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日本ホスピスホールディングスのニュース
*11:24JST 日本ホスピスホールディングス:緩和ケアサービスの質を重視したモデルで在宅ホスピス事業を展開
日本ホスピスホールディングス<7061>は、在宅ホスピス事業を展開する。
「在宅ホスピスの研究と普及」をミッションとして掲げ、「看取り」へ対応するケアを、末期がん患者と難病患者を対象として提供している。暮らしの場である「自宅」で療養し最期を迎えるために必要な「在宅ホスピス」を、ホスピス住宅の提供と在宅ホスピスサービスの提供の形で展開する。ホスピス住宅は、入居者を末期がん患者や難病患者等に限定した賃貸住宅。具体的には、サービス付き高齢者向け住宅または住宅型有料老人ホームの指定を受けた住宅であり、訪問看護と訪問介護事務所を併設または近設し、ケアサービスを提供している。施設の居室数が30室前後の場合は施設開設から約1年をかけて、40室前後の場合は施設開設から約1年半をかけて、同社グループが満室の目安とする85%の稼働率に至る計画で展開している。
施設(ホスピス住宅)は主に賃貸契約とすることで多額の現預金(設備投資)を必要としないモデルとなっており、30室モデルの場合、開設準備期(3~6か月)にホスピスチーム作りを行い、立ち上げ期(約12か月)で稼働率の段階的向上を行って累積で黒字に転換すると、その後は安定期に入る。つまり、新規開設の施設は約1年半で累積黒字に転換する。また、同社施設は自社保有ではなく、基本的に賃貸契約で、約30年間の賃貸借契約により毎月賃料を支払う仕組みとなっている。
2024年12月期上期累計の売上高は5,681百万円(前年同期比22.2%増)、営業利益は497百万円(同26.5%減)で着地した。3施設の新規開設により運営するホスピス住宅は全43施設1,409室となった。前期から実施している体制変更が順調に進捗しており、加えて導入したユニットマネジメント制の効果もあり、前第4四半期に一時的に下落した稼働率は従来の水準まで回復したようだ。2025年3月期の売上高は13,000百万円(前期比31.7%増)、営業利益は1,650百万円(同28.5%増)を見込む。
同社が考えるホスピスは「生活の場としてのホスピス」で、建物・住環境(ハード面)と緩和ケア品質(ソフト面)で他社と差別化を図っている。他社は1施設50~80室前後の大型施設で運営効率優先の施設設計となっているが、同社は30室前後の規模感・全居室にトイレを設置するなど、生活環境を考えた入居者本位の施設設計となっている。また、家賃等を安価にして訪問回数(医療保険)で稼ぎ、利用者一人当たり約1.0人と効率性を重視した人員配置を行う事業者多い中、同社は必要な緩和ケアに基づく訪問回数を重視して利用者一人当たり約1.3人と医療従事者の手厚い配置を行っている。上位グレード資格者が約10%を占めており、圧倒的な緩和ケア品質を維持している。
一方で、施設数や居室数が増えて成長スピードが増す現中期(2025年12月期)計画の先のステージを見据えて、施設主導型から本部管理体制へ移行することで業務効率の向上も進めている。施設数の増加にともないドミナント展開が進んでいるため、複数施設を1つのユニットとみなし、ユニット単位で入居の受入判断と医療スタッフの配置を考える形をとっていく。今後、年間の死亡者数は増加してピーク時の2039年には167万人に達し、65歳以上の割合が約35%になると予想されている。また、死因者数1位のがん患者、難病患者は増加する一方で、慢性期・終末期医療を必要とする患者の受入先が不足している状況で深刻な看取り難民化が進行している。この中で、新たな社会システム・医療インフラとして地域包括ケアシステムの構築が急務となっており、その一翼を担う在宅ホスピスへの期待も高まっている。施設を展開する余地が全国に残っているなか、社会課題解決に向けての持続的成長に期待したく、同社の今後の動向に注目しておきたい。
<NH>
「在宅ホスピスの研究と普及」をミッションとして掲げ、「看取り」へ対応するケアを、末期がん患者と難病患者を対象として提供している。暮らしの場である「自宅」で療養し最期を迎えるために必要な「在宅ホスピス」を、ホスピス住宅の提供と在宅ホスピスサービスの提供の形で展開する。ホスピス住宅は、入居者を末期がん患者や難病患者等に限定した賃貸住宅。具体的には、サービス付き高齢者向け住宅または住宅型有料老人ホームの指定を受けた住宅であり、訪問看護と訪問介護事務所を併設または近設し、ケアサービスを提供している。施設の居室数が30室前後の場合は施設開設から約1年をかけて、40室前後の場合は施設開設から約1年半をかけて、同社グループが満室の目安とする85%の稼働率に至る計画で展開している。
施設(ホスピス住宅)は主に賃貸契約とすることで多額の現預金(設備投資)を必要としないモデルとなっており、30室モデルの場合、開設準備期(3~6か月)にホスピスチーム作りを行い、立ち上げ期(約12か月)で稼働率の段階的向上を行って累積で黒字に転換すると、その後は安定期に入る。つまり、新規開設の施設は約1年半で累積黒字に転換する。また、同社施設は自社保有ではなく、基本的に賃貸契約で、約30年間の賃貸借契約により毎月賃料を支払う仕組みとなっている。
2024年12月期上期累計の売上高は5,681百万円(前年同期比22.2%増)、営業利益は497百万円(同26.5%減)で着地した。3施設の新規開設により運営するホスピス住宅は全43施設1,409室となった。前期から実施している体制変更が順調に進捗しており、加えて導入したユニットマネジメント制の効果もあり、前第4四半期に一時的に下落した稼働率は従来の水準まで回復したようだ。2025年3月期の売上高は13,000百万円(前期比31.7%増)、営業利益は1,650百万円(同28.5%増)を見込む。
同社が考えるホスピスは「生活の場としてのホスピス」で、建物・住環境(ハード面)と緩和ケア品質(ソフト面)で他社と差別化を図っている。他社は1施設50~80室前後の大型施設で運営効率優先の施設設計となっているが、同社は30室前後の規模感・全居室にトイレを設置するなど、生活環境を考えた入居者本位の施設設計となっている。また、家賃等を安価にして訪問回数(医療保険)で稼ぎ、利用者一人当たり約1.0人と効率性を重視した人員配置を行う事業者多い中、同社は必要な緩和ケアに基づく訪問回数を重視して利用者一人当たり約1.3人と医療従事者の手厚い配置を行っている。上位グレード資格者が約10%を占めており、圧倒的な緩和ケア品質を維持している。
一方で、施設数や居室数が増えて成長スピードが増す現中期(2025年12月期)計画の先のステージを見据えて、施設主導型から本部管理体制へ移行することで業務効率の向上も進めている。施設数の増加にともないドミナント展開が進んでいるため、複数施設を1つのユニットとみなし、ユニット単位で入居の受入判断と医療スタッフの配置を考える形をとっていく。今後、年間の死亡者数は増加してピーク時の2039年には167万人に達し、65歳以上の割合が約35%になると予想されている。また、死因者数1位のがん患者、難病患者は増加する一方で、慢性期・終末期医療を必要とする患者の受入先が不足している状況で深刻な看取り難民化が進行している。この中で、新たな社会システム・医療インフラとして地域包括ケアシステムの構築が急務となっており、その一翼を担う在宅ホスピスへの期待も高まっている。施設を展開する余地が全国に残っているなか、社会課題解決に向けての持続的成長に期待したく、同社の今後の動向に注目しておきたい。
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