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日本ピストンリングのニュース
■業績動向
1. 2021年3月期業績の概要
日本ピストンリング<6461>の2021年3月期の連結業績は、売上高が前期比17.5%減の45,276百万円、営業損失が165百万円(前期は1,829百万円の利益)、経常利益が同80.0%減の355百万円、親会社株主に帰属する当期純損失が813百万円(同490百万円の利益)となった。また、平均為替レートは1ドル106.76円(同109.03円)、1ユーロ121.88円(同122.03円)だった。
同社が関連する自動車業界においては、下期に受注環境の改善が見られたものの、コロナ禍による需要減少に加えて、車載半導体の供給不足の影響を受け、世界の自動車生産台数は大幅に減少した。このような状況のなかで同社は、自動車メーカーの各国での操業停止や減産等により、減収となった。なお、売上総利益は前期比29.4%減少し、売上総利益率は18.0%と同3.1ポイント低下した。販管費は同14.5%減少したが、販管費比率は18.4%と同0.7ポイント上昇した。損益面においては、原価低減や固定費削減、業務効率化の効果等により下期は黒字化したものの、上期の落ち込みを補いきれず、リーマンショック以来の営業損失となった。経常利益は、営業外収益として助成金収入506百万円を計上したことに加え、為替差損益の改善も寄与した。親会社株主に帰属する当期純損失は、一時的な法人税等調整額の増加により損失を計上した。
セグメント別に見ると、自動車関連製品事業の売上高は前期比18.1%減の38,773百万円、営業損失は24百万円(前期は2,487百万円の利益)となった。下期に受注環境の改善が見られたものの、コロナ禍による需要減少や車載半導体の供給不足による影響等を受けた。舶用・その他の製品事業の売上高は同3.5%減の2,168百万円、営業利益は137百万円(同213百万円の損失)となった。また、その他の売上高は同18.1%減の4,333百万円、営業利益は同10.6%増の146百万円となった。
2021年3月期を半期で比較すると、上期は売上高19,629百万円、営業損失1,487百万円だったが、下期は売上高25,647百万円、営業利益1,322百万円と大きく改善した。これは、2020年6月より開始した新体制のもと、機構改革や収益構造の見直し等を推進し、実効性のある施策を展開したことによる。
2. 財務状況
財務面については、2021年3月期末の資産合計は前期末比1,799百万円減少して61,809百万円となった。これは主に、現金及び預金、投資有価証券、退職給付に係る資産が増加した一方で、有形固定資産、たな卸資産、受取手形及び売掛金が減少したことによる。なお、たな卸資産の減少は、全体最適なモノづくりシステム構築に向けて戦略的に在庫適正化を推進したことによる。
負債合計は777百万円減少して31,541百万円となった。これは主に、有利子負債、繰延税金負債が増加した一方で、支払手形及び買掛金、営業外電子記録債務、電子記録債務、退職給付に係る負債が減少したことによる。純資産合計は1,021百万円減少して30,267百万円となった。これは主に、その他有価証券評価差額金、退職給付に係る調整累計額が増加した一方で、利益剰余金、為替換算調整勘定が減少したことによる。なお、自己資本比率は0.5ポイント低下して46.4%となった。
2021年3月期は、コロナ禍の影響に備えて現金及び預金を積み増したことにより有利子負債が増加したが、サプライチェーン全体を意識したたな卸資産の戦略的な適正化にも継続的に取り組んでおり、一時的な要因を除けば財務面に大きな懸念は見当たらない。財務の健全性は維持されていると言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<YM>
1. 2021年3月期業績の概要
日本ピストンリング<6461>の2021年3月期の連結業績は、売上高が前期比17.5%減の45,276百万円、営業損失が165百万円(前期は1,829百万円の利益)、経常利益が同80.0%減の355百万円、親会社株主に帰属する当期純損失が813百万円(同490百万円の利益)となった。また、平均為替レートは1ドル106.76円(同109.03円)、1ユーロ121.88円(同122.03円)だった。
同社が関連する自動車業界においては、下期に受注環境の改善が見られたものの、コロナ禍による需要減少に加えて、車載半導体の供給不足の影響を受け、世界の自動車生産台数は大幅に減少した。このような状況のなかで同社は、自動車メーカーの各国での操業停止や減産等により、減収となった。なお、売上総利益は前期比29.4%減少し、売上総利益率は18.0%と同3.1ポイント低下した。販管費は同14.5%減少したが、販管費比率は18.4%と同0.7ポイント上昇した。損益面においては、原価低減や固定費削減、業務効率化の効果等により下期は黒字化したものの、上期の落ち込みを補いきれず、リーマンショック以来の営業損失となった。経常利益は、営業外収益として助成金収入506百万円を計上したことに加え、為替差損益の改善も寄与した。親会社株主に帰属する当期純損失は、一時的な法人税等調整額の増加により損失を計上した。
セグメント別に見ると、自動車関連製品事業の売上高は前期比18.1%減の38,773百万円、営業損失は24百万円(前期は2,487百万円の利益)となった。下期に受注環境の改善が見られたものの、コロナ禍による需要減少や車載半導体の供給不足による影響等を受けた。舶用・その他の製品事業の売上高は同3.5%減の2,168百万円、営業利益は137百万円(同213百万円の損失)となった。また、その他の売上高は同18.1%減の4,333百万円、営業利益は同10.6%増の146百万円となった。
2021年3月期を半期で比較すると、上期は売上高19,629百万円、営業損失1,487百万円だったが、下期は売上高25,647百万円、営業利益1,322百万円と大きく改善した。これは、2020年6月より開始した新体制のもと、機構改革や収益構造の見直し等を推進し、実効性のある施策を展開したことによる。
2. 財務状況
財務面については、2021年3月期末の資産合計は前期末比1,799百万円減少して61,809百万円となった。これは主に、現金及び預金、投資有価証券、退職給付に係る資産が増加した一方で、有形固定資産、たな卸資産、受取手形及び売掛金が減少したことによる。なお、たな卸資産の減少は、全体最適なモノづくりシステム構築に向けて戦略的に在庫適正化を推進したことによる。
負債合計は777百万円減少して31,541百万円となった。これは主に、有利子負債、繰延税金負債が増加した一方で、支払手形及び買掛金、営業外電子記録債務、電子記録債務、退職給付に係る負債が減少したことによる。純資産合計は1,021百万円減少して30,267百万円となった。これは主に、その他有価証券評価差額金、退職給付に係る調整累計額が増加した一方で、利益剰余金、為替換算調整勘定が減少したことによる。なお、自己資本比率は0.5ポイント低下して46.4%となった。
2021年3月期は、コロナ禍の影響に備えて現金及び預金を積み増したことにより有利子負債が増加したが、サプライチェーン全体を意識したたな卸資産の戦略的な適正化にも継続的に取り組んでおり、一時的な要因を除けば財務面に大きな懸念は見当たらない。財務の健全性は維持されていると言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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