サクサのニュース
【QAあり】サクサHD、新中計「共に創る未来」を発表 24年から26年は事業ポートフォリオ変革実現のための充電期間に
1-1. 2021-2023中期経営計画の振返り
齋藤政利氏(以下、齋藤):代表取締役社長の齋藤です。本日は、2024年度から2026年度を対象期間とした新たな中期経営計画「共に創る未来」についてご説明します。
初めに、従前の中期経営計画の振返りです。弊社グループは2021年度から2023年度の3ヶ年の中期経営計画「サクサは変わる。」を公表し、「事業を変える。」「財務を変える。」「ガバナンスを変える。」という3つの戦略を掲げて取組んできました。最終年度である2023年度には、長期目標として設定した「売上高400億円、営業利益25億円、ROE6.5パーセント以上」を前倒しで達成しました。
しかし、「事業を変える。」については、資材や部品調達難に伴う生産活動の停滞や、調達価格の高騰などによる原価への多大なる影響に対応したため、成長事業への新たな投資を充分に行えず、その結果、事業ポートフォリオの変革は実現できませんでした。つまり、持続的成長への事業基盤が確立したとは考えておらず、2023年度の経営目標達成も一時的なものであると捉えています。
また、「財務を変える。」についても、経営目標は達成できたものの、安定的に稼げる体質が出来上がったとは言い難い状況であり、財務レバレッジを効かせた成長投資には至りませんでした。
「ガバナンスを変える。」については、不正防止に向けた仕組みを早期に構築し、コーポレートガバナンスを再構築するため、各種取組みを着実に実施しました。グループ企業の再編として、中核会社であるサクサ株式会社のバリューチェーンを再構築し、機能強化を実施しましたが、グループ子会社体制の最適化は継続検討する必要があると考えています。
1-2. 中期経営計画の位置づけ
新たな中期経営計画についてです。計画策定に当たり、我々はまず2030年のありたい姿を設定しました。
2030年に向け、2024年から2026年の3年間、そして2027年から2029年の3年間の2つのPhaseを設け、それぞれ「Charge」「Launch」という位置づけで、中期経営計画を策定・実行します。
2024年から2026年のPhase1は、事業ポートフォリオの変革を実現していくための充電期間と考えています。この期間に弾込めしたものを、2027年から2029年のPhase2で軌道に乗せ、成長させます。そして、その先にある未来のありたい姿に向かって歩んでいきたいというメッセージを込めて本計画を策定しています。
1-3. 外部環境の認識
新たな中期経営計画を定めるに当たり、あらためて外部・内部の環境分析を行いました。弊社グループを取り巻く外部環境については、我々の注力ターゲットである中小企業において、急速なデジタル化が進むことでDX推進需要が増加し、お客様の課題とともに新たなビジネス機会が生まれています。それと同時に、働き方の多様化、労働力不足の加速、生成AIを中心とするAI/IoTテクノロジーの急速な進展といった変化が起きています。
一方で、米中関係の悪化、ウクライナ情勢の長期化といった地政学リスクの高まりや、サプライチェーンマネジメントの継続性や適正化の観点から、製造業における国内生産回帰への関心が高まっています。私たちは、不確実かつ複雑化が進む環境に置かれているため、弊社グループとして事業、DX、資本、人財、サステナビリティの5つの要素を考慮しなければならないと認識しています。
1-4. 内部環境の認識
内部環境については、中期経営計画策定の全社横断プロジェクトを立ち上げ、課題の再認識を行ってきました。弊社グループは、企画から開発、生産、販売、保守というプロセスを持っているため、モノづくりを通して、お客様に製品・サービスを提供できる強みがあります。その結果として、多くのお客様に製品をご利用いただいています。
一方で、各事業におけるプロセスや支援アクションに関する弱み、すなわち課題も多くあります。特に、成長に向けた事業ポートフォリオ変革については実現できておらず、お客様への価値提供を最大化するためには、自社にこだわらず、企画、開発、販売など多方面で、積極的にパートナーのみなさまとの共創を行う必要があると考えています。
1-5. 中期経営計画 変革の方向性
このような外部環境・内部環境を踏まえ、我々はモノづくり企業の矜持を胸に、デジタル技術とパートナーとの共創で、お客様のDXを支えられる存在になりたいと考えています。2030年のありたい姿として、「中堅・中小企業のDX推進のサポーター」になることを大きな方向性として掲げます。そのためには、私たちだけでなく、お客様・パートナーのみなさまと一緒に価値提供を創り出すことが大事になってくると考えています。
