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中部鋼鈑 Research Memo(1):2023年3月期は増収増益。親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高を更新

配信元:フィスコ
投稿:2023/06/26 12:01
*12:01JST 中部鋼鈑 Research Memo(1):2023年3月期は増収増益。親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高を更新 ■要約

中部鋼鈑<5461>は、鉄スクラップを原料に電気炉で高品質な厚鋼板(以下、厚板)を製造し、販売する電炉厚板専業メーカーである。同社の厚板は、産業機械・建設機械、土木・建築など、様々な分野で社会のインフラを支えている。

1. 2023年3月期の業績概要
2023年3月期の連結業績は、売上高76,320百万円(前期比18.5%増)、営業利益12,261百万円(同120.8%増)、経常利益12,328百万円(同123.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益8,577百万円(同126.6%増)と親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高を更新した。同社は、鋼板価格上昇をにらんだ加工ユーザーの発注調整や予測を下回る鉄スクラップの価格変動などにより、期中に予想を2度見直したが、最終予想に対しては、売上高は1.2%増、営業利益は7.6%増、経常利益は7.2%増、親会社株主に帰属する当期純利益は10.0%増となり、売上高・各利益ともに修正計画を上回って着地した。

2. 2024年3月期の業績見通し
2024年3月期の連結業績は、売上高70,600百万円(前期比7.5%減)、営業利益10,100百万円(同17.6%減)、経常利益9,600百万円(同22.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益6,500百万円(同24.2%減)と減収減益を見込んでいる。減収要因として販売数量の減少を想定しているが、生産性向上が期待できる新電気炉への更新工事や大型クレーンの更新、圧延冷却床乗移装置の設置工事等により、夏場以降に製鋼工程で3ヶ月程度、その期間中に圧延工程も1ヶ月程度の生産休止期間が発生するためである。

3. 中期経営計画
同社は、2021年に策定した「21中期経営計画」(2022年3月期~2024年3月期)において、5つの方針として1) 循環型社会への貢献(スクラップリサイクル)、2) 成長戦略の推進、3) 持続可能な基盤整備の推進、4) ESG/SDGs課題に対する取組の強化、5) (株)中山製鋼所との業務提携の推進を、数値目標として販売数量70万トン、連結経常利益40億円、連結配当性向30%を掲げている。国内で脱炭素化が加速するなか、電炉製品に対する関心が高まっている。電気炉はCO2排出量が高炉に比して約1/4と非常に少なく、主原料となる鉄スクラップを自国でリサイクル資源として調達・活用できるためだ。

■Key Points
・電気炉はCO2排出量が高炉に比して約1/4
・安定的な配当に注意を払いつつ、業績に見合った弾力的な配当を実施
・省エネ・環境対応型の最新鋭電気炉に更新する予定(2024年秋稼働予定)
・本社(名古屋市)がある愛知県には国内有数の工業地帯

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

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配信元: フィスコ
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