日進工具のニュース
~超硬小径エンドミルで業界No.1、新開発センターで市場開拓を加速~
・昨年11月の受注分から主力製品の値上げを実施している。マーケットを見ながら慎重に判断したが、値上げは順調に浸透しているとみられる。値上げ前に一部駆け込み需要が発生したので、3Q(10~12月)の業績はその分押し上げられた。4Qは反動が出ようが、それでも2023年3月期の業績は会社計画を上回ろう。さらに、来期は増益に転じよう。
・今期前半は部品不足による自動車減産の影響が出た。半導体や電子部品の需要にも一巡感が出ている。原材料高、エネルギー高のコストアップに対して、11月より製品価格の値上げを実施している。4Q以降寄与してこようが、自社努力も必要である。
・5軸マシニングセンタ用3枚刃ボールエンドミルの新製品から、「NS Connect(コネクト)」というスマホによるWebサイトとの連動を開始した。加工条件や加工事例を手軽に見ることができる。利便性が高いので、逐次広げていく方向にある。
・開発面では、コーティングにおける「無限プレミアムPlus」の応用範囲を拡大している。新製品は、①より固いものを削る、②より長持ちする、③より高い精度を出すことが基本であり、削り刃を増やして、コーティングで摩耗を減らすという方向にある。最先端の精密加工に焦点を当てている。
・日本機械工具工業会より、2022年度の「環境特別賞」を受賞した。GHG(温暖化ガス)排出量削減の実績が評価された。仙台工場を中心とした小集団活動「オレンジFC活動」の継続が成果を上げており、生産性の向上とコスト低減に結びついている。
・昨年9月に、米国シカゴで4年ぶりに催された工作機械展示会「IMTS2022」に出展した。自動車、メディカル、宇宙関連などの企業にアプローチした。デトロイトに設立したNS TOOL USAの活動も本格化し、現地に在庫センター機能を持たせている。これまで海外売上高に占める米国の比率は6%と低かったが、今後数年で大きく伸びよう。
・後藤社長の経営哲学は、利益率重視で規模は追わない。顧客が新製品の加工方法を開発している段階から関わっていく。需要が好転すれば、業績向上に弾みがついてこよう。グローバルな競争力は高まっている。ニッチな市場での高収益に引き続き注目したい。
目次
1.特色 超硬小径エンドミルで業界トップ
2.強み 一貫した集中と差異化で攻める
3.中期経営戦略 ユニークな精密・微細加工技術で内外の新市場を開拓
4.当面の業績 値上げの浸透で、来2024年3月期は増益へ
5.企業評価 競争力を強化し、高収益へ復帰
企業レーティング | A |
---|---|
株価 (2023年2月13日) |
1047円 |
時価総額 | 262億円 (25百万株) |
PBR | 1.57倍 |
ROE | 7.8% |
PER | 19.8倍 |
配当利回り | 2.1% |
総資産 | 18163百万円 |
純資産 | 16873百万円 |
自己資本比率 | 91.7% |
BPS | 667.4円 |
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | 配当 |
---|---|---|---|---|---|---|
2015.3 | 7402 | 1481 | 1534 | 973 | 39.0 | 10.0 |
2016.3 | 8382 | 1914 | 1954 | 1342 | 53.7 | 12.5 |
2017.3 | 8825 | 2013 | 2026 | 1420 | 56.8 | 20.0 |
2018.3 | 9767 | 2685 | 2733 | 1903 | 76.1 | 22.5 |
2019.3 | 10476 | 2879 | 2894 | 1970 | 78.8 | 22.5 |
2020.3 | 9531 | 2219 | 2231 | 1545 | 61.8 | 22.5 |
2021.3 | 8100 | 1512 | 1712 | 1214 | 48.6 | 17.5 |
2022.3 | 9524 | 2111 | 2156 | 1522 | 60.9 | 22.5 |
2023.3(予) | 9600 | 1950 | 1950 | 1320 | 52.9 | 22.5 |
2024.3(予) | 10300 | 2300 | 2300 | 1550 | 62.1 | 22.5 |
(2022.12ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは今期予想ベース。2017年1月に1:2、2021年4月に1:2の株式分割を実施。2022.3期以前のEPS、配当は修正ベース。2017.3期は2部上場記念配(5円)、2018.3期は1部上場記念配(5円)を含む。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/niltusinnkougu202302.pdf
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