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Nexus Bankのニュース
■要約
1. 会社概要
Jトラスト<8508>は、東京証券取引所(以下、東証)2部に上場しており、傘下に国内外の金融事業を有するホールディングカンパニーである。藤澤信義(ふじさわのぶよし)社長の下、国内外で数々のM&Aにより成長を続けてきた結果、日本金融事業、韓国及びモンゴル金融事業、東南アジア金融事業を中心に資産規模を拡大してきた。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)による世界的な経済環境悪化に直面し、抜本的な事業ポートフォリオの再編に着手した。2020年8月以降、不動産事業ではキーノート(株)(現 (株)グローベルス)、日本金融事業ではJトラストカード(株)(現 Nexus Card(株))、韓国及びモンゴル金融事業ではJT親愛貯蓄銀行(株)及びJTキャピタル(株)を売却した。その後は利益拡大に向け、成長性が高いJT親愛貯蓄銀行及びNexus Cardの再グループ化やエイチ・エス証券(株)の子会社化を発表するなど、2022年以降に本格的な成長フェーズに入る計画である。
2. 2021年12月期の業績概要
2021年12月期の営業収益は42,325百万円(前期比7.5%増)、営業利益は5,260百万円(前期は2,403百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,123百万円(同5,342百万円の損失)となり、営業収益及び営業利益はおおむね計画どおりに着地した。一方、親会社の所有者に帰属する当期利益は、Nexus Bank<4764>(以下、NB)株価の影響を受け、計画を下回って着地したものの、一過性のものであり2022年12月期以降に影響はない。セグメント別営業損益では、日本金融事業は安定的な利益を計上し、韓国及びモンゴル金融事業と投資事業が増益に大きく貢献した。東南アジア金融事業では、Jトラスト銀行インドネシア(以下、BJI)で保守的に貸倒引当金を積んで損失幅が拡大したものの、事業の中身は着実に改善し、損益分岐点に確実に近づいている。以上のことから、グループの営業実態は着実に改善していると評価できる。なお、配当については、業績の回復を受けて1株当たり1.0円に復配した。
3. 2022年12月期の業績見通し
2022年12月期の業績予想については、営業収益71,324百万円(前期比68.5%増)、営業利益4,823百万円(同8.3%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,430百万円(同27.3%増)を見込んでいる。2021年12月期の営業利益は5,260百万円であったが、投資事業利益や一過性等の要因を除いた金融事業のベース利益(参考値)は12億円と試算されることから、ベース利益と比較した営業利益予想は前期比36億円増と大幅な増益予想となる。セグメント別営業損益では、日本金融事業は安定した利益創出が継続し、韓国及びモンゴル金融事業はJT親愛貯蓄銀行がグループに戻り利益基盤が一層強化される見込み、東南アジア金融事業は損失幅が縮小し、投資事業は回収を実現できれば利益として計上される。2022年12月期は、金融事業において安定的な収益・利益基盤の再構築を推進するが、営業黒字を継続し、成長フェーズに転換したことを踏まえて、期末配当予想を1株当たり10.0円に引き上げた。同社は、期初予想を保守的に発表する傾向があり、これまでの取り組みの成果が現れ始めていることを考慮すれば、業績及び配当の上方修正の可能性もあると弊社では見ている。
4. 成長戦略
同社グループでは、コロナ禍による世界的な経済環境の悪化に伴い、2020年12月期より抜本的な事業ポートフォリオの再編を進めてきた結果、2021年12月期は黒字化を実現し、成長フェーズに転換した。これを踏まえ、中期業績予想として、最終年度である2024年12月期に営業収益1,152億円(2021年12月期比2.7倍)、営業利益177億円(同3.4倍)、親会社の所有者に帰属する当期利益117億円(同10.4倍)を発表した。目標達成のために、日本金融事業と韓国及びモンゴル金融事業で利益拡大を目指すほか、東南アジア金融事業の黒字化等により、持続的な成長を目指している。これにM&Aによるプラス要因が加われば、さらなる増収増益も期待されることから、収益力拡大に向けた今後の戦略が注目される。
■Key Points
・日本金融事業、韓国及びモンゴル金融事業、東南アジア金融事業など、アジアの金融事業を中心に発展を目指す金融グループ
・2021年12月期の営業収益及び営業利益はおおむね計画どおりに着地。BJIの事業の中身が着実に改善し、東南アジア金融事業も確実に損益分岐点に近づく
・2022年12月期の営業収益は大幅な増収見込み。営業黒字及び成長フェーズへの転換を踏まえ、配当予想を10.0円に大幅増配
・日本金融事業と韓国及びモンゴル金融事業で利益拡大を目指すほか、東南アジア金融事業の黒字化等により、持続的な成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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1. 会社概要
