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JVCケンウッド、無線システムの民間市場で販売減影響受けるも、M&T堅調で通期予想据え置き 分野別見直しは実施
決算ハイライト

宮本昌俊氏(以下、宮本):代表取締役専務執行役員最高財務責任者(CFO)の宮本です。昨日開示した決算説明資料に基づき、2026年3月期第3四半期の決算についてご説明します。
まず第3四半期累計の決算ハイライトです。期初から部品供給不足の影響でS&S(セーフティ&セキュリティ)分野の無線システム事業が非常に苦戦しています。また米国の関税措置の影響を受けて、全社では前年同期比で減収減益となりました。
M&T(モビリティ&テレマティクスサービス)分野は、米国の関税措置の影響を受けつつも、海外OEMのASK Industries S.p.A.(以下、「ASK社」)などの売上が堅調に推移しました。その結果、売上は若干減少したものの利益は前年同期比で増益という結果になりました。
S&S分野は、部品供給不足の状況が徐々に解消されつつありますが、民間市場向けで供給タイミングが遅れたことによる機会損失の影響を受け、減収減益となりました。
ES(エンタテインメント ソリューションズ)分野は、メディア事業における関税影響があり、こちらも全体として減収減益という結果になりました。
通期業績予想については、無線システム事業の民間市場向けは、部品供給不足が回復しつつあるものの、依然として販売減の影響が残ると想定されています。一方、北米公共安全市場向けは順調に回復しています。
さらにM&T分野が比較的好調な販売の動きが見られることもあり、今回は通期業績予想の修正を行っていません。
2026年3月期第3四半期累計決算 全社実績

第3四半期の数値面についてご説明します。スライドは第3四半期までの9ヶ月累計の数字です。売上収益は2,586億円で、前年同期比118億円の減収となりました。これに伴い、事業利益は133億円で前年同期比52億円の減益となっています。
営業利益は149億円で前年同期比19億円の減益、税引前四半期利益は160億円で前年同期比23億円の減益、親会社の所有者に帰属する四半期利益は125億円で前年同期比16億円の減益という結果でした。
EBITDAは301億円、EBITDAマージンは11.6パーセントとなりました。
2026年3月期第3四半期累計決算 分野別の状況

分野別の状況です。まずM&T分野については、売上収益が1,444億円で、前年同期比44億円の減収となりました。これは米国の関税措置の影響により売上が減少したためです。事業利益は42億円となり、関税措置の影響はあったものの、値上げが順調に進んだ部分や海外OEM事業が非常に堅調だったことにより、前年同期比で増益という結果となりました。
S&S分野については、売上収益は669億円で、前年同期比62億円の減収、事業利益は79億円で前年同期比53億円の大幅な減益となりました。この要因として、期初からの部品供給不足の影響を大きく受けてきたことが挙げられます。部品供給不足の影響は第3四半期にかけて徐々に回復してきているものの、特に民間市場での販売機会損失が響き、前年同期比で大きく減収減益となりました。
ES分野については、売上収益は402億円、事業利益は11億円で、前年同期比では減収減益となりました。メディア事業は米国の関税措置の影響により大幅に売上を落としましたが、国内を中心に展開しているエンタテインメント事業のコンテンツビジネスは非常に堅調で、分野全体では売上は減少しているものの利益は11億円となりました。
その他を含めた全社合計では、売上収益は2,586億円、事業利益は133億円という実績となりました。
2026年3月期第3四半期累計決算 事業利益の増減要因

事業利益の対前年増減要因です。前期第3四半期累計の事業利益186億円に対して、為替による影響がマイナス7億円ほどありました。またオフィス再編に伴う引っ越し等の一時費用が7億円ほど減少しています。固定費は5億円ほど増加しています。
事業利益が減少した大きな要因として、まず売上収益の減少と利益率の悪化により、21億円ほどの影響がありました。このうち35億円ほどは無線システムの部品供給不足による影響と考えています。また米国関税の影響については、26億円と見ています。
以上の結果、今期第3四半期累計の事業利益は133億円となりました。
2026年3月期通期業績予想

