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ヒューマンクリエイションホールディングスのニュース

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ヒューマンクリエイションHD、上級を中心にエンジニア数が増加し、2Q・3Qの計画値を超過 積極投資の効果発現へ

投稿:2024/08/21 08:00

2024年9月期 第3四半期

富永邦昭氏:ヒューマンクリエイションホールディングス代表取締役社長の富永です。本日は、2024年9月期第3四半期決算についてご説明します。よろしくお願いします。本日のメニューは大きく5点です。

1点目は中期経営計画・3ヶ年計画の初年度にあたる2024年9月期・第3四半期連結業績ハイライトについて、2点目は2024年9月期通期業績見通しについて、3点目は2024年2月TARA社のグループ入りに伴い再定義した戦略領域の拡大状況について、4点目は中期経営計画について、5点目は外部環境認識についてです。

売上成長は加速。中長期的成長のため、3Qも積極的な人的資本投資を継続

今期2024年9月期、第3四半期の実績です。

売上実績は第1四半期の前年同期比105.4パーセントに対し、第3四半期単期では前年同期比110.4パーセントと、成長が加速するも予算に対しては未達成となりました。利益指標であるEBITDAは、第3四半期単期で前年同期比97.3パーセントとなるも、予算に対しては未達成となりました。

詳細については次ページでご説明します。

売上高・売上総利益の成長は加速。M&A・人的資本投資が先行

スライドに記載のAに示したとおり、売上高は第1四半期の前年同期比105.4パーセントに対し、第3四半期単期では前年同期比110.4パーセントと成長が加速するも、予算に対しては未達の結果となりました。

Bの売上総利益は、第1四半期の粗利率28.2パーセントに対し、第3四半期単期の粗利率は29.8パーセントと1.6パーセント上昇しました。技術レベルの上昇・付加価値向上が現れているものの、予算未達となりました。

A・Bとも、第1四半期でのキャリア採用者の案件参画タイムラグと、前年の大型スポット売上に匹敵する実績が第3四半期までに計上できなかったことが影響しています。

営業利益以下については、Cに記載の結果となりました。第3四半期までにTARA社のM&A付随費用・一時支出約2,500万円を計上したこと、中長期的な成長を見据え積極的な人財投資増加(上級エンジニア採用費・受託獲得営業採用費等、前年同期比8,900万円増)を実行した結果です。

中計初年度・24/9期は、積極投資により売上前期比120%超の大幅増収を図る

中期経営計画の初年度にあたる今期2024年9月期は、中長期的な成長を実現するための投資期間として位置づけ、引き続き人的資本への重点投資を行っていきます。

今期第3四半期まではM&A費用・採用活動等、積極投資が先行しましたが、上級を中心にエンジニア数は計画どおり増加しました。稼働率は第2四半期・第3四半期において計画値を超過しました。第3四半期以降、売上計上のタイムラグが解消されつつあることから、売上成長続伸・粗利率向上を踏まえ、通期見通しは据え置きとしています。

M&A及び人的資本に対する投資が先行も、足元では投資効果が発現しつつある

今期第3四半期まではM&A費用・採用活動等、一時的な支出・積極投資が先行しましたが、上級を中心にエンジニア数は計画どおり増加しました。稼働率は第2四半期・第3四半期において計画値を超過してまいりました。

繰り返しになりますが、第3四半期以降、売上計上のタイムラグが解消されつつあることから、売上成長続伸・粗利率向上を踏まえ、通期見通しは据え置きとしています。

市場買付による自己株式の取得状況について(途中経過)

今期業績見通し、及び公表済の株主への還元方針(総還元性向30パーセント以上等)に基づき、2024年5月17日より、スライドの内容にて自己株式取得を実施しています。スライドのとおり、2024年7月31日現在の途中経過をご報告しました。

HCHグループとして中長期的に目指す姿

TARA社のグループ入りに伴い、戦略領域である子会社群を再定義し、主たる機能と狙いを明確化しました。本定義により、エンドユーザー開拓を具体的に進捗させ、当社グループのビジネスモデル変革を加速させていく所存です。

