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【QAあり】リンテック、生成AI関連の需要増等により半導体関連粘着テープは好調 積層セラミックコンデンサ関連テープも堅調に推移
2026年3月期第2四半期決算説明
服部真氏(以下、服部):おはようございます。リンテック代表取締役社長の服部真です。本日はお忙しい中、当社決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。
当社は11月7日に2026年3月期第2四半期累計の連結業績の発表を行いました。その概要について、私からご説明申し上げます。
2026年3月期第2四半期 連結業績の概要①

2026年3月期上期の連結業績については、売上高は前年同期比37億2,400万円減、2.4パーセントダウンの1,547億5,200万円、営業利益は9億1,900万円減、6.7パーセントダウンの127億6,700万円、経常利益は17億7,900万円減、12.5パーセントダウンの124億8,700万円、親会社株主に帰属する中間純利益は18億8,600万円減、17.4パーセントダウンの89億2,800万円となりました。
2026年3月期第2四半期 連結業績の概要②

次に、リンテック単体と連結子会社の業績について説明します。
売上高については、単体が前年同期比37億3,100万円増、4.4パーセントアップの893億4,100万円、連結子会社が50億400万円減、5.0パーセントダウンの959億8,600万円となりました。
なお、上期の海外売上高は、前年同期の1,022億9,700万円に対して為替影響もあり967億6,600万円と55億3,000万円減少し、海外売上高比率は64.6パーセントから62.5パーセントとなりました。
営業利益については、単体が前年同期比7億3,600万円増、11.0パーセントアップの74億1,900万円、連結子会社が20億300万円減、27.7パーセントダウンの52億3,400万円となりました。
2026年3月期第2四半期 連結業績の概要③ 営業利益増減要因

続いて、単体と連結子会社の業績の概要については、売上高は、後ほど、各事業部門の概況でご説明することとして、営業利益の増減要因についてご説明します。
単体では、増益要因としてアドバンストマテリアルズ事業部門の販売数量が増加した効果で17億円、電子・光学セグメントでの価格改定で7億円、半導体関連粘着テープの販売増加による売上構成変化で9億円の効果がありました。
一方、減益要因としてパルプを含む原材料価格や動燃費さらに物流コストの上昇で9億円、固定費については洋紙生産設備の固定資産減損影響が5億円ありましたが、人件費および試験研究費などの増加影響により16億円増加しました。
連結子会社では、人件費増加影響があったほか、マックタック・アメリカで販売数量増加や販売価格改定効果はありましたが、売上構成の悪化や原材料価格の上昇をカバーするに至らず大幅な減益となり、さらにマディコ、VDIも販売数量減少の影響を受けました。また、アドバンストマテリアルズ事業部門の海外子会社において、HBM製造用装置の販売台数減少や移転価格税制対応のための単体への利益シフトによる減益影響がありました。
なお、円高による為替影響は売上高でマイナス36億円、営業利益でマイナス8億円ありました。
2026年3月期第2四半期 印刷材・産業工材関連の概要①

次に、上期の業績についてセグメント別に説明します。
印刷材・産業工材関連については、印刷情報材事業部門の売上高は、前年同期比22億1,700万円減、3.0パーセントダウンの713億2,400万円、産業工材事業部門は、前年同期比3億5,200万円減、1.9パーセントダウンの185億4,100万円となりました。
このセグメントの売上高は、前年同期比25億6,900万円減、2.8パーセントダウンの898億6,500百万円、営業利益は米国での売上高減少や国内および米国で調達コストの上昇や人件費などを含む固定費増加影響により18億8,400万円減、53.0パーセントダウンの16億7,300万円となりました。
2026年3月期第2四半期 印刷材・産業工材関連の概要②

引き続き、当セグメントの事業部門別売上高の概要を説明します。
印刷情報材事業部門については、シール・ラベル用粘着製品は、国内では医薬および物流用は前年同期並みに推移しましたが、食品関連やアイキャッチ用並びに飲料キャンペーン用などは低調に推移しました。
海外ではマックタック・アメリカで売上構成変化を販売数量でカバーしたことにより、ドルベースでは前年同期並みであったものの、為替影響により前年同期の448億7,600万円から428億9,500万円と約20億円の減少となりました。また、中国およびアセアン地域においても低調に推移しました。
なお、印刷情報材事業部門の海外売上高比率は71.3パーセントでした。
産業工材事業部門については、国内では防犯用・日射調整用ウインドーフィルムが増加したほか、自動車用粘着製品も堅調に推移しました。海外では米国マディコで防犯用ウインドーフィルムの需要が低迷したほか、アセアン地域で自動車用粘着製品が減少しました。
なお、産業工材事業部門の海外売上高比率は52.2パーセントでした。
2026年3月期第2四半期 電子・光学関連の概要①

