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【QAあり】QDレーザ、COO大久保氏の社長就任を発表 世界トップの量子ドットレーザ技術を強化し、27年3月期の黒字化を目指す

投稿:2025/05/23 17:00

2025年3月期決算説明

長尾收氏(以下、長尾):本日はQDレーザのIRセミナーをご視聴いただき、ありがとうございます。代表取締役社長の長尾です。

大久保潔氏(以下、大久保):執行役員COOの大久保です。よろしくお願いします。

長尾:今週、QDレーザ2025年3月期の決算を発表し、それと同時に社長の交代についても発表しました。現在執行役員COOである大久保が、今年6月の株主総会日をもって社長に就任することが内定しています。これに従い、本日の事業説明や決算説明、事業見通しについては新社長の大久保を中心にご説明します。

まず、この社長交代の背景について私から説明します。昨年2月に、創業者で当時社長の菅原から私に対し、QDレーザを一段高いフェーズに持っていくためのサポートを要請されたことが、私が昨年6月に社長に就任したきっかけでした。実はそのタイミングで、大久保にも一緒にと声がかかっていました。

もともと、19年前の2006年にQDレーザが設立された当時の初代社長が菅原、初代副社長が大久保でした。私も初代取締役でしたので、私の社長就任は、QDレーザ創設に関わった3人が再集結することから始まったといえます。そのような意味では、私と大久保は最初からセットのようなもので、役割を分担し、一緒に事業経営に取り組んでいます。

ただ、大久保が前職の関係でカリフォルニアのシリコンバレーに駐在しており、すぐには動きにくかった事情があって、私が昨年6月にまず社長に就任し、今年1月に大久保は執行役員COOに就任しました。

私のほうが8歳、9歳年上ですので、最初から、やがては大久保に社長を承継することは想定されていたことではありました。今回、そのタイミングが私の社長在任1年での継承となり、選択肢の中で一番早いかたちで現れたと受け止めていただければと思います。

その背景としては、後ほど少しご説明しますが、現在のQDレーザの状況を考えた時に、5年先、10年先を見据えて経営していく必要性が大きいことから、一回り若い世代の大久保に早く引き継いだほうがよいという点があります。もう1つは、今年1月以降、COOとなった大久保に相当程度権限を委譲してやってきましたが、それが上手く回る感触を得たことがありました。

このようなことから、社外取締役とも相談の上、今回の内定に至りました。なお、社長を大久保に引き継いだ後も、チームの一員として私からの必要な関与やサポートは同じように続けていきますので、QDレーザの経営がゆらぐことはないと考えていただければと思います。

次に、QDレーザで今取り組む必要があることは何かについてお話しします。昨年11月に、大久保とも相談しながら中期経営計画を作成し、発表しました。その中で、早期の黒字化と成長可能性の両立をテーマに掲げています。

当社は設立以来、黒字を上げたことがない状況です。投資家のみなさまからお金を集め、それを開発・運営に投じてはまた資金を集めるということを繰り返してきていますが、私は社長就任後、事業運営によってキャッシュが回ることを示すことが大事だと強く感じました。

将来的にさまざまなかたちで前向きな資金が必要になった時も、それまでただ使うだけで、黒字化してキャッシュを増やすことができていない状況では、デットにしろエクイティにしろ調達は難しいと思います。やはり黒字化を早く達成する必要があります。

この黒字化にフォーカスしたものが中期経営計画の中の「ベースライン計画」です。そこでは、QDレーザの将来的におもしろい部分はいったん横に置き、それ以外の部分だけで黒字化を達成しようという計画を立てました。

その1年目である2025年3月期が終わりましたが、売上は前期に比べて上昇し、売上原価は下がっています。したがって、売上総利益は上がり、販管費は落ちていることから、営業利益の状況も改善しています。さらに特別損失もなくなりましたので、純利益の部分も改善しています。すなわち、ベースラインについては初年度としてまずまずの出だしだと思っています。

ベースラインの2年目となる2026年3月期もほぼ中期経営計画の想定どおりです。若干の入り繰りはありますが、これは将来に向けて、レーザデバイス(LD)事業では中期経営計画になかったものでも必要なものにはきちんとお金をかけていく考えをとったためです。また、視覚情報デバイス(VID)事業でも、黒字化するためにどのようなことに取り組んでいくか検討する中で、時間が進むにつれていろいろなアイデアが出てきており、中身は変わりつつありますが、大枠は変わっていません。

つまり2年目についても、まずまずのぺースでの進捗ということですので、大久保に引き渡した以降も、黒字化必達に向けて中期経営計画最終年度の2027年3月期での実現を目指していきます。

一方で、私にとっても大久保にとっても、あるいは当社に投資をしていただいているみなさまにとっても、黒字化だけが当社の目的ではないことは明らかだと思います。つまり、QDレーザの持っている可能性をきちんと引き出すことが大事です。当社は半導体レーザの分野でも、視覚情報デバイスの分野でも、世界の中でもユニークな、最先端のおもしろい技術を持っています。

しかし当社は小さな会社ですので、それらが大きく跳ねる時にすべてを自分たちだけで進めることは難しくなります。そのため、当社のユーザーやパートナーなどと連携し経営資源を出し合ってビジネスを共同で進め、世の中で大きな影響力を持つ製品やサービスが出来上がった際には、当社でしか供給できないテクノロジー、コアの部分を出し、見返りにしかるべき収益をいただく。このような成長可能性をしっかりと追求することが重要だと思っています。

ベースラインできちんと黒字化し、キャッシュを生み出せる基盤を作った上で、今ご説明したような当社の大きな成長となる種をしっかりと育て花開かせていく必要があります。

ただ、これには時間がどうしてもかかります。長年当社を見ていただいている投資家の方々にとっては、逃げ水のようにずっと「もうすぐ、もうすぐ」といっているように感じられるかもしれません。しかし、明らかに当社にはそのポテンシャルがありますので、それをしっかりと追っていくためには、5年、あるいはもっと先の10年先といったスパンで物事を見据え、腹を据えて取り組んでいくことが大事になります。

大久保は私より若いだけでなく、もともとそのようなことが得意なタイプでもありますので、大久保が前面に出るかたちで一緒に取り組んでいくべきであると考え、今回の社長交代に至りました。以上が経緯です。