2026年3月期通期の業績予想です。冒頭のハイライトでもお知らせしたとおり、10月31日に発表した全社売上収益3,600億円、事業利益210億円、営業利益205億円、税引前利益210億円、親会社の所有者に帰属する当期利益155億円という数字から変更していません。
ただし第3四半期までの進捗状況などを踏まえ、分野ごとの数字については今回見直しを行いました。
まずM&T分野は、第3四半期も堅調に推移したことから通期業績予想における売上収益1,990億円、事業利益50億円と、前回の公表値から売上収益で25億円、事業利益で11億円上方修正しました。
一方S&S分野は、無線システム事業における部品供給不足による生産については回復してきたものの、特に民間市場において売上が想定よりも伸びなかったことから、今回、通期業績予想の売上収益を990億円、事業利益を148億円としています。10月31日に発表した前回の公表値から売上収益で30億円、事業利益で14億円下方修正しました。
その他を適宜調整した結果、全社としての通期業績予想に変更はありません。
全社業績推移

四半期別の実績推移についてご説明します。まず全社の実績推移です。2026年3月期第3四半期3ヶ月間の実績は、売上収益が893億円、事業利益が50億円となりました。
先ほどからお伝えしているとおり、S&S分野の無線システム事業の民間市場向けにおいて販売機会の損失が発生したため、前年同期比で減収減益となっています。
M&T 売上収益・事業利益推移

M&T分野の四半期別推移です。2026年3月期第3四半期は売上収益が490億円、事業利益が16億円という結果でした。
アフターマーケットおよび中国国内を中心に事業を展開しているJVCKENWOOD Hong Kong Holdings Limited(以下、「JKHL社」)は、米国の関税措置の影響を受けて売上が減少しました。一方で海外OEM事業の中核を担うASK社が非常に堅調に推移したことと、分野全体で固定費削減に取り組んだ結果、事業利益はほぼ前年同期並みとなる16億円を確保しています。
これを踏まえ、スライド右側のグラフに示すとおり通期の売上収益および事業利益見込みを上方修正しました。
S&S 売上収益・事業利益推移

S&S分野の四半期別推移です。第3四半期の実績は売上収益が231億円、事業利益が28億円となりました。無線システム事業の部品供給不足については第2四半期以降改善が進んでおり、第3四半期はほぼ想定どおりの生産を達成しました。
一方で民間市場向けがかなり苦戦した影響もあり、前年同期比で売上収益および事業利益ともにやや減少しています。
その結果、スライド右側のグラフのとおり、今回の年間業績予想については下方修正を行っています。
ES 売上収益・事業利益推移

ES分野の四半期別推移です。第3四半期の実績は売上収益が143億円、事業利益が6億円という結果でした。
ES分野のメディア事業で展開しているイヤホン/ヘッドホンおよびプロジェクター事業が米国の関税措置の影響を受けたため、前年同期比で減収となりました。
一方で、国内を中心に展開しているエンタテインメント事業のコンテンツビジネスが依然として堅調だったことから、ほぼ前年同期並みとなる6億円の事業利益を確保しています。
2026年3月期第3四半期累計決算 地域別連結売上収益

スライドは連結売上収益の前年同期比を地域別に表したグラフです。スライド左側に示すとおり、米州とアジア・中国で大きく売上を減少させています。米国では関税措置による値上げに伴う販売台数の減少が影響しています。
またアジア・中国については、特に中国企業向けの部品などを販売しているJKHL社において、中国で生産され米国に輸出されている製品が関税措置の影響で大幅に減少し、売上も減少しています。
以上の結果、米州およびアジア・中国の売上が前年同期比で減少しています。
2026年3月期第3四半期累計決算 連結損益サマリー

事業利益以下の段階損益のサマリーです。事業利益は第3四半期累計で133億2,000万円という結果となりました。その他の収益・費用、為替差損益等は約16億円のプラスで、前年同期比で約33億円改善しています。これは前期に計上した金融資産の評価損や構造改革費用等が減少したことによるものです。
営業利益は148億7,000万円で、前年同期比約19億円の減益となりました。税引前四半期利益は160億2,000万円で、前年同期比22億5,000万円の減益です。親会社の所有者に帰属する四半期利益は124億7,000万円で、前年同期比16億円の減益という結果になっています。
2026年3月期第3四半期累計決算 財政状態サマリー

財政状態のサマリーです。親会社の所有者に帰属する持分は1,404億円で、前期末比153億円の増加となりました。こちらは配当の支払いや自己株式の取得などを行ったものの、利益剰余金の増加や円安による為替換算調整のプラスもあり、大きく増加しています。
その結果、親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率)も40.8パーセントとなり、30パーセントを超える水準を維持しています。
2026年3月期第3四半期累計決算 キャッシュ・フローサマリー

