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日産東京販売ホールディングスのニュース
*13:37JST 日産東HD Research Memo(7):2027年3月期に売上高1,550億円、営業利益65億円を目指す
■中期経営計画
2. 中期経営計画
日産東京販売ホールディングス<8291>は「CASE」を前提に電動車とプロパイロット車を拡販するとともに、事業を通じて社会のサステナビリティにも直接貢献していく考えである。そのための重点戦略として、電動化リーダー、安全・運転支援技術、モビリティ事業を推進していく計画である。これにより、まず新車販売台数をコロナ禍前の水準に戻し、本業であるディーラー事業で増収増益を目指す。また、ストックビジネスで収益を上積みし、コスト面では人財・デジタルへの投資を強化する一方で設備費・経費の最適化を図る。さらに、カーボンニュートラルへ向けた動きも推進する。その結果、2027年3月期に売上高1,550億円(2023年3月期1,376億円)、営業利益65億円(同63億円)、配当性向30%以上(同30.5%)など中期財務目標と、乗用車の電動化比率90%以上の維持(同92.3%)、EV販売によるCO2排出量1.6万トン削減(同0.5万トン削減)という長期非財務目標のマイルストーンを達成する計画である。ちなみに、乗用車の電動化比率で目標を既に達成するなど、後述するように2023年3月期の業績が想定以上に好調だったため、中期経営計画の設定は結果的に保守的なものとなった。
中期経営計画を達成するため、既存領域への投資に加え注力領域への投資も積極化し、4年間で総額300億円の投資を実行する予定である。内訳は、持続的成長のための既存ビジネス強化に向けた、ネットワーク刷新や環境対応、事業ポートフォリオ再構成に250億円、変革への推進力となる人財・DXに向け、ITによる効率/生産性向上や事業の多角化、ベストプラクティス強化に20億円、新規事業への参入や資本業務提携による事業領域拡大に向けて、モビリティ関連やEV周辺事業などに30億円を投資する考えである。こうした投資により収益を向上し、2027年3月期にはROE(自己資本当期純利益率)7.0%を計画している。そのため、ネットワークの刷新や新たな顧客接点の構築、効率化投資などにより営業利益率4.2%、収益拡大に向けた投資と資産の有効活用(不要な資産の圧縮)によりROA(総資産当期純利益率)3.4%、財務安全性を確保しつつ資本構成の最適化を目指すことでD/Eレシオ0.26倍を目指す。ただ、EVなど同社への追い風を考えると保守的な印象があるため、もう少し高い目標でもよかったかもしれない。
3. 中期経営計画の重点戦略
同社が中期経営計画を達成するために実行する重点戦略は、電動化リーダー、安全・運転支援技術、モビリティ事業の3つである。
(1) 電動化リーダー
電動化リーダーとは、EVなど電動車の先駆者としての強みを活かし、電動車を運転する感動を世の中に広げ、カーボンニュートラルの推進に直接的に貢献していくことである。日本で日産自動車以外にほとんど本格参入していないにもかかわらず、EVに対する消費者の関心は高く、EVの購入意向が非常に強まっている。そこで同社は、EVの販売ノウハウ・体制や充実のラインナップ、整備体制・設備、インフラ(急速充電器100ヶ所)など10年以上に及ぶ蓄積を活かし、電動車比率90%以上(上方修正の可能性あり)、EVの年間販売台数10,000台の達成を目指すこととした。そのため同社はEVを積極的に販売していく方針だが、日産自動車も2030年までにグローバルで新型EVを15車種投入する計画になっており、EVのラインナップはますます充実するため、販売実績は加速度的に膨らんでいくことが予想される。また、EV販売によるCO2排出量1.6万トン削減、EV給電による災害対応や再生可能エネルギー利用の店舗網構築を目指すことで、環境や社会に対し直接的な貢献を強める考えである。
(2) 安全・運転支援技術
同社は、先進の運転支援技術による安心と安全をより多くの顧客に提供し、先進の運転支援技術を支える整備体制で日々の安心と安全をサポートしていく方針である。具体的には、店舗での試乗やVR体感試乗、「e-シェアモビ」などを活かして、顧客がプロパイロットなど先進運転支援システムを体験する機会を広げる。また、特定整備制度の認証取得に向けた整備機器導入や、既に一日の長のある整備士のさらなる技術力向上、安心・安全なカーライフに直結する「電子制御システム整備」の体制構築も進める考えである。
(3) モビリティ事業
個人リースの利用拡大とモビリティ事業の強化により、所有から共有へというトレンドに的確に対応していく方針である。1997年から展開している個人リースは、そのノウハウをベストプラクティスとして全社に活かし、顧客へのベネフィットを訴求することで、利用率・定着率の向上と乗り換えの促進につなげていく考えである。前述したように、早期の買い替えを通じて同社の新車販売の拡大にも貢献する事業として、今後の成長が期待されている。また、レンタカーを全店に配備するとともに運用台数を増強、e-シェアモビ※の配備も拡大し、モビリティ事業を強化する方針である。これにより、顧客の利便性を向上するとともに、EVの試乗機会とタッチポイントの拡大によって電動車に対する理解を促進していく考えである。
※e-シェアモビ:EVサクラやオーラe-POWERなど日産自動車の先端技術が体験できるカーシェアリングサービス。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<SI>
