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幸楽苑のニュース
*11:37JST ギフトHD Research Memo(7):2回の価格改定も客足に影響なく、大幅な増収増益を達成
■ギフトホールディングス<9279>の業績動向
1. 2024年10月期第3四半期の業績概要
2024年10月期第3四半期の業績は、売上高20,592百万円(前期比23.8%増)、営業利益2,065百万円(同29.2%増)、経常利益2,120百万円(同28.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,385百万円(同22.6%増)となった。前述のとおり1月と7月に価格改定を行ったが客足に影響がなく、また店舗QSCAの向上に継続的に取り組んできたこともあり、改装費用を吸収して大幅な増収増益を達成した。
日本経済は、コロナ禍前の正常な経済活動を取り戻したものの、依然として歴史的な円安状況が継続しており、輸入品の価格高騰に端を発するインフレが進む状況となった。世界経済は、ロシア・ウクライナ戦争やイスラエルとハマスの軍事衝突など大規模紛争が解決されない状況にあるなか、先進各国はインフレの抑制を図るため金利引き下げを検討/実施するなど景気の維持に努めた。同社が属する外食産業は、アフターコロナに移行したことで旅行、宿泊、飲食といったサービス消費が順調に回復するなか、円安などもあってインバウンド需要が急回復しており、業績拡大の絶好のチャンスが到来した状況と言える。一方、雇用情勢は非常に厳しい状況にあり、人手不足解消に向けての賃上げが不可避な状況だ。
このような経営環境下、強い商品力、競争力のある業態・ブランドを背景に既存店売上は順調に拡大を続け、加えてコロナ禍においても出店を緩めなかった経営判断が功を奏し、事業拡大を着実に進めることができた。また、期中に実施した幸楽苑<7554>との21店舗の店舗継承契約も、出店加速の追い風となった。一方、原材料価格や人件費などの値上がりに対し、採算確保のため1月に平均約1%、7月に平均約5%の価格改定を実行したが、客数が前年同期比4.7%増(改装店を除くと6.8%増)と好調に推移し、想定以上の好業績につながった。さらに、ビジネス効率やBCP(事業継続計画)など総合的観点から供給体制を戦略的に見直しているが、その一環として2024年10月期より神栖工場での麺の製造及び北関東・東北物流センターの稼働を開始した。また、品質安定化のためのIH機器への切り替えや店舗内オペレーションの改善、顧客の快適性の向上に向け、店舗改装を積極的に実行した。
この結果、第3四半期累計期間では、売上高が大きく増加し、売上総利益率も前年同期並みを確保、事業拡大とともに増加する販管費も増収効果によって効率が改善、営業利益は大幅な増加となった。なお、第3四半期3ヶ月の業績は、売上高は前年同期比19.2%増と順調に伸び、売上総利益率も同0.1ポイント改善と価格改定の効果もあり改善した。しかし、販管費が同24.6%増と売上高以上に伸びたため、営業利益は同10.0%の減益となった。これは、IH化に伴う電力会社の認可が同期間に集中したため、店舗改装費用が一時的にかさんだことが要因である。もちろん改装費用は先行費用のため、将来の客数増となって返ってくることが期待される。
内外ともにプロデュース店の出店意欲が強い
2. 2024年10月期第3四半期の事業別動向
2024年10月期第3四半期の直営店事業部門は、店舗数が212店舗(国内209店舗、海外3店舗)、業務委託店9店舗の合計221店舗となり、売上高は17,282百万円(前年同期比24.4%増)となった。プロデュース事業部門は、プロデュース店の店舗数が国内544店舗、海外14店舗、FC店の店舗数が国内10店舗、海外8店舗の合計576店舗となり、売上高は3,309百万円(同20.7%増)となった。
