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ウェーブロックホールディングスのニュース
*15:01JST ウェーブロックHD Research Memo(1):自動車向け金属調加飾フィルムの成長により業績は拡大ステージへ
■要約
ウェーブロックホールディングス<7940>は、防虫網や農業用、建設資材用各種シートを手掛けるマテリアルソリューション事業と、金属調加飾フィルムを中心としたアドバンストテクノロジー事業を展開する樹脂加工メーカーである。環境関連ビジネスとして地中熱エネルギーシステムの育成にも取り組んでいる。2023年6月には既存事業の基盤強化を目的に、同業のアァルピィ東プラ(株)(以下、RP東プラ)の株式の20.32%を取得し、持分法適用関連会社とした。
1. 2025年3月期中間期の業績概要
2025年3月期中間期(2024年4月~9月)の連結業績は、売上高で前年同期比9.3%増の12,871百万円、営業利益で同39.3%減の289百万円となり、会社計画(売上高12,000百万円、営業利益200百万円)に対して上回って着地した。売上高は、猛暑の影響で遮熱・遮光網の需要が急増したほか、金属調加飾フィルも新規採用アイテムの量産開始などにより大幅増となり、家庭用防虫網の低調をカバーした。利益面では、原材料価格やユーティリティコスト高騰の影響に加えて、期初原価改定差益の減少もあって減益となったものの、生産性向上や経費抑制に取り組んだことにより、計画比では上回った。
2. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の連結業績は売上高で前期比8.2%増の25,500百万円、営業利益で同8.4%増の420百万円と期初計画を据え置いた。下期も基調に大きな変化はないが、原材料価格や為替の動向、欧米でのEV市場の動向が不透明なことを考慮した。事業別ではマテリアルソリューション事業、アドバンストテクノロジー事業ともに増収となる見込みだが、利益面ではマテリアルソリューション事業の減益をアドバンストテクノロジー事業の増益でカバーする格好となる。足許の受注状況なども勘案すれば、今後市場環境が想定以上に悪化しない限り業績は会社計画を上回る可能性が高いと弊社では見ている。特に、金属調加飾フィルムは環境面だけでなく、光透過性や電波透過性といった機能面での高さが評価され、北米、アジアだけでなく欧州の自動車メーカーにも新規採用が進み始めている状況にある。同社では今後3年間で年率26.0%の売上成長を計画しており、今後の収益をけん引していく製品として期待される。
3. 中期経営計画の進捗状況
2025年3月期よりスタートした中期経営計画において、同社は最終年度となる2027年3月期に売上高29,500百万円(年率7.8%成長)、営業利益1,300百万円(同49.6%成長)、ROE6.3%を目標に掲げた。金属調加飾フィルム関連の売上高が2024年3月期の約32億円から3年後に約2倍に急拡大することで、アドバンストテクノロジー事業の営業利益を同41百万円から700百万円に伸ばす計画となっている。一方、成熟分野となるマテリアルソリューション事業は稼ぐ力の再構築をテーマに、低成長・低収益分野の構造改革を実施するとともに高付加価値製品の開発と地中熱ビジネスの育成に取り組む方針だ。高付加価値製品については酷暑対策品として投入した「ダイオネオシェード清冷」が品切れとなるほど好評なほか、防災・減災対策品として投入した「SAT!開く防災シート」も自治体などの災害備蓄用として今後の需要拡大が期待される。地中熱ビジネスについても農業分野や工場向けの受注実績が増えつつあり、2025年3月期の売上高は200〜300百万円程度と見込まれており、今後も営業体制の強化によって事業拡大を目指す。なお、株主還元方針は連結配当性向35%以上を目安に、安定的な配当を維持することにしており、2025年3月期の1株当たり配当金は前期と同額の30.0円(配当性向57.5%)を予定している。業績が中期経営計画どおりに進捗すれば、2026年3月期以降は配当性向が35%を下回る可能性が出てくるため、増配も視野に入ってきそうだ。
■Key Points
・2025年3月期中間期業績は増収減益となるも期初計画を超過達成
・2025年3月期業績は期初計画を据え置くも金属調加飾フィルムの好調持続で上振れ余地あり
・金属調加飾フィルムの売上規模が自動車向けを中心に3年で2倍に拡大し、収益けん引役となる見通し