ここからは大久保にバトンを渡したいと思います。

大久保:先ほどご紹介をいただいた大久保です。今年6月から社長を引き継ぐとのご指名をいただいています。どうぞよろしくお願いします。

簡単に自己紹介をします。長尾の説明のとおり、当社が設立される際に投資担当だったことが直接の接点の始まりでした。2006年の創業前の2年近くの間、どのような会社を作るかを菅原と話していました。

私にとってQDレーザは、いわゆる投資案件でしたが、この投資は紙が既にまとまっていて「ここにお金を出してください」というようなものではありませんでした。当時の富士通研究所が量子ドットレーザをどのようにしていくか検討していた中、さまざまな選択肢を考えたうちの1つがベンチャー企業としての創業でした。

私どもはその頃からご相談をいただき、ベンチャー企業をどのように立ち上げていけば、富士通や東京大学などの関係者のみなさまも納得できる契約が結べるのか等について、菅原と長尾と議論と交渉を続けていました。3人で志を一つにして立ち上げたのがQDレーザだったという経緯です。

おそらくその経緯もあり、菅原は長尾と私の2人に声をかけたのだろうと思っていますし、なんとかその志を引き継いで会社を成功させたいと真摯に考えています。

社名の「QDレーザ」のとおり、量子ドットレーザの実用化は創業当時から会社の核でした。2006年に会社が始まり、その後しばらくしてから私はQDレーザの業務から離れることになりました。

久々に菅原の話を聞き、実際に入社してみて驚いたことは、半導体レーザの世界が格段に変わっていて多くのアプリケーションがあり、会社が多くのお客さまに支えられているという事実です。現在、レーザデバイス事業部には160社を超えるお客さまがいます。一つひとつの商売が小さいという意味でもありますが、グローバルのトップティアの大企業もお客さまに含まれており、そこから大きな商売を獲得していますので、確実に成長してきたのだと思います。それに加えて、視覚情報デバイスなどの新しいビジネスも始まっており、会社の発展ぶりはすばらしいと感じていますし、社員も本当にやる気に満ちていて、なんとかもっと成長させたい、と考えています。

本日は当社について、資料に沿ってご紹介していきます。ぜひ成功させたいと思っていますので、ご支援いただければと思います。よろしくお願いします。

本日の資料は、決算説明資料と、本日のIRセミナーのために用意した資料の2つが組み合わさったものになっています。

Mission 半導体レーザの力で、人類の「できる」を拡張する。

大久保:スライドには、まさに先ほど長尾からご説明したような思いを記載しています。

会社概要

大久保:会社概要についてご紹介します。当社は富士通研究所からスピンオフしたベンチャー企業として、2006年にスタートした企業です。2021年2月に現在のグロース市場である東証マザーズ市場に上場しました。

事業内容としては、半導体レーザデバイス事業、視覚情報デバイス事業の2つがあります。半導体レーザデバイス事業は、最先端半導体レーザの製品化と量子ドットレーザの開発・製品化の2つに分けています。量子ドットレーザが2つ目に記載しているのは、現在レーザデバイス事業の9割近くを、量子ドットレーザ以外のものが占めているためです。中期経営計画で謳っている「ベースライン計画」でも、量子ドットレーザ以外の事業を土台としています。

ただし、量子ドットレーザはこれからの事業の土台になっていくものだと考えています。すでにトップティアの会社からの注文もいただいており、成長の起爆剤となることは間違いないと信じていますので、引き続き取り組んでいきたいと思っています。

視覚情報デバイス事業では、レーザ網膜投影技術を活用した新しいコンセプトの視覚情報デバイスを製品化しています。また、それを使ったロービジョン向けの機器なども開発しています。このように、レーザを使う事業にもしっかり取り組んでいます。

製品拡大の道のり

大久保:製品拡大の道のりです。製品をいくつかの大きなグループに分け、経緯などについてご説明します。スライドの上段はレーザデバイス事業、下段は視覚情報デバイス事業となっています。

レーザデバイス事業は開発した順番に並べており、上から順に、量子ドットレーザ、現在当社の主力製品になっているDFBレーザ、高出力レーザ、次の主力製品である小型可視レーザがあります。視覚情報デバイス事業は、網膜投影技術を独自の技術として開発しており、そこでロービジョン・エイド、スマートグラスなどの製品開発や製造などを行っています。

これらの事業内容については、後ほどもう少し詳しくご説明します。

人類の「できる」を拡張する2つの事業

大久保:スライドには、当社の社会に対するインパクトについて記載しています。「いま既に『できる』こと」「これから『できる』こと」に分けていますが、最先端の技術を開発して世に出すミッションを負った会社だと思っていますので、「これから『できる』こと」をしっかりと具現化していくことに、今後も注力していきたいと考えています。

QDレーザの強み:コアテクノロジー

大久保:QDレーザの強みについてご説明します。スライド左上のレーザ設計としていますが、半導体レーザを作ることが当社の主業であることを示しています。そもそも半導体レーザとは何かといいますと、例えばLEDはみなさまの身の回りにもあり、照明に使うことが一般化していると思いますが、このLEDは半導体です。

非常に簡単にいってしまうと、LEDの光を強くし、特徴あるスペックの光を用意して、産業用途に使います。このような半導体レーザを作っているのが当社です。他にもそのような会社はありますが、その中でもユニークな製品を作っているのがQDレーザです。

なぜそのようなことができるかといいますと、スライドの上段中央に記載している半導体結晶成長が関係しています。レーザデバイス事業では基本的に企業が取引先となります。半導体レーザは小さな電子部品ですので、当社のお客さまがそれを購入し、さらに次のお客さまのお客さまに製品の提案をしていくことになります。

この中でお客さまからさまざまな製品性能の要求があります。お客さまが求めるスペックのものを用意するために、まず設計力が必要になります。自分たちでお客さまのスペックに合うものを設計し、その半導体のコアの部分を自分たちで製造できる点が当社の特徴です。

次のスライドでご紹介しますが、当社はかなりの部分を外注しているセミファブレス企業です。しかしこの半導体結晶成長、最もコアな部分については、自分たちで装置を用意し、自分たちの手で作っています。

