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NexToneのニュース
*16:13JST NexTone Research Memo(3):コンテンツの著作権管理から利用促進まで一気通貫で手掛ける(1)
■NexTone<7094>の事業概要
1. 著作権管理事業
同社は、著作権等管理事業法に定められる著作権等管理事業者として文化庁に登録されており、音楽分野における著作物の管理を行っている。音楽著作権管理業務においては、著作権法の権利区分を基本としながら、利用の実態等に照らし、音楽著作権の4つの支分権と9つの利用形態に区分して管理を行っている。
(1) 4つの支分権
1) 演奏権等、2) 録音権等、3) 出版権等、4) 貸与権、がある。
「演奏権等」は、コンサート・ライブ等での演奏、店舗内BGM・映画館等、社交場・カラオケボックス等で作品を演奏・上映することを許諾する権利である。うち、カラオケ演奏を含む社交場・カラオケボックス等の区分については営業体制・管理体制などの環境が整い次第、管理業務を開始する予定である(時期は未定)。
「録音権等」は、CD、映画、DVD、ゲーム、広告等に作品を複製することを許諾する権利である。
「出版権等」は、楽譜や歌詞集・雑誌・書籍等に作品(歌詞・楽譜)を印刷することを許諾する権利である。
「貸与権」は、CDレンタル等において作品を貸与することを許諾する権利である。
(2) 9つの利用形態
1) 上映・BGM等、2) 社交場・カラオケ演奏等、3) 映画への録音、4) ビデオグラム等への録音、5) ゲームへの録音、6) 広告目的で行う複製(テレビ・ラジオCMへの複製、インターネットCMへの複製、広告印刷物への歌詞の複製等)、7) 放送・有線放送※1(テレビ・ラジオでの放送等)、8) インタラクティブ配信※2(スマートフォン・パソコンへの配信等)、9) 業務用通信カラオケ※3(カラオケ施設での歌唱のための複製、公衆送信等)がある。
※1 「放送・有線放送」は、テレビやラジオ・有線放送において作品を利用することを許諾する権利である。
※2 「インタラクティブ配信」は、インターネット等のコンピュータネットワークを通じて作品を利用することを許諾する権利である。スマートフォンやパソコン向けの音楽サービスなどが該当する。2025年3月期第2四半期の取扱高のうち、インタラクティブ配信が65.4%と大半を占めている。
※3 「業務用通信カラオケ」は、カラオケ用データベースに作品を固定し、店舗に設置された端末機器に作品を送信することを許諾する権利である。
このうち同社では、「演奏権等」「録音権等」「出版権等」「貸与権」の4つの支分権と、「上映・BGM等」「映画への録音」「ビデオグラム等への録音」「ゲームへの録音」「広告目的で行う複製」「放送・有線放送」「インタラクティブ配信」「業務用通信カラオケ」の8つの利用形態の管理を行っている。
著作権を保有する著作権者は、自ら著作権の管理方法を選択する権利を保有しているが、管理の効率性や徴収精度の高さから、音楽分野においては著作権等管理事業者に作品の管理を委託することが一般的である。利用者からの視点で見ても、使用する都度、数多くの著作権者から使用許諾を得ることは多大な労力を要する作業であり、著作権等管理事業者が集中して著作物を管理することにより、利用作品の報告や使用料の支払などの定められた手続きを行えば、円滑に作品を利用できる環境が整っている。同社は、音楽作品の管理・利用に関するルールや使用料を定めたうえで、著作権者からの委任に基づいて利用者への許諾の取次と使用料の徴収を行い、音楽作品の利用を促進する窓口としての役割を果たしている。なお、音楽著作物の利用時期と著作権管理事業の売上計上時期にはおよそ1~2四半期のタイムラグが生じることには、注意が必要である。
子会社の(株)エムシージェイピーが行っている音楽出版社向け業務代行サービスは、再分配計算、著作権契約書・作品届の作成などの業務を代行することにより、著作権管理事業におけるクライアントである音楽出版社の業務負担の軽減と効率化を図っている。
2. DD事業
音楽コンテンツを国内外の音楽配信サービスへ供給・流通する事業を行っている。権利者から原盤(作品を録音・編集した音源マスター)のライセンスを受け、供給先の音楽配信サービスを通してユーザーに音楽を届ける事業である。同社は同事業を2003年より開始しており、国内では草分け的な存在である。音楽コンテンツを保有するレコードメーカー、音楽プロダクション、音楽出版社、アニメ・ゲームメーカーなどの権利者との契約を保有し、音楽配信市場に特化した多くのノウハウを蓄積している。同社が著作権を管理する作品が含まれる原盤が音楽配信サービスを通してより多くのユーザーに利用されることにより、原盤の使用料が発生することに加え、同時に著作権使用料も発生する。このため自らコンテンツ流通プラットフォームを構築し利用を促進することにより、著作権使用料の増大にも寄与している。
