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イードのニュース
■業績動向
1. 2022年6月期の業績概要
イード<6038>の2022年6月期の連結業績は、売上高で前期比3.1%増の5,574百万円、営業利益で同40.4%増の638百万円、経常利益で同37.6%増の638百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同3.0%減の450百万円となり、売上高・営業利益・経常利益は連続で過去最高を更新した。親会社株主に帰属する当期純利益については、前期に特別利益として子会社売却益418百万円を計上した影響により減益となった。なお、当期より収益認識会計基準等を適用したことにより、売上高で438百万円の減少要因となっている(各利益への影響はなし)。
売上高の増減要因を見ると、2021年6月期第3四半期から絵本ナビが連結対象外になったことにより3億円強の減収要因となったほか、巣ごもり需要の一段落で出版ビジネスが減収となったが、新たに連結子会社となったSAVAWAYの売上5億円強が加わったことやその他の事業が堅調に推移したことが増収要因となった。利益面では、増収効果に加えてCP事業において粗利率の高い案件を受注できたこと、2021年1月に実施した本社移転や絵本ナビの売却等により、人件費や賃借料等の固定費を削減できたことが増益要因となった。
(1) CP事業
CP事業の売上高は前期比2.6%増の4,799百万円、営業利益は同27.1%増の482百万円と過去最高益を連続更新した。売上高は収益認識会計基準の適用により438百万円の減額要因(ネット広告収入で373百万円、データ・コンテンツ提供で35百万円、出版ビジネスで29百万円)となっており、旧会計基準ベースで見ると同12.0%増であった。営業利益率も前期の8.1%から10.0%(旧会計基準ベースで9.2%)と上昇基調が続いた。増収効果に加えて前期までに取得したメディアの運営効率向上に取り組んだ効果が表れたほか、売上構成比の変化も利益率の上昇につながったと見られる。
売上高の内訳を見ると、ネット広告収入は前期比4.8%減の1,757百万円、旧会計基準ベースでは同15.4%増の2,130百万円と実質過去最高を更新した。運営Webサイト全体の月平均UU数は同0.1%減の54百万UUと横ばい水準にとどまったものの、アドネットワーク広告単価が回復したことや、教育分野を中心に提案型広告※が好調に推移したほか、運営メディアを通じたアフィリエイト広告も順調に伸びたことなどが増収要因となった。提案型広告では、2020年以降、ギガスクール構想が進展するなかで、学校向けに各種ICT機器を販売する事業者の広告出稿が増えたほか、私立中学校への受験者数の増加傾向に伴い、学習塾や私立学校からの広告出稿も増加した。同社は教育情報メディア「リセマム」を筆頭に教育分野のメディアを複数運営しており、これらの広告需要を取り込むことができた。
※Webメディア側による企画・提案または顧客の要望に基づいて制作する広告。代表的なものとして記事広告が挙げられる。
メディア・システム売上は前期比118.9%増の728百万円と大きく増加した。期初にSAVAWAYを子会社化したことが主な増収要因となった。SAVAWAY自体の業績も「TEMPOSTAR」(複数EC店舗の業務一元管理システム)の契約件数が順調に増加するなど好調に推移した。子会社化以降、本社を同一ビル内に移転し、営業支援等を行うなどシナジーが出た格好だ。
データ・コンテンツ提供売上(EC物販含む)は前期比4.0%減の1,775百万円、旧会計基準ベースでは同2.1%減の1,810百万円となった。前第3四半期より絵本ナビが連結から外れたことで減収となったが、同要因を除けば2ケタ増収となった(下期だけで見れば17%増収)。EC物販が堅調に推移したほか、2021年6月期より開始した有料サブスクリプションサービスの会員数が自動車分野を中心に前年同期比2倍強と順調に増加したことも増収に寄与した。出版ビジネス売上については、巣ごもり需要の一巡により同15.2%減の579百万円、旧会計基準ベースで同10.9%減の608百万円と減収に転じた。