Jトラスト<8508>は、東京証券取引所(以下、東証)2部に上場しており、傘下に国内外の金融事業を有するホールディングカンパニーである。藤澤信義(ふじさわのぶよし)社長の下、国内外で数々のM&Aにより成長を続けてきた結果、日本金融事業、韓国及びモンゴル金融事業、東南アジア金融事業を中心に資産規模を拡大してきた。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)による世界的な経済環境悪化に直面し、抜本的な事業ポートフォリオの再編に着手した。2020年8月以降、不動産事業ではキーノート(株)(現 (株)グローベルス)、日本金融事業ではJトラストカード(株)(現 Nexus Card(株))、韓国及びモンゴル金融事業ではJT親愛貯蓄銀行(株)及びJTキャピタル(株)を売却した。その後は利益拡大に向け、成長性が高いJT親愛貯蓄銀行及びNexus Cardの再グループ化やエイチ・エス証券(株)の子会社化を発表するなど、2022年以降に本格的な成長フェーズに入る計画である。
2. 2021年12月期の業績概要
2021年12月期の営業収益は42,325百万円(前期比7.5%増)、営業利益は5,260百万円(前期は2,403百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,123百万円(同5,342百万円の損失)となり、営業収益及び営業利益はおおむね計画どおりに着地した。一方、親会社の所有者に帰属する当期利益は、Nexus Bank<4764>(以下、NB)株価の影響を受け、計画を下回って着地したものの、一過性のものであり2022年12月期以降に影響はない。セグメント別営業損益では、日本金融事業は安定的な利益を計上し、韓国及びモンゴル金融事業と投資事業が増益に大きく貢献した。東南アジア金融事業では、Jトラスト銀行インドネシア(以下、BJI)で保守的に貸倒引当金を積んで損失幅が拡大したものの、事業の中身は着実に改善し、損益分岐点に確実に近づいている。以上のことから、グループの営業実態は着実に改善していると評価できる。なお、配当については、業績の回復を受けて1株当たり1.0円に復配した。
3. 2022年12月期の業績見通し
2022年12月期の業績予想については、営業収益71,324百万円(前期比68.5%増)、営業利益4,823百万円(同8.3%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,430百万円(同27.3%増)を見込んでいる。2021年12月期の営業利益は5,260百万円であったが、投資事業利益や一過性等の要因を除いた金融事業のベース利益(参考値)は12億円と試算されることから、ベース利益と比較した営業利益予想は前期比36億円増と大幅な増益予想となる。セグメント別営業損益では、日本金融事業は安定した利益創出が継続し、韓国及びモンゴル金融事業はJT親愛貯蓄銀行がグループに戻り利益基盤が一層強化される見込み、東南アジア金融事業は損失幅が縮小し、投資事業は回収を実現できれば利益として計上される。2022年12月期は、金融事業において安定的な収益・利益基盤の再構築を推進するが、営業黒字を継続し、成長フェーズに転換したことを踏まえて、期末配当予想を1株当たり10.0円に引き上げた。同社は、期初予想を保守的に発表する傾向があり、これまでの取り組みの成果が現れ始めていることを考慮すれば、業績及び配当の上方修正の可能性もあると弊社では見ている。
4. 成長戦略
同社グループでは、コロナ禍による世界的な経済環境の悪化に伴い、2020年12月期より抜本的な事業ポートフォリオの再編を進めてきた結果、2021年12月期は黒字化を実現し、成長フェーズに転換した。これを踏まえ、中期業績予想として、最終年度である2024年12月期に営業収益1,152億円(2021年12月期比2.7倍)、営業利益177億円(同3.4倍)、親会社の所有者に帰属する当期利益117億円(同10.4倍)を発表した。目標達成のために、日本金融事業と韓国及びモンゴル金融事業で利益拡大を目指すほか、東南アジア金融事業の黒字化等により、持続的な成長を目指している。これにM&Aによるプラス要因が加われば、さらなる増収増益も期待されることから、収益力拡大に向けた今後の戦略が注目される。
■Key Points
・日本金融事業、韓国及びモンゴル金融事業、東南アジア金融事業など、アジアの金融事業を中心に発展を目指す金融グループ
・2021年12月期の営業収益及び営業利益はおおむね計画どおりに着地。BJIの事業の中身が着実に改善し、東南アジア金融事業も確実に損益分岐点に近づく
・2022年12月期の営業収益は大幅な増収見込み。営業黒字及び成長フェーズへの転換を踏まえ、配当予想を10.0円に大幅増配
・日本金融事業と韓国及びモンゴル金融事業で利益拡大を目指すほか、東南アジア金融事業の黒字化等により、持続的な成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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