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<HN>
ウェーブロックホールディングス<7940>は、防虫網や農業用、建設資材用各種シートを手掛けるマテリアルソリューション事業と、金属調加飾フィルムを中心としたアドバンストテクノロジー事業を展開する樹脂加工メーカーである。環境関連ビジネスとして地中熱エネルギーシステムの育成にも取り組んでいる。2023年6月には既存事業の基盤強化を目的に、同業のアァルピィ東プラ(株)(以下、RP東プラ)の株式の20.32%を取得し、持分法適用関連会社とした。
1. 2025年3月期中間期の業績概要
2025年3月期中間期(2024年4月~9月)の連結業績は、売上高で前年同期比9.3%増の12,871百万円、営業利益で同39.3%減の289百万円となり、会社計画(売上高12,000百万円、営業利益200百万円)に対して上回って着地した。売上高は、猛暑の影響で遮熱・遮光網の需要が急増したほか、金属調加飾フィルも新規採用アイテムの量産開始などにより大幅増となり、家庭用防虫網の低調をカバーした。利益面では、原材料価格やユーティリティコスト高騰の影響に加えて、期初原価改定差益の減少もあって減益となったものの、生産性向上や経費抑制に取り組んだことにより、計画比では上回った。
2. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の連結業績は売上高で前期比8.2%増の25,500百万円、営業利益で同8.4%増の420百万円と期初計画を据え置いた。下期も基調に大きな変化はないが、原材料価格や為替の動向、欧米でのEV市場の動向が不透明なことを考慮した。事業別ではマテリアルソリューション事業、アドバンストテクノロジー事業ともに増収となる見込みだが、利益面ではマテリアルソリューション事業の減益をアドバンストテクノロジー事業の増益でカバーする格好となる。足許の受注状況なども勘案すれば、今後市場環境が想定以上に悪化しない限り業績は会社計画を上回る可能性が高いと弊社では見ている。特に、金属調加飾フィルムは環境面だけでなく、光透過性や電波透過性といった機能面での高さが評価され、北米、アジアだけでなく欧州の自動車メーカーにも新規採用が進み始めている状況にある。同社では今後3年間で年率26.0%の売上成長を計画しており、今後の収益をけん引していく製品として期待される。
3. 中期経営計画の進捗状況
2025年3月期よりスタートした中期経営計画において、同社は最終年度となる2027年3月期に売上高29,500百万円(年率7.8%成長)、営業利益1,300百万円(同49.6%成長)、ROE6.3%を目標に掲げた。金属調加飾フィルム関連の売上高が2024年3月期の約32億円から3年後に約2倍に急拡大することで、アドバンストテクノロジー事業の営業利益を同41百万円から700百万円に伸ばす計画となっている。一方、成熟分野となるマテリアルソリューション事業は稼ぐ力の再構築をテーマに、低成長・低収益分野の構造改革を実施するとともに高付加価値製品の開発と地中熱ビジネスの育成に取り組む方針だ。高付加価値製品については酷暑対策品として投入した「ダイオネオシェード清冷」が品切れとなるほど好評なほか、防災・減災対策品として投入した「SAT!開く防災シート」も自治体などの災害備蓄用として今後の需要拡大が期待される。地中熱ビジネスについても農業分野や工場向けの受注実績が増えつつあり、2025年3月期の売上高は200〜300百万円程度と見込まれており、今後も営業体制の強化によって事業拡大を目指す。なお、株主還元方針は連結配当性向35%以上を目安に、安定的な配当を維持することにしており、2025年3月期の1株当たり配当金は前期と同額の30.0円(配当性向57.5%)を予定している。業績が中期経営計画どおりに進捗すれば、2026年3月期以降は配当性向が35%を下回る可能性が出てくるため、増配も視野に入ってきそうだ。
■Key Points
・2025年3月期中間期業績は増収減益となるも期初計画を超過達成
・2025年3月期業績は期初計画を据え置くも金属調加飾フィルムの好調持続で上振れ余地あり
・金属調加飾フィルムの売上規模が自動車向けを中心に3年で2倍に拡大し、収益けん引役となる見通し
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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