次に、電子・光学関連について説明します。
アドバンストマテリアルズ事業部門の売上高は、前年同期比10億1,900万円増、2.4パーセントアップの426億7,500万円、オプティカル材事業部門は、22億1,900万円減、34.2パーセントダウンの42億7,100万円となりました。
このセグメントの売上高は、前年同期比12億円減、2.5パーセントダウンの469億4,600万円、営業利益は増産体制強化のために導入した新設備の減価償却費や人件費などの固定費は増加しましたが、半導体・電子部品関連製品の販売数量の増加により9億7,000万円増、10.2パーセントアップの104億5,600万円となりました。
2026年3月期第2四半期 電子・光学関連の概要②

引き続き、当セグメントの事業部門別売上高の概要を説明します。
アドバンストマテリアルズ事業部門については、半導体関連粘着テープは生成AI関連の需要増加などにより好調に推移しましたが、半導体関連装置についてはHBM製造用の受注が一巡したことにより減少しました。積層セラミックコンデンサ関連テープはデータセンターやスマートフォン向けなどのハイエンド用の需要増加により堅調に推移しました。
なお、アドバンストマテリアルズ事業部門の海外売上高比率は73.4パーセントとなりました。
オプティカル材事業部門については、OLEDディスプレイ用粘着テープは堅調であったものの、韓国・台湾子会社の閉鎖の影響もあり売上高は減少しました。
2026年3月期第2四半期 洋紙・加工材関連の概要①

次に、洋紙・加工材関連について説明します。
洋紙事業部門の売上高は、前年同期比2億2,600万円減、3.0パーセントダウンの73億5,700万円、加工材事業部門は、2億7,100万円増、2.6パーセントアップの105億8,200万円となりました。
このセグメントの売上高は、前年同期比4,500万円増、0.3パーセントアップの179億4,000万円、営業利益は加工材事業部門で増販効果があったものの人件費などの固定費増加をカバーするに至らず2,200万円減、3.7パーセントダウンの5億9,200万円となりました。
なお、洋紙事業の構造改革は必要不可欠と認識しており、熊谷工場で稼働中の抄紙機1台を2026年3月をもって停機することを決定しました。今後も需要動向を見極めながら、洋紙事業の収益改善に向けた生産体制の最適化に取り組んでいきます。
2026年3月期第2四半期 洋紙・加工材関連の概要②

引き続き、当セグメントの事業部門別売上高の概要を説明します。
洋紙事業部門については、工業用特殊紙は堅調に推移したものの、主力のカラー封筒用紙や耐油耐水紙は需要減少により低調に推移しました。
加工材事業部門については、合成皮革用工程紙は減少したものの、一般粘着製品用剥離紙、炭素繊維複合材料用工程紙、光学関連製品用剥離フィルムが需要増加により好調に推移しました。
なお、加工材事業部門の海外売上高比率は35.3パーセントとなりました。
2026年3月期通期 連結業績の見通し

続いて、2026年3月期通期の連結業績予想について説明します。
2026年3月期上期の業績については、マックタック・アメリカが当初予想を下回る結果となりましたが、アドバンストマテリアルズ事業部門が堅調に推移したことから、概ね計画どおりに推移しました。
下期についても、マックタック・アメリカおよびマディコで当初計画を下回る見通しですが、半導体関連粘着テープおよび半導体関連装置、積層セラミックコンデンサ関連テープが上期を上回ると見ています。
このような状況を勘案し、2026年3月期の通期連結業績予想については、2025年5月8日に公表した売上高3,170億円、営業利益240億円、経常利益240億円、親会社株主に帰属する当期純利益180億円を変更していません。
2026年3月期 配当予想