2-1. 基本方針テーマ
そこで、本中期経営計画の基本テーマを定めました。それが「共に創る未来」です。お客様・パートナー・SAXAとの共創により、中堅・中小企業のDX推進のサポーターとして、新たな価値提供を実現していきます。
2-2. 基本方針 3つの構成要素
「共に創る未来」の基本方針についてご説明します。「共に創る未来」は3つの要素で構成されています。そのコアとなるのは成長戦略です。これは事業成長のための最も大事な戦略で、経営基盤であるDX、資本、人財の3本柱で支えます。その土台には、社会的責任であるサステナビリティへの取組みがあります。
成長戦略を実現する事業変革のタイトルは「モノづくり as a Service」にしました。これにより事業ポートフォリオを変革し、お客様の成長を促す新たな価値提供を実現します。
3-1-1. 事業変革 [モノづくり as a Service] 1/4
成長戦略についてです。先ほどもお伝えしたとおり、お客様・パートナー・SAXAという3者の登場人物が重要になってきます。この3者が三位一体で共創することが、今回の一番大きなポイントです。
共創エンジンを回していくためには、お客様に価値提供をする「バリューチェーン変革」と、自社にこだわらず広い視野でイノベーションを考える「オープンイノベーション」が駆動力になると考えています。
3-1-1. 事業変革 [モノづくり as a Service] 2/4
既存事業は会社の収益を支える領域ですが、選択と集中を行い、集中事業を共創エンジンにインプットします。その一方で、お客様のニーズに応える新規事業を、デザイン思考で創っていくことも検討していきます。
既存事業の選択と集中を、共創エンジンの1つである「バリューチェーン変革」により加速させることで、サプライチェーンマネジメントの最適化や開発の高度化を行い、我々の得意なモノづくりをさらに洗練させます。また、「オープンイノベーション」を志向することで、既存ビジネスにおける延長線上のデータ活用サービスも生み出せると考えています。
また、新規事業から「バリューチェーン変革」を経由すると、モノづくりにおけるODM/EMS事業も拡大できると思います。「オープンイノベーション」を通してパートナーのみなさまと組めば、データ活用で新たなDXサービスの提供に挑戦できると考えています。
3-1-1. 事業変革 [モノづくり as a Service] 3/4
共創エンジンが回り、機能し始めると、セキュリティ対策、ワークスタイル変革、コミュニケーション活用の領域を中心に、価値提供するさまざまな製品・サービスが泡のようにたくさん生まれます。そのように提供した製品・サービスから、お客様の声やさまざまなデータ、あるいはパートナーからの情報を収集し、共通データ基盤に蓄積します。そして、蓄積されたデータを、スライド下部の2つのDXプラットフォームによって分析・活用することで、新たなサービスを生み出すサイクルを循環させることが可能となり、持続的にお客様の成長を促す価値提供を生み出していきます。
この活動は私たちだけではできません。お客様・パートナー・SAXAが共創してこそ実現するものと考えています。スライドの図のように、「バリューチェーン変革」と「オープンイノベーション」が共創のためのエンジンとなり、これらを中心に4つの象限がクロスするようにサイクルを回していきます。
3-1-1. 事業変革 [モノづくり as a Service] 4/4
これを、「モノづくり as a Service」と名付けました。「多様なサービスを生み出すフレキシブルなモノづくり」「モノのコト売りに留まらないデータ活用サービス」を実現する世界です。
3-1-2. [モノづくり as a Service]の適用例
「モノづくり as a Service」によって、どのような価値を提供していくのかについて、スライドに例を挙げています。私たちはこのように、オフィス、産業、くらしなど、さまざまなシーンで、新たな価値提供を行っていけると考えています。
例えばオフィスシーンでは、音声認識技術を活用して、多言語での電話1次受け自動応答や、感情付き議事録の自動作成などを行い、業務自動化による生産性向上を実現します。産業のシーンでは、弊社グループのモノづくりの洗練化を行うことで、お客様の企画やアイデアをモノとして生産し、提供することが可能になると考えています。
くらしのシーンでは、映像解析技術を活用し、小売りや飲食店などの店舗でお客様の嗜好を認識し、サービスをパーソナライズし提供します。また、ガソリンスタンドやパーキングなどで、待ち時間ゼロ、混雑の解消を実現し、より満足度の高い生活を送るお手伝いをします。
3-2. DXで支える