2. 中期経営計画
日産東京販売ホールディングス<8291>は「CASE」を前提に電動車とプロパイロット車を拡販するとともに、事業を通じて社会のサステナビリティにも直接貢献していく考えである。そのための重点戦略として、電動化リーダー、安全・運転支援技術、モビリティ事業を推進していく計画である。これにより、まず新車販売台数をコロナ禍前の水準に戻し、本業であるディーラー事業で増収増益を目指す。また、ストックビジネスで収益を上積みし、コスト面では人財・デジタルへの投資を強化する一方で設備費・経費の最適化を図る。さらに、カーボンニュートラルへ向けた動きも推進する。その結果、2027年3月期に売上高1,550億円(2023年3月期1,376億円)、営業利益65億円(同63億円)、配当性向30%以上(同30.5%)など中期財務目標と、乗用車の電動化比率90%以上の維持(同92.3%)、EV販売によるCO2排出量1.6万トン削減(同0.5万トン削減)という長期非財務目標のマイルストーンを達成する計画である。ちなみに、乗用車の電動化比率で目標を既に達成するなど、後述するように2023年3月期の業績が想定以上に好調だったため、中期経営計画の設定は結果的に保守的なものとなった。
中期経営計画を達成するため、既存領域への投資に加え注力領域への投資も積極化し、4年間で総額300億円の投資を実行する予定である。内訳は、持続的成長のための既存ビジネス強化に向けた、ネットワーク刷新や環境対応、事業ポートフォリオ再構成に250億円、変革への推進力となる人財・DXに向け、ITによる効率/生産性向上や事業の多角化、ベストプラクティス強化に20億円、新規事業への参入や資本業務提携による事業領域拡大に向けて、モビリティ関連やEV周辺事業などに30億円を投資する考えである。こうした投資により収益を向上し、2027年3月期にはROE(自己資本当期純利益率)7.0%を計画している。そのため、ネットワークの刷新や新たな顧客接点の構築、効率化投資などにより営業利益率4.2%、収益拡大に向けた投資と資産の有効活用(不要な資産の圧縮)によりROA(総資産当期純利益率)3.4%、財務安全性を確保しつつ資本構成の最適化を目指すことでD/Eレシオ0.26倍を目指す。ただ、EVなど同社への追い風を考えると保守的な印象があるため、もう少し高い目標でもよかったかもしれない。
3. 中期経営計画の重点戦略
同社が中期経営計画を達成するために実行する重点戦略は、電動化リーダー、安全・運転支援技術、モビリティ事業の3つである。
(1) 電動化リーダー
電動化リーダーとは、EVなど電動車の先駆者としての強みを活かし、電動車を運転する感動を世の中に広げ、カーボンニュートラルの推進に直接的に貢献していくことである。日本で日産自動車以外にほとんど本格参入していないにもかかわらず、EVに対する消費者の関心は高く、EVの購入意向が非常に強まっている。そこで同社は、EVの販売ノウハウ・体制や充実のラインナップ、整備体制・設備、インフラ(急速充電器100ヶ所)など10年以上に及ぶ蓄積を活かし、電動車比率90%以上(上方修正の可能性あり)、EVの年間販売台数10,000台の達成を目指すこととした。そのため同社はEVを積極的に販売していく方針だが、日産自動車も2030年までにグローバルで新型EVを15車種投入する計画になっており、EVのラインナップはますます充実するため、販売実績は加速度的に膨らんでいくことが予想される。また、EV販売によるCO2排出量1.6万トン削減、EV給電による災害対応や再生可能エネルギー利用の店舗網構築を目指すことで、環境や社会に対し直接的な貢献を強める考えである。
(2) 安全・運転支援技術
同社は、先進の運転支援技術による安心と安全をより多くの顧客に提供し、先進の運転支援技術を支える整備体制で日々の安心と安全をサポートしていく方針である。具体的には、店舗での試乗やVR体感試乗、「e-シェアモビ」などを活かして、顧客がプロパイロットなど先進運転支援システムを体験する機会を広げる。また、特定整備制度の認証取得に向けた整備機器導入や、既に一日の長のある整備士のさらなる技術力向上、安心・安全なカーライフに直結する「電子制御システム整備」の体制構築も進める考えである。
(3) モビリティ事業
個人リースの利用拡大とモビリティ事業の強化により、所有から共有へというトレンドに的確に対応していく方針である。1997年から展開している個人リースは、そのノウハウをベストプラクティスとして全社に活かし、顧客へのベネフィットを訴求することで、利用率・定着率の向上と乗り換えの促進につなげていく考えである。前述したように、早期の買い替えを通じて同社の新車販売の拡大にも貢献する事業として、今後の成長が期待されている。また、レンタカーを全店に配備するとともに運用台数を増強、e-シェアモビ※の配備も拡大し、モビリティ事業を強化する方針である。これにより、顧客の利便性を向上するとともに、EVの試乗機会とタッチポイントの拡大によって電動車に対する理解を促進していく考えである。
※e-シェアモビ:EVサクラやオーラe-POWERなど日産自動車の先端技術が体験できるカーシェアリングサービス。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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