続いて、配当金について説明します。
当期の中間配当金は、当初予想どおり1株当たり55円を実施することとしました。期末配当金は、当初予想の1株当たり55円を変更していません。
服部氏からのご挨拶
最後になりますが、今年度は2030年3月期を最終年度とする長期ビジョン「LSV 2030」の中間点であり、中期経営計画「LSV 2030-Stage 2」の2年目となります。
今後も、長期ビジョンの重点テーマである「社会的課題の解決」「イノベーションによる企業体質の強靭化」「持続的成長に向けた新製品・新事業の創出」に向けて全従業員が一丸となって積極果敢にチャレンジしていくことで、企業価値向上を目指していく所存ですので、みなさまには引き続きご指導、ご鞭撻賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
以上をもちまして、私からのご説明を終わります。ご清聴ありがとうございました。
質疑応答:半導体関連粘着テープの進捗状況について
質問者:半導体関連粘着テープについて、上期は、もともとの計画に対してどのような進捗だったのでしょうか? また、第1四半期と第2四半期では、何か変化はありましたか?
服部:まずは半導体関連粘着テープの上期実績についてご説明します。
ダイシングテープ、バックグラインド用表面保護テープ、チップ裏面保護用テープはそれぞれ前年同期比で増加しました。
市場別・地域別の動向としては、前期と比べてそれほど大きな変化はありません。引き続き、台湾と中国マーケットのウエイトが高く、次いでアセアン地域の市場が占めています。
質疑応答:半導体関連粘着テープの今後の見通しについて
質問者:アドバンストマテリアルズ事業部門の第3四半期以降について、第2四半期の水準と比べてどのように推移していく見込みでしょうか?
柴野洋一氏(以下、柴野):半導体関連粘着テープの売上は第3四半期以降もさらに増加傾向が続くと見込んでいます。
ただし、第4四半期は海外子会社で毎年調整が入るため、若干減少する傾向にあります。それでも、当初予定の売上を上回ると見ています。
質疑応答:印刷材・産業工材関連の営業利益について