経営基盤として機能を果たす「3つの支える」について、1点目の「DXで支える」からご説明します。
弊社では、「共に創る未来」の実現に向けて、共通データ基盤を介して、データからお客様の抱える課題を深く理解し、パートナーとの共創でその課題解決にチャレンジできるDX環境を整備していきます。その土台として、共通データ基盤を支える2つのDXプラットフォームの構築・整備を計画しています。
共通データ基盤とは、私たちのモノづくりやサービス提供に必要なすべての基礎情報や、お客様の稼働情報などが蓄積される統合データベースです。この共通データ基盤が、2つのDXプラットフォームから得たデータを蓄積していきます。
「DX事業推進プラットフォーム」では、バリューチェーン全体をデジタル化し、営業や保守など顧客接点で得られた情報を開発や生産にフィードバックすることで、お客様のニーズに応える製品やサービスを提供するための事業基盤を構築します。
「SAXA-DXサービスプラットフォーム」では、お客様の持つ製品と直接つながり、顧客情報を取得することで、抱えている課題を捉えます。さらに、プラットフォームを介して、ビジネスパートナーである他社のデバイスやサービスとAPI連携することで、課題解決に向けたオープンイノベーションを創出するためのサービス基盤となります。
3-3-1. 資本コスト・株価を意識した経営の実現
2点目の「資本で支える」についてです。こちらでは、資本コスト・株価を意識した経営として、株主資本コストを上回るROEの持続的な達成を目指します。
現状では、株主資本コストは6パーセントから7パーセントですが、今後、国債金利の上昇により株主資本コストも上昇していくと想定しています。そこで弊社は、上昇する株主資本コストを上回るROEの持続的な達成のために、2つの指標を意識して経営していきます。
1つ目の指標は、資本収益性を表すROE自体です。資本収益性向上のため、財務健全性を確保しつつ有利子負債を活用し、財務レバレッジを効かせていきます。
2つ目の指標は、市場評価を表すPBRです。積極的な成長投資、株主還元を行うことで、早期にPBR1倍以上を目指していきます。
3-3-2. 資本で支える キャピタルアロケーションの方針
資本コスト・株価を意識した経営に向けた、キャピタルアロケーションの方針についてご説明します。キャッシュインについては、営業キャッシュフローにおいて、事業利益率の改善を図ります。有利子負債の活用においては、D/Eレシオを意識し、有利子負債を積極的に活用していきます。
キャッシュアウトについては、中期経営計画の実現に必要な成長・育成領域、DX、人的資本、設備の維持や更新へ積極的に投資を行い、必要に応じてM&Aも検討していきます。こちらについては、後ほど詳細をご説明します。
これらの成長投資に重点的に配分しながら、適切な水準の株主還元を実行します。本中期経営計画期間は、1株当たり年間135円の配当の実施を目指します。
3-3-2. 資本で支える キャピタルアロケーションの方針
このたび実施した、戦略的M&Aのご紹介です。スライドに紅色で示したとおり、成長・育成領域への投資、人的資本投資、設備の維持・更新を目的としています。
3-3-3. 資本で支える ソアー社の株式取得
5月29日に発表したとおり、M&Aの第1弾としてソアー社の全株式を取得し、グループに入っていただくことになりました。ソアー社は、世界で初めて有機ELディスプレイの量産に成功するなど、高い技術力・生産力を有しています。
具体的には、産業、民生、車載といった多岐にわたる製品の量産化を実現してきており、これらの事業の中で培った高い技術力と経験を備えた人財が多数在籍しています。ソアー社との共創を通して、両社のODM/EMS事業の強化を図り、モノづくりで「お客様のアイデアをカタチにし、お客様の成長を促す新たな価値提供を実現」できると考えています。
さらに、両社はともに山形県米沢市に生産拠点を置く、隣接する企業でもあることから、今後、米沢の工場を中心とした生産体制を考えていく中で、人財の活用・確保、生産拠点の統合、保有する設備の有効活用など、多くの面で効果が期待できます。今後もM&Aに関しては積極的に検討していきます。
3-4-1. 人財で支える 取組みの方向性
3点目の「人財で支える」についてです。「共に創る未来」を推進するために必要な人財の採用・育成、および組織の風土づくりを実現することを基本方針としています。
採用については、「共に創る未来」を推進することができる人財を、幅広い層で獲得していきます。育成については、DX視点を備えた経営人財やデザイン思考でビジネス開発ができる人財、加えて、確実なノウハウ伝達を可能とするシニア層の活用を進めます。