続いて、スライド右上の量子ドットです。社名にもあるように、当社のコア中のコアの技術です。量子ドットレーザは新しい種類のレーザです。現在一般的に使われているものとしては量子井戸レーザが多いのですが、その次世代になり得るもので、スペックが非常に特殊です。

その特殊なスペックゆえに、新しいマーケットに対し、新しい性能を活かしながら世に出していくことが求められています。当社がお客さまと一緒に開発していくべきものが、この量子ドットレーザです。

世の中では徐々に「量子ドットレーザをやります」という会社は増えてきているのですが、実用レベルの量産品を作れる会社は、現在でもおそらく世界で2社ぐらいしかないと考えています。そのうちの1社が当社です。

おもしろいのは、量子ドットレーザは世の中にあまりない新しい製品なので、量子ドットレーザを設計できる人もあまりおらず、この半導体結晶成長ができる人もあまりいないということです。ここがやはりコア中のコアであるゆえんで、この製品をどのようにお客さまと一緒に世に出していくか、チャレンジし続けていることが当社の非常に大きな強みです。

スライド下段についても簡単にご説明します。右側の回折格子は、主力製品であるDFBレーザに使う技術ですが、当社はユニークな技術を持っています。中央の「VISIRIUM TECHNOLOGY」は、視覚情報デバイス事業が開発している網膜投影技術のことで、当社が自社で開発しています。

左側の小型モジュールについてです。当社は半導体レーザを作るだけではなく、半導体レーザという小さな部品を、さらに使いやすいかたちでお客さまに提供する取り組みを始めています。温度調整やドライバーと呼ばれるレーザを動かす部品との組み合わせを自社で行い製品としています。この設計も自社で行っており、半導体レーザに関わる幅広い技術を提供できることが当社の特徴でもあり、強みでもあります。

QDレーザの強み:競合優位性

大久保:競合優位性についてです。スライドにはさまざまな色が並んでいますが、途中からグレーになっています。レーザは光を出すものですが、色で表現すると人間に見えるところと見えないところがあり、スライドはそれを示しています。

その下には製品の写真を掲載しています。幅広い周波数帯の製品を展開していることが当社のもう1つの特徴です。この製造をセミファブレスで行っている点も強みです。当社が保有している設備は、基本的に半導体結晶成長に関わるものです。お客さまに納品する最終的な製品は、かなりの部分を外注しています。

レーザデバイス(LD)事業部:主要レーザデバイス製品 一覧

大久保:スライドは主要レーザデバイス製品の一覧で、半導体レーザがどのようなところに使われているのかを簡単に示したものです。当社の製品のカテゴリを小型可視レーザ、高出力FPレーザ、DFBレーザ、量子ドットレーザと大雑把に分けています。

それぞれの製品ごとにぴったり合う用途があり、スライド下部に記載しているような計測、医療、加工、通信、シリコンフォトニクスなどに使われています。

小型可視レーザは、スライドでは医療としていますが、基本的にはバイオ産業が大きなお客さまです。高出力FPレーザは用途が比較的広く、センサなどが中心になっています。DFBレーザは、加工用途に使われています。後ほどご説明します。

量子ドットレーザは、もちろん計測用途などもありますが、特徴的なのはシリコンフォトニクス向けに開発していることです。シリコンフォトニクスは、電気配線に代わる光の配線の一つで、実用化されようとしています。

レーザデバイス(LD)事業部:QDレーザ製品の採用事例

大久保:レーザデバイス事業の採用事例について簡単にご説明します。バイオメディカル分野では、検査・分析装置の光源として創薬などの研究に使われています。医薬品開発のある領域では細胞の研究をしており、インクのようなもので細胞に色をつけて、その細胞に光を当てて観察することを行いますが、その光に半導体レーザが使われています。当社の製品は世界的な大手も含めてこの分野の製品を作っているさまざまなお客さまに使われています。

精密加工では、精密電子機器などの基板の加工等に⽤いられています。例えば、薄い金属板に小さな穴を開けようとする際に、レーザの光で穴を開けることができます。そこではファイバーレーザというものを使いますが、種光と呼ばれる最初の光を出す部分で半導体レーザが使用されており、当社の製品が多くのお客さまに採用されています。

半導体製造プロセスでは、センサやウエハの検査などの製品に当社の半導体レーザが使われています。

視覚情報デバイス(VID)事業部:事業概要

大久保:視覚情報デバイス事業の事業概要です。当社は、スライド左側にある「VISIRIUM TECHNOLOGY」を開発しました。この「VISIRIUM TECHNOLOGY」は、超小型のプロジェクタとして、低出力のレーザによって眼に画像情報を表示する技術です。現在、その技術をスライド右側に記載したようなアプリケーションに広げています。

非常に駆け足となりましたが、当社は以上のような事業に取り組んでいます。

業績ハイライト

大久保:ここからは2025年3月期の業績ハイライトについてご説明します。開示済みの内容となりますが、2025年3月期はレーザデバイス事業の売上高が前期比20パーセント増と大きく伸びました。視覚情報デバイス事業の売上高は前期比で減少していますが、全体の売上高は前期比5パーセント増となり、初めて13億円を超える水準に入りました。

業績ハイライト

大久保:利益についてです。スライド上段に記載のとおり、レーザデバイス事業は前期比242パーセント増と、大幅に収益が改善しています。視覚情報デバイス事業についても損失が縮小し、全社で1億5,800万円営業損失改善できたことが前期の実績です。それに伴い、経常損失、当期純損失も改善しています。

業績ハイライト

大久保:売上構成のブレークダウンです。詳細なご説明は割愛しますが、DFBレーザがレーザデバイス事業の47パーセントを占めており、前期比34パーセント増と非常に好調です。加えて、小型可視レーザも前期比28パーセント増と、収益を大きく牽引しています。

貸借対照表

大久保:スライドは貸借対照表です。

キャッシュフロー

大久保:スライドはキャッシュフローです。すでに発表しているとおり、新拠点への移転を進めており、その関連のキャッシュの支出がありました。計画どおりの内容で、引き続き計画を進めていきます。

受注状況

大久保:受注状況です。2025年3月期末時点で3億3,500万円の受注残高があり、これは過去最高水準となっています。依然として、レーザデバイス事業が好調といえるかと思います。