国内直営店事業部門では積極的な出店を続け、「町田商店」13店舗、「豚山」3店舗、「元祖油堂」5店舗、その他5店舗の合計26店舗をバランスよく出店した一方、出店先の建て壊しなどにより2店舗を閉店した。「町田商店」はロードサイド店9店舗、駅近店3店舗に加え、同社2店舗目となるショッピングセンター内へも1店舗を出店した。「豚山」はロードサイド店1店舗、駅近店2店舗を出店したが、前期に出店開始したロードサイド店は、駐車場を完備したロードサイドの本格的ガッツリ系ラーメン業態として新たな顧客ニーズを発掘、一定の評価を獲得できた。「元祖油堂」は店舗のインフラ上の制約を比較的受けにくい業態特性を生かして都心エリアへの出店を積極化、首都圏の駅近エリアに5店舗出店した。このほか、第4ブランドとなる競争力のある業態の開発を目的とした出店も行った。海外直営店事業部門では、米国ニューヨーク州で展開する横浜家系ラーメン業態「E.A.K. RAMEN」3店舗のうちペンシルベニア駅施設のフードコート内のニューヨーク3号店が大変な繁盛店なため、今後の事業展開への応用を検討中だ。また、第4四半期となるが、中国では上海ロンズーモンモールに「町田商店」本土1号店を出店した。
国内プロデュース事業部門でも積極的な出店を継続、既出店地域において、これまでどおりプロデュース店と直営店との間できめ細かく調整を行いながら出店を進め、特に直営店を出店する予定のない未出店地域で新規オーナーの開拓を積極的に行った。既存プロデュース店については、直営店の成功ノウハウをもとにきめ細かく支援してきた成果が現れ、アフターコロナの経営環境下で業績を回復できた。また、横浜家系ラーメン業態以外の新業態に対する既存プロデュース店オーナーの出店意欲が高まっていることから、前期より同社の展開ブランド名と同一の屋号で展開するFC事業も開始した。海外プロデュース事業部門においては、東南アジアにおいて、前期にFC事業を本格的に開始した「Machida Shoten(町田商店)」に対する出店要請が強く、FCパートナーとの出店交渉を戦略的に進めている。既にタイ1店舗、ベトナム3店舗、カンボジア1店舗、フィリピン1店舗、香港1店舗、韓国1店舗を出店するなど順調なスタートを切っており、今後も「Machida Shoten(町田商店)」ブランドを中心に事業活動を積極化していく方針だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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1. 2024年10月期第3四半期の業績概要
2024年10月期第3四半期の業績は、売上高20,592百万円(前期比23.8%増)、営業利益2,065百万円(同29.2%増)、経常利益2,120百万円(同28.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,385百万円(同22.6%増)となった。前述のとおり1月と7月に価格改定を行ったが客足に影響がなく、また店舗QSCAの向上に継続的に取り組んできたこともあり、改装費用を吸収して大幅な増収増益を達成した。
日本経済は、コロナ禍前の正常な経済活動を取り戻したものの、依然として歴史的な円安状況が継続しており、輸入品の価格高騰に端を発するインフレが進む状況となった。世界経済は、ロシア・ウクライナ戦争やイスラエルとハマスの軍事衝突など大規模紛争が解決されない状況にあるなか、先進各国はインフレの抑制を図るため金利引き下げを検討/実施するなど景気の維持に努めた。同社が属する外食産業は、アフターコロナに移行したことで旅行、宿泊、飲食といったサービス消費が順調に回復するなか、円安などもあってインバウンド需要が急回復しており、業績拡大の絶好のチャンスが到来した状況と言える。一方、雇用情勢は非常に厳しい状況にあり、人手不足解消に向けての賃上げが不可避な状況だ。
このような経営環境下、強い商品力、競争力のある業態・ブランドを背景に既存店売上は順調に拡大を続け、加えてコロナ禍においても出店を緩めなかった経営判断が功を奏し、事業拡大を着実に進めることができた。また、期中に実施した幸楽苑<7554>との21店舗の店舗継承契約も、出店加速の追い風となった。一方、原材料価格や人件費などの値上がりに対し、採算確保のため1月に平均約1%、7月に平均約5%の価格改定を実行したが、客数が前年同期比4.7%増(改装店を除くと6.8%増)と好調に推移し、想定以上の好業績につながった。さらに、ビジネス効率やBCP(事業継続計画)など総合的観点から供給体制を戦略的に見直しているが、その一環として2024年10月期より神栖工場での麺の製造及び北関東・東北物流センターの稼働を開始した。また、品質安定化のためのIH機器への切り替えや店舗内オペレーションの改善、顧客の快適性の向上に向け、店舗改装を積極的に実行した。