キャッシュ・フローのサマリーです。営業活動によるキャッシュ・フローは243億円で、前年同期比46億円の減少となりました。これは主に事業利益の減少によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは166億円で、ほぼ前期並みの実績です。固定資産の売却収入が減少しましたが、前期は横浜・本社地区における新ビルの建築費用などが計上されており、その負担がなくなったことで相殺されています。その結果、前年並みの投資実績となっています。
フリー・キャッシュ・フローは77億円となっています。
財務活動によるキャッシュ・フローは63億円のプラスとなりました。これは11月に実施した転換社債型新株予約権付社債の発行に伴う収入によるものです。
無線システム事業 北米公共安全市場は堅調

鈴木昭氏:代表取締役専務執行役員セーフティ&セキュリティ分野責任者の鈴木です。トピックスとして、無線システム事業の状況についてご説明します。
スライド左側のグラフは、北米の公共安全市場における売上と受注の推移を示しています。右から2番目の棒グラフが示すとおり、今期は過去にないレベルの受注を見込んでいます。第3四半期までの売上に受注残からの売上を加えると、通期で約230ミリオンドルを超えるレベルまで成長しています。
さらに、積み上がっている受注残は来期の売上にも計上される予定で、グラフに示すとおり右肩上がりで順調に推移しています。部品の供給問題も解消され、売上も伸びる見込みです。
利益率については、前期に続き30パーセントを維持しています。今後も成長を牽引する事業としてさらに売上を大きく伸ばしていく予定です。
スライド右側には補足説明を記載しています。部品供給問題については、まず北米の公共安全市場向け製品の代替検討を優先的に行った結果、第3四半期までに一定の対応ができています。
また第3四半期には大型案件を2件受注しました。これは来期以降の売上となります。
第4四半期以降の見通しですが、第4四半期は部品供給の挽回が進む中で売上収益・事業利益ともに過去最高を更新する見込みです。特に端末案件の受注が順調に伸びています。端末案件の利益率は非常に高いことから、全体での貢献度が非常に大きくなっていくと考えています。
また前期から、公共安全市場に関わる米国の事業会社EF Johnson Technologiesにおいて人員の補強を進めています。これはシステム受注の強化を目的とした施策で、現在順調に採用が進んでおり、入札案件の認識件数が増加しています。
この取り組みが実際に成果を上げて入札案件を獲得するには、1年から2年かかります。来期以降は案件獲得率や入札率の向上を目指していきたいと考えています。
無線システム事業 部品供給不足の影響

部品供給不足の影響についてです。先ほどから民間市場向けの苦戦をご報告していますが、スライド左側のグラフに示すとおり、第3四半期は代替部品に対応した設計変更が進み、部品の供給がある程度回復したため、実績としては期初計画比103パーセントの生産台数となりました。
第4四半期については販売機会損失影響が残るため、若干生産調整を行っています。ただし期初計画からは108パーセントの台数であり、第4四半期での挽回を目指しています。
スライド右側のグラフに示すとおり、今期の売上見込みは一時的に落ち込んでいるものの、来期の見通しについては、今期の期初計画とほぼ同程度まで回復することを、現場とも確認済みです。したがって来期には部品問題は解消する見込みです。
これにより、公共安全市場と民間市場の両方で回復を見込み、大きな成長事業として再び全社を牽引していく考えです。
株主還元について

宮本:株主還元についてです。昨日の決算発表と同時に、上限30億円の自己株式の取得とその消却の決定を公表しました。
当社の株主還元方針は、総還元性向30パーセントから40パーセントの範囲内で株主還元を進めています。今回決定した自己株式取得30億円と、期初に発表した年間配当予想18円を合わせて今年度の総還元性向は約36パーセントとなります。
なお、11月に行った50億円の自己株式取得は資金調達に伴う取得であるため、今期の総還元性向には含めていません。
また当社はすでに10パーセントを超える自己株式を保有しているため、保有目的などを鑑みて、今回取得する株式は全数を消却することを決定しました。
CDP2025「気候変動」分野で最高評価「Aリスト」に初選定

CDP(Carbon Disclosure Project)という国際的な評価機関において、約2万2,100社が環境データを開示している中で、上位4パーセントに入る「Aリスト」に「気候変動」分野で選定されました。
事業とは異なるものの、当社は気候変動についても非常に関心を持って取り組んでいます。このような評価を受けながら、引き続きこれらの活動を推進していきます。
Q&A
質疑応答に関してはこちらに掲載されています。
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