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【IRアナリストレポート】フロイント産業(6312)

著者:鈴木 行生
投稿:2024/11/18 12:39

~医薬品製剤用機械で世界の先端を走り、高採算の医薬品添加剤も拡大~

【ポイント】
・今2025年2月期の上期は赤字となったが、特に問題はない。後半に予定通り積み上げてこよう。今期の会社計画は減益を見込んでいるが、基幹システムの稼働のずれ込みで、一時的なコストが1Qに負担となった。受注は好調なので、来期からは増益に転換しよう。

・今期から、新中期計画がスタートした。長期ビジョン「ONE FREUND & BEYOND」では、1)製剤機械でエリアカバレッジを拡げ、グローバルTOP3を確固なものにし、2)医薬品添加剤を主力とする化成品で、日本No.1のスペシャリティカンパニーを目指す。グローバル5極体制を活かして、ワンフロイントを超える進化を続ける。

・中期3カ年計画では、2027年2月期に売上高250億円、営業利益16億円、ROE 7.0%を目指す。固めの計画であるが、計画の内容は充実している。フロイントUS、フロイントイタリアを活かして、新興国の市場開拓が深掘りできよう。

・医薬品添加剤の新工場建設がスタートする。59億円の大型投資を実行するが、これは次の中期計画に本格寄与してこよう。画期的な新製品(「ノンパレル-MM」)の開発も進んでいる。新工場建設は、2025年4月に着工し、2026年10月に竣工する予定である。

・国内の製剤機械の受注は極めて好調である。製薬企業の新規投資に加えて、品質の向上や省人化に向けた更新投資も必要になっている。当社にとって受注増は一時的なものではなく、高水準の受注はしばらく続く見通しであり、新製品のニーズも広がっている。

・3ヵ年計画の達成は射程にある。今期は創立60周年の記念配5円を含めて、配当は25円を予定する。この3ヵ年は経営基盤の強化に向けて、投資が先行することになる。一方で、需要は旺盛なので、今後の成長余地は大きい。

・次の10年では、売上高400億円、営業利益32億円、ROE 10%以上を目標に掲げているが、それに向けた布石は着実に打たれている。経常利益20億円が見えてくれば、PBRも1.2倍を超えてこよう。そのポテンシャルに注目したい。

目次
1.特色 医薬品用製剤機械の独自開発で発展
2.強み 日本では圧倒的No.1、グローバルな拠点も強化
3.中期経営計画 M&Aや合弁の展開で海外市場の拡大が進展
4.当面の業績 好調な受注増の成果は来期から本格貢献
5.企業評価 新市場の開拓に期待

フロイント産業 <6312>
企業レーティング
株価
(2024年11月15日)
702円
時価総額 129億円
(18.4百万株)
PBR 0.82倍
ROE 5.4%
PER 15.3倍
配当利回り 3.6%
総資産 25749百万円
純資産 14531百万円
自己資本比率 56.4%
BPS 858.8円
(百万円、円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 EPS 配当
2016.2 19027 1346 1394 961 55.7 12.5
2017.2 21164 2041 2097 1064 61.7 20.0
2018.2 19801 1971 1994 1477 85.7 20.0
2019.2 18408 1223 1326 843 50.2 20.0
2020.2 16772 558 582 381 22.8 20.0
2021.2 16765 1111 1308 970 58.0 20.0
2022.2 17632 981 1032 543 32.5 20.0
2023.2 19658 451 559 -538 -32.2 20.0
2024.2 22903 1270 1285 764 45.5 20.0
2025.2(予) 23500 1100 1100 770 45.8 25.0
2026.2(予) 24500 1400 1400 970 57.4 20.0

(2024.8ベース)

(注)ROE、PER、配当利回りは2024.2期予想ベース。2016年2月に1:2の株式分割を実施。EPS、配当は修正ベース。2015.2期の配当は50周年記念配2.5円(修正ベース)、2017.2期の配当は上場20周年記念配5.0円を含む。2025.2期は創業60周年記念配5.0円を予定。
 
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/furoinntosanngyou202411.pdf

日本ベル投資研究所の過去レポートはこちらから

配信元: みんかぶ株式コラム
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