質問者:印刷材・産業工材関連については、営業利益が第1四半期から第2四半期にかけて少し上がっています。一方で、マックタック・アメリカだけを見ると、第1四半期から第2四半期にかけて赤字幅が大幅に縮小していますが、印刷材・産業工材関連セグメント全体の利益が、第1四半期から第2四半期にかけてそれほど改善していない理由を教えてください。
柴野:ご認識のとおり、マックタック・アメリカは第1四半期から第2四半期にかけて6億円ほど赤字幅が縮小しています。
一方、他の海外子会社については、第1四半期から第2四半期にかけてドル円で見ると約7円、円高が進んだことが影響し、円換算での営業利益が減少しています。
質疑応答:マックタック・アメリカの収益改善計画について
質問者:印刷情報材のマックタック・アメリカについてです。第1四半期と第2四半期では赤字が縮小している点が数字で確認できましたが、足元までの需要動向のトレンドや、価格転嫁の方向性などについて、何かアップデートがあれば教えてください。
また、下期も赤字が縮小するトレンドを期待してよいでしょうか? 価格戦略や追加的なコスト削減などの部分で戦略があればお聞かせください。
服部:北米のロールラベル市場の動向としては、個人消費が引き続き低調であるため、下期も厳しい状況が続くと予想されています。加えて、原材料価格についても高止まり傾向が続いています。
この状況に対して、マックタック・アメリカとしても市場の動向を注視しながら、値上げなどを通じて収益の改善を図ります。
さらに、固定費の分野では、物流供給拠点の2ヶ所について閉鎖計画を進めており、このような拠点の最適化や人員体制の最適化など、必要な施策を実施していきます。値上げの検討も含め、これらを着実に進めることで、下期の市場環境が厳しい中でも収益改善を強力に推進していきたいと考えています。
質疑応答:マックタック・アメリカにおける構造改革の進捗状況について
質問者:マックタック・アメリカにおいて、値上げや固定費の最適化といった構造改革が進んでいますが、それぞれの効果について、ご説明をお願いします。
柴野:マックタック・アメリカについては、5月中旬頃から全品で値上げを実施しました。今年度の効果としては約1,000万ドル(約15億円)の値上げ効果を見込んでいます。また、さまざまな施策を講じ、生産・物流拠点の最適化も進めています。それによる今年度の効果は約350万ドル(約5億円)と見ています。
ただし、現在はアメリカの物価が上昇しており、需要が低下している状況です。また、第3四半期からは原材料価格が上昇していることもあり、現時点でのマックタック・アメリカは厳しい状況が続いています。
質疑応答:MLCC(積層セラミックコンデンサ)関連事業の市場環境の変化について
質問者:MLCC関連事業のマレーシアの連結子会社を清算するというリリース発表がありましたが、御社の優位性が発揮されているハイエンドの部分では、競争環境・市場環境において引き続き優位性を維持できているのでしょうか?
服部:ご認識のとおり、アセアン地域におけるMLCC関連テープの事業環境としては、特にミドルからローエンドの市場特性があります。その中で、マレーシア子会社は厳しい事業環境下で努力を重ねて事業を伸ばしてきました。しかしながら、近年はミドルおよびローエンド市場で海外メーカーとの競争が激化しており、その影響を受けてマレーシア子会社の清算を決定しました。
ただし、当社はハイエンド領域において、他社に先駆けて製品力の強化を常に進めてきました。そのため、現状や当社の立ち位置に影響はなく、引き続きこの領域で力強くビジネスを拡大していく計画です。
質疑応答:下期の利益率低下と売上高増加の要因について
質問者:電子・光学関連については、通期予想から上期実績を単純に差し引くと、下期の売上高は477億円、営業利益は73億円となります。
この場合、対上期比で下期の利益率が大幅に低下することになりますが、販売ミックスや原燃料コスト、固定費の観点でどのような動向か教えてください。もしも単純に、今回予想を見直していないことによる齟齬であるなら、その点についてご説明をお願いします。
また、売上高については、下期は上期比で増収となる想定となっています。半導体関連粘着テープ、半導体関連装置、MLCC関連テープ、OCA(光学用粘着シート)という主要製品別の動向について、可能であれば伸び率も教えてください。
柴野:プレゼンでもご説明したとおり、下期にはマックタック・アメリカおよびマディコで当初計画を下回る見通しですが、半導体関連粘着テープおよび半導体関連装置、積層セラミックコンデンサ関連テープが上期を上回ると見ています。
ただし、今回は部門間・セグメント間の調整もあり、トータルの営業利益240億円については修正していません。
また、OCAについては、主に車載用が中心となっていますが、現在は他の用途についても拡販活動を進めているところです。そのため、当該部分の受注が取れれば、OCAの売上高はさらに増加すると見込んでいます。
質疑応答:構造改革の進捗状況について
質問者:ここ1、2年で、オプティカル材事業部門の海外子会社や洋紙事業部門の減損、MLCC関連のマレーシアの海外子会社の解散・清算など、構造改革を進めてこられたという印象を受けています。他にも、さらなる構造改革の余地がある領域はあると考えていますか?
服部:ご認識のとおり、構造改革を現在、断続的かつ精力的に進めています。これらは中期経営計画や、その根幹である長期ビジョンに基づいた計画方針に則って進めているものです。
引き続き各事業の将来性や成長性、市場競争力、収益性などを総合的に見極めた上で、必要な施策を実行していきます。これらの施策を進めることで事業ポートフォリオの最適化を図ることを、長期ビジョンや中期経営計画で掲げています。
具体的な内容やその効果については、可能なタイミングでみなさまに公表したいと考えています。
質疑応答:EUV露光機用ペリクルの開発状況と販売開始時期について
質問者:EUV露光機用ペリクルについて、現時点における開発状況および販売開始予定の時期に関するアップデートをお願いします。また、開発状況においてボトルネックがあれば併せて教えてください。
服部:EUV露光機用ペリクルの開発状況については、かねてより公表しているとおり、2025年度末までに量産体制を確立する目標に向けて、取り組んでいます。
現状は計画に対しておおむね予定どおりに進行しています。また、これまで想定していたもの以外に特段新たな課題は生じておらず、引き続き1日でも早く量産体制を確立するため、総力を挙げています。
さらに、EUV露光機用ペリクルのサンプルもお客さまへ提供し、ご評価をいただいています。
販売開始時期について大まかな計画は持っていますが、まずは2025年度末までに安定供給体制を確立することを目標に進めています。販売開始時期などは計画がまとまり次第、公表します。
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