカギを握りそうだ。1月20~22日にかけて東京ビッグサイトで「第1回 MaaS EXPO」が開催されることもあり、関連銘柄に再注目してみたい。
●交通最適化で課題解決へ
国土交通省によれば、MaaSとは地域住民や旅行者ひとりひとりのトリップ単位での移動ニーズに対応して、複数の公共交通やそれ以外の移動サービスを最適に組み合わせて検索・予約・決済などを一括で行うサービスのこと。MaaSではスマートフォンのアプリを立ち上げれば、出発地から目的地までの交通だけでなく、観光案内、ホテルや飲食店の予約・支払いなども行うことが可能になる。
MaaSがもたらす効果としては、地方における交通手段の維持・確保や高齢者をはじめとする交通弱者の課題解決などさまざまあるが、環境問題の改善もそのひとつだ。交通手段の選択肢が広がり、マイカーを持たなくても気軽に移動できるようになれば、都市部での渋滞が減少することでCO2の排出が抑制されるほか、マイカーの保有台数の減少に伴って駐車場面積を減らすことができ、緑地などへの転用ができるようになる。15年の国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)のなかの目標11「持続可能な都市」では、子ども・女性・障がい者・高齢者などを含むすべての人が安全で持続可能かつ容易に利用できる輸送システムや緑地・公共スペースなどへのアクセスを提供することが定められており、SDGs達成の観点からもMaaS実現に向けた取り組みは今後更に活発化しそうだ。
●先行する観光需要喚起型
MaaSの実証実験は全国各地で行われているが、なかでも「観光需要喚起型」と呼ばれるものが先行している。例えば、国交省の「20年度日本版MaaS推進・支援事業」に採択されている沖縄MaaS(実証期間は20年12月23日~21年3月31日)ではモノレールやバス、船舶などの乗車券や、観光・商業施設、その他サービスとの連携を目指しており、TIS <3626> が「MaaSプラットフォームサービス」を活用した基盤構築と企画立案を担当。琉球銀行 <8399> がキャッシュレス決済の実現や加盟事業者の開拓を担い、ゼンリン <9474> が移動コードや地図サービスを提供し、アディッシュ <7093> [東証M]子会社のアディッシュプラスがサービスごと及び連携サービス全体に関する問合せ窓口を一括で請け負う。
JR東日本 <9020> は観光型MaaS「ググっとぐんMaaS」の実証実験(期間は20年12月21日~21年3月31日)を行っており、群馬の旅を便利に楽しめるサービスに加え、市民の生活に適応したサービスを実施。このなかでギフティ <4449> は県内の観光スポット巡りに使える便利なタクシー「駅から観タクン」の電子化を目的に、JR東日本に紙のタクシーチケットを電子化し発行する運用基盤として、地域で発行・利用可能な商品券を電子で流通させるソリューション「Welcome!STAMP」を提供している。
南海電気鉄道 <9044> は21年春から、三井住友カード(東京都港区)やQUADRAC(東京都港区)、ビザ・ワールドワイド・ジャパン(東京都千代田区)と一部の駅でVisaのタッチ決済とQRコードによる入出場の実証実験を行う計画。大阪ミナミの中心地「なんば」と関西国際空港、和歌山、世界遺産「高野山」を結ぶ駅にタッチ決済用改札機を設置する予定で、高見沢サイバネティックス <6424> [JQ]のセキュリティーゲート「TAG-10000」シリーズをベースとした改札機が使用される見通しだ。
また、環境への配慮を切り口とした取り組みも動き始めており、東武鉄道 <9001> とJTB(東京都品川区)は栃木県の日光地域で「環境配慮型・観光MaaS(仮称:日光MaaS)」の21年度導入に向けた検討に着手している。
●医療や物流分野での取り組みも
医療分野では静岡県浜松市が中山間地域における高齢者の通院や医師不足などの課題解決を目的としたオンライン診療などの実証実験「春野医療MaaSプロジェクト」を推進しており、ソフトバンク <9434> やトヨタ自動車 <7203> などが出資するMONET Technologiesが移動診療車や運行システムを提供しているほか、博報堂DYホールディングス <2433> 傘下の博報堂は報告書の作成を担っている。
これ以外では、経済産業省が20年7月に物流分野の新しいモビリティーサービス(物流MaaS)の実現に向けた取り組みを実施する事業者として三菱ロジスネクスト <7105> 、アイシン精機 <7259> グループのアイシン・エィ・ダブリュ、ミツバ <7280> 、豊田通商 <8015> などを選定。京浜急行電鉄 <9006> とANAホールディングス <9202> は移動困難者などに提供するサービス「ユニバーサルMaaS」の実証実験を実施(20年12月1日~21年2月28日)している。
●EXPO出展企業など注目
このほかの関連銘柄は、20年12月に「北海道MaaS推進研究会」に加入した駅探 <3646> [東証M]、20年12月下旬に明光バス(和歌山県白浜町)の「とくとくフリー乗車券」をモバイルチケット化したジョルダン <3710> [JQ]、MaaS事業開発を推進する企業連合「MONETコンソーシアム」に参画しているアイリッジ <3917> [東証M]、高性能カーテレマティクス端末を扱うエコモット <3987> [東証M]、MaaSプラットフォーム「SXiM」を展開しているヴィッツ <4440> 、モビリティーサービス多様化の一環として電動キックボードのシェアリング事業を開始したサンオータス <7623> [JQ]など。
加えて、「MaaS EXPO」に出展する企業にも注目。JVCケンウッド <6632> は通信型ドライブレコーダーを活用したテレマティクスソリューション、ヨコオ <6800> はスマートフォンなどの操作でクルマのドアの施錠・解錠を遠隔で行うことができる「遠隔ドアロック制御システム」、日本システムウエア <9739> は移動を伴うモビリティー機器や利用者の動態情報もリアルタイムに地図上で管理・確認することが可能な「NSW-MaaSプラットフォーム」を紹介する予定だ。
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