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平和不動産リート投資法人のニュース
*11:06JST 平和RE Research Memo(6):「NEXT VISION II+」を通じて投資主価値の最大化に取り組む(3)
■平和不動産リート投資法人<8966>の中長期の成長戦略
4. 財務戦略
財務戦略では、「財務基盤の強化」「LTVのコントロール」「資金調達手段の多様化」「金融コストの抑制」を運用方針としている。「財務基盤の強化」は、有利子負債の長期化、適切な金利固定化比率の維持、満期の分散化を進めることで市場金利変動の影響を受けにくい財務基盤を構築する。併せて、高い信用力を示すAA格を背景とした調達コストの抑制と長期安定投資家の拡大を目指す。「LTVのコントロール」では、金融環境に左右されない安定した物件取得、ポートフォリオと収益の持続的な拡大、機関投資家とのエンゲージメントを通じて最適資本構成を探求する。「資金調達手段の多様化」では、公募増資によるエクイティ調達、幅広い業態からなるレンダーフォーメーション、投資法人債など、様々な性格の資金へのアクセスを構築する。さらに「金融コストの抑制」においては、現行の低利な調達条件を長期にわたって享受できるよう、将来のコスト増加リスクの低減を図る。
物件入替による含み益の顕在化が進む一方、賃料増額改定やマーケット賃料の上昇に伴う既存物件の鑑定評価額上昇と、含み益を有する新規物件取得により、含み益額は前期比1,231百万円増の66,749百万円、含み益率も26.6%と引き続き高い水準を維持している。また、平均調達年数は7.2年、金利固定化比率は70.6%、鑑定LTVは40.4%となった。鑑定LTVを45%に引き上げた場合の借入余力268億円を活用することで、成長物件に厳選投資する計画である。このように強固な財務基盤は、同REITの今後の成長を下支えすると期待される。
5. サステナビリティ
「NEXT VISION II+」では、サステナビリティについてGHGの排出量設定目標として、ポートフォリオのGHG総排出量を2030年までに2018年比90%の削減を掲げている。これは、国際認証のSBT(Science Based Targets)認定を受けた目標数値を上回る設定である。2025年5月期末時点のGHG総排出量は90.9%を削減し、目標を達成した。外部認証、国際イニシアティブ・外部評価については、GRESB(Global Real Estate Sustainability Benchmark)評価、CDP気候変動プログラム、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)、グリーンファイナンスフレームワーク、グリーンビルディング認証の取得などを継続している。
環境課題への具体的な取り組みとして、2025年11月末時点で全物件の再生可能エネルギー電力への切り替えを完了した。このほかLED化の推進、レジデンス専有部電気量計測システムの導入、スカンディアモス(100%自然素材で作られた環境にも人にもやさしい室内緑化製品)の設置なども実施している。社会面では、地域社会への参画として清掃活動やペットボトルキャップ回収運動を継続しているほか、資産運用会社において、健康支援・ワークライフバランスの改善や、女性活躍推進法に基づく「えるぼし」認定の取得にも取り組んでいる。ガバナンス面においては、運用資産の取得・売却の意思決定プロセスの明確化や、上席執行役員制度などを導入している。これらのサステナビリティへの取り組みは、世界的な拡大傾向にあるESG投資(環境・社会・ガバナンスに配慮している企業を重視・選別して行う投資)の要請に対応する活動であると評価される。
6. 総括
弊社では、東京都区部を中心に豊富な投資機会が存在することから、同REITの潜在的な成長力は高いと評価している。東京都区部には、主なテナント層である中小規模の事業所が集中しており、オフィス需要は引き続き旺盛である。また、コロナ禍の収束に伴い東京都は2023年から再び人口増加傾向にあり、居住用マンションについても堅調な需要が見込まれる。
また、スポンサー・サポートが同REITの着実な成長戦略を支えている。平和不動産による開発物件や仲介物件などの情報ソースの活用(外部成長サポート)、リーシング情報の共有を通じた稼働率の向上(内部成長サポート)、さらには財務方針や資金調達における支援(財務サポート)などは、同REITの競争上の大きな強みと言える。
リスク面については、同REITでは不測の事態に備え、十分な内部留保やコミットメントラインの設定などの対策を講じている。一般的なリスク要因としては、ほかのREITと同様に、稼働率の低下、賃料の下落、金利の上昇などが想定される。実際、東京都区内において2018年から巨大ビルが大量供給されており、稼働率の低下や賃料の下落が懸念されていた。しかし、同REITが対象とする中規模以下のオフィスは新規供給が限定的であり、既に稼働率も高水準にあることから今後も安定的な稼働維持が可能と見ている。
また、市場賃料の上昇が契約賃料の更改ペースを上回るポジティブギャップが拡大しているため、オフィス賃料はさらに引き上げ可能と判断される。リニューアル工事を通じた物件競争力の強化により、引き続き高稼働と賃料水準の改善が期待される。
財務面では、今後の金利上昇リスクに対し、借入金利の固定化を継続することでリスクヘッジを図っている。同時に、内部留保や含み益を活用した物件のバリューアップを通じ、金利上昇分を十分に補填する賃料増額を実現できる体制にあると弊社では評価している。また同REITは投資主還元やESGの向上にも積極的に取り組む方針であり、「NEXT VISION II+」の目標達成に向けた今後の進捗状況を注視していきたい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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4. 財務戦略