風土づくりについては、社員・会社双方の成長を促す関係を醸成し、オープンなマインドで、社内外を問わずお互いを尊重し合う風土を目指します。
3-4-2. 人財で支える DX人財
DX人財の育成について詳しくご説明します。中期経営計画立案に伴い、DX戦略もあわせて策定しました。
DX推進に必要なマインド・スタンスとして、DXを自分事化する「DXエンゲージメント」と、能動的に課題を発見する「デザイン思考」の2つが重要な能力だと考えています。そして、その能力を発揮するためのスキルセットとして、業界・業務の知見、デジタル技術・データ関連のスキル、変革を企画・推進するスキルを持った人財の育成を目指していきます。
このように必要な人財を育成・獲得していく戦略ですが、その旗振り役を担うための体制として、新たにCDOを置き、DX戦略を実装する専任組織としてDX推進部を配備します。直近の目標としては、DX認定の取得を目指し、全社的なDX推進に向けた文化醸成を推進していきます。
4-1. サステナビリティ重要課題への取組み
サステナビリティ重要課題への取組みについてです。弊社グループは、社会的責任を果たすべく、国際基準、ガイドライン、我々が目指す価値観、および事業戦略との整合を考慮し、サステナビリティ推進委員会で社外有識者を交えての議論を進めています。
そこで、スライドに記載のとおり、サステナビリティ重要課題を特定しました。サステナビリティ活動を実行していく上で、最も大切なことはガバナンスであると考えており、そのためESGについて、あえてGESの順で記載しています。中期経営計画の立案に際し、サステナビリティ重要課題に対する具体的な取組みと主要KPIを定めました。
4-2. サステナビリティ重要課題の主要KPI
サクサらしさを各所で出すことによって、見せかけではない、地に足をつけたサステナビリティ経営を推進していきたいと考えています。サステナビリティ重要課題に対する主要KPIは、スライドに記載のとおりです。中期経営計画における目標値と2030年度のありたい姿を策定しています。
GESそれぞれについて、サクサとして注力すべき重要課題に対し、KPIを策定しています。特に環境に関しては、モノづくり企業の責任として、温室効果ガスの排出量の削減、環境配慮プラスチックの使用率の拡大において積極的な目標を定めています。
5-1. 新サクサの再編後の組織体制 2024年7月以降
すでにご案内のとおり、2024年7月1日付で、サクサホールディングスとサクサとの統合により、純粋持株会社体制を解消し、成長戦略への経営資源投入を積極的に行うための組織編成を行います。
事業ポートフォリオの変革のために再編を行っていますが、このたび、企画統括本部を新たに設置し、新規ビジネス創出、DX推進の実現、M&Aを担います。また、新規ビジネス創出の専任組織として、ビジネス開発部を置き、オープンイノベーションによる新規事業の企画、ビジネスモデルの構築、マネタイズの検討を担務します。
5-2. 新グループフォーメーション 2024年8月以降
今回の組織再編で、グループフォーメーションも変更となります。先ほどご説明したソアー社も新たな仲間に加え、グループ企業がそれぞれの事業運営を担い、一体となって経営に取組みます。今後も本中期経営計画を実行し、事業成長を実現するために必要となるグループフォーメーションの変更については、柔軟かつ果敢に判断・実行していきます。
6. 数値目標
本中期経営計画における数値目標についてご説明します。2030年度は、ありたい姿として、売上高750億円、営業利益60億円、ROE8パーセントとしました。
中期経営計画の最終年度となる2026年度には、積極的な成長投資によって、お客様への価値提供を最大化し、利益を拡大することで、ROE8パーセントの実現を目指していきます。2030年に向けて持続的な成長を続け、ROE8パーセントを継続的に維持する考えです。
この目標達成に向けて、冒頭でご説明したとおり、本中期経営計画期間で充電を行い、次の中期経営計画期間で成長軌道に乗せたいと考えています。弊社の既存事業であるサクサブランド事業、OEM事業、SI事業のみでは、この目標値を達成するのは困難であると認識しています。
「共に創る未来」
そのため、新たなパートナーを増やしていきながら、「モノづくり as a Service」を通して、既存事業の選択と集中を進め、新規事業を創出することで、事業ポートフォリオの変革を遂げていきたいと思います。これからのサクサにご期待ください。
質疑応答:2030年のありたい姿の具体的な中身について
司会者:事業変革「モノづくり as a Service」において、2030年のありたい姿に向けて、サクサはお客様にとってどのような存在になっていたいと考えていますか?