2022年6月期に新たに取得したメディアとしては、2021年10月に子会社化した(株)リンク(非連結子会社)が運営する「進学相談.com」※のほか、同年11月に(株)H2Oソリューションズから取得した「ウォーターサーバー比較情報メディア『ミズマガ』」、2022年2月にリカー・イノベーション(株)から取得した「お酒の専門メディア『nomooo』」がある。また同月、FXトレーダーのためのトレード練習専⽤ソフトウェア「FOREX TESTER」の販売代理事業を取得し、正規日本代理店として運営を開始した。同年6月にはG2(株)から「高級ギフト・美術品通販サイト『JTOPIA』」を取得し、運営を開始した。
※小中学生向けを対象とした進路相談イベント等を展開しており、2022年6月期は「リセマム」の企画によりインターナショナルスクールフェアも開催した。
既存メディアでは、「レスポンス」の大幅リニューアルを同年5月に実施した。具体的には、BtoB向けメディア「mirai.Response」のサービスと会員システムを「レスポンス」に統合し、有料会員向けの各種サービスを「レスポンス」サイト上で活用できるようにしたほか、カーライフコンテンツの拡充として、カスタムやカーオーディオ専門サイト「Push On ! MY CARLIFE」とのコンテンツ連携を強化した。リニューアル実施後の「レスポンス」のUU数は増加傾向となっており、媒体価値のさらなる向上が期待される。
(2) CS事業
CS事業の売上高は前期比6.0%増の774百万円、営業利益は同107.9%増の155百万円となった。売上高は2期振りの増収に転じ、営業利益は3期連続増益で初めて1億円を突破した。採算重視の営業活動を実施したことにより、リサーチソリューション、ECソリューションともに利益率の高い案件を受注できたことや、米国子会社の清算により固定費を削減できたことが収益性の向上につながった。リサーチソリューションの売上高は前期比1.8%増の569百万円、ECソリューションは同6.8%増の205百万円といずれも増収に転じた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
1. 2022年6月期の業績概要
イード<6038>の2022年6月期の連結業績は、売上高で前期比3.1%増の5,574百万円、営業利益で同40.4%増の638百万円、経常利益で同37.6%増の638百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同3.0%減の450百万円となり、売上高・営業利益・経常利益は連続で過去最高を更新した。親会社株主に帰属する当期純利益については、前期に特別利益として子会社売却益418百万円を計上した影響により減益となった。なお、当期より収益認識会計基準等を適用したことにより、売上高で438百万円の減少要因となっている(各利益への影響はなし)。
売上高の増減要因を見ると、2021年6月期第3四半期から絵本ナビが連結対象外になったことにより3億円強の減収要因となったほか、巣ごもり需要の一段落で出版ビジネスが減収となったが、新たに連結子会社となったSAVAWAYの売上5億円強が加わったことやその他の事業が堅調に推移したことが増収要因となった。利益面では、増収効果に加えてCP事業において粗利率の高い案件を受注できたこと、2021年1月に実施した本社移転や絵本ナビの売却等により、人件費や賃借料等の固定費を削減できたことが増益要因となった。
(1) CP事業
CP事業の売上高は前期比2.6%増の4,799百万円、営業利益は同27.1%増の482百万円と過去最高益を連続更新した。売上高は収益認識会計基準の適用により438百万円の減額要因(ネット広告収入で373百万円、データ・コンテンツ提供で35百万円、出版ビジネスで29百万円)となっており、旧会計基準ベースで見ると同12.0%増であった。営業利益率も前期の8.1%から10.0%(旧会計基準ベースで9.2%)と上昇基調が続いた。増収効果に加えて前期までに取得したメディアの運営効率向上に取り組んだ効果が表れたほか、売上構成比の変化も利益率の上昇につながったと見られる。
