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*16:11JST フルテック Research Memo(1):2024年12月期第2四半期は大幅増益
■要約
フルテック<6546>は、創業60年を超え、自動ドア開閉装置の販売・設計・施工・保守サービスなどを行う「自動ドア関連事業」、ステンレス建具の製造・建築金物の制作・販売などの「建具関連事業」のほか、「その他事業」として駐輪システム、分煙システムの販売、セキュリティボックスなどの制御システムの企画・開発・製造事業を展開する。札幌に本社を置き、連結子会社2社とグループを構成する。東日本・九州に販売・サービス網38支店・営業所を設置し、「技術力と人間力であらゆるお客様に満足を届ける。」をパーパスとして営業展開する。新たな価値を付加した自動ドアを提案し続け、事業領域の拡大と成長を目指す。
1. 2024年12月期第2四半期の業績概要
2024年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高6,922百万円(前年同期比7.5%増)、営業利益381百万円(同97.3%増)、経常利益416百万円(同91.5%増)、親会社株主に帰属する中間純利益275百万円(同98.3%増)と増収かつ大幅増益となった。売上高は、大型物件の新規受注が増加するとともに、リニューアル(取替)の受注が好調だった建具関連事業※が2ケタ成長と好調に推移した。損益面では、選別受注・採算管理の徹底や、仕入価格上昇に対する価格転嫁の効果により、売上総利益率は33.1%と前年同期を2.8ポイント上回り、売上総利益は同17.3%増となった。販管費は、人件費、新商品開発に向けた研究開発費、M&A関連費用など成長投資により同8.5%増となったが、売上総利益の増加で吸収し、営業利益ほか各段階利益は大幅な増益となった。また、前年同期に6百万円の損失を計上した建具関連事業のセグメント利益は、162百万円増益となり黒字転換した。
※ 近年「建具リニューアル」が伸長しており、2024年12月期より従来「自動ドア関連事業」セグメントに含まれていた「建具リニューアル」を「建具関連事業」セグメントへ区分変更した。比較のため2023年12月期のセグメント情報は、変更後の区分方法により修正したものを掲載している。
2. 2024年12月期の業績見通し
2024年12月期の連結業績は、売上高14,000百万円(前期比9.5%増)、営業利益520百万円(同16.0%増)、経常利益550百万円(同11.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益335百万円(同40.0%増)と増収増益を見込む。上半期業績の通期計画に対する進捗率は、売上高が49.4%と順調に推移し、営業利益は73.3%と計画達成が視野に入っている。売上高は、自動ドア関連事業のリニューアル、建具関連事業の受注状況が順調に推移しており、それぞれ前期比11.7%増、同13.4%増と2ケタ成長を見込む。リニューアル・メンテナンスにおいて、営業強化により自動ドアのエンドユーザーとのつながりを創出し、需要の掘り起こしを進める計画だ。加えて、(株)ワイズ・コーポレーションの連結子会社化によりその他事業も同40.5%増収を見込む。損益面では、引き続き仕入価格上昇に対する適正な価格転嫁や選別受注・採算管理を徹底しながら、新規物件の利益率改善に取り組むほか、利益率の高いリニューアル売上の増加、24時間365日遠隔モニタリングを行う保守点検サービス「Fi-R(リモート)」の契約率伸長など業務のDXにより、各段階利益の増益を見込む。
3. 中長期の成長戦略
同社は、水平・垂直・“プラスα”の3本の成長軸での成長戦略を描いている。水平方向への成長戦略とは、市場領域の拡大だ。東京を中心とした関東地区におけるシェアアップ及び中部・西日本地区など販売・保守サービス拠点の未進出エリアへの事業拡大を目指す。垂直方向への成長戦略とは、ビジネス領域の拡大だ。ストック市場の開拓及び商品開発力の強化を目指す。ストック市場であるリニューアル・メンテナンス市場において、エンドユーザーに対する営業力の強化、トータルリニューアルの推進、「Fi-R」の契約率向上によるローコストで効率的なメンテナンス体制の構築などに注力する。“プラスα”の成長軸とは、新たな事業領域の拡大だ。新たな価値を付加した自動ドアの提案や、自動ドア以外の新商品の開拓を目指す。これまでも他社との共同開発により「eメディアドア」(画像解析AIと自動ドアとの組合せ)や「ソーシャル アイ」(インフォメーション機能を備えた非接触バリアフリートイレドアスイッチ)など新機能を備えた新商品を提供してきたが、こうした商品開発の内製化を進める。その戦略の第一歩が2024年1月のワイズ・コーポレーションの連結子会社化だ。ワイズ・コーポレーションは保管庫セキュリティシステムや遠隔操作・監視など制御システムの企画・開発・製造を行っており、同社の自動ドア及び関連商品のセキュリティ・制御機能などの開発内製化を可能にする。また、同社のエンドユーザーとなる施主やビル管理会社などに対して宅配ボックスやオフィスのパーソナルロッカーなどの販売、セキュリティの強化提案などが可能となり、今後のシナジー効果が大いに期待される。
■Key Points
・2024年12月期第2四半期は増収大幅増益、建具関連事業が黒字化
・2024年12月期は自動ドア関連事業のリニューアルや建具関連事業がけん引し増収・増益見込み
・商品開発内製化に向けたM&A実行で事業領域拡大を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
