橋りょう株がにぎわっている。日本橋梁が５日連続のストップ高となり、１５０円高の１０２８円を付けた。４ケタ乗せを果たし、１９８９年の上場来高値１０５０円に王手を掛けた格好だ。ピーエス三菱はストップ高に新値追いとなり、高田機工も値を飛ばして新値浮上。駒井ハルテックが急浮上し１１年４月２６日の昨年来高値３０４円に接近し、宮地エンジニアリンググループは４日ぶりに急反発している。いずれも東証１部値上がり率上位にランクされ、値動きの良さから、買いが買いを呼ぶパターンとなっている。

　橋りょう株全般に大きなウネリが出始めたのは今月５日。当日付の一部報道で、首都高速道路会社が１兆円規模の大規模改修に乗り出す方針を固めたと伝えられ、ビジネスチャンスへの期待が高まった。折からの復興需要思惑に低位株物色の流れも後押しし、一斉高の流れが始まった経緯がある。

　リード役ともいえる日橋梁は５日以降、きょう時点で株価４．２８倍化の暴騰劇を演じている。この株の場合、国土交通省関東地方整備局から圏央道の下大崎高架橋工事の大型受注を獲得したという独自材料を持つが、需給状況が株価を大きく押し上げる要因にもなっている。

　１９日付の株式新聞によれば、同社の筆頭株主は、エクイティ型ファンドの運営会社であるフェニックス・キャピタル（本社：東京都千代田区）が運用するジャパン・リカバリー・ファンド３。これは企業再編・再生案件を投資対象としたエクイティ投資で、同社株の持株比率は９４．５％（１億１１７６万株）にのぼる。このため、浮動玉は１．６％（１８９万株）と極端に少なく、「ない物ねだり」感覚で株価が暴騰した側面も否定できないと解説。また、「一方通行銘柄」のため、はしごが外れた時のリスクは覚悟すべきだろうと指摘している。

［ 株式新聞ニュース／ＫＡＢＤＡＳ－ＥＸＰＲＥＳＳ ］
提供：モーニングスター社 (2012-01-19 13:59)