DFBレーザ:売上高

大久保:製品別の状況ついても簡単にご説明します。DFBレーザは非常に好調で、このトレンドが現在も続いています。

小型可視レーザ:売上高

大久保:小型可視レーザも売上高が大幅に伸びています。スライドの左下右側の写真は「Lantana(ランタナ)」という新製品です。小型のモジュールで、お客さまがすぐに使えるような製品です。6月から量産品をリリースする予定です。

高出力レーザ:売上高

大久保:高出力レーザはおおむね横ばいでしたが、順調な水準にあります。

量子ドットレーザ:売上高

大久保:スライド右下の棒グラフにあるとおり、量子ドットレーザの売上高は横ばいが続いています。当社のお客さまには世界的な大手をはじめ、一流の企業が含まれているため、お客さまが当社のことを、きちんとマーケットに認知されるような半導体を作れるかどうか、開発相手に足ると思っていただけるかどうかが重要です。

これが量子ドットレーザの将来に関わります。現在もそうですがお客さまをサポートすることで、お客さまの製品を世に出せるように、お客さまと一緒になって製品を開発しマーケットを作っていくことをこれからも続けていきたいと思っています。

視覚情報デバイス(VID):売上高その他中期経営計画進捗

大久保:視覚情報デバイス事業の売上高は減少しています。中期経営計画において開発受託(NRE)を行わないとお話ししていましたが、結果的に開発受託がかなり入ってきています。共同開発している相手先からの委託を受けているためで、それが売上を支えています。

2026年3月期予想

大久保:もう始まっていますが、今期の業績予想と目標についてご説明します。レーザデバイス事業は引き続き成長トレンドにあり、足元を固める土台を作ることで着実に事業を伸ばしていこうと考えています。

視覚情報デバイス事業は、大きな特徴として、光学ユニット・部品ビジネスの立上げを掲げています。視覚情報デバイスを作りたいというお客さまがいますので、当社がユニットや部品を提供するB2B型の事業の取り組みを始めています。すでにいくつかの引き合いをいただいています。

2026年3月期業績予想

大久保:計画については公表済みですが、売上高はレーザデバイス事業の成長が継続する見込みです。視覚情報デバイス事業は現実的に数字を積み上げた計画となっていますが、中期経営計画値より上振れすると想定しています。

営業利益については、特にレーザデバイス事業において前期比で大きく下がると想定しています。これはスライド右側に記載のとおり、今期は積極的な開発予算を織り込んでいるためです。この先の2027年3月期、2028年3月期以降の製品競争力や収益強化を目指し、今期は開発をしっかり行うこととして、経営の意思としてこのような予算を組んでいます。

中期経営方針(2025年3月期~2027年3月期)

大久保:中期経営計画の進捗状況です。先ほど長尾からお伝えしたとおり、2027年3月期の全社黒字化の必達に向けて、ぶれずに取り組んでいきたいと思っています。このスライドの記載は2026年3月期と大きく変わりませんが、2027年3月期もレーザデバイス事業、視覚情報デバイス事業の各々で、収益拡大を目指して一歩一歩着実に進めていきたいと考えています。

なお、詳細な数字については割愛します。

成長可能性の追求:成長を支える取組み方針

大久保:最後に、次期社長就任に向けて実現したいことをまとめました。まずは、土台としてB2B型でしっかり事業を作ります。また、世界トップの技術をより強化し、B2Cについては独自製品で強みのあるものに集中していきたいと思います。

これらを通じて堅固な収益基盤を構築し、最先端製品をトップティアのお客さまに提供することも目指します。チャンスがあればInorganicな成長についても果敢に取り組んでいきたいと思っていますが、こちらは無理してやることではありませんので、株主のみなさまにきちんと納得いただけるかたちでいろいろな施策を打っていきたいと考えています。

質疑応答:新社長としての方針について

1UP投資部屋Ken氏(以下、Ken):大久保さんが変化させていきたい部分や、長尾さんの方針を踏襲していきたい部分についてお聞かせください。

大久保:一番注視していきたいことは中期経営計画の達成、2027年3月期の全社黒字化です。これはなんとしても達成したいと思っています。

また、会社としての道筋は長尾が整理してきたと思いますので、それをしっかり収益に変えることに取り組んでいきます。大きな軸としてはB2B型への移行です。ここを収益の土台にしていくべく、力を入れていきたいと考えています。

質疑応答:2026年3月期の経営方針について

Ken:2026年3月期に関してはレーザデバイス事業を中心に先行投資期間とし、2027年3月期に売上高・営業利益を伸ばして、黒字化を目指すというご計画ですよね?

大久保:そのとおりです。やはりグローバル競争がある世界ですので、製品力が非常に重要だと思っています。それを今ある体力の中で、バランスさせながら経営していくことが重要だという認識を持っています。2027年3月期の全社黒字化、さらに2028年3月以降の数字を達成していくことを見据えると、ある程度の予算をレーザデバイス事業への投資に割きたいと考えています。

質疑応答:取引先の要求スペックへの対応について

Ken:先ほど、取引先にはグローバルのトップティアの企業がいるとのお話がありましたが、開発時にそのような企業から「このような製品があったらいいよね」という要望を聞くこともあると思います。それを見越して、そこに予算をつけていくこともあるのでしょうか?