売上高の内訳を見ると、ネット広告収入は前期比4.8%減の1,757百万円、旧会計基準ベースでは同15.4%増の2,130百万円と実質過去最高を更新した。運営Webサイト全体の月平均UU数は同0.1%減の54百万UUと横ばい水準にとどまったものの、アドネットワーク広告単価が回復したことや、教育分野を中心に提案型広告※が好調に推移したほか、運営メディアを通じたアフィリエイト広告も順調に伸びたことなどが増収要因となった。提案型広告では、2020年以降、ギガスクール構想が進展するなかで、学校向けに各種ICT機器を販売する事業者の広告出稿が増えたほか、私立中学校への受験者数の増加傾向に伴い、学習塾や私立学校からの広告出稿も増加した。同社は教育情報メディア「リセマム」を筆頭に教育分野のメディアを複数運営しており、これらの広告需要を取り込むことができた。
※Webメディア側による企画・提案または顧客の要望に基づいて制作する広告。代表的なものとして記事広告が挙げられる。
メディア・システム売上は前期比118.9%増の728百万円と大きく増加した。期初にSAVAWAYを子会社化したことが主な増収要因となった。SAVAWAY自体の業績も「TEMPOSTAR」(複数EC店舗の業務一元管理システム)の契約件数が順調に増加するなど好調に推移した。子会社化以降、本社を同一ビル内に移転し、営業支援等を行うなどシナジーが出た格好だ。
データ・コンテンツ提供売上(EC物販含む)は前期比4.0%減の1,775百万円、旧会計基準ベースでは同2.1%減の1,810百万円となった。前第3四半期より絵本ナビが連結から外れたことで減収となったが、同要因を除けば2ケタ増収となった(下期だけで見れば17%増収)。EC物販が堅調に推移したほか、2021年6月期より開始した有料サブスクリプションサービスの会員数が自動車分野を中心に前年同期比2倍強と順調に増加したことも増収に寄与した。出版ビジネス売上については、巣ごもり需要の一巡により同15.2%減の579百万円、旧会計基準ベースで同10.9%減の608百万円と減収に転じた。
2022年6月期に新たに取得したメディアとしては、2021年10月に子会社化した(株)リンク(非連結子会社)が運営する「進学相談.com」※のほか、同年11月に(株)H2Oソリューションズから取得した「ウォーターサーバー比較情報メディア『ミズマガ』」、2022年2月にリカー・イノベーション(株)から取得した「お酒の専門メディア『nomooo』」がある。また同月、FXトレーダーのためのトレード練習専⽤ソフトウェア「FOREX TESTER」の販売代理事業を取得し、正規日本代理店として運営を開始した。同年6月にはG2(株)から「高級ギフト・美術品通販サイト『JTOPIA』」を取得し、運営を開始した。
※小中学生向けを対象とした進路相談イベント等を展開しており、2022年6月期は「リセマム」の企画によりインターナショナルスクールフェアも開催した。
既存メディアでは、「レスポンス」の大幅リニューアルを同年5月に実施した。具体的には、BtoB向けメディア「mirai.Response」のサービスと会員システムを「レスポンス」に統合し、有料会員向けの各種サービスを「レスポンス」サイト上で活用できるようにしたほか、カーライフコンテンツの拡充として、カスタムやカーオーディオ専門サイト「Push On ! MY CARLIFE」とのコンテンツ連携を強化した。リニューアル実施後の「レスポンス」のUU数は増加傾向となっており、媒体価値のさらなる向上が期待される。
(2) CS事業
CS事業の売上高は前期比6.0%増の774百万円、営業利益は同107.9%増の155百万円となった。売上高は2期振りの増収に転じ、営業利益は3期連続増益で初めて1億円を突破した。採算重視の営業活動を実施したことにより、リサーチソリューション、ECソリューションともに利益率の高い案件を受注できたことや、米国子会社の清算により固定費を削減できたことが収益性の向上につながった。リサーチソリューションの売上高は前期比1.8%増の569百万円、ECソリューションは同6.8%増の205百万円といずれも増収に転じた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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