また、同じ役割を担うブレーンナレッジシステムズ(以下、BKS)、シー・エル・エス(以下、CLS)は本年10月1日に統合し、エンジニア派遣事業(SES)における規模を拡大させることで、より一層の採用数増加・顧客相互活用による効率的な営業活動につなげていきます。

戦略領域(コンサル・受託開発)の拡大状況

このスライドでは、戦略領域である「コンサルティング」 「受託開発・運用」の売上高をグループ子会社の売上単純合算で除した割合を示しています。

戦略領域(コンサル・受託開発)は5年間で約30パーセントまで成長しており、足元実績においても第1四半期比で改善傾向にあります。なお、TARA社の実績は2024年2月1日より計上されています。

株式会社TARAの子会社化について(2024年2月1日開示抜粋)

2024年2月1日に公表したTARA社の子会社化について、スライドにあるとおり整理しました。同社のグループ入りにより、当社が掲げる中長期ビジョン、特に経営コンサルティング事業領域の拡大を加速させていく目論見です。

TARA社によるコンサルティングサービスの提供実績

TARA社は大手企業・中央省庁等へのサービス提供実績を数多く有しており、こうした顧客パイプラインに対して当社グループの既存リソースを直接的に投入し、サービス提供していくことで、主として経営コンサルティング領域の事業拡大を加速させていきます。

TARA社に関わるプレスリリース

TARA社が提供するAIソリューションパッケージについて、直近での導入実績の一例をご紹介しています。

同社はこれまでも大手企業・中央省庁等へのサービス提供実績を数多く有していましたが、こうした一例を実績として活用していくことで、顧客パイプラインに対して当社グループの既存リソースを直接的に投入し、経営コンサルティング領域の事業拡大を加速させていきます。

着実な成果・資本構成の変化を背景に、成長シナリオを1年前倒し

中期経営計画・3ヶ年計画(2024年9月期から2026年9月期)の策定背景、及び中計・3ヶ年計画の骨子です。

中計・3ヶ年計画策定の背景としては、スライド左側にあるとおり、派遣・受託の2本柱での展開、及び一気通貫のビジネスモデル構築等の事業戦略に関して、着実な成果が現れている状況にあります。このような事業戦略における成果に加え、重要な経営手段の1つとしてきたM&Aや、アライアンスについても、既報のとおり一定の成果が得られています。

加えて資本構成においても、従来のフィナンシャルパートナーからストラテジックパートナー主体の資本構成となり、従来の「短期的な利益」から「中長期的な事業成長」を追求することが可能な経営環境が整った認識でいます。

こうした背景を受け、今後3年間の計画骨子として、①プロジェクト本数の拡大による大幅な売上成長、②ITコンサル領域の上位工程とも言える、経営コンサルティング領域への事業拡大によるプロジェクト本数の飛躍的な増加、③人を財産とする当社グループならではの人的資本経営への投資加速、以上3点を掲げています。

資本構成の変化

前述17ページ、中計策定の背景の資本パートで示したとおり、当社の大株主はフィナンシャルパートナー(投資ファンドであるリサ・パートナーズ)からストラテジックパートナー(事業会社である日鉄ソリューションズ及びアドバンスト・メディア)主体へ、資本構成が大きく変化しています。

日鉄ソリューションズとは人財に関して、アドバンスト・メディアとは技術に関して、資本業務提携を行っており、早期のシナジーを実現すべく協業推進に取り組んでいます。

(再掲)HCHグループとして中長期的に目指す姿

TARA社のグループ入りに伴い、戦略領域である子会社群を再定義し、主たる機能と狙いを明確化しました。本定義により、今後はより一層エンドユーザー開拓を具体的に進捗させ、当社グループのビジネスモデル変革を加速させていく所存です。

中計骨子1)最上流領域・経営コンサル機能の強化(ITコンサル⇒経営コンサル)

中計骨子の1点目です。当社グループにおける従来の最上流事業領域であった「ITコンサルティング」から、その上位概念・上位工程と言える「経営コンサルティング」への事業領域拡大に拍車をかけることで、当社グループのビジネスモデルの革新を企図していきます。

また、並行して既存事業領域における案件参画の機会拡大も狙える状況となっています。

中計骨子2)プロジェクト本数の拡大による売上成長

中計骨子の2点目です。前期2023年9月期までにサブリーダークラスの育成に重点的に取り組んできた結果、プロジェクトを主体的に回していくことが可能なPM/PLクラスの拡充につながってきました。