大久保:当社の作っている半導体レーザは規格品ではありません。お客さまとすり合わせながら、スペックに合ったものを出しています。その中でお客さまから「これでいいよ」といっていただければ、量産認定となり、数量が出るかたちです。

お客さまの要求スペックというのは、いってみれば無限にあります。それに対して、現実にできることを増やしていき、ビジネスを拡大していくことが必要になりますので、そのようなイメージで取り組んでいます。

質疑応答:中期経営計画の評価について

Ken:中期経営計画を公表してから半年ほど経つと思いますが、ポジティブな点や、もう少しがんばらないといけないような課題点があれば教えてください。

大久保:中期経営計画の鍵は、会社としての優先順位を明確にしたことだと思います。これにより組織全体が非常に引き締まり、方向性が整ったと感じています。

その上で想定どおりの利益を出していくことが次の課題になります。ビジネスですので、もちろんすべてが計画どおりに進むわけではないのですが、そこを克服していくにも経験値や実力が問われます。日々、どんどんチャレンジしているところです。

質疑応答:米国情勢の影響について

荒井沙織氏(以下、荒井):「米国の情勢に関連して、関税など直接的な影響と、景気悪化などの間接的な影響があると思いますが、そのような影響は考えられますか?」というご質問です。

大久保:米国の関税の影響については、一度しっかり調べました。当社のレーザ製品の売上高のうち十数パーセントが米国のお客さまですので、もちろん心配はありますが、当面は大きな影響はないと見ています。また、受注状況も現時点で特に変化はないです。

当社の製品はお客さまとすり合わせながら納入しているため、簡単にはリプレイスできません。そのため、耐えられる力は比較的あるのではないかと考えています。

質疑応答:設備投資について

荒井:「今後、量産の規模が増えた場合に、設備投資のための増資は予定していますでしょうか? あるいは、現在の自己資本で賄うことは可能でしょうか?」というご質問です。

大久保:現時点で増資は考えていません。ただし、設備投資等は適切なタイミングで行う必要があると思っていますので、自己資金やdebtを組み合わせながら、企業として妥当な範囲で実施したいと考えています。

長尾:よくご質問をいただくため、補足しておきます。中期経営計画ではキャッシュのボトムが20億円を下回らず、増え始めるという想定になっています。その根幹は変わっていませんので、資金を調達する必要がありません。

大久保からもお伝えしたとおり、もし設備投資が必要になったとしても、自己資金ないしは借入、場合によってはリースなどを組み合わせる方針です。エクイティによる調達には頼らないように進めていきたいと考えています。

質疑応答:TDK社とのスマートグラスの共同開発について

荒井:「TDK社と共同開発しているスマートグラスの開発の進捗を教えてください。これまでは省電力化とアイトラッキングが主な課題であったと認識していますが、それらに目処がついた今、1年後くらいに開発が終了しそうなのかが気になります」というご質問です。

大久保:展示会等では発表していますが、このような活動はこれからも続くと思っています。特にTDK社に関しては、当社が技術を開発し、提供する立場です。お客さまの要求は無限に続くものですので、どこまでいけば開発終了と考えるかは、お客さまの戦略次第でもあるかと思います。

質疑応答:長尾社長の退任後の関わり方について

Ken:「長尾社長は退任後にどのように会社をサポートしていく予定ですか?」というご質問です。

長尾:現在、すでに日常業務については大久保に権限委譲して、それをサポートするかたちに近づいています。現場でなにが起きているか、あるいは経営レベルでなにが課題であるかについてつぶさに把握し、自分の考えや気づきをいうことに変わりはありません。

ただし、決定権限という意味では、新社長の決定に従います。非常勤や社外取締役ではなく業務執行取締役となりますので、現場の業務を密に把握しながら、大久保の意思決定やその実施をサポートしていこうと考えています。

質疑応答:量子ドットレーザの競合との比較について

Ken:「量子ドットレーザの量産品を作れる企業はもう1社あるとのことですが、その企業と御社を比べた時に、技術面や規模感などについて可能な範囲で教えてください」というご質問です。

大久保:当社が明確に競合であると意識しているのは、ドイツのInnolume社ですが、最近は他の会社からも「量子ドットレーザの量産を始めます」というリリースが出始めています。社会的なニーズは増えているのだろうと思いますが、少なくともお客さまの評判を聞く限り、新規参入企業はまだ技術レベルが当社らには追いついていないと認識しています。

Innolume社についても、お客さまからは「QDレーザのほうが良い」との評価をいただいていますので、当社はいまだに世界のトップティアにいると思っています。

Ken:量子ドットレーザへの参入を発表する企業が増えてきている中、実際にどう活用できるかはまた別問題かと思いますが、新規参入が増えることにより、マーケット自体も拡大していきやすくなるのでしょうか?

大久保:現在世の中で使われている量子井戸レーザに対して、量子ドットレーザはスペック的に特徴があり、人によっては弱みに見える部分もあります。例えば、パワーや変調スピードなどは量子井戸レーザとは明らかに違います。一方で、強みとしては、高温環境に極めて強いことなどがあります。

したがって、最終的にはマーケットを分け合いながら存在することになるだろうと考えています。ただし、量子ドットレーザが普及するためには、その先々のバリューチェーンも含めて、お客さまから長く信頼を得ていかなければいけないため、時間はかかると思うのですが、確実に広がっていく世界を思い描いています。

質疑応答:量子ドットレーザの市場環境について

Ken:「量子ドットレーザの市場環境について教えてください」というご質問です。

大久保:スライドに記載のとおり、9の企業や大学・研究機関に製品を供給していますが、その多くからリピートオーダーをいただいています。ただし、数量的にはまだ研究開発レベルにとどまっています。このお客さまが、さらに先のお客さまへ量産製品を出せるかという点については、現在は研究開発に全力を注いでいる段階だろうと思います。

やはりシリコンフォトニクスは非常に注目されています。しかし今は電気で動いているものを完全に置き換えるには、課題も多いです。取り組んでいるお客さま各社がそれぞれの方法で最適解を探しているところだと思っていますが、これが実現すれば、菅原が語っていたように、大きなマーケットになるだろうと考えています。

質疑応答:2028年3月期以降の成長イメージについて

Ken:「2027年3月期の全社黒字化は必達とのお話でしたが、2028年3月期以降はどのように成長していくことを想定していますか? 現在のお考えをお聞かせください」というご質問です。

大久保:決算概況のとおり、会社を支えるのはレーザデバイス事業であることは変わらないだろうと思っています。中期経営計画のベースラインについては、2028年、2029年になっても着実に積み上がっていくものだと考えていますので、その安定感を示せるようになることを目指します。

また、成長の中身としては、量子ドットレーザもそうですし、スマートグラスなどの視覚情報デバイス事業でもいろいろなチャンスがあると思います。ただし、いつどのタイミングでどう花開くかは、お客さまと一緒に開拓していくところがありますので、2030年頃の開花を目指して着実に進めていきます。その芽生えは2027年3月期に少し見えてくるのではないかと思っています。

