●　2011/02/23 16:44 ﾄﾑｿﾝﾛｲﾀｰ
〔グローバルスコープ〕千代田化工建設、豪州大型ＬＮＧプロジェクトのフィードを受注


　・ブラウズＬＮＧプロジェクトのフィード（基本設計）は千代田化工建設と米・ＫＢＲの２つのＪＶグループが受注
　・プラントのＥＰＣ受注なら規模は１兆円前後の大型プロジェクトとなる公算
　
　　上野　武昭
　
　［東京　２３日　ロイター　INVESTMENTVIEWS］　
オーストラリアのエネルギー会社、ウッドサイドはオーストラリア・西オーストラリア州のブラウズＬＮＧプロジェクトの概要について２０１０年決算発表で明らかにした。プロジェクトのフィード（基本設計）を米・ＫＢＲのＪＶ（ジョイントベンチャー)と千代田化工建設のＪＶの２グループが２０１２年中頃までに終了させ、その後プラントのＥＰＣ（設計・調達・建設）発注となる見込み。ＥＰＣはどちらかのＪＶグループが受注する可能性が高いとみられる。プラントの発注方式がランプサム契約となれば、コントラクターへの受注金額は１兆円前後となる可能性がある大型プロジェクトとして注目される。
　
　　＜ブラウズＬＮＧプロジェクトのフィードは千代田化工建設と米・ＫＢＲの２つのＪＶグループが受注＞
　
　米・ＫＢＲは２１日、ブラウズＬＮＧプロジェクトのフィードについて、現地の建設・エンジニアリング会社のレイトン コントラクターズ、ジョン ホーランドとのＪＶで受注したことを発表した（［ID:nTK8859275］）。千代田化工建設も２２日、同社をＪＶリーダーとして米・ＣＢ＆Ｉ、スペイン・サイペムとともに受注したことを公表。フィードの受注金額は未公表だが、１グループ当たり１００億円程度と予想される。２０１２年中頃までフィードを続け、その後２グループのどちらかがＥＰＣ受注を獲得する可能性が高い。
　
　　＜プラントのＥＰＣの受注規模は１兆円前後の大型プロジェクトとなる公算＞
　
　ブラウズＬＮＧプロジェクトの建設地はオーストラリアの北西部。昨年１２月から記録的な大雨に見舞われている北東部のクイーンズランド州などとは離れている。
　ＬＮＧプラントの規模は第１フェーズで年産１２００万トン（４００万トンプラントが３系列）、最終的には年産２５００万トンまで達する計画だ。フィードは２０１２年中ごろに終了する予定で、その後ＥＰＣ（設計・調達・建設）の発注に移る。
　
　プラントのＥＰＣの発注方式および発注金額は未公表。ランプサム契約方式（プラントに要する一切の費用を総額で契約当初に定める）となれば、コントラクターの受注金額は、２００９年１２月に千代田化工建設と日揮のＪＶが受注した２０１４年完成予定の米・エクソンモービルのパプアニューギニアＬＮＧプロジェクト（年産６６０万トンで受注金額４０００億円程度、トン当たり受注金額は約６億円）を考慮すると、第１フェーズで７２００億円程度、最終的には１兆５０００億円程度の大型プロジェクトとなることが想定される。
　
　アジア太平洋地域を中心とするガス需要の増大で、ＬＮＧプラントは今後１０年間で生産能力１億トン分、金額ベースで約６兆円の潜在的な新規建設需要が期待されている。
　（参考記事：[ID:nnTK0534046]）