そのため、現在ではサブリーダークラスの立ち位置にある人財を、いわばのれん分けのようなかたちで新たなプロジェクトを担わせることで、技術者の付加価値向上・売上の飛躍的な拡大を目指していきます。現場経験を充分に積んだ人財を大いに活用していきたいと考えています。

中計骨子3)人的資本経営への投資加速

当社グループは人材を財産と考えています。したがって、人的資本への投入は引き続き積極的に行い、採用・育成・定着化のサイクルを高速で循環させることで、人財の付加価値を向上させていきます。

24/9期以降の「中長期的な成長」を加速させるため、積極的な投資を行う

以上3点の中計骨子を軸に、本3ヶ年計画においては積極的な投資を行うことで、成長性を加速させていきます。

中期経営計画・3ヶ年計画最終年、2026年9月期には、売上高110億円・EBITDA12億2,500万円を目指します。

中計策定においては、売上高については、プロジェクト本数の拡大や経営コンサルティング事業の貢献による既存事業の成長のほか、M&Aは過去実績に基づき毎期2億円から4億円程度の売上高として織り込んでいます。

また、利益については、当初2年間の人的資本への重点投資等による再成長の結果、2026年9月期には売上総利益率が回復し、段階利益も大きく増益となる想定としています。

株主への還元方針

中期経営計画・3ヶ年計画における株主への還元方針です。

本3ヶ年計画期間については、連続増配を維持するだけでなく、当期純利益の「30パーセント以上」を株主還元していきます。配当だけでなく自己株式取得等も含めた総還元性向を基準として、株主への還元と利益の再投資による株主価値の向上との両立を図ります。

市場環境:日本におけるDX推進の主たる担い手は当社のようなIT企業

今後の成長戦略についてです。まず、日本の市場環境は少し特殊だと思っています。日本企業の場合、IT人材がユーザー側に所属しているのではなく、我々のようなIT企業側に所属しています。特に米国と比べると、IT企業側にエンジニアが存在しているのが日本固有の市場環境だと思っています。

日本企業の場合、経済産業省が発表している「2025年の崖」の問題があります。旧来型のシステムのメンテナンス期限が2025年までのものが非常に多いことから、ここに対応し、システムを載せ替えないと事業に大きな影響があるだろうということが懸念されています。

これを「2025年の崖」と表現するのですが、ここに対するシステム刷新の需要は非常に多く存在しています。このような需要は、当社のように優秀なIT人材を抱えている企業にとって、マーケットオポチュニティが非常に高いと言える状況です。

当社が狙うのはボリュームニッチな市場

直請け・1.5次請けのターゲットを定量的にお伝えしておきたいと思います。

スライドの表の左側のゾーン、大手SIerが大型案件で激しく競合しているこの第1グループでは、我々は競合せず、案件ごとに大手SIerと協働して1.5次請けを狙っています。

我々が直請けターゲットとしているのは、中央の部分のボリュームニッチゾーンになります。1,000社で8兆円の市場を形成しているこのボリュームニッチな市場で、金額規模で言えば3億円から3,000万円程度のイメージですが、このボリュームでコンサルを行い、外注へ丸投げせずワンストップでサービスを提供できる競合はほぼないという認識です。

一言で言えば、当社グループは「勝てる市場に限定し」「勝てる武器を用意した上で戦っている」ので、差別優位性を誇っている、ということをご理解いただければと思います。

独自のワンストップ体制で大手SIerと同格のポジションを獲得

エンドユーザー・クライアントが「IT投資をしよう」と考えた場合、スライド右側の大型案件・10億円程度以上の発注先は、ほぼそのすべてが大手SIerへ発注され、大手SIerをトップとしたピラミッド型の多重構造が構成されます。

SIerとは、システムインテグレーターのことです。大手SIerは、正社員エンジニアを豊富に抱えていますが、システム開発、特に開発工程では一時的により多くのエンジニアが必要になるので基本的に1社のプロパー社員ではまかないきれません。そこで段階ごとに細分化して外注・下請けに出していくという多重構造になっています。