数字などはまだまとめる段階にないため、進捗を見ながら、追ってご説明できるようにしていきたいと考えています。

質疑応答:菅原氏の立ち位置について

Ken:「今回、菅原さんの姿が見えませんが、技術開発で前線に立っているという理解でよいでしょうか?」というご質問です。

大久保:菅原はファウンダー兼最高技術顧問という肩書きのとおりに活動しています。技術開発などは世代交代がしっかり進んでおり、菅原だけではなく他に能力の高いエンジニアが揃っていますので、彼らが中心となる体制に変わりつつあります。

ただし、菅原はレーザ業界内やグローバルでの認知度が非常に高いですし、私とも非常に親しいため、新しいネットワークや技術トレンドなどの情報を、菅原経由でいろいろ得ながら、戦略に活かしていくように動いています。

長尾氏からのご挨拶

長尾:私は1年で社長を引き継ぐことになりましたが、ご説明のとおり、QDレーザという会社の面白味は変わっていないと思いますし、それを花開かせたいという思いも変わっていません。これからも一生懸命取り組んでいきますので、みなさまからのサポートをぜひお願いしたいと思います。

一方で、私の社長在任中は残念ながら株価が上がらなかったのも事実です。そこは申し訳なく思っていますが、大久保と一緒に企業価値を高めていきますので、よろしくお願いします。

大久保氏からのご挨拶

大久保:当社をゼロから作った長尾も菅原も、そして私も同じ思いを共有しており、今なお当社は「本物のディープテックベンチャーの代表格」という自負があります。1日も早く収益を拡大させ、世界に冠たる会社となった姿をみなさまに見せられるように業務に邁進していきます。全力を尽くし、会社を経営していきたいと思いますので、ご支援をいただければと思います。よろしくお願いします。

当日に寄せられたその他の質問と回答

当日に寄せられた質問について、時間の関係で取り上げることができなかったものを、後日企業に回答いただきましたのでご紹介します。 

<質問1>

質問:僅か1年での社長交代について敵前逃亡と捉えられかねません。株主への納得のいく説明が求められます。

回答:ライブ中継で回答済みですが、当社の創業にかかわった長尾、大久保の2人の組み合わせによって企業価値向上を目指していくという枠組みの中で、やがて大久保に社長を継承する可能性は想定の中にありました。今回、その継承の実行を、選択肢の中で最も早いタイミングで行うことが得策であると判断したものです。長尾は、引き続き業務執行取締役として大久保新社長と共に当社経営への貢献を継続していきます。

<質問2>

質問:御社のHPには量子ドットレーザは世界で唯一量産化に成功とありますが、これは本日時点においても文字どおりに理解してよいのでしょうか。

回答:世界で最も早く量産化に成功しましたので、その時点で唯一であったことは間違いないという認識であり、その後、他社が明確なかたちで量産化に至った事実は把握していませんので、現時点では唯一といえると考えています。ただし、他社についての判断は難しい面があり、ドイツのInnolume社は、量産できる能力を備えている可能性がうかがえます。他社動向も踏まえて記述・表現の変更も検討していきます。

<質問3>

質問:IRに力を入れるという言葉を過去にお聞きしました。他社の特許情報に御社の名前が記載されていることがありますが、IRとして発表されないのはなぜなのでしょうか? 素人質問で申し訳ありませんがご教示ください。社長交代がどのように作用するかを楽しみにしています。

回答:特許出願や公開は重要な技術的進展を示すものではありますが、それがすぐに事業や業績に直結するとは限らないため、IRとしての開示判断は個別に行います。その内容や戦略的意義を考慮したうえで、適切なタイミングでの開示を行います。

<質問4>

質問:長尾社長は社長退任後にどのように会社をサポートしていく予定なのかを教えてください。

回答:ライブ中継で回答済みですが、非常勤や社外取締役ではなく業務執行取締役として、現場で何が起きているか、あるいは経営レベルで何が課題であるかについてつぶさに把握し、自分の経験・知見に基づき意見を述べ、相談に乗り、大久保新社長の意思決定やその実施をサポートしていくつもりです。決定権限という意味では新社長に従いますが、要請があれば個別案件の担当もします。

<質問5>

質問:元々お2人がパッケージであったということであれば、長尾氏が社長就任した時点で長期ではないこと、もしくは少なくとも大久保氏がCOOに就任した時点で新社長候補であることを開示すべきではなかったのではないでしょうか? 前経営陣退任後、株価は半分程度まで下げました。大久保氏COO就任で一段下落し、今回の社長就任でさらに下落しました。2度も下げることにはならなかったと思いますがいかがでしょうか。

回答:長尾の社長就任の段階で、将来的な大久保の取締役就任や社長登用といった構想はありましたが、社外取締役を含め正式な意思決定や社内の合意が整っていたわけではなく、あくまで可能性のひとつでした。そのため、外部への開示は時期尚早でした。情報の透明性は大切にしますが、社内の検討段階にある事項を開示することが誤解や混乱を招くおそれも踏まえた判断であったとご理解ください。

<質問6>

質問:量子ドットレーザのもう1社の量産可能企業とQDレーザの技術面、規模感等の比較についてコメントください。

回答:まったく同じ製品を作っているわけではありませんので性能の単純比較は難しいのですが、当社製品の方が高温特性に優れていると考えています。また、顧客からは量産時の低コスト体制を評価いただいています。

<質問7>

質問:お2人がQDレーザの創業にかかわったのは分かりましたが、20年近く前の話のようです。株主の関心は過去ではなくお2人がQDレーザ社の将来にどう貢献していただけるかのほうが重要です。質問ですが、お2人は半導体レーザ技術をどこまで理解できるバックグラウンドをお持ちでしょうか? また、半導体レーザの販売に貢献できるバックグラウンドについてはいかがでしょうか? それら2点に加えて、社内事業体制についてもご説明くださると助かります。

回答:長尾も大久保もエンジニアではなく半導体レーザの営業を経験したことはありませんが、レーザデバイスの顧客は技術系の企業であり、トップダウン営業で大きな売上が立つことは考えにくい領域です。当社レーザデバイス事業部はエンジニアと営業担当がチームを組んで顧客の技術的な要求に応えながら受注を獲得する体制を取っており、着実に量産認定製品を獲得し売上を伸ばしていきます。

<質問8>

質問:他社のこんな技術と融合したらもっと良いものができるのではというものはあるのでしょうか?