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フルテック<6546>は、創業60年を超え、自動ドア開閉装置の販売・設計・施工・保守サービスなどを行う「自動ドア関連事業」、ステンレス建具の製造・建築金物の制作・販売などの「建具関連事業」のほか、「その他事業」として駐輪システム、分煙システムの販売、セキュリティボックスなどの制御システムの企画・開発・製造事業を展開する。札幌に本社を置き、連結子会社2社とグループを構成する。東日本・九州に販売・サービス網38支店・営業所を設置し、「技術力と人間力であらゆるお客様に満足を届ける。」をパーパスとして営業展開する。新たな価値を付加した自動ドアを提案し続け、事業領域の拡大と成長を目指す。
1. 2024年12月期第2四半期の業績概要
2024年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高6,922百万円(前年同期比7.5%増)、営業利益381百万円(同97.3%増)、経常利益416百万円(同91.5%増)、親会社株主に帰属する中間純利益275百万円(同98.3%増)と増収かつ大幅増益となった。売上高は、大型物件の新規受注が増加するとともに、リニューアル(取替)の受注が好調だった建具関連事業※が2ケタ成長と好調に推移した。損益面では、選別受注・採算管理の徹底や、仕入価格上昇に対する価格転嫁の効果により、売上総利益率は33.1%と前年同期を2.8ポイント上回り、売上総利益は同17.3%増となった。販管費は、人件費、新商品開発に向けた研究開発費、M&A関連費用など成長投資により同8.5%増となったが、売上総利益の増加で吸収し、営業利益ほか各段階利益は大幅な増益となった。また、前年同期に6百万円の損失を計上した建具関連事業のセグメント利益は、162百万円増益となり黒字転換した。
※ 近年「建具リニューアル」が伸長しており、2024年12月期より従来「自動ドア関連事業」セグメントに含まれていた「建具リニューアル」を「建具関連事業」セグメントへ区分変更した。比較のため2023年12月期のセグメント情報は、変更後の区分方法により修正したものを掲載している。
2. 2024年12月期の業績見通し
2024年12月期の連結業績は、売上高14,000百万円(前期比9.5%増)、営業利益520百万円(同16.0%増)、経常利益550百万円(同11.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益335百万円(同40.0%増)と増収増益を見込む。上半期業績の通期計画に対する進捗率は、売上高が49.4%と順調に推移し、営業利益は73.3%と計画達成が視野に入っている。売上高は、自動ドア関連事業のリニューアル、建具関連事業の受注状況が順調に推移しており、それぞれ前期比11.7%増、同13.4%増と2ケタ成長を見込む。リニューアル・メンテナンスにおいて、営業強化により自動ドアのエンドユーザーとのつながりを創出し、需要の掘り起こしを進める計画だ。加えて、(株)ワイズ・コーポレーションの連結子会社化によりその他事業も同40.5%増収を見込む。損益面では、引き続き仕入価格上昇に対する適正な価格転嫁や選別受注・採算管理を徹底しながら、新規物件の利益率改善に取り組むほか、利益率の高いリニューアル売上の増加、24時間365日遠隔モニタリングを行う保守点検サービス「Fi-R(リモート)」の契約率伸長など業務のDXにより、各段階利益の増益を見込む。
3. 中長期の成長戦略
同社は、水平・垂直・“プラスα”の3本の成長軸での成長戦略を描いている。水平方向への成長戦略とは、市場領域の拡大だ。東京を中心とした関東地区におけるシェアアップ及び中部・西日本地区など販売・保守サービス拠点の未進出エリアへの事業拡大を目指す。垂直方向への成長戦略とは、ビジネス領域の拡大だ。ストック市場の開拓及び商品開発力の強化を目指す。ストック市場であるリニューアル・メンテナンス市場において、エンドユーザーに対する営業力の強化、トータルリニューアルの推進、「Fi-R」の契約率向上によるローコストで効率的なメンテナンス体制の構築などに注力する。“プラスα”の成長軸とは、新たな事業領域の拡大だ。新たな価値を付加した自動ドアの提案や、自動ドア以外の新商品の開拓を目指す。これまでも他社との共同開発により「eメディアドア」(画像解析AIと自動ドアとの組合せ)や「ソーシャル アイ」(インフォメーション機能を備えた非接触バリアフリートイレドアスイッチ)など新機能を備えた新商品を提供してきたが、こうした商品開発の内製化を進める。その戦略の第一歩が2024年1月のワイズ・コーポレーションの連結子会社化だ。ワイズ・コーポレーションは保管庫セキュリティシステムや遠隔操作・監視など制御システムの企画・開発・製造を行っており、同社の自動ドア及び関連商品のセキュリティ・制御機能などの開発内製化を可能にする。また、同社のエンドユーザーとなる施主やビル管理会社などに対して宅配ボックスやオフィスのパーソナルロッカーなどの販売、セキュリティの強化提案などが可能となり、今後のシナジー効果が大いに期待される。
■Key Points
・2024年12月期第2四半期は増収大幅増益、建具関連事業が黒字化
・2024年12月期は自動ドア関連事業のリニューアルや建具関連事業がけん引し増収・増益見込み
・商品開発内製化に向けたM&A実行で事業領域拡大を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
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