齋藤:お客様・パートナー・SAXAとの共創により、事業ポートフォリオを変革し、お客様のDXを支える中堅・中小企業のDX推進のサポーターという存在になりたいと考えています。
司会者:DX推進のサポーターとして、お客様に提供したい価値とは具体的にどのようなものでしょうか?
齋藤:多様なサービスを生み出すフレキシブルなモノづくりと、モノのコト売りに留まらないデータ活用サービスを組み合わせることで、お客様の成長を促す新たな価値を提供していきます。スライドに記載のとおり、オフィス、産業、くらしなど、さまざまなシーンでお客様の生産性向上や満足度のより高い生活の提供をDXでサポートしていきます。
例えば、生産ラインにおける従業員のトラブルを遠隔でリアルタイム監視します。また、熟練技術をAIによって自動マニュアル化することで、若手教育に活かします。あるいは、従業員へのサイバーセキュリティ教育をサポートするなどのさまざまなシーンへの適用を考えています。
質疑応答:戦略的M&Aの狙いについて
司会者:戦略的M&Aはどのような狙いなのでしょうか?
齋藤:ソアー社の株式取得は成長投資のための1つの施策と考えています。弊社のマザー工場である米沢事業所を中心とした生産体制を考えていく中で、人材の活用・確保、生産拠点の統合、保有する設備の有効活用など、多くの面で効果が期待できると思っています。
司会者:ソアー社とはどのようなシナジーを考えていますか?
齋藤:企画・開発に強みのあるソアー社と、量産体制と品質に強みを持つ弊社が共創することで、両社のODM/EMS事業の拡大と展開が図れると考えています。弊社グループの基板実装技術とソアー社の有機EL生産技術の融合にも可能性があると考えています。
司会者:ODM/EMS事業の需要は海外勢に押されている印象ですが、その点に関していかがでしょうか?
齋藤:確かに海外生産は今でも製造業の主流であると思います。しかし、昨今の米中関係の悪化やウクライナ情勢の長期化といった地政学リスク、そしてサプライチェーンマネジメントの継続性や適正化の観点から、製造業の国内生産回帰への関心が高まっており、その需要は続いていくものと考えています。また、昨今の円安基調が国内回帰を加速しているのも事実です。
司会者:現在は海外情勢が不安定ですので、国内生産の安心感は大切なポイントになりますよね。
齋藤:はい、おっしゃるとおりです。
質疑応答:株主還元について
司会者:資本戦略に関して、積極的な投資を行うとのことでしたが、株主還元に関してはどのように考えていますか?
齋藤:資本戦略は持続的な成長を支えるための重要な位置づけだと考えています。従来の配当方針は、配当性向30パーセントを目安としていましたが、今期からは、ありたい姿の実現に向けた成長投資期間となるため、利益に連動しない配当方針に変更します。これによって投資家のみなさまが安定したインカムゲインを享受できるようになると考えています。
司会者:配当額を固定して、安定配当するイメージですね。
齋藤:はい、おっしゃるとおりです。
質疑応答:ROEの目標値について
司会者:株主資本コストについて、今後上がっていくことを想定していますが、その際、ROEの目標値はどのようになるのでしょうか?
齋藤:まず資本コストを上回るROEを実現し続ける経営が重要と認識しています。株主資本コストが上昇したとしても、それを上回っていけるような経営努力をしていきたいと考えています。
齋藤氏からのご挨拶
齋藤:本中期経営計画は成長を遂げ、事業ポートフォリオの変革を実現していくための充電期間であると考えています。この期間に弾込めしたものを、2027年からの次期中期経営計画で成長軌道に乗せ、その先にある未来のありたい姿に向かって歩んでいきたいと思っていますので、ご期待いただければと思います。
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