【買い】日本ケミコン (6997):車載市場や再生可能エネルギー分野に期待
電子機器に欠かせないコンデンサのうち、アルミ電解コンデンサで世界シェアトップの企業です。
同社はアルミ電解コンデンサの性能を決める「アルミニウム電極箔」の開発で世界最先端の技術を有しており、競合するコンデンサメーカーにも販売されているほどです。
アルミ電解コンデンサは、静電容量が極めて大きく、太陽光発電や風力発電機、パワーコンディショナなどに向いている製品です。大容量と言う面ではコンデンサで主流の積層セラミックコンデンサに勝っています。なかでも電気二重層キャパシタという電解コンデンサは、普通の100倍の容量を持つ点で、注目されています。
近年急速に進んでいる自動車の電装化の場面でもこのようなコンデンサは需要が拡大していくと見られています。
2017年3月期第1-2四半期の業績は、売上高が前年同期比5.9%減の570億6500万円、営業利益が80.7%減の4億3300万円、経常利益が99.6%減の600万円、純損失が14億8500万円(前年同期は11億3100万円の黒字)となり、一株当たり利益(EPS)は▼9.12円(前年同期は6.95円)と最終赤字となりました。
海外生産拠点における生産性の向上や輸送費削減によるコスト削減などに取り組んではいるものの、円高による影響が大きく、大幅減益をカバーするには至りませんでした。
また、上半期業績発表と同時に、通期業績予想の修正を発表しており、前回発表時には前期比2倍の見通しだった経常利益は、14.2%の減益予想に一転。
売上高は前期比5.4%減の1120億円に据え置いた一方で、営業利益は19.3%増の26億円から31.2%減の15億円に(42.3%)、経常利益は105.9%増の24億円から14.2%減の10億円に(58.3%)、純利益は15億円から3億円に(80.0%)引き下げられました。
ただ、同社は、第3四半期以降の為替レートは、1ドル=103円を前提としており、足元の為替水準は111円台で推移していることから、現状上振れの余地が出てきました。
業績をみると、アルミ電解コンデンサは産機向けでは足踏み状態が続く一方で、車載向けが好調に推移しています。省エネニーズの高まりを背景としたエアコン、太陽光発電関連も伸長しています。
財務状況は、有利子負債は2012年度の577億円から343億1200万円まで縮小しており、当座比率1.4倍、流動比率1.95倍、負債/株主資本が0.54倍、現金等が290億8000万円と安全圏ではないでしょうか。
同社は、2008年のリーマンショック、そして2011年の東日本大震災による被災により赤字に転落したものの、2013年3月期に構造改革を断行し、翌年度には黒字転換を果たし、15/3期には増収増益達成しています。外部環境によって業績が左右されやすくまた競争も激しい電子部品業界ですが、世界トップの製品を擁していること、そしてそれが車載市場や再生可能エネルギーの分野で伸長しそうなことは評価したいと思います。
同社はアルミ電解コンデンサの性能を決める「アルミニウム電極箔」の開発で世界最先端の技術を有しており、競合するコンデンサメーカーにも販売されているほどです。
アルミ電解コンデンサは、静電容量が極めて大きく、太陽光発電や風力発電機、パワーコンディショナなどに向いている製品です。大容量と言う面ではコンデンサで主流の積層セラミックコンデンサに勝っています。なかでも電気二重層キャパシタという電解コンデンサは、普通の100倍の容量を持つ点で、注目されています。
近年急速に進んでいる自動車の電装化の場面でもこのようなコンデンサは需要が拡大していくと見られています。
2017年3月期第1-2四半期の業績は、売上高が前年同期比5.9%減の570億6500万円、営業利益が80.7%減の4億3300万円、経常利益が99.6%減の600万円、純損失が14億8500万円(前年同期は11億3100万円の黒字)となり、一株当たり利益(EPS)は▼9.12円(前年同期は6.95円)と最終赤字となりました。
海外生産拠点における生産性の向上や輸送費削減によるコスト削減などに取り組んではいるものの、円高による影響が大きく、大幅減益をカバーするには至りませんでした。
また、上半期業績発表と同時に、通期業績予想の修正を発表しており、前回発表時には前期比2倍の見通しだった経常利益は、14.2%の減益予想に一転。
売上高は前期比5.4%減の1120億円に据え置いた一方で、営業利益は19.3%増の26億円から31.2%減の15億円に(42.3%)、経常利益は105.9%増の24億円から14.2%減の10億円に(58.3%)、純利益は15億円から3億円に(80.0%)引き下げられました。
ただ、同社は、第3四半期以降の為替レートは、1ドル=103円を前提としており、足元の為替水準は111円台で推移していることから、現状上振れの余地が出てきました。
業績をみると、アルミ電解コンデンサは産機向けでは足踏み状態が続く一方で、車載向けが好調に推移しています。省エネニーズの高まりを背景としたエアコン、太陽光発電関連も伸長しています。
財務状況は、有利子負債は2012年度の577億円から343億1200万円まで縮小しており、当座比率1.4倍、流動比率1.95倍、負債/株主資本が0.54倍、現金等が290億8000万円と安全圏ではないでしょうか。
同社は、2008年のリーマンショック、そして2011年の東日本大震災による被災により赤字に転落したものの、2013年3月期に構造改革を断行し、翌年度には黒字転換を果たし、15/3期には増収増益達成しています。外部環境によって業績が左右されやすくまた競争も激しい電子部品業界ですが、世界トップの製品を擁していること、そしてそれが車載市場や再生可能エネルギーの分野で伸長しそうなことは評価したいと思います。