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イード Research Memo(1):メディア拡大戦略と「iid 5G Mobility戦略」の推進により非連続成長

配信元:フィスコ
投稿:2019/03/25 12:01
■要約

イード<6038>は、Webメディア・コンテンツの運営を行うコンテンツマーケティングプラットフォーム(以下、CMP)事業と、リサーチ及びECソリューションを提供するコンテンツマーケティングソリューション(以下、CMS)事業の2つの事業を展開している。Webメディアに関しては事業取得や新規開発を進めながら、自動車、IT、エンターテインメント、暮らしなど幅広いジャンルを手掛け、2019年6月期第2四半期末時点で54サイトを運営している。

1. 2019年6月期第2四半期累計の業績
2019年6月期第2四半期累計(2018年7月-12月)の連結業績は、売上高で前年同期比10.1%増の2,483百万円、営業利益で同56.3%増の190百万円と2ケタ増収増益となり、会社計画(売上高2,260百万円、営業利益122百万円)に対していずれも上回った。主力のCMP事業が計画以上に伸長したことが要因だ。第2四半期累計期間における運営Webサイト全体の月間平均PV数が同20.4%増と拡大したことに伴い、ネット広告収入を中心に売上高は同14.9%増の2,127百万円となった。また、セグメント利益は増収効果に加えて前期から取り組んできた収益改善施策が引き続き寄与し、同76.2%増の198百万円と大幅増益となり、CMS事業の落ち込み分をカバーした。

2. 2019年6月期の業績見通し
2019年6月期は売上高で前期比1.8%増の4,800百万円、営業利益で同10.9%増の285百万円と期初計画を据え置いている。営業利益率の進捗率は既に66.8%となっているが、同社の場合、四半期ごとの収益変動が大きく、第3四半期の状況を確認して修正が必要かどうかを判断する意向となっている。CMP事業については引き続き好調なPV数を維持していることから、下期も基調は大きく変わらないと見られるほか、CMS事業については下期に回復する見込みとなっていることから、市場環境に大きな変化がなければ上方修正される可能性が高いと弊社では見ている。ただし、第4四半期にゴールデンウィークの大型連休による影響も想定されるため、注意は必要であろう。

3. 今後の成長戦略
同社は今後の成長戦略として、「領域特化型メディアの拡大」×「多様なビジネスモデル」を掛け合わせていくことで、持続的な成長を目指して行く戦略だ。ネット広告収入だけでなく、コンサルティングサービスやコンシューマ向けECビジネス、メディア運営支援サービス等を育成し、収益基盤の多様化を図ることで収益の安定性向上を図る。なかでも、自動車業界における第5次モビリティ革命を支援する新規事業「iid 5G Mobility」の取り組みが注目される。同社は自動車業界において「レスポンス」を始めとする複数のメディアを運営しているほか、リサーチ事業でも長年携わっており、既に幅広いネットワークを構築している。これらネットワークを活用しながら、スマートモビリティサービス(MaaS※)の開発に取り組むベンチャー企業に対して、マーケティング支援や資本業務提携等を進めていく。2018年7月には、オンラインで施錠・解錠やエンジンの始動が可能となるオンラインキーシェアリング(以下、バーチャルキー)の開発を進めるベンチャーの(株)ジゴワッツとの提携を発表している。バーチャルキーは今後、カーシェアリングサービスでの普及が見込まれており、潜在需要も大きいと見られ、今後の動向が注目される。同社では今後もMaaS分野でのベンチャー企業への資本出資や提携を積極的に進めていく方針で、将来的にMaaS事業を1つの事業ポートフォリオとして形成していくことも視野に入れている。

※MaaS(Mobility as a Service):代表例としてはカーシェアリングが挙げられるが、同社では新車販売からメンテナンス、給油、保険、中古車流通、リサイクルなど自動車に関わる既存のサービスを、ITを活用した利便性の高いサービスへと進化させたもの、また自動運転技術によって創出される新サービスを含めてMaaSと定義している。


■Key Points
・2019年6月期第2四半期累計業績はCMP事業をけん引役に、2ケタ増収増益を達成
・2019年6月期の業績は期初計画を据え置くも上振れする可能性が高い
・MaaS時代の到来に向け、バーチャルキーを開発するベンチャー企業と提携、早期の商品化を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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配信元: フィスコ
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