682円
エランのニュース
■エラン<6099>の事業概要
7. 契約施設数及び月間利用者数
CSセットの契約施設(病院・介護老人保健施設等)数、及び月間利用者数は増加基調である。CSセットの認知度向上、全国をカバーする営業拠点網の構築、物流業務外注化による営業活動の強化・生産性向上などの効果が、契約施設数増加につながっている。
契約施設数は2019年12月期末時点(当時子会社であったエルタスク含む)で1,362施設となり、前期末との比較で222施設(19.5%)増加した。2009年12月期末の120施設を起点にすると年率27.5%の増加率となる。一方で過去5期間の解約率は想定水準の2~3%にとどまっており、契約施設のストックが大幅に積み上がっている。
月間利用者数は2019年12月時点で225,578人となり、前年同月時点との比較で34,895人(18.3%)増加した。2009年12月の13,878人を起点にすると年率32.2%の増加率となる。大型急性期病院との契約増加や契約施設のストック積み上げに伴って、利用者数も大幅な伸長率となっている。
契約施設数の増加でサービス利用料が増加するストック型収益モデル
8. ストック型収益モデル
収益は入院患者や入所者から受け取るサービス利用料収入であり、契約施設数の積み上げによって利用者数が増加し、サービス利用料収入が増加するというストック型収益モデルである。前述したように、大型急性期病院との契約増加や契約施設のストック積み上げに伴って、利用者数も大幅な伸長率となっている。
なお入院患者の回転が少ない療養型施設でサービス利用率が上昇すれば、売上増加とともに施設当たり業務コスト比率が低下するメリットが発生しやすくなる。一方で入院患者の回転が速い大型急性期病院では、利用者数の増加が売上の増加につながるが、同時に請求関連業務コストが増加して利益率が低下しやすくなるデメリットもある。また新規導入時には、備品・消耗品等の増加で一時的に利益率が低下する傾向がある。
こうした課題に対する収益向上策として、ベストプラクティクスの全社展開、新請求システムの構築、付加価値向上に向けた新サービス開発などの施策を実施し、競争力・収益力の強化を推進してきた。そして2019年4月には、個人請求・カスタマーサポート部門を分社化したエランサービスが業務開始し、更なる顧客満足度向上、生産性向上、付加価値向上を推進している。
9. リスク要因
収益に与えるリスク要因として競合リスクがある。入院セットサービスの認知度向上に伴って他業者と競合するケースが増加している。ただし過去5期間の解約率は想定水準の2~3%にとどまっている。
入院セットビジネスは参入障壁が低いように見られがちだが、採算ラインの見極め、行政指導に適合したサービス運営、看護・介護現場への説明・運用及び請求・回収業務などの面において、ノウハウの蓄積は容易ではなく、実は想定以上に参入障壁が高いビジネスである。
同社のように独自ノウハウを蓄積してビジネスモデルを構築し、全国展開している競合先は少ない。同社の優位性に変化はなく、きめ細かい営業努力、充実した商品ラインアップ、子会社エランサービスによる顧客満足度向上などに加えて、後述するように市場・顧客開拓余地が大きいことも勘案すれば、競合リスクは小さいと言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<EY>
7. 契約施設数及び月間利用者数
CSセットの契約施設(病院・介護老人保健施設等)数、及び月間利用者数は増加基調である。CSセットの認知度向上、全国をカバーする営業拠点網の構築、物流業務外注化による営業活動の強化・生産性向上などの効果が、契約施設数増加につながっている。
契約施設数は2019年12月期末時点(当時子会社であったエルタスク含む)で1,362施設となり、前期末との比較で222施設(19.5%)増加した。2009年12月期末の120施設を起点にすると年率27.5%の増加率となる。一方で過去5期間の解約率は想定水準の2~3%にとどまっており、契約施設のストックが大幅に積み上がっている。
月間利用者数は2019年12月時点で225,578人となり、前年同月時点との比較で34,895人(18.3%)増加した。2009年12月の13,878人を起点にすると年率32.2%の増加率となる。大型急性期病院との契約増加や契約施設のストック積み上げに伴って、利用者数も大幅な伸長率となっている。
契約施設数の増加でサービス利用料が増加するストック型収益モデル
8. ストック型収益モデル
収益は入院患者や入所者から受け取るサービス利用料収入であり、契約施設数の積み上げによって利用者数が増加し、サービス利用料収入が増加するというストック型収益モデルである。前述したように、大型急性期病院との契約増加や契約施設のストック積み上げに伴って、利用者数も大幅な伸長率となっている。
なお入院患者の回転が少ない療養型施設でサービス利用率が上昇すれば、売上増加とともに施設当たり業務コスト比率が低下するメリットが発生しやすくなる。一方で入院患者の回転が速い大型急性期病院では、利用者数の増加が売上の増加につながるが、同時に請求関連業務コストが増加して利益率が低下しやすくなるデメリットもある。また新規導入時には、備品・消耗品等の増加で一時的に利益率が低下する傾向がある。
こうした課題に対する収益向上策として、ベストプラクティクスの全社展開、新請求システムの構築、付加価値向上に向けた新サービス開発などの施策を実施し、競争力・収益力の強化を推進してきた。そして2019年4月には、個人請求・カスタマーサポート部門を分社化したエランサービスが業務開始し、更なる顧客満足度向上、生産性向上、付加価値向上を推進している。
9. リスク要因
収益に与えるリスク要因として競合リスクがある。入院セットサービスの認知度向上に伴って他業者と競合するケースが増加している。ただし過去5期間の解約率は想定水準の2~3%にとどまっている。
入院セットビジネスは参入障壁が低いように見られがちだが、採算ラインの見極め、行政指導に適合したサービス運営、看護・介護現場への説明・運用及び請求・回収業務などの面において、ノウハウの蓄積は容易ではなく、実は想定以上に参入障壁が高いビジネスである。
同社のように独自ノウハウを蓄積してビジネスモデルを構築し、全国展開している競合先は少ない。同社の優位性に変化はなく、きめ細かい営業努力、充実した商品ラインアップ、子会社エランサービスによる顧客満足度向上などに加えて、後述するように市場・顧客開拓余地が大きいことも勘案すれば、競合リスクは小さいと言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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