財務戦略では、「財務基盤の強化」「LTVのコントロール」「資金調達手段の多様化」「金融コストの抑制」を運用方針としている。「財務基盤の強化」は、有利子負債の長期化、適切な金利固定化比率の維持、満期の分散化を進めることで市場金利変動の影響を受けにくい財務基盤を構築する。併せて、高い信用力を示すAA格を背景とした調達コストの抑制と長期安定投資家の拡大を目指す。「LTVのコントロール」では、金融環境に左右されない安定した物件取得、ポートフォリオと収益の持続的な拡大、機関投資家とのエンゲージメントを通じて最適資本構成を探求する。「資金調達手段の多様化」では、公募増資によるエクイティ調達、幅広い業態からなるレンダーフォーメーション、投資法人債など、様々な性格の資金へのアクセスを構築する。さらに「金融コストの抑制」においては、現行の低利な調達条件を長期にわたって享受できるよう、将来のコスト増加リスクの低減を図る。
物件入替による含み益の顕在化が進む一方、賃料増額改定やマーケット賃料の上昇に伴う既存物件の鑑定評価額上昇と、含み益を有する新規物件取得により、含み益額は前期比1,231百万円増の66,749百万円、含み益率も26.6%と引き続き高い水準を維持している。また、平均調達年数は7.2年、金利固定化比率は70.6%、鑑定LTVは40.4%となった。鑑定LTVを45%に引き上げた場合の借入余力268億円を活用することで、成長物件に厳選投資する計画である。このように強固な財務基盤は、同REITの今後の成長を下支えすると期待される。
5. サステナビリティ
「NEXT VISION II+」では、サステナビリティについてGHGの排出量設定目標として、ポートフォリオのGHG総排出量を2030年までに2018年比90%の削減を掲げている。これは、国際認証のSBT(Science Based Targets)認定を受けた目標数値を上回る設定である。2025年5月期末時点のGHG総排出量は90.9%を削減し、目標を達成した。外部認証、国際イニシアティブ・外部評価については、GRESB(Global Real Estate Sustainability Benchmark)評価、CDP気候変動プログラム、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)、グリーンファイナンスフレームワーク、グリーンビルディング認証の取得などを継続している。
環境課題への具体的な取り組みとして、2025年11月末時点で全物件の再生可能エネルギー電力への切り替えを完了した。このほかLED化の推進、レジデンス専有部電気量計測システムの導入、スカンディアモス(100%自然素材で作られた環境にも人にもやさしい室内緑化製品)の設置なども実施している。社会面では、地域社会への参画として清掃活動やペットボトルキャップ回収運動を継続しているほか、資産運用会社において、健康支援・ワークライフバランスの改善や、女性活躍推進法に基づく「えるぼし」認定の取得にも取り組んでいる。ガバナンス面においては、運用資産の取得・売却の意思決定プロセスの明確化や、上席執行役員制度などを導入している。これらのサステナビリティへの取り組みは、世界的な拡大傾向にあるESG投資(環境・社会・ガバナンスに配慮している企業を重視・選別して行う投資)の要請に対応する活動であると評価される。
6. 総括
弊社では、東京都区部を中心に豊富な投資機会が存在することから、同REITの潜在的な成長力は高いと評価している。東京都区部には、主なテナント層である中小規模の事業所が集中しており、オフィス需要は引き続き旺盛である。また、コロナ禍の収束に伴い東京都は2023年から再び人口増加傾向にあり、居住用マンションについても堅調な需要が見込まれる。
また、スポンサー・サポートが同REITの着実な成長戦略を支えている。平和不動産による開発物件や仲介物件などの情報ソースの活用(外部成長サポート)、リーシング情報の共有を通じた稼働率の向上(内部成長サポート)、さらには財務方針や資金調達における支援(財務サポート)などは、同REITの競争上の大きな強みと言える。
リスク面については、同REITでは不測の事態に備え、十分な内部留保やコミットメントラインの設定などの対策を講じている。一般的なリスク要因としては、ほかのREITと同様に、稼働率の低下、賃料の下落、金利の上昇などが想定される。実際、東京都区内において2018年から巨大ビルが大量供給されており、稼働率の低下や賃料の下落が懸念されていた。しかし、同REITが対象とする中規模以下のオフィスは新規供給が限定的であり、既に稼働率も高水準にあることから今後も安定的な稼働維持が可能と見ている。
また、市場賃料の上昇が契約賃料の更改ペースを上回るポジティブギャップが拡大しているため、オフィス賃料はさらに引き上げ可能と判断される。リニューアル工事を通じた物件競争力の強化により、引き続き高稼働と賃料水準の改善が期待される。
財務面では、今後の金利上昇リスクに対し、借入金利の固定化を継続することでリスクヘッジを図っている。同時に、内部留保や含み益を活用した物件のバリューアップを通じ、金利上昇分を十分に補填する賃料増額を実現できる体制にあると弊社では評価している。また同REITは投資主還元やESGの向上にも積極的に取り組む方針であり、「NEXT VISION II+」の目標達成に向けた今後の進捗状況を注視していきたい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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