3,549円
三菱重工業のニュース
―社会実装に向け高市ビジョンが始動、重点投資対象として株式市場で再脚光局面に―
歴史が進む中で、数多くの発電技術が確立されてきた。しかし、それらを上回る、理論上は地球最強と呼んでも過言ではないと思われるのが「フュージョンエネルギー(核融合)」だ。単なる夢物語ではなく、近年は徐々に「産業」を視野に入れて動き始めている。足もとで世界的に国家間の緊張の度合いが強まるなかで、エネルギー安全保障の重要性も必然的に高まっており、政府としても中長期的に期待感を抱いていることは明白だ。そこで今回は「フュージョンエネルギー」関連の銘柄にスポットライトをあてた。
●高市首相の所信表明演説でもハッキリ言及
今月上旬に日本独自のヘリカル型核融合炉を開発する新興企業であるHelical Fusion(東京都中央区)が、愛知県内で食品スーパーを展開するアオキスーパー(名古屋市中村区)と、フュージョンエネルギーによる電力売買契約を締結したと発表した。国内最初のフュージョンエネルギーによる電力売買契約ということで関心を集めている。実際は2030年代に実用発電を達成する計画で研究開発を進めているため、今すぐにどうこうという話ではないが、これは時代の大きな流れを映している。
ここで改めて思い出したいのが高市早苗首相の所信表明演説だ。ここで高市氏は「次世代革新炉やフュージョンエネルギーの早期の社会実装を目指す」とこの新技術についてハッキリと言及している。その後、発表された「重点投資対象17分野」にも当然含まれている。くしくも、足もとで大規模太陽光発電施設、いわゆる「メガソーラー」については27年度から新規事業に対する支援を廃止する方針を政府が固めたと報じられたばかりである。高市政権はメガソーラーに向かい風との観測は当初からあったが、やはりこれまでの政府と比較しても、決断と行動が素早いという印象を持つ投資家も多いだろう。
●高効率かつ持続可能なエネルギーを実現へ
一方でフュージョンエネルギーに関連した国家としての取り組みは、今後間違いなく加速していくとの期待が持てる。ちなみに経済産業省資源エネルギー庁は11月28日付で、フュージョンエネルギー室を設置済みである。もちろん技術的なハードルの高さは言うまでもないのだが、今回のHelical Fusionの契約も含め、核融合発電所の実用化前に電力の供給契約を結ぶ事例は既にアメリカにおいてみられているのだ。
先を見るのが株式投資の常道であり、継続的に動向をチェックしておくべきテーマの1つであることは間違いない。なお、米国のHelion Energy社は、7月末には核融合発電所「オリオン」の土木工事を開始したことが明らかになった。同社の場合は28年までに電力供給開始を目指しており、この時間軸を見ると、決して遠い話とは言い切れない。
Helical Fusionの説明を借り、改めてフュージョンエネルギーについて簡単にまとめておくと、「太陽のエネルギーを生み出している核融合反応を地球上で再現することにより、高効率で持続可能なエネルギーを実現する技術」であり、脱炭素化の側面からも世界中でその開発動向に注目が集まっている。そこで今回は「フュージョンエネルギー」関連の銘柄に焦点をあてる。三菱重工業 <7011> [東証P]やIHI <7013> [東証P]のほか、材料株では助川電気工業 <7711> [東証S]、東京エネシス <1945> [東証P]、木村化工機 <6378> [東証S]など原発関連株に近い銘柄が取り上げられやすい面はある。そうしたなか、このほかにフュージョンエネルギーに関した開発を進めている有力企業を中心に紹介する。
●今後マークが怠れない核融合関連の注目銘柄は
◆古河電気工業 <5801> [東証P]~25年6月、英トカマクエナジー社と日本に共同の活動拠点を設立するための実行計画を盛り込んだ覚書を取り交わしたことを発表。小型フュージョン炉の実現へ向けたHTS(高温超電導)線材及びこれを用いた高磁場マグネットであり、フュージョンエネルギーの商用化実現に不可欠なHTSマグネットの設計・開発体制を強化し、研究開発を共同で推進している。
◆フジクラ <5803> [東証P]~フュージョンエネルギープラント関連装置・システムの研究開発およびプラントエンジニアリングを行っている京都大学発のスタートアップ企業、京都フュージョニアリング(東京都大田区)と多角的パートナーシップを築いており、核融合炉用高温超電導マグネット領域の研究を推進。同社は高温超電導線材を用いたコイルの設計・製造を担当している。
◆日本ゼオン <4205> [東証P]~24年11月、米子会社Zeon Venturesを通して、高温超電導マグネットを用いたステラレーター核融合装置を開発する米国スタートアップであるType One Energy Group社に投資。同社はType One Energy Group社が求める素材の提供や新規開発を通じて、ステラレーター核融合装置の開発を支援する。
◆岡野バルブ製造 <6492> [東証S]~発電インフラのキーパーツとなる高温高圧バルブを手掛け、日本国内の原子力発電所のうちBWR(沸騰水型軽水炉)でのシェアは約80%を誇る。世界初のフュージョンエネルギー実用化に向け、ヘリカル型核融合炉を開発するHelical Fusionに出資し、核融合炉関連の技術系ベンチャーへ納入する実績も生まれている。
◆ジェイテックコーポレーション <3446> [東証S]~レーザー核融合技術を新たなエネルギー源として商業化を目指すEX-Fusion(大阪府吹田市)と技術提携しており、超精密加工・計測、制御、光学、結晶生成などの先端技術を結集し、次世代の「高性能反射鏡」開発に取り組んでいる。
◆浜松ホトニクス <6965> [東証P]~25年7月、EX-Fusionとのレーザーフュージョン研究において、大出力のパルスレーザーを連続して模擬燃料ターゲットに照射する重要な技術の実証試験を行ったことを発表した。これまでの常識を覆す革新的なレーザーフュージョンの方式が実現する可能性があり「ゲームチェンジ」につながることへの期待が大きい。
株探ニュース
この銘柄の最新ニュース
三菱重のニュース一覧- 信用残ランキング【売り残減少】 豊田合、ディアライフ、Jディスプレ 2025/12/21
- 信用残ランキング【買い残減少】 ソニーFG、トヨタ、Jディスプレ 2025/12/21
- 究極の国策相場カウントダウン、「防衛関連」新章突入の超特選7銘柄 <株探トップ特集> 2025/12/20
- [PTS]デイタイムセッション終了 15時30分以降の上昇1552銘柄・下落1302銘柄(東証終値比) 2025/12/19
- 【↑】日経平均 大引け| 反発、日銀利上げ発表も円安に振れ買い優勢 (12月19日) 2025/12/19
マーケットニュース
おすすめ条件でスクリーニングされた銘柄を見る
三菱重工業の取引履歴を振り返りませんか?
三菱重工業の株を取引したことがありますか?みんかぶアセットプランナーに取引口座を連携すると売買履歴をチャート上にプロットし、自分の取引を視覚的に確認することができます。
アセットプランナーの取引履歴機能とは
※アセプラを初めてご利用の場合は会員登録からお手続き下さい。