この結果、第3四半期累計期間では、売上高が大きく増加し、売上総利益率も前年同期並みを確保、事業拡大とともに増加する販管費も増収効果によって効率が改善、営業利益は大幅な増加となった。なお、第3四半期3ヶ月の業績は、売上高は前年同期比19.2%増と順調に伸び、売上総利益率も同0.1ポイント改善と価格改定の効果もあり改善した。しかし、販管費が同24.6%増と売上高以上に伸びたため、営業利益は同10.0%の減益となった。これは、IH化に伴う電力会社の認可が同期間に集中したため、店舗改装費用が一時的にかさんだことが要因である。もちろん改装費用は先行費用のため、将来の客数増となって返ってくることが期待される。
内外ともにプロデュース店の出店意欲が強い
2. 2024年10月期第3四半期の事業別動向
2024年10月期第3四半期の直営店事業部門は、店舗数が212店舗(国内209店舗、海外3店舗)、業務委託店9店舗の合計221店舗となり、売上高は17,282百万円(前年同期比24.4%増)となった。プロデュース事業部門は、プロデュース店の店舗数が国内544店舗、海外14店舗、FC店の店舗数が国内10店舗、海外8店舗の合計576店舗となり、売上高は3,309百万円(同20.7%増)となった。
国内直営店事業部門では積極的な出店を続け、「町田商店」13店舗、「豚山」3店舗、「元祖油堂」5店舗、その他5店舗の合計26店舗をバランスよく出店した一方、出店先の建て壊しなどにより2店舗を閉店した。「町田商店」はロードサイド店9店舗、駅近店3店舗に加え、同社2店舗目となるショッピングセンター内へも1店舗を出店した。「豚山」はロードサイド店1店舗、駅近店2店舗を出店したが、前期に出店開始したロードサイド店は、駐車場を完備したロードサイドの本格的ガッツリ系ラーメン業態として新たな顧客ニーズを発掘、一定の評価を獲得できた。「元祖油堂」は店舗のインフラ上の制約を比較的受けにくい業態特性を生かして都心エリアへの出店を積極化、首都圏の駅近エリアに5店舗出店した。このほか、第4ブランドとなる競争力のある業態の開発を目的とした出店も行った。海外直営店事業部門では、米国ニューヨーク州で展開する横浜家系ラーメン業態「E.A.K. RAMEN」3店舗のうちペンシルベニア駅施設のフードコート内のニューヨーク3号店が大変な繁盛店なため、今後の事業展開への応用を検討中だ。また、第4四半期となるが、中国では上海ロンズーモンモールに「町田商店」本土1号店を出店した。
国内プロデュース事業部門でも積極的な出店を継続、既出店地域において、これまでどおりプロデュース店と直営店との間できめ細かく調整を行いながら出店を進め、特に直営店を出店する予定のない未出店地域で新規オーナーの開拓を積極的に行った。既存プロデュース店については、直営店の成功ノウハウをもとにきめ細かく支援してきた成果が現れ、アフターコロナの経営環境下で業績を回復できた。また、横浜家系ラーメン業態以外の新業態に対する既存プロデュース店オーナーの出店意欲が高まっていることから、前期より同社の展開ブランド名と同一の屋号で展開するFC事業も開始した。海外プロデュース事業部門においては、東南アジアにおいて、前期にFC事業を本格的に開始した「Machida Shoten(町田商店)」に対する出店要請が強く、FCパートナーとの出店交渉を戦略的に進めている。既にタイ1店舗、ベトナム3店舗、カンボジア1店舗、フィリピン1店舗、香港1店舗、韓国1店舗を出店するなど順調なスタートを切っており、今後も「Machida Shoten(町田商店)」ブランドを中心に事業活動を積極化していく方針だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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