回答:レーザの新しいアプリケーションには常に注目していますが、当社の強みを活かしつつ他社技術と組みあわせることで大きなブレークスルーを達成するには時間がかかるのが実情です。小型可視光レーザのコンポーネント製品の販売を開始していますが、他にも市場性の高いコンポーネント領域で、当社だけでは製品開発が難しい場合には他社技術と組み合わせていくという可能性はあります。

<質問9>

質問:こんなものにも製品が使われる可能性があるのでは、という展望はありますか。

回答:DFBレーザは航空宇宙用途、量子ドットレーザは民生機器への応用の可能性があります。

<質問10>

質問:半導体における量子レーザーの市場環境を教えていただけますか?

回答:ライブ中継で回答済みですが、量子ドットについては、企業や大学・研究機関に製品を供給し、その多くからリピートオーダーを得ています。ただし、数量的にはまだ研究開発レベルにとどまっており、当社顧客がそのさらに先のユーザーに量産製品を出せるかにつき、当社顧客が注力中という段階です。

シリコンフォトニクスが非常に注目されていますが、電気で動いているものを光に置き換えるには課題もあり、当社顧客やパートナー企業各社がそれぞれ最適解を探しているところです。そのいずれかが実現に至れば、大きなマーケットになると期待しています。

<質問11>

質問:今回、菅原さんのお姿が見えませんが、技術開発で前線に立たれているという理解で良いでしょうか?

回答:ライブ中継で回答済みですが、菅原はファウンダー兼最高技術顧問という肩書きのとおりに活動しています。当社における技術開発は世代交代が進んでおり、菅原だけではなく他に能力の高いエンジニアが揃っていますので、彼らが中心となる体制に変わりつつあります。

<質問12>

質問:2027年の黒字化以降(2028年以降)の成長性についてどのように考えていますでしょうか? またその際の成長ドライバーは何になりますでしょうか?

回答:ライブ中継で回答済みですが、当社を支えるのがレーザデバイス事業であることは変わらないだろうと考えており、中期経営計画のベースラインに該当する部分については、2028年、2029年になっても着実に積み上げていくことを目指します。

将来成長の軸としては、量子ドットレーザに加えて、スマートグラスなどの視覚情報デバイス事業でもいろいろなチャンスがあると考えています。それらが、いつどのように結実していくかに関しては、当社の顧客・パートナーと一緒に、2030年頃の開花を目指して進めていきます。その萌芽は2027年3月期に見え始めると想定していますので、その段階で具体的数値目標に落とし込んでいければと思います。

<質問13>

質問:トヨタやデンソーとLiDARなども研究されているのでしょうか?

回答:具体的な社名は申し上げられませんが、LiDARも共同開発中のアプリケーションのひとつです。

<質問14>

質問:量子ドットレーザを活用した、意欲的でかつ実用化のタイムラインが明確に見通せるパートナー企業さまの提案などはありますか?

回答:共同開発先にはそれぞれロードマップが定められていますが、全てが当社に共有されているわけではありません。当社としては顧客のロードマップの実現に向けて、要求に合う高品質なレーザを提供することにより貢献してまいります。

<質問15>

質問:菅原社長時代からの量子ドットレーザの爆発的な成長はいつでしょうか? 実現の確度は高いのでしょうか?

回答:当社の顧客企業における事業展開のロードマップによることになりますが、大きな市場の立ち上がりは2030年頃と想定しています。

<質問16>

質問:可視レーザに関して、「新波⻑(488nm、552nm)」と「高出力化(30mW→50mW) 」の開発の進捗状況と、売上の見通しを教えてください。また量子ドットレーザの仕様変更は、どのようなもので、これで光電融合の社会実装に向けて大きな一歩となったのかどうか、できる範囲で教えてください。

回答:新波長の開発は年内のサンプル出荷を目指して順調に進捗しており、売上への寄与は2027年3月期からと考えています。50mWはすでに製品化しています。量子ドットレーザの仕様変更は軽微ですが、詳細は顧客側の機密にかかわりますので申し上げることができません。

<質問17>

質問:昨年の社長、本年のCOO就任と新しい経営陣が加わったことによる会社の具体的成果や変化があれば教えてください。

回答:中期経営計画を策定し、黒字化目標を明確にするとともに、事業をベースラインと成長可能性の追求に分類し、その道筋を社内外に示して実行しています。

<質問18>

質問:資金調達の予定はありますか? レーザの専門商社出身ではない2名ではトップラインへの貢献は難しく、できるのは資本業務提携ぐらいだと思います。

回答:現在、他社との資本提携を含め、具体的な資金調達の計画はありませんが、当社の企業価値向上に資する他社とのさまざまなかたちでの提携は模索して参ります。

<質問19>

質問:NTTのIOWN構想も本格化と共に6Gの普及が加速すると考えているので、今がQDレーザにとって非常に重要な訴求時期であると思います。現状の営業動向について教えて下さい。

回答:IOWN構想への参画は当社の顧客が判断されるところとなりますが、IOWN構想に限らず光通信の将来を見据え既存の量子ドットレーザを購入するのではなく、当社の量子ドットを用いた独自のレーザを開発するためにウエハ販売を希望される顧客が増えています。量子ドットレーザの裾野を広げるべく量子ドットウエハの販促活動も積極的に行っています。

<質問20>

質問:NTTのメンブレン技術と量子ドットレーザの違いはなんでしょうか?

回答:メンブレン技術は超小型・低消費電力を目指したレーザ構造の名称で、現在は活性層に量子井戸が用いられています。量子ドットレーザは活性層に量子ドットを用いたレーザの総称で、さまざまなレーザ構造を含みます。

<質問21>

質問:スマートグラスについて、自社単独開発・販売はないのでしょうか? その場合、発売時期はいつ頃になるのでしょうか? また、パートナーとの連携する場合の販売時期はいつ頃になるのか教えてください。

回答:スマートグラスについては、パートナー会社と連携しつつ開発を行っていますが販売時期については未定です。また自社開発については、現時点で具体的な決定はしていませんが、当社技術を使用した当社独自開発が有益であると判断できた場合に行う可能性はあります。

<質問22>

質問:量子ドットレーザのアイオーコア社向け追加の量産受注予定は現時点でないのでしょうか? その他の顧客向け量産受注は、まだ発生しないのでしょうか?