3. 音楽配信事業
インターネットを通じて楽曲を配信する事業を行っている。音楽配信(個人向け)は単曲販売のダウンロード及び定額制販売のストリーミングを提供し、音楽配信(法人向け)は店舗・カラオケボックス・結婚式場向けのBGM配信サービス等を行っている。主なサービスは、個人向けが音楽ダウンロードサービス「レコチョク」「dミュージック」、音楽ストリーミングサービス「dヒッツ」、法人向けが業務用BGMサービス「音・楽(おとらく)」などである。
4. その他
キャスティング事業、システム開発・保守運用事業、ソリューション事業、エージェント事業などを行っている。
(1) キャスティング事業
利用者・権利者の様々なニーズに対応し、権利処理を含めたトータルサポートを行っている。具体的には、音楽ライブやイベントの企画立案や協賛営業、楽曲・映像作品を活用した利用促進コーディネート、イベント各種へのアーティストブッキング、ライブビューイングや映画作品の配給・宣伝、家庭向けライブ配信コーディネート、イベントの主催・共催などである。
(2) システム開発・保守運用事業
音楽・映像などエンタテインメント業界のコンテンツビジネスに関するコンテンツ、印税契約管理及び許諾・配信管理、印税計算や関係権利者への分配などのバックエンド業務に特化したシステム開発などを行っている。具体的には、著作権・原盤権等の権利処理システムの開発・提供、コンテンツ配信関連のシステム開発・提供及び各種社内システムの開発・運用などを行っている。
(3) ソリューション事業
子会社のレコチョクが音楽業界を中心とする権利者向けにeコマースなどの直販ビジネス支援などを行っている。
(4) エージェント事業
子会社のエッグスにおいて展開しているインディーズを中心としたアーティストとリスナーが出会う音楽プラットフォーム「Eggs(エッグス)」の運営及び、CDリリース・配信・プロモーションなどのインディーズアーティスト向け活動支援などを行っている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)
<HN>
1. 著作権管理事業
同社は、著作権等管理事業法に定められる著作権等管理事業者として文化庁に登録されており、音楽分野における著作物の管理を行っている。音楽著作権管理業務においては、著作権法の権利区分を基本としながら、利用の実態等に照らし、音楽著作権の4つの支分権と9つの利用形態に区分して管理を行っている。
(1) 4つの支分権
1) 演奏権等、2) 録音権等、3) 出版権等、4) 貸与権、がある。
「演奏権等」は、コンサート・ライブ等での演奏、店舗内BGM・映画館等、社交場・カラオケボックス等で作品を演奏・上映することを許諾する権利である。うち、カラオケ演奏を含む社交場・カラオケボックス等の区分については営業体制・管理体制などの環境が整い次第、管理業務を開始する予定である(時期は未定)。
「録音権等」は、CD、映画、DVD、ゲーム、広告等に作品を複製することを許諾する権利である。
「出版権等」は、楽譜や歌詞集・雑誌・書籍等に作品(歌詞・楽譜)を印刷することを許諾する権利である。
「貸与権」は、CDレンタル等において作品を貸与することを許諾する権利である。
(2) 9つの利用形態
1) 上映・BGM等、2) 社交場・カラオケ演奏等、3) 映画への録音、4) ビデオグラム等への録音、5) ゲームへの録音、6) 広告目的で行う複製(テレビ・ラジオCMへの複製、インターネットCMへの複製、広告印刷物への歌詞の複製等)、7) 放送・有線放送※1(テレビ・ラジオでの放送等)、8) インタラクティブ配信※2(スマートフォン・パソコンへの配信等)、9) 業務用通信カラオケ※3(カラオケ施設での歌唱のための複製、公衆送信等)がある。
※1 「放送・有線放送」は、テレビやラジオ・有線放送において作品を利用することを許諾する権利である。
※2 「インタラクティブ配信」は、インターネット等のコンピュータネットワークを通じて作品を利用することを許諾する権利である。スマートフォンやパソコン向けの音楽サービスなどが該当する。2025年3月期第2四半期の取扱高のうち、インタラクティブ配信が65.4%と大半を占めている。
※3 「業務用通信カラオケ」は、カラオケ用データベースに作品を固定し、店舗に設置された端末機器に作品を送信することを許諾する権利である。
