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ブリッジ Research Memo(4):大手企業を顧客にインサイドセールスアウトソーシング事業が売上の約6割を占める

配信元:フィスコ
投稿:2024/06/25 13:44
*13:44JST ブリッジ Research Memo(4):大手企業を顧客にインサイドセールスアウトソーシング事業が売上の約6割を占める ■事業概要

ブリッジインターナショナル<7039>は「インサイドセールス」(顧客訪問をせず電話やメールまたはSNSを活用して営業活動を行う)の導入を中核とした営業改革支援を手掛けている。企業において、成長を支える重要な活動の1つが営業活動である。新規顧客の開拓、既存顧客の維持・取引拡大のほか、顧客の不満点などを吸い上げる窓口になるなど、重要な役割を果たしている。日本企業の法人営業活動は、見込み客の発掘から成約(クロージング)までの一連のプロセスを顧客単位で1人の営業担当者が行う場合が一般的だ。こうした従来型の手法は、営業担当の業務量増加や対応分野の得手不得手といった簡単な要因で、ムダ・ムラ・ムリが発生している可能性がある。この点を同社は問題視すると同時に解決を目指し、インサイドセールスのアウトソーシング、クライアント企業への導入コンサルティングや研修、業界初のインサイドセールス業務支援AIサービス「SAIN」といった営業支援ツール提供などのサービスを展開している。

同社のコアビジネスモデルであるインサイドセールスアウトソーシング事業ではアウトソーシングサービスを、C&S事業ではコンサルティングサービスとシステムソリューションサービスを提供している。このほか研修事業として、ビジネス研修、IT研修などを提供している。

1. アウトソーシングサービス
インサイドセールスアウトソーシング事業の主要サービスである。顧客企業へ同社のインサイドセールス(正社員)リソースを提供し、顧客の社員として営業活動(電話やメール、Webを活用した営業活動、AIツールも活用)を実施している。現在は東京本社をはじめとする首都圏エリアに4拠点、そして地方5拠点(大阪・福岡・松山・沼津・徳島)でサービスを展開している。地方にいる優秀な人材を活用できることが、インサイドセールスのビジネスモデルの強みでもある。収益モデルは年間契約により月額手数料を貰うストックビジネスであり、一定規模のリソースの提供によって、安定した収益獲得が見込まれる。大手企業が主要な顧客となっていることに加えて、長期的な契約の特性から安定的に収益を積み上げるストック事業となるため、持続的に収益を獲得できる。

2023年2月には本社・事業所への出社を前提としない「フルリモート就業」インサイドセールス職の従業員の採用を強化すると発表した。これまでどおり各事業所に所属する従業員採用は継続しつつ、展開していない地方の潜在的な人材の獲得を進めている。全国各地での採用を強化することで、2025年までに20以上の地方自治体で約100名の「フルリモート就業」従業員を確保する計画を打ち出しており、優秀な人材の安定的な確保を図るとともに、持続的な事業成長の実現を目指す。

2. コンサルティングサービス
営業・マーケティングのビジネスコンサルティングサービスを提供している。収益モデルは約3ヶ月の契約期間が多い。これまではインサイドセールスのアウトソーシングサービスを導入するための業務設計を主としてきたフロービジネスであったが、2020年4月にコンサルティングサービスの新会社ClieXitoを設立し、上流でDXのコンサルテーションを手掛けるサービスへと進化した。顧客体験(カスタマーエクスペリエンス:CX)に対応した営業活動へ変革させるコンサルティングサービスを提供している。

3.システムソリューションサービス
システムソリューションサービスは、自社で開発したインサイドセールスの実行及び周辺領域(マーケティング)に関わる様々なクラウドサービスのほか、パートナー企業に対してCRM※1・SFA※2(営業活動や顧客情報の管理支援システム)などのツールの実装支援も提供している。収益モデルはSFA、CRM、MA(マーケティングオートメーション)の実装やAIなどのクラウドサービスの提供に必要な開発売上とサブスクリプション売上の2つに分かれる。

※1 CRM:Customer Relationship Managementの略。企業内でその顧客の属性やコンタクト履歴を記録・管理することにより、それぞれの顧客に応じた対応を可能にし、顧客満足度を向上させる取り組みを行うための情報システムを指す。
※2 SFA:Sales Force Automationの略。顧客管理、案件管理、営業行動管理、売上の管理・予測、営業データの蓄積・分析などの機能を備えた営業支援システム。営業情報の共有、営業プロセスの見える化、標準化などが可能であり、CRMやMAとの連携も可能。


また2024年3月にはB2Bマーケティング支援やコンテンツ制作支援に強みを持つ2BCを吸収合併してこの分野での強化を図った。既存のコンサルティングサービス、システムソリューションサービスとの組み合わせにより顧客提供価値を向上させ、シナジー効果をあげることに寄与している。さらに同年2月にはホテル・旅館、キャンプ場などにネットワークソリューションやSaaS型のソフトウェアソリューションを提供するトータルサポートを子会社化し、C&S事業全体に対してクライアントカバレッジの拡大、及びネットワークインフラに関する技術・サービス・製品の提供の面から貢献できる体制強化を図っている。

4. 研修サービス
研修事業は子会社のアイ・ラーニングが行っている。コロナ禍においては企業内での集合研修や対面教育が制限されたため、オンライン研修が代替手段として有効であった。しかしコロナ禍収束後も新たな生活様式が継続し、場所を問わずどこにいても学習できるオンライン研修が定着した。アイ・ラーニングでは、教室での集合型研修をオンライン研修提供へ全面的に切り替え、デジタル研修の製作・配信と受講者に学びの場を提供する「iLスクエア」を、東京都中央区に開設して運営している。

同社は従来のインサイドセールス関連やオンライン営業研修などに加え、アイ・ラーニングの研修プログラムを幅広く提供することで研修サービス分野を強化している。社内のDX推進リーダーを担う人材を育成するための研修プログラムなど新たな注力領域のコンテンツ強化により、利益成長の加速が期待される分野であること、企業がデジタル人材の発掘・育成を急ぐなかリスキリング(新しい知識やスキルを学ぶ)の動きが広がりを見せていることが追い風になっていると、弊社では考えている。これまで新人研修の比率が高かったことから季節性が見られたが、様々な研修プログラム(クラウド、ITスキル、プロジェクトマネジメント、経営・財務、営業/マーケティング、ビジネススキルなど)の創出により平準化が図られるとともに、利益成長が加速している。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

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配信元: フィスコ
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