回答:現時点では追加受注は決定していません。また、他の顧客向けについては、将来的な量産につなげられるよう取り組みを続けていますが、現段階では開発フェーズでの受注となります。

<質問23>

質問:まったくIR活動を行っていません。株主を不安にさせすぎな状況は変わらず残念に思っています。しっかりしてください。

回答:昨年(2024年)11月に発表した「黒字化と成長可能性の両立」を掲げた中期経営計画で定めたベースライン計画を達成して2027年3月期黒字化を実現し、かつ並行的に当社のもつ成長可能性を形にすることに取り組んでいきます。そして、その進捗状況を丁寧にお伝えし、内容を伴った開示を行うことで、当社の将来性が反映された企業価値を株式市場に認識いただけるよう尽力していきます。

<質問24>

質問:今期を黒字化する方策はないのでしょうか?

回答:2027年3月期黒字化を目指す一方、2026年3月期においても、(方策は具体化に至っていませんが)赤字額削減策について機を逃さぬよう取り組んでいきます。

<質問25>

質問:毎月のリリース目標数は設定しているのでしょうか? 以前はTV番組等で取り上げられていましたが、メディア露出が激減しているように感じます。業績予想修正が伴わなくても商談獲得の事実を開示する会社もあります。もっと開示の回数を増やしてください。

回答:顧客の新製品開発にとって中核となる部品を提供することが多いという当社業態の性質上、顧客が当社との商談内容公開を嫌う傾向がありますが、内容を伴った開示を増やせるよう取り組んでいきます。

<質問26>

質問:光学ユニット・部品ビジネスについてどれだけの需要が見込めますか? 用途についても教えてください。

回答:当社の網膜投影機器に使用している「レーザ+MEMS」の光学ユニットを切り出して産業用途へ展開する可能性について顧客との議論を開始しています。BtoBビジネスを視覚情報デバイスのもう一つの柱とすべく複数の顧客へ提案を行う予定で取り組んでいます。

<質問27>

質問:14日の決算発表を受け、株価が大幅安、連続赤字が続いています。上場企業として27年黒字化に対して、多くの投資家から信頼されてないのではないでしょうか?

回答:昨年(2024年)11月に発表しました「黒字化と成長可能性の両立」を掲げた中期経営計画において定めたベースライン計画を達成して2027年3月期黒字化を実現し、かつ並行的に当社のもつ成長可能性を形にしていくことで、当社の将来性を反映した企業価値を株式市場に認識いただけるよう尽力していきます。

<質問28>

質問:レーザデバイスの製品群について同業の競争相手がいれば教えてください。

回答:Coherent(DFBレーザ、小型可視レーザ)、Innolume(DFBレーザ、エピウエハ)が挙げられます。

<質問29>

質問:特に視覚情報デバイス事業は長年赤字が続いていて、黒字化の見込みがなければ、そちらへの無駄な投資をやめた方が良いのではないでしょうか?

回答:視覚情報デバイス事業においては新たな投資はほとんどなく、現在はこの技術の他社連携も含めてマネタイズを図るべく推進しています。

<質問30>

質問:今回の決算説明資料から量子ドットレーザの記載ページが消えましたが、量子ドットレーザは期待できないことになってしまったのでしょうか?

回答:決算説明資料の構成を見直して要点を集約した結果であり、期待値とは関連ありません。詳細な説明資料は成長可能性資料でお示しします。

<質問31>

質問:量子ドットレーザーがなかなか普及しないのは、どのような理由が考えられますか?

回答:現在は変調器集積型量子井戸レーザを用いた非シリコンフォトニクス製品が多く使われていることに加え、多数の大手企業が生産していることで量子井戸の方が量子ドットより価格競争力が高いことが要因と認識しています。今後は高温耐性が必要となるような環境への用途拡大が見込まれており、中期的には量子ドットレーザの普及が期待されます。

<質問32>

質問:量子ドットレーザーは現在、何社と共同開発されていますか?

回答:日米欧の9社です。

<質問33>

質問:万博でのグリーンデータセンターについての展示やIOWN、国内外の光電融合の動向等のニュースに触れる機会が多くなってきましたが、御社の技術や製品が縁の下でどのように貢献できているのか気になります。目に見えない部分でも関わることができているのでしょうか?

回答:これらの高速大容量通信の光送受信部品としてシリコンフォトニクスが有望視されています。当社はなかでも高温環境下におけるシリコンフォトニクス用光源メーカとして貢献できると考えています。

<質問34>

質問:御社の網膜投影技術は現状、視覚障害者支援にとどまっているように思いますが、映像を4Kのレベルで投影できた場合、視力矯正なく通常視力が出て一般ユーザーにも活用の場が広がるのでは、と期待するのですが、技術的に実現可能性はどの程度の状況にあるのでしょうか。

回答:パートナー会社さまとAR、 VR用スマートグラスの開発を行っており、その中で4Kレベルの製品も開発ターゲットには入っています。

<質問35>

質問:ここにきて社長交替が頻繁ですが、中長期計画どおりに進んでいますか?

回答:2025年3月期は中期経営計画を上回る結果となりました。2026年3月期は2028年度以降の成長のための開発を行うため、中期経営計画より若干減益と見ていますが、総体的には中期経営計画に沿って進んでいます。

<質問36>

質問:アイオーコアへ納品される部品の大量生産は予定通りですか? また、これらの部品はNTTのIOWN構想へ提供されますか?

回答:レーザチップは顧客要求に沿って納入しています。IOWN構想につきましては顧客側の情報になるため回答は控えます。

<質問37>

質問:毎年のように、決算説明資料には、「日⽶欧計9社とシリコンフォトニクス⽤光源等の共同開発を推進中」とありますが、実際どのくらい進捗しているのでしょうか?

回答:各社により進捗状況は異なるため一概には申し上げられませんが、当社から着実に各顧客の要求に合った量子ドットレーザの供給を続けています。

配信元: ログミーファイナンス

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