こうした多重構造をなしている業界の中で、当社はエンドユーザーからの直請け案件(1次請け)と、大手SIerと協働するかたちの1.5次請けをメインターゲットとしています。まだまだスタートしたばかりの現経営体制ですが、当社グループはすでに大手SIerと同じポジションについています。

「なぜ当社グループが直請け・1.5次請けが行えるのか?」と言うと、当社グループは、システム開発における頭から最終工程まで、すべて当社グループで担える「独自のワンストップ体制」を持っているからです。

グループ子会社のうち、主として頭の部分、アセットコンサルティングフォース(ACF)とヒューマンベース(HMB)がコンサル・企画(設計)の部分、開発をCLSとBKS、保守・運用、BPOをセイリング(SLG)とコスモピアが担っています。また、2024年2月1日からは、経営コンサルティング領域を担当するTARA社もグループ入りしています。

IT業界では「コンサルだけやります」「開発だけやります」という同業他社が多い中で、当社グループは頭から最終工程まで当社グループエンジニアを主軸に構成します。

この当社独自のグループ体制は、発注する側のクライアントから見ると、企画・開発の最初から、納品後のメンテナンスまで当社グループに責任もって面倒を見てもらえる、という点が大変高く評価され、継続・追加発注にもつながっています。

「企画だけします」「開発だけします」「保守運用は外注」のようなメンテナンスの不安がなく、想定外のことが起きた時の責任所在もはっきりしている当社グループへの信頼感は、お客さまから見て絶大だと自負しています。

当社グループは、中・小型案件は大手SIerが狙ってこないため直請け・1次請けを狙っています。大型案件については、むしろ大手SIerと協業し、プロジェクトの一部を受け取る切り出し案件を狙っており、いわば1.5次請けのポジションを獲得しています。

こうした1.5次請けが狙える理由も、切り出された案件を外注へ丸投げすることをせず、当社グループで責任を以て担う当社独自のグループ体制があるからです。

独自のビジネスモデル

ビジネスモデルの特徴についてです。繰り返しにはなりますが、我々はコンサルティング・システム受託開発とITエンジニア派遣の2本柱で事業を展開しています。2本柱にすることで、高い稼働率と利益率の双方が享受できる仕組みになっています。

また、最上流のコンサルティングから最終工程の保守運用まで一気通貫・ワンストップ、プロジェクト運営に責任を担うPMに関して正社員を主軸とした体制を整えています。このような組織体制があるからこそ、大手SIerからも信頼されるのだと考えています。

またTARA社のグループ入りに伴い、当社グループにおける従来の最上流事業領域であった「ITコンサルティング」から、その上位概念・上位工程と言える「経営コンサルティング」への事業領域拡大に拍車をかけることで、当社グループのビジネスモデルの革新を企図していきます。

また、並行して既存事業領域における案件参画の機会拡大も狙える状況となっています。

当社グループの強み

当社グループの強みについてです。1点目は、大手SIerから信頼される組織体制を持っていることです。我々のグループでは、十分に教育指導を行った当社グループの正社員を主軸とした体制を構築することで、提供するプロジェクトの品質を担保しています。

また、当社グループでは、最上流工程のコンサルティングから開発・保守運用などの最終工程まで一気通貫で行えます。「企画するだけ」「作りっぱなし」ということがないため、大手SIerからは仕事を発注しやすい企業として認識されています。

2点目は、受託分野と派遣の2本柱で事業を展開することによって、非常に効率のよい事業運営ができていることです。当社では、必要に応じて受託チームを生成するかたちをとっています。そのため、受託案件が取れた際には派遣契約で従事しているエンジニアたちの派遣契約をいったん解除して、新たに受託チームとして招集しています。

3点目は、競合の少ない市場・セグメントが主戦場になっていることです。我々がコンサルティングや受託で狙っているのは10億円以下、主に3億円以下のプロジェクト案件が中心です。

大手SIerは3億円以下の案件であれば積極的には取りにきませんし、高単価の方々だけでプロジェクトを回していくのはなかなか難しいところがあります。競合が少ない市場を狙い、技術力の高さを示すことで、SIerから仕事を発注してもらったり、我々が自らプロジェクトを取りに行ったりしやすくなっていると思います。

配信元: ログミーファイナンス
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