このうち同社では、「演奏権等」「録音権等」「出版権等」「貸与権」の4つの支分権と、「上映・BGM等」「映画への録音」「ビデオグラム等への録音」「ゲームへの録音」「広告目的で行う複製」「放送・有線放送」「インタラクティブ配信」「業務用通信カラオケ」の8つの利用形態の管理を行っている。
著作権を保有する著作権者は、自ら著作権の管理方法を選択する権利を保有しているが、管理の効率性や徴収精度の高さから、音楽分野においては著作権等管理事業者に作品の管理を委託することが一般的である。利用者からの視点で見ても、使用する都度、数多くの著作権者から使用許諾を得ることは多大な労力を要する作業であり、著作権等管理事業者が集中して著作物を管理することにより、利用作品の報告や使用料の支払などの定められた手続きを行えば、円滑に作品を利用できる環境が整っている。同社は、音楽作品の管理・利用に関するルールや使用料を定めたうえで、著作権者からの委任に基づいて利用者への許諾の取次と使用料の徴収を行い、音楽作品の利用を促進する窓口としての役割を果たしている。なお、音楽著作物の利用時期と著作権管理事業の売上計上時期にはおよそ1~2四半期のタイムラグが生じることには、注意が必要である。
子会社の(株)エムシージェイピーが行っている音楽出版社向け業務代行サービスは、再分配計算、著作権契約書・作品届の作成などの業務を代行することにより、著作権管理事業におけるクライアントである音楽出版社の業務負担の軽減と効率化を図っている。
2. DD事業
音楽コンテンツを国内外の音楽配信サービスへ供給・流通する事業を行っている。権利者から原盤(作品を録音・編集した音源マスター)のライセンスを受け、供給先の音楽配信サービスを通してユーザーに音楽を届ける事業である。同社は同事業を2003年より開始しており、国内では草分け的な存在である。音楽コンテンツを保有するレコードメーカー、音楽プロダクション、音楽出版社、アニメ・ゲームメーカーなどの権利者との契約を保有し、音楽配信市場に特化した多くのノウハウを蓄積している。同社が著作権を管理する作品が含まれる原盤が音楽配信サービスを通してより多くのユーザーに利用されることにより、原盤の使用料が発生することに加え、同時に著作権使用料も発生する。このため自らコンテンツ流通プラットフォームを構築し利用を促進することにより、著作権使用料の増大にも寄与している。
3. 音楽配信事業
インターネットを通じて楽曲を配信する事業を行っている。音楽配信(個人向け)は単曲販売のダウンロード及び定額制販売のストリーミングを提供し、音楽配信(法人向け)は店舗・カラオケボックス・結婚式場向けのBGM配信サービス等を行っている。主なサービスは、個人向けが音楽ダウンロードサービス「レコチョク」「dミュージック」、音楽ストリーミングサービス「dヒッツ」、法人向けが業務用BGMサービス「音・楽(おとらく)」などである。
4. その他
キャスティング事業、システム開発・保守運用事業、ソリューション事業、エージェント事業などを行っている。
(1) キャスティング事業
利用者・権利者の様々なニーズに対応し、権利処理を含めたトータルサポートを行っている。具体的には、音楽ライブやイベントの企画立案や協賛営業、楽曲・映像作品を活用した利用促進コーディネート、イベント各種へのアーティストブッキング、ライブビューイングや映画作品の配給・宣伝、家庭向けライブ配信コーディネート、イベントの主催・共催などである。
(2) システム開発・保守運用事業
音楽・映像などエンタテインメント業界のコンテンツビジネスに関するコンテンツ、印税契約管理及び許諾・配信管理、印税計算や関係権利者への分配などのバックエンド業務に特化したシステム開発などを行っている。具体的には、著作権・原盤権等の権利処理システムの開発・提供、コンテンツ配信関連のシステム開発・提供及び各種社内システムの開発・運用などを行っている。
(3) ソリューション事業
子会社のレコチョクが音楽業界を中心とする権利者向けにeコマースなどの直販ビジネス支援などを行っている。
(4) エージェント事業
子会社のエッグスにおいて展開しているインディーズを中心としたアーティストとリスナーが出会う音楽プラットフォーム「Eggs(エッグス)」の運営及び、CDリリース・配信・プロモーションなどのインディーズアーティスト向け活動支援などを行っている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)
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