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日東精工のニュース
*14:48JST 日東精工:ねじのトップメーカーから複合事業体を展開、累進配当など株主還元を強化
日東精工<5957>は1938年創業、工業用ねじ類のシェアにおいて国内トップクラスを誇る。精密ねじを起点に、自動組立機、計測・検査装置へと事業を多角化し、現在はファスナー、産機、制御、メディカルの4事業をグローバルに展開している。各事業が持つ技術を融合させ、市場の変化に対応しながら新たな価値を創出する複合事業体としての強みを持つ。特に、自動車業界のCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)というメガトレンドを大きな事業機会と捉え、グループを挙げて技術開発と市場開拓を加速させている。
同社事業は、ファスナー事業、産機事業、制御事業の3本柱で収益を上げている。ファスナー事業は売上高の7割強を占める。ねじの緩みや脱落を防止する独自技術は高い評価を得ており、現在売上比率の高い日系自動車メーカーだけでなく、非日系への拡販も進めている。次に産機事業は、ファスナー事業とのシナジーが強みだ。自社製をはじめとするねじを効率的に締結する自動ねじ締め機や、EV向けバッテリーやモーターの締結に関わる組立ラインなどを一貫して手掛けることで、顧客の生産性向上に貢献している。制御事業では、液体を精密に計測する流量計や、地盤調査機、PFAS(有機フッ素化合物)の分析が可能な自動試料燃焼装置などを提供している。同社の強みは、世界トップクラスの生産量に加え、長年の業歴による顧客企業との信頼関係にある。グローバルに製造拠点を構築しており、地産地消で製品供給を行っていることに加え、保有する数多くの特許を活用し、顧客に合わせた製品販売を行っている。
同社を取り巻く事業環境は、主要顧客を含む自動車産業の影響が大きい。EV化が加速し、エンジン関連部品が減少する一方、バッテリー、モーター、インバーターといった新たな部品が登場する中においても、同社は新部品に対応したファスナーや組立機を開発・提供することで、事業機会の拡大につなげている。また、カーボンニュートラルへの関心の高まりは、制御事業における省エネ・環境関連製品の需要を押し上げる追い風となっている。自動車産業自体は米関税政策の影響を受けるが、同社においては間接的な影響にとどまっている。
2025年12月期の連結業績は、売上高は前期比6.4%増の50,100百万円、営業利益は同8.2%増の3,600百万円を見込む。自動車生産やEV関連を中心とした電動化の旺盛な需要を背景に、ファスナー事業、産機事業ともに伸長する計画となっている。制御事業も環境関連ビジネスの拡大が寄与する見通し。メディカル事業は研究開発が先行するが、将来の収益化に向けた取り組みが進展している。一過性のM&A関連費用を計上したことなどから第1四半期は減益となったものの、全般的に価格転嫁が一層進みやすい地合いが形成されており、今後、収益性強化による業績上振れ余地があると考える。
現在進行中の中期経営計画Mission G-second(FY2023-2025)では、ROE9%以上という目標を掲げている。24年度実績のROEは6.6%と目標値とは距離があるものの、BtoBが主の同社事業においても、価格転嫁が織り込まれつつあるため、ラグを伴う形になるが今後収益性は向上していくと見る。
株主還元については、同社は安定的な配当を継続する累進配当を基本方針としており、2025年12月期の1株当たり年間配当は前期から0.5円増配の20円(配当性向31.5%)を予定している。自己株式の取得も機動的に実施しており、株主還元を重視する姿勢を打ち出している。
自動車業界の構造変化を的確に捉え、ガソリン車、HV、EVいずれにおいても収益機会を模索、構築している点はポジティブ。グローバルに強固なポジショニングを有している一方、高い配当利回りや足元PBR水準は0.64倍と割安感がある。今後、各種製品における価格転嫁が進むにつれ、株価バリュエーションが見直され、株価が大きく上昇する可能性を秘めた銘柄として注目したい。
<HM>
同社事業は、ファスナー事業、産機事業、制御事業の3本柱で収益を上げている。ファスナー事業は売上高の7割強を占める。ねじの緩みや脱落を防止する独自技術は高い評価を得ており、現在売上比率の高い日系自動車メーカーだけでなく、非日系への拡販も進めている。次に産機事業は、ファスナー事業とのシナジーが強みだ。自社製をはじめとするねじを効率的に締結する自動ねじ締め機や、EV向けバッテリーやモーターの締結に関わる組立ラインなどを一貫して手掛けることで、顧客の生産性向上に貢献している。制御事業では、液体を精密に計測する流量計や、地盤調査機、PFAS(有機フッ素化合物)の分析が可能な自動試料燃焼装置などを提供している。同社の強みは、世界トップクラスの生産量に加え、長年の業歴による顧客企業との信頼関係にある。グローバルに製造拠点を構築しており、地産地消で製品供給を行っていることに加え、保有する数多くの特許を活用し、顧客に合わせた製品販売を行っている。
同社を取り巻く事業環境は、主要顧客を含む自動車産業の影響が大きい。EV化が加速し、エンジン関連部品が減少する一方、バッテリー、モーター、インバーターといった新たな部品が登場する中においても、同社は新部品に対応したファスナーや組立機を開発・提供することで、事業機会の拡大につなげている。また、カーボンニュートラルへの関心の高まりは、制御事業における省エネ・環境関連製品の需要を押し上げる追い風となっている。自動車産業自体は米関税政策の影響を受けるが、同社においては間接的な影響にとどまっている。
2025年12月期の連結業績は、売上高は前期比6.4%増の50,100百万円、営業利益は同8.2%増の3,600百万円を見込む。自動車生産やEV関連を中心とした電動化の旺盛な需要を背景に、ファスナー事業、産機事業ともに伸長する計画となっている。制御事業も環境関連ビジネスの拡大が寄与する見通し。メディカル事業は研究開発が先行するが、将来の収益化に向けた取り組みが進展している。一過性のM&A関連費用を計上したことなどから第1四半期は減益となったものの、全般的に価格転嫁が一層進みやすい地合いが形成されており、今後、収益性強化による業績上振れ余地があると考える。
現在進行中の中期経営計画Mission G-second(FY2023-2025)では、ROE9%以上という目標を掲げている。24年度実績のROEは6.6%と目標値とは距離があるものの、BtoBが主の同社事業においても、価格転嫁が織り込まれつつあるため、ラグを伴う形になるが今後収益性は向上していくと見る。
株主還元については、同社は安定的な配当を継続する累進配当を基本方針としており、2025年12月期の1株当たり年間配当は前期から0.5円増配の20円(配当性向31.5%)を予定している。自己株式の取得も機動的に実施しており、株主還元を重視する姿勢を打ち出している。
自動車業界の構造変化を的確に捉え、ガソリン車、HV、EVいずれにおいても収益機会を模索、構築している点はポジティブ。グローバルに強固なポジショニングを有している一方、高い配当利回りや足元PBR水準は0.64倍と割安感がある。今後、各種製品における価格転嫁が進むにつれ、株価バリュエーションが見直され、株価が大きく上昇する可能性を秘めた銘柄として注目したい。
<HM>
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